• モタスポコラム その5 - スーパーGT第5戦
(写真 トヨタ自動車)

スーパーGT第5戦

モタスポコラム その5 2020.10.13

すごいなあ~、GRスープラがまた勝ち星をひとつ増やしましたね!

今年も残すところあと2か月半(早っ)、そしてシリーズ8戦のうちもう第5戦を迎えた今回、シーズン中盤の混戦をしっかり楽しむのが毎年のこの時期でしたが、今季はコロナ禍、駆け足でシーズンが巡っておりますのでじっくり感はなく…、暖機ナシで現場を迎えている感強しです。そして、GRスープラはめちゃくちゃ強すぎないかい?そう思う結果でした。振り返ります。

〇優勝おめでとうございます!

母目線で見ていたTGRチームサード。単純に多くのスタッフが入れ替わり新しくなって少し心配だったとそれだけなのですがね。その心配は、プロのレーシングチームに対して失礼なのではないかと思ったこともありました。毎戦、脇阪寿一監督がチームと共にピット作業の練習をしているのを見るたびその思いは募るばかり。放置した方が成長するのではと子育て論で考えてみたり、外野(私)は責任がないので勝手にあれこれ思う訳ですよ、ほんと勝手というか身勝手というか(笑)。

決勝のグリッドに向かう時だったかな…、スタッフの誰かと交わした会話で、以前チャンピオンに導いてくれたエンジニアに感謝しているとそんな事を言われました…。

誰だったかな…、ひどい…覚えてない。新体制はやはり大変なんだろうなと思ったけど、深く掘り下げて聞くのも失礼かなあと相槌は打ったけど、その時はそれで終わったの。

なかなかタイトル争いにからめなかったチームをチャンピオンを獲得する体制にまで導いてくれたことに感謝をしていたという意味だったと思うのです。さらに妄想を加えると、近年チームは経営体制もあらゆる変遷を経て今季また実践部隊に変化ありというカタチで迎えたので、変化に次ぐ変化で過去と比較するという他意はなく、ただ始まったばかりの体制の中、今は何も確立できてはいないけれど、みんなでじっくり歩んでいた中で、たまたまそんな言葉が出た…という事なのでしょうね。悲観していた訳ではなくね。チームは一日にしてならず…、焦ってもしょうがないことはみんながわかってますし、そんな矢先の優勝でしたので、とにかくびっくりでしたんですよね。レースの戦いぶりは文句なしの勝利でしたけどね。速かったね。

(久しぶりにうれしそうな表情のヘイキ・コバライネン選手)

ヘイキ・コバライネン選手の3月の岡山テストの表情は、今でも忘れません。不安まじりの表情で仕事をしていたんですよね。その時私は何も気づいてなくてね。メンバーが変わった…くらいの空気しかわかっていませんでした。久しぶりに合流した第3戦鈴鹿ラウンドでも、お顔が冴えなかったかな。中山雄一選手は、温厚でとても優しい。そんな一面のかたわらきっちりミスなく走って来る。新体制とは言え、毎戦ポイントを積み重ねて来たことは、たくさんの力を併せて行う団体戦であると改めて実感、素晴らしいと思っていました。

(北川マネもうれしそう)

チェッカーを受けた直後いきなりチームの宮本マネージャーがガス欠だったんだよ~!ってインカム外して言って来ました。えーーーーっ!!!!となりますよね。残り2周で「NO FUEL」の表示が出て、ファイナルラップの最終コーナーでガス欠症状が出て危なかったそうです。幸いウィニングランも出来て良かったのですが、レーシングスピードでもう1周は無理だったとか。パッシングとかしながらの派手なチェッカーにはならなかったので、何か真面目だなと思っていたら、そんな余裕はなかったとのことでした。何はともあれおめでとうございます!ほっ。

うれしさは当然爆発、抱き合って喜ぶ姿もあちこちにありましたが、まだ少しぎこちない風に見えたところが新鮮で良かったですよ。この優勝を機にこれからますますチームも地に足をつけ成長していくことと思います。脇阪寿一監督も少しだけ気持ちが楽になったでしょうか。

(こちらは優勝記者会見後…。珍しくゆるく)

そして、「#中山だよ」。優勝インタビュー、Jスポーツ生中継の優勝インタビュー、開口一番にコレでした。私は録画で確認したのですが、もうね、中山選手一皮むけた感ありましたね。自分で笑いが止まらなかったですよね。ツイッターがにぎわっていたと聞きましたが、こういうおもしろい所もっともっと知って欲しいです。中山雄一選手をあらためてよろしくお願いします!

おまけですが、新しいスタッフさんたち!早く私のことも少し覚えてくださるとうれしいです(笑)。いつもピットで見守っていますが、長年現場に居すぎてメンバーが変わっても知ってる的理解で誰も紹介してくれないというか、みなさんお忙しいので紹介してと言えない(仕事中だと思うと言えない)。裏方の私は、縁の下の力持ちさんとたくさん話して、それを応援しつつそれを糧にまた頑張る力をもらっておりますので、よろしくお願いします(笑)。

(写真 トヨタ自動車)

第5戦を終えてランキングトップとなったのは、14号車WAKO'S 4CR GR Supra!終盤の坪井翔選手のオーバーテイクは、先般スーパーフォーミュラ岡山で初優勝を遂げ、もはや止められない勢いを感じましたね。ボイショー(昨年スーパーフォーミュラのステージでこう呼ばれてた?その後使用されているか不明)速かった…。昨年のチャンピオン大嶋和也選手と共に、今季は安定した戦績で優勝こそないものの、ここでランキングトップ。強さを感じます。大嶋選手は、最初のスティントで走って後半ピットで見守っていますが、チェッカー直後、優勝していない(速いけど優勝できていない)のでやりきれない表情を浮かべておりますね。チーム自体は初参戦となるTGR TEAM WAKO'S ROOKIE、あらためて覚えてくださいね。

