行って来たよ!~鈴鹿サーキットモータースポーツファン感謝デー2023&スーパーフォーミュラ鈴鹿公式テスト~
モタスポコラム その52 2023.03.17
近年、年初はしっかり冬眠させていただき、わたくしがシーズンで初めて訪れるサーキットイベントが、鈴鹿サーキットモータースポーツファン感謝デー(以下、ファン感)。しっかり休んだあとの久々の現場楽しみでしょうがなく、そんなワクワクを抱えて鈴鹿に行って参りました!
毎年思うのですが、約4か月のオフもあっという間でね。年々このオフが短く感じますが(苦笑)、チームのみなさんは、今もまだ準備に大変です、お疲れさまです。
イベントに続き開催されるスーパーフォーミュラ公式テストは、今年初。毎年もう1回、3月に開催されていた富士スピードウェイでの公式テストは、業界の過密なスケジュールを鑑み、今季はスケジュールに組み込まれませんでした。このご判断で、チームスタッフのみなさんが少しでも休息の時間が取れると良いと思います。開幕戦の富士は、鈴鹿と全く違うキャラクターのサーキット。みんな同条件ですから鈴鹿のテストではよりチーム力を発揮し、初戦攻略のため限られた時間の中で頑張るということになります。
久しぶりにお目にかかったスタッフ、敏腕マネージャーさんたちにご挨拶しつつ、タイムラグを全く感じないことに気づきますが、いよいよ始まるなと。
では、振り返ります!
イベントの内容は、ライブ中継もありましたので、ピックアップして参ります。かなりインサイドレポですがよろしく!
カテゴリーが混ざっている、そしてドライバーの所属メーカーも違う。きっとファンの方は興味深いだろうというレアなシーン。ミーハー(今この言葉使う?)な感じで行きますよ。私のカメラを、写真好きの国本雄資選手が当たり前のように持って行き(恒例行事)、撮り始めました。よくカメラのことでお話しさせていただく国本選手の腕前はプロ顔負け。そんな一コマを。ここでちょっと考えたら反省、ちゃんと雄資も撮ってあげないとね。いつも忘れちゃって、私ダメだな…。
そして、ドライバーの並び順が決まっているにせよ、こんな感じで和気藹々。イベントですから、普段とは違ったムードですね。国内トップカテゴリーで戦っている方々ですから、めちゃくちゃ限られた人数でもありますし。トップアスリートがこんなに集結するととっても豪華ですよね。仕事でお目にかかる機会も多く、みなさん気さくなのですがきちんとリスペクトして接しないと!と改めて思います。
モータースポーツは、クルマに注目されることは多いですが、それを駆るドライバーさんたちのお顔がなかなか見えないことも多く。ドライバーファーストの一環ということで、今季はもっとクローズアップしなくちゃと思っております。この時期、屋外はノーマスクOKですので、お顔がわかる写真はうれしいですね。
今回、ファン感のコンテンツの中で、現在WECというカテゴリーの中の一戦であるル・マン24時間レースが100周年ということで盛り上げを図っていました。こちらは、1995年ル・マン24時間GT2クラスを制したHonda NSX。カリスマドライバーの“ドリキン”こと土屋圭市さんがドライブしていました。初日は、ご本人がドライブされていましたね。
かなり台数が多くてわからないクルマが多く、ごめんなさい…。貴重なクラシックなクルマまで沢山走ったんです。動態保存されているのが何より素晴らしいと思いました。
そして、ハイパーカーが、今年も鈴鹿サーキットを走りました。ほんとこれ、イレギュラーコンテンツ。イベントのあとにスーパーフォーミュラの公式テストが設定されているので、現役WECドライバーとして小林可夢偉チーム代表と平川亮選手が来ていて、イベントを盛り上げます。平川選手が運転を担当。WECのテストからこのファン感とテストの為にお二人で帰国。終わってからすぐアメリカ、フロリダ州セブリングで開催される開幕戦の為に、タッチアンドゴーが日本という。世界の人って移動距離がスゴイ(語彙力)。
ファン感の走行に関してのハンドリングは、TGR-Eのスタッフと、東富士研究所のみなさまでした。こちらのスタッフにお目にかかれるのもうれしいもの。国内カテゴリーから世界を担当した方などよく知る友人と言わせていただきますが、再会も楽しみだったんですよね。
余談ですが、レース担当メカニックは、イベントを担当することはないそうですが、たまたま欠員が出て、急遽日本人の木村メカが帰国しました。息子みたいな彼にWEC富士以来再会。大して時間経ってないけど(笑)。日本国内には、海外で頑張る彼を応援する関係者がいっぱい。可夢偉代表も「あいつすげーがんばってるよ!」と言ってくれました。
