"チェイス"前のレギュラーシーズン最終戦となったスプリント・カップ・シリーズはリッチモンドのショートオーバルで行われ、"トヨタ カムリ"勢がレースの大半を支配。地元デニー・ハムリンがポール・トゥ・ウィンで今季3勝目を挙げた。エクスフィニティ・シリーズではカイル・ブッシュが独走で今季8勝目と、トヨタが週末のリッチモンドを制覇した。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第26戦 Federated Auto Parts 400
デニー・ハムリンが地元でポール・トゥ・ウィン
トヨタ勢は5人が"チェイス"へ
地元でポール・トゥ・ウィンを果たしたデニー・ハムリン
9月10日(土)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第26戦「Federated Auto Parts 400」が開催された。
年に2戦シリーズ戦が行われるリッチモンドをトヨタは比較的得意としており、これまでに9勝。うちカイル・ブッシュが現役最多となる4勝、地元バージニア州出身のデニー・ハムリンが2勝を挙げている。また、昨年の秋大会はマット・ケンゼス、今年春の大会ではカール・エドワーズが勝利を飾っている。
年間36戦という長いシーズンのスプリント・カップ・シリーズは、終盤の10戦、上位ドライバーがポイントをリセットしてタイトルを争う"チェイス・フォー・ザ・NASCARスプリント・カップ"と呼ばれるプレーオフ戦に入る。今大会はこの"チェイス"前のレギュラーシーズン最終戦。
トヨタ勢は、既に過去最多タイとなる5人が"チェイス"入りを決め、今季合計12勝と強さを見せているが、後半戦に入ってライバルの巻き返しも激しく、"チェイス"を前に勢いに乗るためにも重要な一戦となった。
10日(土)午後7時47分に1周0.75マイルショートオーバルを400周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。今季初のポールポジションを獲得したハムリンが序盤をリードした。
52周目、前戦ダーリントンで今季2勝目を挙げ勢いに乗るマーティン・トゥルーエクス・Jr.がハムリンをかわし首位に浮上。ケンゼス、ハムリン、カイル・ブッシュと続き、"トヨタ カムリ"勢が上位を占めての前半戦となった。
中盤もトゥルーエクス・Jr.が支配。しかし、トゥルーエクス・Jr.は264周目のピット時に痛恨のピットロードスピード違反を取られ、首位と同一周回最後尾へと後退を余儀なくされてしまった。
この日はイエローコーションが多発する波乱のレースとなり、ピット戦略も大きく分かれた。一旦はポジションを落としたトゥルーエクス・Jr.だったが、徐々に順位を上げていくと、291周目に出されたイエローコーション時、多くの上位勢がピットインする中コース上に残り上位に復帰。304周目には首位に返り咲いた。
終盤はハムリンとトゥルーエクス・Jr.の首位争いに。レースは残り2周でコース記録となる16回目のイエローコーションが出され、延長、最後の2周で競われる"オーバータイム"に。ここでハムリンとトゥルーエクス・Jr.はコース上に残り、逆転を目指すカイル・ブッシュらはピットへ。
ハムリンとトゥルーエクス・Jr.が最前列に並んでの"オーバータイム"再スタートはハムリンが決め、そのままトップチェッカー。地元のコースで、今季3勝目を挙げた。トヨタは今季レギュラーシーズンの半分に当たる13勝目を挙げた。
トゥルーエクス・Jr.は最後1台にかわされたものの最多の197周で首位を走り3位フィニッシ。逆転を狙って11番手から再スタートを切ったカイル・ブッシュは9位でチェッカーを受けた。
いよいよ"チェイス"が始まる次戦第27戦は9月18日(日)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「素晴らしいレースだった。クルーチーフとチームが最高の"トヨタ カムリ"を用意してくれた。後半、調整が効を奏して良い再スタートを切ることが出来、勝つことが出来た。最後はピットインするものだと思っていたが、せずに正解だった。地元で勝つというのは特別だ。この調子でチェイスも戦って行きたい」
チェイス・フォー・ザ・NASCARスプリント・カップ
"チェイス"と略して称されることが多い。NASCARスプリント・カップ・シリーズの全36戦のうち、終盤の10戦でタイトルを競うプレーオフシステム。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバー(全レース出場、ランキング30位以内が条件)と、未勝利でランキング上位の計16名が"チェイス"に進出する。"チェイス"進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの3ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位4名が脱落しポイントをリセットされる。 最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。今季もカイル・ブッシュ、ハムリン、エドワーズ、ケンゼス、トゥルーエクス・Jr.の5名が"チェイス"進出を果たした。 次戦は"チャレンジャー・ラウンド"の初戦。まず16名が2000点にリセット。これに勝利数×3ポイントのボーナスが加えられる。このラウンドの3戦で勝利するか、3戦終了時に上位12名にいれば次ラウンドに進む。
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 407 |
2 | 2 | 42 | カイル・ラーソン | シボレー | 407 |
3 | 6 | 78 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 407 |
9 | 9 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 407 |
25 | 39 | 83 | ディラン・ラプトン | トヨタ カムリ | 406 |
32 | 13 | 19 | カール・エドワーズ | トヨタ カムリ | 366 |
34 | 21 | 23 | デイビッド・レーガン | トヨタ カムリ | 362 |
37 | 25 | 93 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 352 |