そうそうエンジンにトラブルを抱えていたという37号車KeePer TOM'S GR Supraも速かったよね。ウェイトハンデ考えると、え?でした。ランキングトップの14号車と1ポイント差の2位。昨年みたいな流れですが、とにかく今はポイントが拮抗しているので、残り3戦がますます混沌として面白くなったと。

(写真 トヨタ自動車)

ウェイト軽い仲間として、39号車のほかに19号車WedsSport ADVAN GR Supraにも注目していました。今回の39号車の優勝がきっとプレッシャーになった(!)と思います。次も注視対象、楽しみにしてますね!鈴鹿もまだウェイト軽いクルマ対決になるでしょうからね。

今回の第5戦、ご存じのように今季初めてお客様を動員しての大会となりました。見る側見せる側にもさまざまな制限が設けられました。しかし、終わったあとの感想は、やはりお客様にレースを見せることが出来て良かった…という言葉に尽きると思います。拍手のチカラは偉大ですね。自分も拍手をしているので、勝利を称え、またエールを贈る意味での拍手は失礼ながらフツーの行為と捉えていましたが、そこには大きな愛があるということを今更ながら実感しました。恥ずかしいですね。毎回、そんな発見ばかりで長年現場で何をしていたんだろうね。

レースという興行はお客様で成り立つものであるし、近くでドライバーさんやクルマを見られないにも関わらず、現地に足を運んでくださる方々のお気持ちはうれしい以外何物でもなく。表彰式だって、せっかく現地まで来たんだから、みなさん近くで見たかったに違いありません。しかし、スタンドにいらしたお客様、席の移動をなさらずにいました。こちらからスタンドをまじまじ眺めてしまいましたが、ルールだから仕方ありません。そんな事も含め感謝です。私が言うことでもないけどね。観戦できて涙出そうなんて言葉もいただき感慨深くなりました。

アマチュアカメラマンのみなさんも楽しみにされていたと思います。わたしもカメラが趣味ですので、「走り」撮りたいなあと思っておりますが、レースをしっかり見届けたいので我慢です。今年初のスーパーGTの「走り」を撮影したみなさまは、さぞかしご満足されたことでしょう。GT500クラスはクルマも変わってますしね!って10月ですよもう…。遅くなりましたが、観戦出来て良かったね!私は「走り」を撮りに行く時間はないけど、何かしら自分の写真でコラムが賄えるよう頑張りますね。

さて、息をつく暇もなく…とは大げさですが次は鈴鹿ラウンドです。月に2回もスーパーGTがあるなんてある意味贅沢。気を引き締めて臨みます!

では、また!

大谷幸子の近況

9月末のスーパーフォーミュラ第2戦岡山大会のレポートは、次の菅生大会と一緒にお届けしますね。坪井翔選手の優勝のコラムがないじゃないか!という方、ごめんなさい。少々お待ちを。

スケジュールがこれだけ詰まっているシーズンは、当然前例がなく…。とてももったいないと思っています。ビッグレースに取材に行く時に、自分も久しぶり行くサーキットとはとても神聖なものでじっくり味わい、関係者との近況報告も楽しみでワクワクしました。

今季は、「仕方ない前提」ですが、親戚よりも沢山関係者にお目にかかっておりまして(笑)、時の流れを止めたい心境。老い先短い将来を考えても止めたいですよホントに。嗚呼…。

第5戦は、当日券ありますか?という質問がSNSに寄せられていました。現地からの発信を見て、衝動的に行きたくなった…ということなのでしょう。当日券はなかったですが、これは良かったと思っています。自粛期間が長かった際、オンラインのレースが流行りました。これはこれで、楽しませていただきました。しかし、サーキットに行かなくても…という風潮になったらどうしようと一人危惧しておりました。自宅に居ながらレースが観られる…、何か本末転倒な気がするのです。ですので、現地に行きたいという思いを持っていただけること、うれしかったです。

ただオフシーズン、何もない時にオンラインのレースが開催されたら、さみしい思いが少しでもなくなるかなど、活用方法は沢山あるなあとも思います。オフシーズンこそ、シートの事もあるしメーカー単位などはもしかすると難しいかもしれませんが、ドライバー単位で楽しませてくれるなら、みんな喜びますよね?少しでも感じていたい、きっと思いは一緒ですからね。

でもって、バタバタな中、そっと移住は完了です。段ボールに囲まれながらパソコンを広げ執筆しております。リビングの前に、70スープラが鎮座。事件です(笑)。立体駐車場から晴れて外に出ました。そして、自宅周辺、たまたま中高年のクルマ好きが多い。世代なのでしょうかねえ。お向かいさんへの挨拶まわりがクルマの話で盛り上がりました。たまたま欧州車が並ぶご近所ですが、ワンブロック歩くと古~い国産車もいたりと退屈しません。信号もない地域でとても静か、原稿も捗りそう???ゴルフ場もすぐそこだし、何十年ぶりに打ちっぱなしからやり直す?とにかく、ご近所を散歩できるように早くなりたいですね。開けゴマ!いや段ボール、あ、開いてはいるか…。鳥の鳴き声が一日中聞こえます。それでは、また!