―久々のTLC復帰についての意気込みを聞かせてください。
チームに戻ることができ、すごくうれしいです。このクルマでは2年間走っていなかったため、ファラオラリーの前は少し心配になりましたが、ショックのトラブルで遅れてしまいましたが、リズムという意味では三橋選手のクルマにもついて行けるし、問題はありませんでした。仕上がりには満足しています。
―シェイクダウンでの手応えはどうでしたか?
クルマの質や仕上がりについては、チームを信頼していますし、問題はありませんでした。シェイクダウンとはいっても、本番の場所とはまったく違いますが、チームやスタッフについてはまったく心配していません。
―三浦ナビゲーターとも久々のコンビとなりますね。
最初は新人のナビゲーターと組む予定でした。僕らもそのつもりでテストを行なってきたのですが、もちろん初めてということで心配な面もありました。しかしチームの目標をあらためて見つめなおすにあたり、三浦ナビゲーターと組むことになって、正直うれしかった。ブランクがあったものの、僕らは過去に勝ってもいますし、コンビネーションについてはまったく問題ないと思っています。以前はリタイアも体験していますが、トラブルを切り抜けたという経験も持っていますし、そういった際の三浦ナビのリアクションだったりとか、どういう人間かもお互いに分かっているのは強みですね。
―チーム全体の雰囲気についてはどうでしょう?
チームの雰囲気はとてもいいですね。他チームと比べても高い水準だと思います。アラン(・ゲネック)などはワークスチームも渡り歩いていますが、それでもこのチームは恵まれていると言います。ドライバーとしてもナビゲーターとしても、それぞれケアしてくれますしね。以前はタイトルディフェンダーでしたが、いまは次のダカールに向けて、チーム全員がチャレンジするという気持ちで挑んでいるのを感じました。自分もそのつもりでやっていこうと思っています。
―日々のトレーニングについて気をつけていることはありますか?
普段は他に仕事もしていますので、毎日トレーニングというわけにはいきませんが、もちろん気を遣ってそういうことはやっています。チームのプログラムにも訓練がありますし、モロッコやファラオラリーに参戦したり、その他にも自分のクルマでポルトガルの小さなレースに参戦してみたり、機会があればなるべく多く場数を踏むようにしています。
―実際のルートでポイントになりそうなのはどのあたりでしょうか?
最初の3日間は、前回のルートの最後のステージになります。その部分はパウダー状の砂も多くてトラブルも出るので、そういった意味での難しさはあるかと思います。ヨーロッパのウワサではペルーで3割落とすという計画があると言われていますので、サバイバルな感じになると思います。
―ファンの方にメッセージを。
今回のラリーには、チャレンジャーとして挑んでいきます。チームの目的としてはクラス優勝をすること。それに対して、自分はベストを尽くします。もちろんインターネットなどでレースの様子はフォローできると思うので、ウェブサイトなどを通じて、是非メッセージを送ってください。女性にはキスを贈ります(笑)
―8月からチームに復帰したとのことですが、大変ではありませんでしたか?
今年度からダカールの部署を離れていまして、正直声を掛けてもらったのはうれしかったですね。僕は彼と組んだことがあったので声を掛けてもらったと思っていますが、同時にこれまでにない対応を会社がとったということで、どれだけ勝ちにこだわっているのかを感じたので、責任は重いなと思っています。以前参戦していた際、ラリーに対応するためにマウンテンバイクを始めたのですが、ラリーをやめてからも続けていたので、体力的には今の方があるかもしれませんね。3年間まったく乗っていなかったので、一番心配だったのはクルマに乗った時のスピードだったりリズムでしたね。ファラオラリーが久しぶりのラリーで、隠していたものの緊張していたんです。思った以上に自分の思うとおりにかたちになったので、ひとつ安心したのと、無駄な不安は消えて、課題がはっきり見えた感じですね。
―チームについてはいかがでしょうか?
4月から完全にチームとは離れるはずだったのですが、イベントのたびに応援などで顔を出していたので、そんなに離れたという感覚はないですね。会社に入ってからこのチームと仕事をしていた時間が長いので、ホッとする気持ちでもあります。
―久々のコンビネーションについては。
まったく心配はなかったです。お互いどういうふうに走りたいかというのはある程度理解できていますから。一番の問題はたぶん言葉ですね。お互いに英語でやってはいますが、僕はそれほど英語が堪能ではありません。なので、考えてワードにすることはできても、とっさの時に言葉が出ないというのは悔しくもあり、彼に申し訳ないとも思いますね。
―実際のルートでポイントになりそうなのはどのあたりでしょうか?
前回の大会ではアルゼンチンのブエノスアイレスからスタートしていました。あちらの硬い路面は我々のクルマにアドバンテージがありますから、心情的には序盤でリードを稼いで、落ち着いて難しいところに入って、また終盤硬い路面で挽回できるという気持ちでした。一方今回は、まったく構成が変わっています。序盤はあまりこちらのクルマが得意ではないところからスタートして、中盤まで砂の路面が続きます。後半になってようやく硬い路面が出てきます。そのため序盤はガマンしなければならないと思うんです。
序盤にアドバンテージがなくても、それは遅いわけではなくてノーマルなことだよというのを頭で理解するだけではなく、ペースをきちんとコントロールできるかどうかというのがポイントですね。
―目標とメッセージをお願いします。
もちろん本気で勝ちたいと思っています。僕はまったくの未経験でラリーを始めました。特別にナビゲーションが得意だったわけではありませんが、好きで楽しみたいと思ってやっていたら、いろんなことが見えてきました。ですから見ている方に『自分の好きなことを一生懸命やるってことはとても楽しいことなんだよ』と伝えられたらいいなと思います。勝つことももちろんそうですが、真剣に16日間を楽しんできたいと思っています。