• モタスポコラム その51-今季もよろしくお願いします! ~東京オートサロン2023からスタート!~
    (写真 トヨタ自動車株式会社)

今季もよろしくお願いします!~東京オートサロン2023からスタート!~

モタスポコラム その51 2023.01.26

国内モータースポーツはまだまだオフシーズンですが、準備はしっかり始まっております。開幕が待ち遠しいですが、今季もよろしくお願いいたします!

今回は、東京オートサロン2023で新年早々のビッグニュースや近況報告などを追いかけて来ました。TGRドライバー全員にお目にかかることは出来なかったのですが、そこは申し訳なく。お目にかかれなかったドライバーさんたちは、3月の公式テストなどでしっかり追いかけます。まずは、近況をピックアップしますのでどうぞ!(東京オートサロンTOYOTA GAOO Racingブースの模様は、公式YouTubeチャンネルをご覧くださいね)

〇BIG NEWS!

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    (朝からバッタリ遭遇 他メーカーからの移籍でTGRドライバーとなった笹原右京選手)

昨年末、トヨタ自動車は2023年のモータースポーツ体制発表を早々に済ませました。未定となっていたSUPER GT 37号車、スーパーフォーミュラ 36号車のシートが決定。東京オートサロン直前のビッグニュースとなりました。ステージへ登場するメンバーの中に早速「笹原右京」選手のお名前があったので楽しみにしていました。

ステージ登壇時間にあわせて会場へ移動していたら、通路でバッタリ遭遇したんです。たまたま振り向いた彼が気づいて、足を止めて待っててくれたんですよ。ありがたい!彼はね、気づけば何年だろう、ずっと応援しているドライバーさんの一人で、サーキットではよくお話しさせていただいていまして、私にとっては非常に身近な存在。ご両親がいらしていた際には、息子にしたいと話したことがあります(笑)。

なかなかの苦労人でね、海外志向もありそちらで道筋を探されていた時期もありました。日本で自分の拠点を探し始めてからは、大丈夫かなと心配だった時期もあり。そのうち、ライバルメーカーではありますがHondaさんのシートを得ました。これはとてもうれしくて素直におめでとうでした。トップカテゴリーにようやくたどり着いたと、自分の事のように喜びました。彼はその後、レースも頑張りましたよね。昨年は、特にスーパーフォーミュラでは2勝を挙げる活躍ぶり。SUPER GTと両方のカテゴリーに参戦するトップチームの無限に所属していました。

今季は、さまざまな事情によりHondaさんに在籍することが叶わず。話し合った結果、新天地を求めてTGRの門戸を叩くこととなりました。決して喧嘩別れではなく…。そうそう、この東京オートサロンのHonda無限ブースには、笹原選手が壁面に沢山いたんですよね。嗚呼、なるほどと思いました。もし喧嘩別れだとしたら、そうはならないですしね。移籍することになったのは残念かもしれないけれど、送り出してくれたと捉えることに。

結果、SUPER GT の37号車のシートを得ました。おめでとうございます! 37号車と言えば、近年チャンピオンも獲得していますし、みなさんもご存じのようにほんと強いクルマなんです。所属するチームのトムスは、2台体制から一時2006年に1台体制になった事もありましたが、再び2台体制に戻ってからは、37号車に在籍した平川亮選手がこのゼッケンを最強にしてくれました。彼が昨年WEC選手権、「世界」へ羽ばたくのをきっかけに、37号車は昨年から新しい体制で挑んでいます。

「世界」という括りで言うと、昨年のニック・キャシディ選手や今季既にチャレンジしているサッシャ・フェネストラズ選手がフォーミュラEへとひと足早く「世界」に行っています。この37すごいんですよね。将来有望な若手が次々に世界へ旅立っていってますね。

ただ昨年はチームが成績不振だったこともあり、チーム内でもシャッフルがありました。昨年19号車から移籍してきた宮田莉朋選手は、36号車へ移籍。これはかなり強力な布陣となる事は、ファンの方も承知しているよう。2021年にエースナンバー36がチャンピオンを獲得したのに続き、今季もタイトル候補となるのは間違いないと予想されます。

前置きが長くなりましたが、笹原選手の加入とチーム内の改革で、トップチームとして立て直しを図りますね。4人の若さが爆発するほどの活躍に期待しています!