体格が小さいから、いろいろ不利なことも多いそうですが、それでもタイヤ交換を頑張っているそう。日本人メカが憧れる存在になって欲しいと思っています。また、現地で採用された日本人はこれまで居ないそうで、感謝とその軌跡を残す為、日々努力をしている好青年。ほんと応援してます。
この原稿がアップされる頃にはいよいよWEC開幕。とうとう他メーカーとの戦いが始まります。ここまで培ってきた技術力を如何なく発揮して欲しいです。東京オートサロンで小林可夢偉チーム代表が強く語っていた、「100周年の記念大会となるル・マン24時間の制覇!」、それをふとファン感を見ていて思い出しました。節目となるこの2023年シーズンの制覇にも期待です。頑張って!余談だらけですみません。
〇ファンサービスが復活
行動制限のない春を迎え、以前のようなファンサービスが復活しました。今回パドックは有料エリアとなりましたが、入場が可能。われわれもイベント広場への往来もでき、久しぶりに私も訪れてみました。ピットウォークのクルマの配置もファン感ならでは。レースウィークだと、マシンはメンテナンス中なので、表にはなかなか出て来ません。他のカテゴリーと並ぶことも珍しいですので写真におさめて欲しいポイントですね。クルマがファクトリーにある時でも、きっとバラバラだろうし、チームのみなさんにとっても珍しい光景なのではと思います。
これかなりレアですよね~。SUPER GTチャンピオンマシン、ゼッケン「1」がお披露目となった日産Zと、スーパーフォーミュラマシンが並ぶチームインパルのピット前。ないよね~、こんなこと。
カテゴリー2つに参戦するチームは、ドライバーも二手に分かれてファンサービス。マシンが2台こんな風に展示されることも珍しいですね。トムスは、宮田莉朋選手がスーパーフォーミュラを担当されていました。
SF23がお披露目となりました。エアロが変わって、だいぶ洗練されましたが、ウィングなど、F1に負けないかっこ良さなのです。タイヤも変わってますよ。ファン感でも走行のセッションがありましたし、ドライバーアピアランスなどセレモニー的な事もありましたので、とても豪華でした。もっともっと盛り上がって欲しいです、このカテゴリー!
GT500クラスが集結(他でテストをしている車両もあり全車の参加ではないですが)。早くも新しいカラーリングで登場したクルマも、まだカーボンのところも。
翌週の岡山公式テストを控え、ファン感前のテストから連続で10日間ほどの出張に出ているチームが結構あるんですよ。頭が下がる思いですが、御殿場などのファクトリーに戻らずに、鈴鹿に留まり岡山へ移動するチームがほとんど。鈴鹿のピットがオフィスとなっていました。ファン感では、チームの方が総出で参加のところがほとんどでしたね。
コンド―レーシングの近藤真彦監督が、新たに日本レースプロモーションの取締役会長に就任されました。おめでとうございます。前任者は、みなさまご存じ元F1ドライバーの中嶋悟氏。70歳になられ、チームも40周年を迎えたそう。時の流れは早いものですね。ご勇退となりました。そして、近藤会長は、ご自身もドライバー経験がありますし、長年熱心にチームを率いて、今やトップチームとなりましたよね。今後のご活躍にも期待しておりますし、いつまでも若々しくいらっしゃること祈念いたします。
そして今季、B-MAXレーシングチームにトルコ出身のドライバー、ジェム・ブリュックバシェ選手が所属します。大地震に見舞われ大変なさなか、故郷を想う気持ちをこの大きな場で発信する機会を得ました。マシンのサイドポンツーンには、チームが、#PrayForTurkiye というハッシュタグを用意し貼ってくれたそうです。この想いを手助けできるよう、ささやかですが私なりにも何か出来ることがあればという想いで見ていました。
ファン感もお開きとなった時、WECのTGR-E木村メカが古巣のチームセルモのメンバーのところに来ていました。石浦宏明選手に、「君の活躍、見させてもらってるよ」とおっしゃっていましたが、かなり木村メカが若い時だったと思います38号車のメカニックをやっていたのは。こうしてチームに顔を出せるのは、良いことですよね。モータースポーツを通じて出会った方々の頑張りは、自分の仕事の糧にもなりますので、どこにいても、そして今、日本で頑張っているみなさんも引き続き盛り上げて行きたいと思っています。頑張ってよ!
