2023 Rd.7 BAHRAIN

WEC 2023 第7戦 バーレーン8時間レース

    バーレーン8時間でドライバーズタイトルへの最終決戦に挑む

    プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racing、バーレーン8時間でドライバーズタイトルへの最終決戦に挑む

     TOYOTA GAZOO Racing(TGR)はドライバーズチャンピオン獲得を目指し、2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)の最終戦となる第7戦バーレーン8時間レースに挑みます。

     チームは先月行われた前戦富士で、最終戦を待たずしてマニュファクチャラーズチャンピオンを決めています。そして、フェラーリ、ポルシェ、キャデラック、プジョー、ヴァンウォールといったハイパーカーでエキサイティングな戦いとなっている2023年シーズンをドライバーズチャンピオン獲得で締めくくるべく、今週末11月4日(土)に行われるバーレーンでの決勝レースに臨みます。

     GR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名は、1シーズン5勝のWEC新記録を目指すと共に、ここ4シーズンで3度目の世界チャンピオン獲得へ向け最終戦もプッシュを続けます。

     チームのホームコースである富士スピードウェイで7号車が勝利したことで、ドライバーズランキング首位を守るGR010 HYBRID 8号車のセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮と7号車の3人との差は、15ポイントまで縮まりました。しかし、8号車はこのバーレーンで、2位以上でフィニッシュすれば自力でチャンピオンを獲得できます。

     ドライバーズチャンピオン争いのトップ2はTGRの2台ですが、TGRの2台どちらかによる5年連続ドライバーズチャンピオンはまだ確定していません。フェラーリ50号車は首位と36ポイント差、51号車は31ポイント差につけており、バーレーンでは最大39ポイントが獲得できるため、この2台にも可能性が残されています。

     1周5.412kmのバーレーン・インターナショナル・サーキットは、これまでもTGRにとって非常に相性の良い舞台でした。2012年からの11戦中、8勝を上げており、今年は7連覇及び6レース連続の1-2フィニッシュを目指します。

    バーレーン・インターナショナル・サーキットのコース図

     15のコーナーを持つバーレーンは、特にタイヤに厳しいサーキットです。さらに、4日(土)の決勝レースは午後2時にスタートし、気温、路面温度が下がる日没後も走行を続けるため、大きく変化するコンディションへの対応が求められます。

     この異なるコンディションに対応するため、2日(木)の練習走行は昼間と夕刻暗くなってからの2回に渡って行われ、3日(金)の最終練習走行が予選へ向けた最後の準備となります。予選はちょうど日没にかかる現地時間午後5時5分にハイパーカークラスのセッションが開始されます。4日(土)の決勝レースは現地時間午後2時にスタートが切られます。

     バーレーン8時間の決勝が終わっても、2023年シーズンの活動は終わりではありません。翌5日(日)はWECのルーキーテストが行われ、TGRも参加します。TGRはLMP2クラスの新星、17歳のジョシュ・ピアソンにテストの機会を設けます。5日(日)のテストでは30周以上の走行が計画されており、彼が史上最年少のハイパーカードライバーとなります。また、このルーキーテストでは今季米国IMSA ウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDプロクラスでバッサー・サリバンのレクサスRC F GT3を駆り、シリーズチャンピオンを獲得したジャック・ホークスワースとベン・バーニコートもGR010 HYBRIDを初めてドライブします。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

     今季はエキサイティングなシーズンで、チームの誰もが新たなハイパーカーのライバルとの戦いを楽しんできました。ただ、まだ我々にはドライバーズタイトルという、達成していない大きな目標がひとつ残されています。7号車はややポイントで遅れを取っているので簡単ではありませんが、プッシュを続け、シーズン5勝目を目指します。最も重要なポイントは我々TGRの2台のうちどちらかがタイトルを勝ち取ることであり、そのために一丸となって最後まで戦います。バーレーンは我々TGRにとってこれまで好結果を残してきたサーキットで、その記録をさらに伸ばしたいと思っていますが、競争は激化しています。特に前戦富士ではフェラーリだけでなくポルシェも大きなライバルになって来ていると感じたので、接戦になるでしょう。我々の準備はできていますし、レースを楽しみにしています。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

     バーレーンは私にとってこれまでずっと良いサーキットで、レースも楽しいです。私のトヨタでのWEC初勝利は2014年のバーレーンでしたし、その後2回の世界チャンピオンを決めたのもここバーレーンでした。我々7号車はまだ今季のタイトル争いの可能性を残しているので、とにかく勝ちに行きます。ベストを尽くし、後は8号車がどうなるか見ていくだけです。今季は素晴らしいシーズンでしたし、チャンピオンシップの結果にかかわらず、シーズン全7戦中5勝という素晴らしい結果を達成したいと思います。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):

     暑いコンディションや夜の走行もあるバーレーンで、またレースができるのが楽しみです。我々のGR010 HYBRIDはこれまでもここバーレーンでいつも好調でしたし、チームも良い記録を重ねて来ているので、私自身は楽観視しています。しかし、簡単にいくものではないことはいつも通りで、ハイパーカーのライバル全車が、シーズンを少しでも好成績で終えようとしてくるので、戦いは熾烈になるでしょう。このレースも、適切な車両セットアップを見出し、全てのコンディションに合わせたタイヤマネージメントができるかが重要になるでしょう。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

     バーレーンはシーズンを締めくくるのに最適な舞台ですし、2度のタイトル決定という最高の思い出のある、私にとって特別な場所でもあります。ドライバーとしては、バーレーンは追い越しが可能な長いストレートと高速コーナー、そして、高低差もあり、全ての要素を持っている非常に良いコースで、いつも楽しんでいます。ナイトレースも特別ですし、バーレーンでタイトル獲得のために戦うのが待ちきれません。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

     我々にとって非常に重要なレースであり、チームにとってシーズンを締めくくるのにふさわしいレースにしたいと思っています。前戦の日本でマニュファクチャラーズタイトルを決められたことは素晴らしかったですし、これでバーレーンではドライバーズタイトル争いに集中することができます。チームメイトの7号車はシーズンを通してとても速く、今回も最大のライバルになることは間違いありません。他のハイパーカーのライバルも非常に競争力が高く、上位争いは熾烈なものになるでしょう。しかし、我々は何度もここバーレーンでタイトルを決めてきた良い思い出もありますし、この土曜夜もそれが再現できることを願っています。

    平川亮(8号車 ドライバー):

     1年前、セバスチャン、ブレンドンと私は、ここバーレーンで世界チャンピオンを決めたので、もちろん今年もその再現をさせたいです。我々はどれだけのポイントが必要なのかわかっていますが、これだけ接近した戦いの中では簡単なことではありません。練習走行からの車両セットアップ作業で、特に暑い昼間と涼しい夜という2つの異なるコンディションでの妥協点を見出さなくてはなりません。8時間と長いレースなのでクルマのバランス、またタイヤの摩耗も大きく変わるでしょう。クルマがどう変わるのかを理解し、最適解を見出すと共に、ドライバーとしても、ミスのない安定した走りが求められます。シーズン最終戦を1-2フィニッシュで締めくくるために誰もがハードワークを続けていることはわかっていますし、それに応えられるよう頑張ります。