ヨコハマタイヤ、更に進化!そして吉報が届く! ~SUPER GT第3戦鈴鹿サーキット~
モタスポコラム その59 2023.06.16
思えば…、序盤は悪天候に見舞われイレギュラーなことばかりのレースウィークでしたね…。大きなクラッシュが発生し、命の心配をしました。松田次生選手の無事がご本人からも報告があり、本当に良かったと思います。心よりお見舞い申し上げます。
現在、リハビリとのこと。2か月後の富士でまたお目にかかれることをお祈りしています。
さて、思い起こすとレースウィークを控え天候悪化が予想されていたので、私は木曜日の移動を早めにし、夜は原稿でも書こうと思っておりました。が、仕事がたまりすぎでどうにか家を出たのが予定より3時間遅れで情けなかったな…。
鈴鹿への往路の新東名高速道路では、きっとチームのトランスポーターに遭うだろうと思って自走しておりましたら予想通り、6台ほどのトランポをオーバーテイクしました。彼らは左車線を一定のスピードで走行しておりますので、当方は法定速度で充分オーバーテイクできます。トランポドライバーから、「危ないので並走はしないで」とファンの方にも伝えて欲しいとよく言われるのですが、そのリクエストは私もちゃんと守って、心の中で鈴鹿でよろしく!ってな具合でテンション上げながら通り過ぎました。
国内での大きなレースが3週連続でしたので、業界のみなさまいつも元気で尊敬。その3つめのレースがGT鈴鹿で、ル・マン24時間も翌週に控えているというね。梅雨と共に駆け抜けるんだなと思っていたら、台風の影響を少なからず受けることとなりました。結構降っていろいろ大変なことになってしまったんです。では、振り返ります。
朝からじゃんじゃん降りましたが、チームのみなさんはいつも通り!テキパキ設営にとりかかっておりました。
しかし、ピット作業の練習などは大雨の為なしでご帰還。2か月のインターバルがあるのでいろいろ撮り溜めておきたかったんだけどね。
19号車のトランポ。「RPB競争車輸送中」の表示。よく高速道路で、「競走馬輸送中」のトランポに遭遇しますが、せっかくの監督のアイディアもスタッフには不評みたいです(笑)。ユニークなのになあ…。鈴鹿はパドックがタイトなので、キツキツに並べないといけないのでスタッフは測りながらトランポ入れるんですよ。
雨の写真ばかり…。私もみんなが帰るのを見て帰ろうかな~って。雨でずぶ濡れになっててね。子どもの頃、プールから上がって肌が塩素でつるつるでほわーんと睡魔が襲って来るやつ…、それでしたよ。睡魔が突然やってきて…。ホテルに戻り風邪を引かぬよう温かいお風呂につかって就寝しました。
予期せぬ事態が…。高速道路に新幹線、前日からとさらに夜半に停滞する台風の影響で大雨に見舞われた愛知県、三重県などには大きな被害が出てしまい、新幹線が運休したり高速道路通行止めなど交通の脚に影響が大きく出てしまいました。ピットに伺ってもレースクイーンの方々や監督、さすがにドライバーは金曜日にはブリーフィングなどもあるので欠席はおりませんでしたが、関東方面から関係者が来られないという異常事態が起こっておりました。
お客様も影響あったかな?少しスタンドもさみしく見えました。
公式予選は、サクセスウェイトを積むチームが大健闘し上位に躍進しました。これは驚きでした。
TGR陣営では、前回の覇者の36号車がポールポジション。記者会見も繰り上がりのポ―ルでなかったのでピットで写真を…。予選が終わってからリザルトが変わったので…。Honda100号車が3番手と好調。ますます強力なライバルになっていますね。