ファン感に続き2日間、今季初のテストが開催されました。クルマはSF23に変わりまして、タイヤも変わり全車スタートラインに立つこととなりました。ここからは、いかに早くクルマを攻略するかにかかっています。幸い天候に恵まれぽかぽかの中で行われました。
ドライバーのみなさんにお話しを伺いました、カッコ良くなったということは間違いなく、手応えとしては、まだわからないというドライバーさん、変化してわからないなどそれぞれ分かれていました。まだレースをしていないですし、テスト初日が終わってからのミックスゾーンでの質問でしたので、これは仕方なく。ただ、空力が大きく変わりオーバーテイクのチャンスが増えるということに、GR全員の期待が大きかったです。今回のテストで、そこまで接近して走ることはないので、早くレースで経験したいというのがみなさんの意見でした。これはもう開幕戦を待ちたいと思います。
他に、今回大きく変わったポイントは、チーム運営の変化がみられるということ。ピット周りをして行くと、トラックエンジニア、データエンジニアが移籍していたり、エンジニア育成をするチームもありで、少し顔ぶれが変わっていました。これは開幕戦まで様子を見て、開幕と同時に体制が固まるのを見守りたいですね。
正式に発表があった中では、14号車に新たに石浦宏明監督が就任していました。他にも変化はありましたが、大嶋和也選手がジャンプアップ、非常に頑張っていました。データエンジニアたちが豪華すぎる…。
KCMGでは、田中哲也さんがアドバイザーに就任。実質、監督2人の状況ですね。ドライバー自身では、トムスのジュリアーノ・アレジ選手のアドバイザーに、トヨタ自動車の初代育成ドライバーで、現在もTGR-DCで育成に手腕を振るっている片岡龍也さんが、就任。これは私の友人でもある板金屋さん繋がりで決まったことのようです。お2人とも頑張って!
山下健太選手が。鈴鹿にお見えでしたが、1月にテストで負傷して療養中。笹原右京選手が代わりにテストをしていました。今後のレース人生の為に、今はしっかり治して欲しいです。
テスト二日目に、サプライズがあると声をかけていただき、ピットで待ち。3月7日は、チームインパルの平川亮選手のお誕生日。かつて、SUPER GT 37号車でシリーズチャンピオンを獲得するなど、このお誕生日の数字はかなり思い入れのある数字だと改めて感じましたが。とてもうれしそうでした。クールな亮は、きっと喜ばないんじゃにないかとおっしゃる方がおりましたが、笑顔いっぱいでかわいらしかったです。顔つきがなにか以前よりも精悍になって、間近に迫ったWECのことになると、可夢偉代表もそうですが、顔つきが変わってね。レースに立ち向かう気持ちをすぐ呼び起こしていました。ますます逞しくなって言うことないですね。
という訳で、テストに関しては、開幕戦を待つ!です。
~最後に~
2023年、いよいよコロナ禍が明け、通常の生活に戻りました。サーキットに来てくれるかな、物価高だったり決して容易に生活できる環境でもなくなってるし…、不安だらけ。サーキットは、自分の居場所でもあったりするのですが、お客様もそう思ってくれるといいなと思いながら帰ってきました。
ちなみに、われわれのメディアは取材の手続きが簡素化され、とても取材しやすくなりました。検温などもなくなり新たなシーズンを迎えることになりました。これまでと違って、お客様のお顔も見られますので、このレポートも少し変えて行こうと思っております。
ぜひサーキットにお越しください!
大谷幸子の近況
スケジュールがたまたま詰まっているこの時期、年中、出張していても枕が変わると3時間くらいしか眠れないわたくしですが、それが3日も続くと朦朧としてまいります。鈴鹿は自走で伺っていますが、頑張って寝るようにしてもなかなか叶わず。
この長い出張を経て、ホテルをチェックアウトした朝のこと、きっちり詰めて来ても、自走だと荷物をクルマに押し込めばとにかく帰れるという気持ちが強いせいか、片付けがまったくひどい状態。スーツケースに入っていたのに荷物がいっぱいでした。クルマに行って、ドアを開けながら、置いたことのない場所にスマホを置きました。クルマのルーフです。こんなところにスマホを置いて走ったりしたらコントだね…。
はい、コントになりました。のっけて走って、左折してBluetoothの音楽が切れて、あ!と気づきました。幸い道路の脇に落ちていたので、探して拾いましたが、やることおばあちゃんで…。疲れている時は、気をつけて。はい、それだけです!ほな、また!