38 | 3 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 335 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 2012 |
2 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 2012 |
3 | デニー・ハムリン | トヨタ | 2009 |
5 | カール・エドワーズ | トヨタ | 2006 |
6 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 2006 |
7 | マット・ケンゼス | トヨタ | 2006 |
31 | デイビッド・レーガン | トヨタ | 354 |
35 | マット・ディベネデット | トヨタ | 262 |
45 | マイケル・ウォルトリップ | トヨタ | 42 |
50 | ロバート・リチャードソン | トヨタ | 3 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 1072 |
2 | シボレー | 1045 |
3 | フォード | 994 |
NASCAR XFINITY SERIES
第25戦 Virginia529 College Savings 250
カイル・ブッシュがレースを支配し今季8勝目
"トヨタ カムリ"1-2フィニッシュ
独走で今季8勝目を挙げたカイル・ブッシュ
9月9日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第25戦「Virginia529 College Savings 250」がリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで開催された。
年2戦行われているリッチモンドではトヨタは過去7勝。うち3勝をカイル・ブッシュが挙げている。
9日(金)午後7時45分に1周0.75マイルショートオーバルを250周(187.5マイル:約300km)して競われる決勝レースがスタート。
予選で7番手と出遅れたカイル・ブッシュはじりじりと順位を上げていき、25周目過ぎにはトップ5入り。49周目にスピン車両によるこの日最初のコーションが出されると全車ピットへ向かい、ここで素晴らしいピット作業に助けられたカイル・ブッシュが首位に立った。
カイル・ブッシュはピットでのセッティング変更も奏効し、その後は独走態勢に。チームメイトのエリック・ジョーンズが2位へと浮上、ダニエル・サレスもトップ5へと上がってきた。
この日はイエローコーションの少ないままレースが推移。独走のカイル・ブッシュは後続を大きく引き離し、ショートオーバルという事もあり、次々に周回遅れを増やしていった。
この日2度目のコーションが出された164周目の時点で、カイル・ブッシュは2位のエリック・ジョーンズに7秒以上の大差をつけ、首位と同一周回車両は僅か8台となっていた。
コーションからの再スタートは3ワイド、4ワイドの混乱があったものの、得意の再スタートでこれを制したカイル・ブッシュは再び独走。2位のエリック・ジョーンズに6.5秒もの大差でトップチェッカー。全250周のうち197周で首位を独走する速さで圧勝。今季14戦目のシリーズ参戦で8勝目を挙げた。また、カイル・ブッシュは自身の持つシリーズの最多記録を84へと伸ばすこととなった。
エリック・ジョーンズは2位で続き"トヨタ カムリ"が1-2フィニッシュを果たした。
次戦第26戦は9月17日(土)、シカゴランド・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「ここまでの圧勝は予想していなかった。チームの信じられないほど素晴らしいピットストップのおかげだ。練習走行からあまり上手く行かず、予選でも7番手止まりと、あまり決勝に期待は持てなかった。決勝スタートでもオーバーステア症状が酷く、何とか4位に上がるのが精一杯だった。しかし、クルーが素晴らしいピットストップで首位に上げてくれると共に、クルーチーフのセッティング変更も効を奏した。後はただ走り続けるだけだった」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 250 |
2 | 4 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 250 |
3 | 6 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 250 |
8 | 10 | 19 | ダニエル・サレス | トヨタ カムリ | 250 |
16 | 9 | 28 | ダコダ・アームストロング | トヨタ カムリ | 247 |
20 | 23 | 44 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 246 |
28 | 21 | 14 | ハーミー・サドラー | トヨタ カムリ | 244 |
40 | 24 | 10 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 4 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | エリオット・サドラー | シボレー | 852 |
2 | ダニエル・サレス | トヨタ | 794 |
3 | ジャスティン・アルゲイヤー | シボレー | 786 |
6 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 753 |
13 | ダコダ・アームストロング | トヨタ | 547 |
16 | J.J.イェリー | トヨタ | 498 |
29 | ジェフ・グリーン | トヨタ | 153 |
33 | コリー・ラジョイ | トヨタ | 109 |
34 | ドリュー・ヘリング | トヨタ | 91 |
44 | ベニー・ゴードン | トヨタ | 51 |
45 | オーウェン・ケリー | トヨタ | 50 |
56 | ブランドン・マクレイノルズ | トヨタ | 27 |
60 | トミー・ドリッシ | トヨタ | 20 |
61 | ハーミー・サドラー | トヨタ | 20 |
72 | マーク・トンプソン | トヨタ | 11 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 1028 |
2 | シボレー | 1017 |
3 | フォード | 910 |
4 | ダッジ | 264 |