山下健太2位表彰台獲得!阪口晴南自身初ポール! ~スーパーフォーミュラ開幕戦~
モタスポコラム その71 2024.03.22
2月に公式テストに伺ったばかりですが、半月のインターバルを置いて開幕しました!無事開幕、おめでとうございます!真冬の凍える寒さでしたが、33,000人!の来場がありました。決勝のグリッドウォークの際に見渡したところスタンドも埋まっていてね、本当にありがたかったですよ(主催者でも何でもないけどそう思えたの)。
現地ではレースウィーク通して寒さに負けそうなくらい寒の戻りがあって、ダウンをもこもこに着込んだ方ばかり。私たちは良いけど、外にずっといらっしゃるみなさまがかわいそうでした。モタスポ愛の強さを感じましたね。公式テストの際は東名高速道路が春の嵐で、到着に8時間もかかりましたが、今回も家を出てすぐ車両火災の表示。秦野あたりから下道で新御殿場インターまで行き、また高速道路に戻るというデジャヴ。それでも今回はそれが最短で、高速はスイスイで助かりました。
この日は、いつもの搬入と恒例の集合写真撮影が午後にあり、こちらは準備をしているところの写真ですが、開幕だぁという雰囲気。
午前午後とピット周り。メカさんたちとじっくり話せるのもこの時間だけ。お昼を食べている横で世間話を。とにかく寒くてね、4時間ほど外に出っ放しで風が体温を奪っていくので、すっかり冷えてメディアセンターに逃げ込みました。ずいぶん外にいたなと驚きましたが、あちこち挨拶をして体制を確認していました。公式テストはメディアデーとなってあまり話せなかったので、その時に出来なかったことを補完。だいたいメンバーの確認にほぼ時間を費やします。よって、おしゃべりばかりしているみたいですが、実際は…そのままおしゃべりです。でも取材がてらの良い時間です。私に寄り付かない人は、忙しいからです。やることあるのに、私に捕まる訳にはいきませんからね(笑)。
この鈴鹿の寒さは、過去のあれを思い出しました。昔話が好きな年頃ですが、2006年のSUPER GTの開幕戦、鈴鹿で雪が舞う北風が強い決勝を迎えた時のことです。36号車で初めてコンビを組んだ脇阪寿一、アンドレ・ロッテラー組が見事に優勝をしたのですが、決勝終わり極寒の表彰式のシャンパンにドライバーたちは震えていましたね。あの時、レース中のサインガードの面々は、椅子を下りて下にしゃがみ、ウォールで風を凌ぎながら無線を送っていました。あまりに寒すぎて…。ファン感とか鈴鹿の春のイベントでもこんなに冷えたことあった?
夕方、人がまばらになったメディアセンターを見渡し、寂しいなあと思いながら帰路に着きました。寒いと寂しくなるタイプです…。ホテルのお風呂にめちゃくちゃ癒されました。部屋のユニットバスが温泉気分でした。3月の開幕は覚悟が必要なことをここで思い知らされました。予選日の帰りは、本格的に雪の降る中、ホテルに向かいました。クルマを取りに行く時に、駐車場までカメラマンさんが送ってくださったのですが、バケットシートにすっぽりはまり、降りる時は救助要請が必要かと心配しました。その後、バケットシートから降りる時、シートごとクルマが持ち上がったことになっていて、ウワサとは本当に恐ろしいことだと知りました(笑)。
ぼた雪が降り続きノーマルタイヤなのでホテルへ急ぎました。翌日には晴れることはわかっていたのですが、予報が外れてサーキットに出勤できるんだろうか?帰れなくなる?などいろんなことが頭をよぎりましたが、そんな心配も初めてでしたね。
決勝の国家独唱は、声優の水樹奈々さん。すごくメジャーな方が来られたことに驚きでした。F1日本グランプリでも歌われたそうで、メディアの方が教えてくださいましたが、感動です。開幕に大きな花を添えていました。さて、Hondaのホームコースである鈴鹿で、TGR陣営は苦しい走り始めとなりまして、予選を粛々とこなし決勝ではきっと頑張るんだろうなあと思っていたら…あらら。
チームごとに振り返ります。
決勝でやってくれました。2位表彰台獲得!昨年の開幕ラウンド第2戦以来のポディウムです。シーズンが始まってみたら、テストの上位が嘘のように崩れていってしまうニュアンスのことを発言していましたが、大丈夫じゃないですか!しかも鈴鹿で2位!信じて良いですよね???
何度も書いている「何に乗っても速いケンタ」で間違いない感じ。期待しかないです。彼はリアリストですよね。もう少しコメントも盛ってちょうだい!とお願いしたいくらい冷静で周りがよく見えているドライバーさん。6位から早めのピット作戦で巻き返し2位だし、内容もとても良かったのでいい加減に自信持って行っちゃいましょう。速いんだもんケンタは。おめでとうございました!
