2022 Rd.6BAHRAIN

WEC 2022 第6戦 バーレーン8時間

    ダブルチャンピオン獲得を目指し最終戦バーレーンへ

    プレビュー

    ダブルチャンピオン獲得を目指し最終戦バーレーンへ

     TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は11月10日(木)から12日(土)にかけて、中東バーレーンで行われる2022年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)の今季最終戦、バーレーン8時間レースで、チャンピオン争いをかけた大一番に臨みます。

     WECのハイパーカーカテゴリーは、今季ここまで5戦にわたる激戦を続けてきましたが、マニュファクチャラーとドライバーのチャンピオン争いは、共に最終戦へと持ち込まれました。

     ドライバーズタイトル争いはこれまでにないほどの接近戦となっており、今季のル・マン24時間を制したセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車がアルピーヌ36号車と同点首位でシーズン最終戦に臨みます。この2台のうち、上位でフィニッシュした方がチャンピオンとなります。

     ディフェンディングチャンピオンである7号車の小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスも、この最終戦での逆転で、彼らにとって3年連続となるチャンピオン獲得の可能性を残しています。上位2チームとの差は26ポイント。このバーレーン8時間ではポールポジションと合わせて勝利すれば39ポイントが獲得できるため、ランキングトップの2台が共にフィニッシュできなかった場合に逆転チャンピオンとなり得ます。

     マニュファクチャラーズタイトル争いでは、ここまで5戦を終えてTGRが26ポイント差でリードしており、少なくとも2台のGR010 HYBRIDのうち1台が完走してチェッカーフラッグを受ければチャンピオンが決定しますが、チームはもちろんそれ以上の結果を目指しています。前戦富士6時間では1-2フィニッシュという好結果を飾ったTGRにとって、これまで10度戦って7勝を挙げてきたここバーレーンでの6連勝が目標です。

    バーレーン・インターナショナル・サーキット

     今大会のバーレーン8時間はTOYOTA GAZOO Racingにとって2012年に現行WECシリーズに参戦を始めて10年目のシーズンを締めくくるレースであり、通算76戦目となります。土曜日の決勝レースで勝利を挙げれば、それはチームにとっての39勝目となり、同時に5度目となるマニュファクチャラーとドライバーのダブルチャンピオンを決めることになります。

     バーレーンでの走行は、10日(木)の2度の90分間にわたる練習走行セッションで始まります。ランチタイムの最初の走行に続く2回目のセッションは日没後に行われ、チームにとっては、昼間から夜にかけて戦われる8時間レースの準備のための貴重な走行機会となります。翌11日(金)の午前中に行われる1時間の練習走行の後、夕方から10分間の予選が行われ、8時間で戦われる決勝レースは12日(土)の現地時間午後2時(日本時間午後8時)にスタートが切られます。

    バーレーン・インターナショナル・サーキットのコース図
    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

     バーレーンは素晴らしい設備環境のある最高のサーキットなので、チームの全員が楽しみにしています。我々の今季の目標のうち、ル・マン24時間と富士6時間の制覇は果たしました。しかし、まだマニュファクチャラー、ドライバーの両タイトル獲得という大きな目標が残っており、バーレーンでは是非この2つを勝ち取りたいと思います。今季はシーズンを通して僅差の激戦が繰り広げられ、決して楽な道のりではありませんでした。しかし、我々は富士で、チームメンバーやトヨタの仲間、パートナーの皆様の応援を受けて、1-2フィニッシュという完璧な週末を成し遂げることができました。バーレーンでもそれを再現することが目標です。激戦が繰り広げられた今季のハイパーカーシーズンを締めくくる最終戦ということで、ファンの皆様にとっても興味深い1戦になると思いますし、さらに大きなチャレンジになるであろう、2023年シーズンへの期待も高めてくれるでしょう。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

     バーレーンでのレースは楽しいですし、何年にもわたって、何度も良い思い出があります。実際、私にとってのWEC初勝利は2014年のバーレーンですし、もちろん過去2シーズン、可夢偉、ホセと共にチャンピオンを決めた場所でもあります。現実的に考えて、我々7号車の今季のドライバーズチャンピオン獲得は厳しいですが、好結果でシーズンを締めくくることに集中します。今季は何度も悔しいレースがありましたが、最後は勝って、最高の気分で冬のオフシーズンを迎えたいと思います。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):

     バーレーンはレースをするのに最高の場所です。いつも好天で、サーキットも好きなので、シーズン締めくくりのレースとして楽しみにしています。我々7号車は、ここ数年と比較すると今までとは異なる状況で、タイトル争いからは事実上脱落していると言えるでしょう。しかし、それは我々が純粋に優勝だけを求めて戦えるということでもあります。我々7号車はシーズンを通して非常に高い競争力を示してきましたが、なかなか結果に結びつきませんでした。最終戦では勝利を狙えると思います。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

     我々のバーレーンでの目標は明確であり、ドライバーとマニュファクチャラーの両タイトル獲得です。これは、我々8号車がアルピーヌの前でフィニッシュしなければならないということを意味しており、落ち着いて、リスクやミスのないレース運びをすることが最も重要です。今季のハイパーカーの争いは非常に接近しており、一筋縄ではいかないでしょう。しかし、我々にはこれまでタイトルを獲得してきた経験があり、GR010 HYBRIDのバーレーンでの競争力にも自信があります。何が起こるかわかりませんが、エキサイティングなレースウィークになるでしょう。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

     タイトルを争う2台が同点で、最終戦で決着をつけるという状況は、ファンの皆様にとってはとても素晴らしいことです。我々としては、絶対にミスは許されないので、レースウィーク最初から全てを着実に進めていき、クルマの全パフォーマンスを引き出さなくてはなりません。GR010 HYBRIDは昨年走った印象からも、バーレーンには向いていると思いますが、今年の戦いを保証してくれるわけではありませんし、8時間という長丁場のレースではどんなことでも起こりえます。タイトル争いはいつも緊張しますが、楽しみでもあります。

    平川 亮(8号車 ドライバー):

     私自身はバーレーンでレースを戦ったことはありませんが、昨年のWECシーズン終了後に行われたテストの時に、GR010 HYBRIDでこのコースを走りました。その時に初めてGR010 HYBRIDとの一体感を得て、自分のパフォーマンスを示すこともできたので、私にとって重要な経験でした。楽観的に気持ちを楽にして、レースウィークを向かえます。今シーズンはずっと接戦でしたし、バーレーンも間違いなく同じようになると思いますが、我々のチームには強さがあります。残り1戦、世界チャンピオンをかけた大一番で頑張りたいと思います。

    GR010 HYBRID 8号車の平川 亮