ポールポジションの24号車が車検で失格になるという事態が起こりまして、2番手以降が繰り上げとなりました。予選も決勝も全て暫定結果でまずは記者会見や表彰式など行われます。車検は終わってから…。これ昔からだからね。よって、2番グリッドを19号車が獲得し、フロントローをGRスープラ占めることとなりました。昨年、ここでもポールを獲得した19号車ですが決勝は確か5位と頑張ったのを記憶しています。予選番長ではなくなっているなあって思ったのが、この鈴鹿だったんですよね。
では今季はというと、マサ監督は周囲の期待度が高くハードルがどんどん上がっていると話してくださるのですが、私もそうですよね(笑)。“土曜日の男たち”から日曜日になって欲しいですからね。そして、2016年のタイラウンドでの優勝から久しぶりの優勝が日本で見たいと思うわけですよ。あの時は、お父様であるGTA坂東代表と2人でチェッカー後に男泣きしていましたねえ、書いていて思い出した。
今回、ヨコハマタイヤさん、めちゃくちゃウォームアップの速いタイヤを持ち込みましたよね。速いということは、ソフトということ。そうなると決勝はツライ展開なんだろうとか今まではそう思ってしまっていました。昨年は、ポールを獲得しつつもアタックラップまでのあたたまりに結構苦労していました。中々モニターのベストタイムの「赤」がつきませんでしたから。今思えばそれでもポール祭りだったんだよね。すごい。そして開発のスピードもすごい、
今回の予選は。まだ出走しないの?というくらいの余裕で、Q2をアタックする国本雄資選手がピットにいましてね。あれ?もうマシンに乗ったほうがいいんじゃないの?とおせっかいを焼くほどでした。マネージャーのせなちゃんもあれ?っていう顔をしていましたね。
同じくヨコハマタイヤを履く24号車のアタックドライバーの平手晃平選手もまだピットにいる姿がテレビで映っていましたね。そんなにヨコハマタイヤは瞬間湯沸かし器的なスピードでタイヤが温まるのかとおもったら、ほんと急速あたためでサクッとアタック。驚愕でした。
ピットでみんなアタックを見守り…。よし!あっ!の阪口晴南選手の声を聴きながら、あっちょっと足りなかったかも(タイム)?という感じで、19号車は3番手という結果。ポールポジションではないにせよ上場の出来で、翌日に期待がかかりました。レースは長いから焦らない、焦らない。それにチームの雰囲気がと~っても良いんですよ。だから心配なしでしたね。
予選は、39号車が予選5番手と健闘。これね、チームがとっても喜んでいるのがわかりました。着実にもろもろ進歩しているのが見て取れました。これ大事ですよね。中山雄一選手が健闘しましたね。
37号車がすっかり沼にハマっていたようです。38号車は、走路外走行でタイム抹消と何かこう落ち着かない予選日でした。
鈴鹿名物のうなぎも鳥もいただくことなく、予選後のドタバタを追いかけながらホテルへ帰還、予選日終了です。
晴れました!久しぶりにドライバートークショーと監督トークショーを見に行ってみました。そうすると、ドライバーアピアランスとかぶるので、そちらの写真はありません。
天気も良いし、TOYOTA GAZOO Racingブースの人だかりはすごかったなと…。今回のドライバートークショーは、39号車のお二人でしたね。ファンの方からの質問にも答えていました。レーサーになるには?などの質問は必ず受けると思うのですが、女の子からの質問だったのでちょっと驚き。過去に女性ドライバーもおりましたし、最近はレーサー女子ブーム。ほら、坪井翔選手の奥様もレーシングドライバーですしね。時代だなあと思いましたね。
TGRチームの監督トークショーは、お話しの達者な方が多いのはおわかりだと思いますが、その場にいない38号車と他メーカー、そう日産の23号車のファンもこのトークショーにやって来るのですが、そこをいじるいじる。それがお約束なのね、ずっと。
もうね、なかなかの毒舌トークショーでした。それも魅力なのかな?どうなの?(笑)。ほんといつも思いますが、しゃべりもプロ。ぜひ現地でお楽しみください!
