2016年レポート

16歳宮田莉朋がFIA-F4最年少記録の初勝利!
宮田は2連勝でランキングも首位浮上

2016.08.08(月)- 12:40配信

コース:富士スピードウェイ(4.563km)
第5,9戦予選:8月6日(土)晴:ドライ
第5戦決勝:8月6日(土)晴:ドライ
第9戦決勝:8月7日(日)晴:ドライ
第10戦決勝:8月7日(日)晴:ドライ

8月6日(土)7日(日)の2日間、静岡県の富士スピードウェイでFIA-F4選手権の第5大会(第5戦、第9戦、第10戦)が開催された。今大会には、震災の影響で中止となった第3大会オートポリスで行われる予定だった第5戦が代替レースとして加えられ、1大会3レース戦として行われた。

今季のFIA-F4では、17歳のNo.36 小高一斗と16歳のNo.37 宮田莉朋の2名をフォーミュラ・トヨタ・レーシング・スクール(FTRS)のスカラシップとしてトヨタが支援。シリーズにフル参戦している。
 小高は今季第2大会富士の第3,第4戦で連続勝利。前大会SUGOではトップチェッカーを受けた第7戦で車両規定違反による失格を取られるも、第8戦はポール・トゥ・ウィンで今季3勝目を挙げ、ランキング首位につけている。
 宮田は不運なトラブルによるリタイアなどがあったものの、第4戦と第8戦では小高に続く2位表彰台を獲得しており、初勝利に期待がかかった。

予選

4日(木)、5日(金)と専有走行を重ね、6日(土)朝8時10分より30分間の予選開始。真夏の空の下、早朝から熱いタイムアタックが繰り広げられた。
 まずは4周目に宮田がトップに立つが、これを6周目に小高が大きく塗り替えトップへ。小高はその後トップをキープ。宮田は3台による僅差の2番手争いを繰り広げた。しかし、既に小高がアタックを終えていた残り2分半で、宮田がスリップストリームを上手く使い、小高のタイムを0.2秒も上回るトップタイムをマーク。第5戦で、自身2度目のポールポジションを獲得した。小高が2番手。セカンドベストタイムで決定される第9戦のグリッドは、逆に小高が3度目となるポールポジション、宮田が2番手と、トヨタ支援ドライバーが順位を入れ替えながらも2戦連続での最前列グリッドを独占する形となった。

第5戦決勝

6日(土)かなりの暑さとなった午後1時20分に第5戦決勝のフォーメーションラップが開始され、15周のスタートが切られた。2番手グリッドの小高が好スタートを決め先行し首位をキープ。ポールポジションの宮田はやや出遅れたが、TGRコーナー(1コーナー)での2位争いを制し、小高に続いた。
 宮田は2周目終了で1秒ほどあった首位小高との差をじりじりと詰めていき、8周目のストレートでスリップストリームに入ると、TGRコーナー進入で並びかけ、2台はサイド・バイ・サイドのまま続くコーナーへ。一旦は宮田が前に出たが、小高も意地を見せ、ダンロップコーナーで再逆転。若い2人による激しい首位争いが展開された。
 2台のバトルはなおも続き、10周目のコカコーラコーナーで宮田が首位を奪取。しかし小高も離されず、2台のバトルは続行。残り2周となったコカコーラコーナーでは、再逆転を狙いインをついた小高が前を行く宮田に軽く接触。宮田はコースをはみ出かけたが首位をキープし、逃げ切ってトップチェッカー。
 17歳の誕生日まであと4日という宮田が、16歳11か月での、シリーズ最年少優勝記録を更新する初勝利を飾った。小高は接触でフロントウィングに軽いダメージを負うも走り切り2位でチェッカーを受け、トヨタ支援の若手ドライバーが1-2フィニッシュを飾った。
 宮田はこの勝利でランキング2位へと浮上した。

第9戦決勝

7日(日)も好天に恵まれ、強い日差しの下で、午前10時に第9戦のフォーメーションラップが開始され、スタートが切られた。
 ポールポジションの小高は好スタートで首位をキープしたが、イン側2番手の宮田はまたもスタートに失敗。ライバル2台の先行を許し、4位へとポジションを落としてしまった。
 首位に立った小高だったが、2周目、3周目と連続でかわされ3位へとポジションダウン。しかし、上位2台に離されることなく、首位から4位の宮田まで、4台が1秒以内の団子状態で周回が重ねられていった。
 6周目のTGRコーナー進入で、首位を争う2台がサイド・バイ・サイドとなったその隙を突こうと、小高がアウトから一気にインへとラインを変えて進入したが、ラインが交錯し前車に接触。小高と接触した車両はスピンを喫し、この混乱の隙を突いた宮田が首位に立った。
 小高は宮田に続く2位へポジションを上げたが、その後、この接触が危険行為と判断され、ドライブスルーペナルティを受け、大きく順位を落とすこととなってしまった。
 首位に立った宮田は、後続からの猛追を受けることとなり、残り4周ほどでテール・トゥ・ノーズでのバトルに。毎周のようにTGRコーナー進入で並ばれかけるも抑えきり、逃げ切って2連勝を挙げた。ランキング首位につけていた小高が26位ノーポイントに終わったため、宮田はランキングでも1ポイント差ながら首位に浮上した。

第10戦決勝

 第10戦決勝(15周)は、直前のSUPER GT決勝でセーフティカーが導入された影響などもあり、予定よりも15分遅れ、かなり日も傾き暑さも和らいだ午後5時45分にフォーメーションラップが開始。スターティンググリッドは第5戦のベストラップで決定され、宮田が5番手、小高が7番手からスタートを切った。
 2台共にまずまずのスタートでTGRコーナーへ進入していったが、前を走行していた2台が接触し、うち1台がスピン。小高と宮田は間一髪でこれを避けるもコースアウト。このスピン車両に後続が接触し、1周目からセーフティカーが導入されることとなった。
 小高が4位、宮田10位で6周目に再スタートが切られると、小高、宮田共に猛烈な追い上げを開始。共に周回を重ねる毎に前車をパスしていき、11周目に小高は首位に浮上。
 宮田も12周目に6位へ。レースはセーフティカー導入のために、規定の15周ではなく、30分を過ぎた時点で終了となり、14周終了でチェッカーが振られた。
 小高はトップでチェッカーを受けたが、1周目のセーフティカー導入のタイミングで追い越しをしていたとしてペナルティ。走行していた300R付近は正面からの西日でフラッグが見にくかったこともあり、小高を含む10台もの車両がペナルティ対象となった。小高は50秒のタイム加算がなされ16位フィニッシュ。
 最後まで前車を攻め、0.023秒差でかわし5位チェッカーを受けた宮田は、小高のペナルティ降格により4位という結果に。このレースでも小高がノーポイントに終わったため、ランキング2位の小高との差を13ポイントまで広げることとなった。

 次戦第6大会(第11,12戦)は8月27日(土)と29日(日)に鈴鹿サーキットで行われる。

スタートシーン
レースをリードするNo.36 宮田莉朋
トヨタ支援ドライバーのNo.36 宮田莉朋No.37と小高一斗が1−2フィニッシュ