〇笹原右京選手からひとこと

笹原「めちゃくちゃ新鮮ですね。今までの感覚と違って何もかも初めてで、すべて一からのスタートとなります。ワクワクしていますし、その先が楽しみです。今年所属させていただく歴史ある名門チームのトムスさんで走らせていただくことも、チームのみなさんと結果を追い求めることもうれしいです。今季は、最終的に自分からチームにお願いをしました。OKが出た時は、本当にうれしかったし、自分がやって来たことをこれまで見てくれていたということがありがたかったです。精一杯頑張りますので、よろしくお願いします」

新年早々こんなに感謝にあふれた言葉を聞くと、ウルウルきますね。まだ走ってないのに良かった良かったと安堵。右京くんは、うれしいを何度もおっしゃっていたけど、まずはスタート地点に立って、周囲も気合が入って良い効果となることと信じております。頑張ってくださいね!

〇TOYOTA GAZOO Racingのリーダーとして小林可夢偉選手

昨年からWECのチーム代表も務め、時間がいくらあっても足りないとおっしゃる小林可夢偉選手。今回ステージでWECの今季の目標を深く語っております。ライバルメーカーが一気に増え、ドライバーとしてもチーム運営もと多忙を極めます。ステージについては、書きたいですが長くなりますので、ぜひTGR公式Youtubeチャンネルでご視聴を。中嶋一貴さんプチ情報もありますね。彼がお元気なのもわかって良かったです。

そして、スーパーフォーミュラにも参戦をされていますが、今季の抱負は「勝ちます!」とひとこと!こちらまで、チカラが入りました。トークショーをお客様側から少し見て、気合入れて来ると立ち去って行きました。TGRのリーダーだなあ…と見送りました。

ずっと待っているんです、初優勝。多忙過ぎる今季も心配ではありますが、これは成し遂げたいことの一つであると思いますので応援しています。頑張ってください!

〇親友の応援もしちゃいます

はい、平川亮選手です!マスク越しの柔和な笑顔がうれしい対面でした。現在は、昨年から頑張っている世界、WECのことで頭がいっぱい。こちらの内容も公式Youtubeチャンネルで。この時は、オフはそんなに忙しくないですと。そして、WRC開幕戦のラリー・モンテカルロに勝田貴元選手の応援に行くとおっしゃってました。SNSを見たら、勝田選手と盟友のニック・キャシディ選手も一緒に3人の写真がアップされていました。小林可夢偉選手も行かれてましたね。みんな立派になってと親戚のおばちゃんみたいな言葉しか出て来ません。若いうちに世界に出て戦っている彼らの姿、ぜひ見て来てください。すぐそこのサーキットで3人のお顔を見ていたんですけどね。予想通りグローバルな繋がりを見せてくれていました。

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    (会場内OHLINSブースにマシンがありましたよ)

平川選手、スーパーフォーミュラももちろんタイトルを目指して頑張ってくれます。例年候補に上がる戦いを繰り広げるものの、なかなか届かない…。今季こそは!ですね。

彼も今後の活動は世界を拠点ということになるようで、そんな近況とお子様の話だけで時間が過ぎてしまいました。ごめんなさい。お嬢ちゃまと奥様に次はいつ会えるかな。頑張ってくださいね!

〇2年目となるチームで更なる飛躍を

SUPER GT 19号車のメインスポンサーWedsSportブースは、東京オートサロンでも大きなブースを毎年出展されていて大人気なんです。クルマも展示しているので、目に止まりやすいのです。一日だけお出かけしたそうですが、オフは結構お家にいましたという阪口晴南選手がいらしたので、意気込みを。新しいヘアスタイルいかがでしょうか♪

阪口「SUPER GTは、昨年は土曜日(予選)は良かったけれど、日曜日がダメだったのでしっかり日曜日も勝てるようにしたいですね。なぜダメだったかをみんなでしっかり考え、まずは一勝することが大事ですね。昨年よりも強いところ、ココで活躍できるが明確になってきているので、それを活かして頑張ります。スーパーフォーミュラの方は、年間通してかなり苦戦をしてしまったのですが、エアロが変わることで早く自分たちでものにして、結果を残せるようにして勝利を挙げなくてはと思っています」