パドック側に戻るとピットウォークの時間。外に出っ放しでメディアセンターの席に座る暇なし。たくさんの方が訪れていて、ピットロードを歩くのが大変でね。でもうれしかったなあ。
そんな中、39号車のピットでかたまりました(39の話題多いななんか…)。ガタイの良い男性ふたりがノベルティを配布していたんです。あれれ?この姿は、ラガーマンだなと。私、高校時代からラグビーを見るのが好きでね。出身高校も花園にちょっと行ったり、6大学ラグビーも応援に行ったりと結構自分の歴史にラグビーがあるんです。ルーキーレーシングにもスタッフに元ラガーマンがふたりいらして、よくお話しさせていただいたりするんですよね。だからうれしかった。脇阪監督が「ねえさんのそんなうれしそうな顔見たことあらへん」って言って、ちょっとこっちにとみなさんと一緒に写真を撮ってくれました。職権乱用です、すみません!写真を撮ってくれたカメラマンさんも元ラガーマンでした(笑)。マッチョ好きという訳ではないですからね!ラグビーが好きなのよ。なんとなくことわりを入れておきます(笑)。体格変わらないな、ははは。
ピットウォークで、鈴鹿のホームストレートにももちろん出てみました。感慨深いですよね。F1日本GPでここを世界の選ばれたF1パイロットが走るのかと思うとね。モータースポーツの聖地は、やはり取材で来られるだけでうれしくなります。
その後、サポートレースを挟んでもうスタート進行の時間。ここから決勝スタートまであっという間。そしてこのラウンドが終わってしまうという一抹のさみしさに直面します…(早すぎ)。その繰り返しでね、スタートと同時に私はさみしくなるんですよ。
スタートしてからは、今回も大きな事故もなく…と頭に描いていたら起きてしまいました。鈴鹿の130Rは事故が多いですね。業界に入ってからも何度もアクシデントが起こり危険な場所という認識。23号車松田次生選手の無事がすぐにアナウンスされて良かった。その一報が入るまでは動けません。それに衝撃的なシーンは怖さしかなく…。メディアセンターでは、状況の確認の為みんなSNSをチェック。クラッシュにからんだ他の2台いて3ワイドだったことがわかると、これも衝撃でしたがドライバーお二人も元気で良かったです。
観戦に来てくださったお客様には、最終的に赤旗でレースが終了してしまったことはとても残念でした。チェッカーを受ける感動的なシーンをお見せしたかったです。
レースが成立してからは、19号車のピットに向かいましたが、ドライバー2人はメカさんたちと結果はどうあれ「やりきりました!」と感謝の握手をしてまわっていました。この時は暫定で2位だったんですよね。この結果は、彼らは受け入れ難いムードではありました。わかります。しかしその後の表彰式には元気に登場してくれて良かったと何か安心したんです。関口雄飛選手がすぐに古巣のチームに駆けつけていましたね…。
全てが終わってから最初の暫定結果(暫定が変わってしまったので最初…)に対して、10チームから抗議がありました。これは公式通知が発行されています。暫定結果から再び暫定結果が発行されましたが順位が変わってしまいました。抗議は順位に対してではなく、ルールの明確化を要求しての抗議でした。昨年も同様の給油未消化という事案が発生し、その時との比較でチーム側が結果に矛盾を感じたことでの抗議。最初に暫定優勝となった3号車に否はないという見解でしたね。
優勝チームが変わってしまったことで、そこへまた最初の暫定結果の優勝チーム3号車が抗議。これもわかります。そして、審査委員会がそれを却下したことで、JAFへの控訴となる意向が伝えられ一旦全てがストップしました。GT300クラスは正式結果はいつも通り出ています。
GT500クラスは暫定結果のまま時が過ぎていきました。その後、JAFへの控訴が取り下げられ暫定結果が、6月12日に正式結果となった訳です。今後のルールの明確化を約束し最終的に控訴をしない意向を示した3号車のチームには敬意を表したいです。ニスモさんのレースレポートの最後に、3号車の監督のコメントに経緯が記載されていましたので、そちらを参考にしてください。
時間はかかりましたが、正式な結果が出て晴れて第4戦が終了。19号車の優勝となりました。サーキットでとことん派手に祝ってあげたかったね。こればかりは仕方ないですが。そして、監督が男泣きするのを見たかった。ほんとうにおめでとうございました!心よりお祝い申し上げます!
