全米でのNASCAR人気は、そのままスプリント・カップドライバーの人気につながっています。いつの時代もNASCARの主役はチームやマニュファクチャラーではなくドライバーなのです。それゆえ、スプリント・カップドライバーへの注目度はすさまじく、例えばドライバーグッズを中心としたNASCARのマーチャンダイズの売り上げは、年間で21億ドルに上ると言われています。全米のメジャースポーツで最もマーチャンダイズセールスが高いMLBは年間47億ドルと言われていますが、MLBは全米で30チームもあり、各チームに数十人の選手を抱えています。一方、NASCARのスプリント・カップドライバーはレギュラードライバーでわずか40数人、出場ドライバー全員でもおよそ60人と数が限られています。それでグッズ売り上げがMLBのおよそ半分もあるのですから、スプリント・カップドライバーへの人気と注目度の高さがわかろうというものです。
実際にレースの現場に行くと、毎レースともドライバーの顔とスポンサーロゴがド派手にペイントされた"スーベニア・トレーラー"と呼ばれる巨大なトランスポーター式のマーチャンダイズショップがスピードウェイの外にズラリと並び、そこに10万人以上もの観客が押し寄せて来るのです。応援しているドライバーのグッズに身を固めてレースを見るのはNASCAR観戦の王道ともいえます。ファンの購買意欲が、そのままドライバーの人気を計る物差しになっているといっても過言ではないのです。仮にスピードウェイに観戦に来ることができなくても、大手のスーパーマーケットに行けばNASCARグッズを購入することができたりもします。
|