また、同じメーカー移籍組として、それが何かネガティブな要素になることは決してないのですが、笹原選手の移籍をどう思われているかなと。そこも伺ってみました。

阪口「今までもライバルではありますが、タイミングは違うけれども自分と少し似たような状況になっての移籍ですね、ぼくたちなりに悔しい思いはしてきたと思いますが、これからもかなり手強いライバルであるのは間違いないので彼にも負けないように頑張りたいと思います」

ですね。切磋琢磨して伸びていって欲しいです。若さを活かして!

〇そして、マサ監督

SUPER GT 19号車の坂東正敬監督。この方、本当にレースにも何に対してもまっすぐで、見ていて非常におもしろい。そりゃビジネスにも長けていらっしゃるので全てがピュアとは言いません(笑)。がむしゃらで好きですよ。毎年、有望な若手のドライバーを国本雄資選手と共に預かって伸ばして行く。いつの間にかその役目を担うチームになっていました。さあ、今季は?伺いましたよ。

坂東「一勝!ポール4回獲ってますからね。まずは一勝!体制に変化が無いのが今季のポジティブ要素です。タイヤメーカーやスポンサーのみなさまに勝って恩返しをしたいと思っています。応援してくださいね!」

毎年体制が変わるのは結構大変だったと思いますが、さあ、今季はあれだけ暴れた土曜日の体制もそのままでいける布陣です。変わりません。そして、日曜日も「19」の日にしないとね。応援してますよ!頑張って!

〇サードは、新体制で臨むらしい

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    (GTアソシエーションブースに39号車が展示されていました)
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    (ブリヂストンブースにて、サード近藤代表と宮本広報)

昨年の39号車はドライバーラインナップが変わり新たなシーズンを迎えました。移籍してきた関口雄飛選手は、2021年のGT500クラスのチャンピオン。そのチャンピオンに習う気持ちで戦うと一昨年おっしゃってくれたのが、近藤尚史チーム代表。その近藤代表にも遭遇してお二人のコメントからいろいろ妄想してみた。ドライバーさんには残念ながら会えなかったの。

近藤尚史チーム代表。
近藤「雄飛が来て2年目だから、昨年積み上げたものを出すという気持ちでいます。自分がこれまでの役割を卒業してアップデートしますので、お楽しみに!」

おや?あれれ?ひょっとして?何か変わることがある?

脇阪寿一監督にも伺いました。

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    (ブリヂストンブースでトークショーに出演中の脇阪寿一監督)

脇阪「チームを預からせていただいて4年目になります。途中、体制が変わり以前のデータを頼りに走り続けていました。それには限界があり、いよいよきっちりしたものをサードとして蓄積していかなくてはという想いに至りました。そんなことは、チームにとって至って当たり前のこと。それが出来ていなかったんです。全員野球といいつつも、頑張ったところで経験値の足りなさはどうしても簡単には埋まりません。若さもいずれ力にはなるけれど。自分もいろいろ考えました。外注の賢い頭脳をチームに取り入れることは簡単な事ですが、何も根付かない。自分のやって来たことも、ドライバーとして監督としてタイトルを獲ったことはあるけどそれが正しいのかもわからなくなっていました。そこへチャンピオンを獲った関口雄飛が加入し、趣が変わりました。彼の言うことが自分の思うことの延長線上にあることを認識。自分も正しいんだという自信を持つことができ、前に進むことができました。しかし、エンジニアリングの部分で、チーム代表もエンジニアを兼任したりの体制では、やはり無理があると。そこで今季からは、エンジニアリング、ドライバー2人のメンタルなどを強化し、ひとつ上の段階へと成果を出す為に動きます。ステップアップするのが我々のチームです。そこに成績がついてくるという自信がありますので、応援してください」

なるほど…。近年、経営体制からレースの体制から紆余曲折を経たこちらのチーム。ここに来て、基盤が落ち着き根本に立ち返るということなのですね。目先の事を処理するだけでは、屋台骨は揺らぐばかりですからね。苦労をしていましたもの。

ということは、まずエンジニアリング体制が大きく変わるんだね。これは楽しみだ!岡山公式テストは、真っ先にチェックしに行こうっと!頑張って!