というわけで、ランキングは、36号車がトップとなりました、2カ月のインターバルを経て8月からシーズン中盤に突入となります!しばらく間が空きますが、楽しみにしていていくださいませ。富士で会いましょう!
大谷幸子の近況
SUPER GTの正式が出ないまま、100周年記念大会のル・マン24時間に突入しました。これも楽しみにしていましたが、レース前にBOPの発表があり、TGRのGR010は37キロのウェイトを課せられるということからスタート。事前に、性能調整はあってもル・マン24時間後と伝えられていたそうです。現地入りしてからでは、チームは何もできませんよね。このニュースについて何度も取り扱われ、事態がよくわかっていくと、ますます元気がなくなりましたよ。小林可夢偉代表の憤りを抑えているような表情をインターネットで見ると悲しくなったってね…。あんな表情見たことない…。現場は混乱していたことでしょう。
それでもあきらめずに応援!と思っても、何かこう釈然としない。私は被害妄想にも襲われ(笑)、すべてがいじわるされているようにしか見えなくなっていました(笑)。スタートから夜中まで見て、早起きして見て…。寝落ちして目覚めたら、ちょうど7号車のあのシーンに。もうね、絶句でしたね。ピットに戻ってくると信じていましたが、まさかここでリタイアかと…。
7号車のクルーの木村祥吾メカが、現地入りしてから写真や動画を手のあいている時に撮り溜めたものをまとめて送ってくれたりで思わぬプレゼントに楽しいル・マン24時間になっていました。かなりもったいないので、Instagramに載せました、貴重すぎて。中嶋一貴さんにシャルルドゴール空港から現地、現地から帰国までと約10日間密着取材をさせていただいた時のことを思い出しましたね。場所が変わらないので振り返るみたいでちょっとうれしい。当時、TMG、今のTGR-Eのトランポの中でたくましく仕事していました(笑)。貴重な経験だったなあ。毎日ケータリングが豪華すぎましたが、レースが始まった24時間はたくましく一人で動いていました。ホテルに戻るのがもったいなくて、残ります!と言って、過ごしたのを思い出しましたよ。夜中とかも楽しくてね、フランス語しか話さない現地の人たちとたくさんからんだなあ(笑)。度胸があったわ。トヨタのブルゾンがブルーの頃で、フランス国旗のトリコロールカラーだったのが幸いしたのかもね。
そして、わたしのいとこはレース関係者で現場でも顔を合わせることも多々あるのですが、今回現地に赴いていることをSNSで知り(笑)、レース以外の写真をねだって送ってもらいました。2人とも私が撮りそうな写真を送ってくれて、うれしいです。なかなか行くことの出来ないサーキットは、立派な写真よりも臨場感が大事よね。感覚大事です、ありがとう!
ル・マン24時間は、ドラマだらけですね。8号車が2位表彰台獲得!最後のスティントを平川亮選手が走ったのもうれしかったな。悔しいけどおめでとうございます。一緒にここまで悔しいと思える気持ちも自分で驚き。チームのみなさんはもっとだと思いますし、レース始まる前から試練が始まっていて、チームもこれまで以上に団結して戦ったそうですから、来年強い姿をまた見せていただきたい!まだシーズンも続きます。富士6時間レースで雄姿を拝むのを楽しみにしています!お疲れさまでした。