念願の初優勝を達成したのは第4戦アトランタでした。ブッシュがスタートからレースを圧倒し、スチュワートと共に1-2フィニッシュでトヨタの初優勝に華を添えたのです。「トヨタにとって歴史的な1日となった」とジム・オーストTRD-USA CEO(当時)がコメントしたとおり、外国発祥の自動車メーカーとしては54年前のジャガー以来のNASCAR最高峰クラスの優勝という、まさに歴史的な勝利でした。そしてこの優勝を合図とばかりに、この後トヨタがシーズンを制圧していったのです。 中でもカイル・ブッシュの勢いはすさまじく、優勝に優勝を重ね、ランキングでもトップを独走。オーバルだけではなく、シリーズで2戦あるロードコースをいずれも制し、まさに手がつけられない状態に。「今シーズンは驚異的だよ。トヨタとチームクルーには感謝をしてもしきれないよ」(ワトキンスグレンのトヨタプレスリリースから抜粋)とブッシュ自身もこの快進撃に驚きを隠せないほどです。
チームメイトのデニー・ハムリンも負けじと第6戦マーティンスビルで今シーズン初優勝を挙げ、未だ未勝利ではありますが安定して上位フィニッシュを続けているスチュワートと共にランキング上位につけています。
また、JGR以外のトヨタ勢も、苦しい戦いが続いた昨年とは見違えるような走りを見せており、4台が予選シードとなるランキング35位以内につけるなど戦力は確実に向上しています。今シーズンの序盤、強豪ヘンドリックに昨年までの安定感が見られず、フォードのラウシュ勢が出遅れていたこともトヨタの快進撃をいっそう際立たせたと言えます。目下、シリーズ最速マシンとも言われているカムリと共に、今シーズンの話題の中心はトヨタ勢が独占。シリーズ終盤、このところ次第に戦闘力を高め、巻き返しに必死のライバル勢との戦いが大いに注目されます。 |