〇こちらも心機一転

SUPER GT 38号車さん、ドライバーの立川祐路選手、石浦宏明選手は、それぞれステージにお忙しく結局遠目で見ていたのですがお話しできず。ちょうどチームの村田淳一取締役と金城マネージャーが出展されていたブースでお仕事をされていたので、今季の事、ひとこと頂戴しました。

村田「今季は、チーム内を少し整理しないとということで体制を見直しました。以前のシンプルな体制に戻して、しっかりレースに勝つことだけを考えるチームにしていきたいと思います。一年だけで成果を求めるのではなく、もちろん長いスパンで考えていきたいと思っています。そして、今季はまず一勝を目標に頑張りますのでよろしくお願いします!」

昨年の切ないシーンは忘れてしまいましょ。そう言えば、スーパーフォーミュラですが、新しいクルマを知っているのは僕だけです!とおっしゃっていた開発ドライバーであり取締役の石浦宏明選手。今季、このカテゴリーの時だけルーキーレーシングの監督になるのですよね。これはチームにとってかなり痛いので、こちらのチームにもこそっと教えてあげてくださいよ!よろしくお願いします!

〇しっかりレールに乗りました

今季スーパーフォーミュラのレギュラーシートを獲得した小高一斗選手。SUPER GTもGT300クラスでレギュラー参戦できるようになりました。チームは、apr。クルマは、レクサスLC500hです!おめでとうございます!ホイールメーカーでチームの参戦発表をしていましたよ。

31号車の体制は、チームメイトは大ベテランの嵯峨宏紀選手。サードドライバーに、根本悠生選手という布陣。レクサスLC500hが出てきたことは素直にうれしいです。デカいですな。でもかっこいい。しっかりスタートラインについた小高選手のコメントをいただきました。

----今季の抱負を
小高「2年SUPER GTには乗ることが出来ていなかったので、こちらのシートも得られて良かったです。LC500hは今日初めてカラーリングを見たのですが、とてもかっこいいですね。楽しみです。クルマの開発はまだ始まったばかりなのでこれからです。スーパーフォーミュラは、昨年オーディションで乗っていますが、今年エアロやフロアも新品になりますので、どちらのカテゴリーもスタートラインに立ったということで、あらためて頑張っていきたいと思います!」

TOYOTA GAZOO Racingのステージでは、先輩たちにかなり弄られていましたが、末っ子の存在は、大先輩の小林可夢偉選手からすると可愛いというか心配というか…、弟の心配をしている姿がとても愉快でした。そんな先輩たちの背中を見て、頑張ってくださいね!

<おわりに>
TGRファミリーなんて言葉が、ステージで飛び出していました。昨年で現役を引退した中嶋一貴さんが、WECにステップアップして来た平川亮選手をサポートしたりする秘話を小林可夢偉代表がしていました。

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    (ルーキーレーシングトークショー)

またルーキーレーシングのステージで、山下健太選手に大嶋和也選手が助け船を出すシーンもあり。全員がその場にいた訳ではないのですが、やっぱりお兄ちゃんたちは、後輩のことをサポートするのも微笑ましく。また全体的にだいぶ若返っているドライバーたちですが、世界を目指すと思えばこの若さは武器であり、その目標となるドライバーが間近にいるのはいいなと思ったり。ここ数年でドライバー事情も落ち着いて、形が整ってきたのかなと思うことも多々ありました。

昨年あまり思うような結果が出ないシーズンだった国内トップカテゴリー。取り戻すみんなの頑張りを微力ながら応援して参りたいと思います。長くなりましたが、まずは今季のスタートでした。

大谷幸子の近況

SUPER GTに関して、Hondaさんは2024年シーズンの参戦車両である「CIVIC TYPE R-GT CONCEPT」を発表しました。NSX-GTからCIVIC TYPE R-GTとは驚きでした。

日産さんは、2024モデルの新型GT-Rを発表(写真は、NISMO edition)。こちらも見に行きました。新車って萌えるのよね。TGRはもちろん、他メーカーの動向も楽しみにしております!

寒い日が続きますが、ご自愛くださいね。それでは!