ダカールラリー2013

チームの目標でもある優勝をしっかり勝ち獲っていく、そのためのサポートを100%やっていきたい 丸山・横田・波止メカニック

やれる限りのことを精いっぱいやってチームに貢献するということが第一。

メカニック:丸山昭寿

メカニック:丸山昭寿

―出発目前ですが、現在の心境をお聞かせください。

メカニックは2年というくくりがありますので、僕は今回が最後になります。前回は非常に悔しい思いをしたので、まずは優勝ということを目標にしています。僕らはバックアップのスタッフという立場ですが、それができるように体制を整えていけたらと思っています。もうひとつ言えたら、素直にダカールを楽しめたらいいなと。

―前回の経験は現在のお仕事に活かされる部分はありますか?

ものすごく貴重な経験をさせてもらったなと思います。それに、楽しかったんですよね。過酷な環境ではあるんですけれども、その楽しさをもういちど味わえれば最高かなと。そのうえで優勝が達成できたらパーフェクトだと思っています。故障探究という面については、チームに参加してからの経験が活かされていますし、職場の仲間から頼られることもありますね。

―2年目ということですが、今回の雰囲気はいかがでしょう。

僕の目線でいうと、前回とは状況が違うので、気合の入り方が違うなと感じています。『忘れもの』を取りに行く感じといいますか、優勝に向けた心構えが前回とはひと味変わったと感じます。

―この1年での変化はありますか?

僕の立場は、日本人メカニックふたりを引っ張り、スキルアップをさせる責任もあります。それに、頼れるのは自分しかいないということを、いかに自分に言い聞かせるかという精神的にキツかった部分もありますね。それでも、訓練とレースを経て、自分も成長できたのではないかと思います。またチームという視点では、マシンの不具合を解消させるためにいろんなテストをしてきました。クルマについては万全です。あとは実際のダカールで勝負するのみですね。

―ふたりのメカニックには具体的なアドバイスをされますか?

波止メカには普段どおりの業務にプラスして、一段上の気遣いをするように言ってあります。横田メカは普段の業務がメカニック的なこととは少し離れていることもあり、そういった部分のトレーニングをしっかりさせてもらいました。この1年弱でかなりレベルアップしたのではと思います。

―フランス人メカニックとのコミュニケーションについてはどうでしょう?

言葉は通じませんが、メカニック同士で不思議と通ずるものがありますね。仕事をしていれば動きで何をしているのかお互い分かることもありますし、簡単な言葉でのコミュニケーションしかとれませんが、作業自体にはまったく問題ありません。

―今回の目標を聞かせてください。

チームの目標でもある優勝をしっかり勝ち獲っていく、そのためのサポートを100%やっていきたいと思っています。どれだけ自分の力があるかは分かりませんが、やれる限りのことを精いっぱいやってチームに貢献するということが第一ですね。そのうえで優勝できれば120%の出来だとは思いますが。

―ウェブサイトをご覧のファンにひと言お願いします。

私らメカニックは縁の下の力持ちとして、しっかりやっていく所存です。ウェブサイトなどで経過はご覧になれると思いますので、応援にお応えできるよう頑張りますのでよろしくお願いします。

自分の任されたことを、責任持って作業しながら臨みたいと思います。

メカニック:横田 猛

メカニック:横田 猛

―ダカール本番まであとわずか。心境を聞かせていただけますか。

あと2週間ということで、今まで準備してきたことを再確認していきます。初めてトヨタ自動車からダカールラリーに行くというプレッシャーを感じてはいますが、とにかくラリーを楽しもうという心構えで行きたいと思います。苦しんでも仕方がないので、だったらそれを楽しもうと。楽しんでいれば結果はついてくるものですし、苦しめば苦しむほど追い込まれていっちゃうと思いますので。

―モロッコやファラオでもすべて帯同しているのでしょうか。

全部のイベントに基本的に帯同しています。トヨタ自動車からの出向というかたちで、チームの運営という部分でも少し携わらせてもらっているので、いい経験ができていると思います。

―本社の方ではどういったお仕事をされているのですか?

車両開発の実験部です。部署名で言えば車両実験統括部になります。昔で言う車両試験課といいますか、車両全般の評価・改善を行う部署です。

―そういう意味ではクルマの力が試される場を実際にご覧になるのが主な目的となるのでしょうか。

今回の狙いは世界を見てくる、世界で使われているランドクルーザーを見るいい機会だというところですね。そのなかで三橋ドライバーですとかチームとのかかわりのなかでの学べるものがあるのではないかと。

―ダカールに際しての今のお気持ちを聞かせてください。

出発前には最終確認の訓練がありまして、そこでできるだけクルマを触らせてもらえるようにして、最終チェックをしていきたいと思います。

―この半年を通じて感じたことはありますか?

毎日が過酷だという想定はしていますが、熟練度などは毎日やりながらあがっていくものなのだろうなと思っています。今は毎日工具を持っているわけではないのですが、本番までの間に再確認してやれればなと思っています。やりはじめればすぐに馴染むとは思います。

―本番での役割はどうなっていますか。

僕は先発隊で、波止メカは後発隊ですね。先発隊はサービスポイントに先回りする役目で、後発隊はマシンがトラブルなくスタートしたのを見届けてから移動を開始します。アシスタンスカーが2台ありますので、分乗して移動するかたちです。先発隊と後発隊で役割は大きく変わってきますね。

―ファンの方へひと言おねがいします。

初参加となる僕と波止メカ以外は、前回の悔しい思いをもっていると思います。僕らも同じ気持ちで、王座奪還を目指して1号車、2号車ともきちんと整備をしていけば、結果はおのずと付いてくるはずです。そこに行くために、1日1日、しっかり自分の任されたことを、責任持って作業しながら臨みたいと思います。応援よろしくお願いします。

ファラオでの勝利に油断せず本番には臨みたい。

メカニック:波止橋蔵

メカニック:波止橋蔵

―チームの雰囲気についての印象を聞かせてください。

6月にモロッコに行った時、フランス人メカニックと何日間か同じ生活をしながら仕事をしました。言葉が通じないながらも、作業をやっていくなかでジェスチャーなどを交えながらコミュニケーションをとることができたと思います。一生懸命やっていれば受け入れられるのかなという印象ですね。向こうも毎年メカニックが変わっていくなかで受け入れる土壌はあるのでしょうけれど、モロッコでの働きなどは評価されていると聞いています。そういう部分では心配はしていません。

―モロッコやファラオにも帯同されているのでしょうか。

6月のモロッコからテスト等にはすべて帯同しています。

―この半年を通じて感じたことはありますか?

これまでファラオ等にも参戦してきましたが、本番とはコンディションが違うと皆さんが口を揃えて言います。ですからファラオでの勝利に油断せず本番には臨みたいですね。やってみないと分からない部分も多いとは思いますが、気を引き締めてかかりたいと思います。

―体力的にもハードになりそうですね。

僕は後発隊なので、追いかける時間はなるべく休んで体力を温存するようにします。作業は車両が帰ってくる夕方や夜からになりますから、そこに集中して臨むというか、メリハリを持って仕事をします。簡単に口では言っていますが、やってみないと分かりませんね(笑)。体力の面では大きな不安はありません。

―ファンの方へひと言おねがいします。

7連覇ができなかったということでプレッシャーもありますが、チームのみんなが今年こそはと、ひとつの方向を向いているのが分かります。僕らはそれをさらに押し上げて頑張れるよう、最終日まで全力で戦ってきます。