会見で、勝つためにやっていることを問われ、お手洗いをきれいに使うよう心掛けていると発言。汚れがあると、他人が汚したものでも(ティッシュとおっしゃっていましたが、きっとトイレットペーパーかな?)拭いてきれいにするそうです。野尻選手から「徳を積むってやつね」と言われていました。SNSでは、そういうところが好きというコメントもありましたが、私もそういうとこ好きですね。Honda山本尚貴選手が、んじゃ俺はゴミ拾って帰ろうっておっしゃっていて、野尻選手がゴミを受け取る素振りをしていました。「徳」は拾った方で良いのかな、受け取った方がいいのかなと考えてしまいました。
チームメイトの小高一斗選手は、2周目で前を行く20号車国本雄資選手と交錯。共にリタイアとなりました。残念!無線でも絶叫していましたが、盛大にカッコ良く開幕したかったね、お互い。これもレース。次に期待します。次、たくさん撮るね。
今年は、38号車のエンジニアが変わりました。渡邊信太郎氏になりました。彼は大ベテランで昔からおしゃれでクルマ好き集団の会社のお方。意外にもスーパーフォーミュラは、初トラックエンジニアとの事でびっくり。やってなかったっけ?という感じですね。SUPER GTでは、2号車のトラックエンジニアを担当されていて、TGR-DCの育成ドライバー平良響選手と共に戦っています。データエンジニアは、今季SUPER GT38号車のトラックエンジニアを担当する岡島慎太郎エンジニア。一気に若返りました。どっちも「しんたろう君」ですね(笑)。経験もだいぶ豊富になってとても堂々としていて良い感じですね。彼は性格も何度か取材をしたことがあって知っておりましてね、TGR陣営に来るとのことで、とても楽しみにしていました。
晴南くんの戦績を振り返ると、デビューイヤー2020年が2位2回と一番元気があったように思います。2年目から昨年まで少し大変な彼の良さが全く発揮されないシーズンが続いてしまいました。ですからこのポールには誰もが驚いたはず。これまでと全く違うセットにクルマを仕上げたそうですが、予選セットはバッチリだったようですね!Q2に向かう際に、調子も良かったのでそのまま行こうというところで、データエンジニアの岡島くんが「それじゃポールが獲れないじゃないですか!」といい、少しクルマのどこかと触って仕上げ、結果ポールポジション獲得となったそうです。
チームスタッフから伺い、翌朝本人に確認しました。もちろんみんなで仕上げたクルマではありますが、最後その若いスタッフの一言がポールを呼び込んだのかもしれませんね。お迎えに行く時のみなさんのうれしそうなお顔は忘れませんよ。
ポールポジション記者会見では、2位になったHonda太田格之進選手と3位のHondaの野尻智紀選手に、タワーに晴南くんの名前があったので、お二人とも予選は10位くらいになってしまったと思ったようでいじられていました。みんなよく知る仲で見ていて微笑ましいです。
これまでの頑張りがなかなか結果に結び付かずかなり苦しかったと思います。記者会見では、もちろん喜びも伝えましたが、最後、会見が終わりに差し掛かったところで、ひとこと言わせてくださいと、晴南くんがマイクを再び持ち、話しはじめました。
そこから何を話すのかと思ったら、下位に沈んでいてもチームメイトと比較されてもこのカテゴリーで走るドライバーはみんな素晴らしいので諦めないでほしいし、みんなも諦めないでほしい旨の話を突然しました。自分が苦しかったからこその珠玉の言葉でした。自分を信じて頑張ったこと、みんなに信じてもらいたいこと、素晴らしいドライバーに期待してその力を信じて欲しいこと、たくさんの意味が込められていました。決勝では初優勝はできませんでしたが、今季はこれまでよりもさらに期待を持って見守って行きたいですよね。チームの士気もあがったと思います。入賞おめでとうございました。
一方、チームメイトの大湯都史樹選手はかなり厳しい船出ですね。これは少し待ちたいと思います。TGR勢が全体的に厳しいのは見てわかりますし、条件はイーブンではありますがこちらは焦らないでいます。今回は下位に沈みましたが、彼の実力ならもっといけるはず!とにかく待ちますね。
ピットウォークでは、お客様と「ベイブレード」をしていましたよ。今季は大会スポンサーでもありますね。ピットウォークは大湯くんのもとにみなさん集まってくださいね!彼と対戦できるかも!彼のファンサービスは、愛情たっぷりだしほんと人気あるのがわかります、対応を見ているとね。何も心配していませんので、菅沼エンジニアと共に頑張ってくださいね!
メーカー移籍後の初レースをどう結果を出すのか。華々しいデビューをもちろんしたかったようですね。予選7位、決勝6位入賞。TGR勢2番手で終えました。おめでとうございました!
彼、やっぱり速いですねえ。他メーカーに在籍していた時に海外修行もしたこともあり上手いドライバーだと思っていましたが、とても良いスタートが切れましたね。チームが結構バタバタしておりましたが、そんなレースウィークを彼なしに落ち着いてこなしていきましたね。チームのサポートも関口雄飛コーディネーターや松田次生アンバサダーと層が厚くなったのも活かせていますね。チームでは楽しくやっているということで、このチームで優勝したいと言ってくれました。このチームにぜひ優勝の経験をさせて欲しいです。ぜひ一勝をもたらしてくれる人になってほしいですね。
一方、チームメイトの小林可夢偉選手ですが、ちょっと残念すぎました。トラブルに見舞われたレースウィーク。フツーにレースがしたいとおっしゃっていましたが、その気持ち心底わかります(号泣…)。
今回、マシントラブルなどもあり予選から満足にアタックできませんでした。シートがどうも公式テストから動くという課題があったようですね。動くんだ。決勝は、ピット作業がうまくいったと思いきや…。上手くピット作業が出来コースへ送り出したのですが、結果的にちゃんとナットがしまっていなくて、その後スローダウン。コースサイドに停めようかと思ったそうですが、行けるなら帰ろうということでピットに帰還。ナットが完全に緩んでいましたね。
どうにかしてあげたいですが、なんでしょうね。ピット作業となるとドキドキしてしまいます。可夢偉くんのクルマ7号車にだけトラブルが出てしまうんですよね。繰り返しになってしまいますが「次」に期待です。お願いだよ…。
そういえば、こちらのスポンサーさんのブースで、モリゾウドーナツなるものを用意していました。水素車が発電したクルマで調理したようですね。グルテンフリーで揚げてないからヘルシーなドーナツ。サーキットに来られるみなさま、きっとどこかで食べられる機会があると思います。サーキットのお楽しみということで、いつか見つけてくださいね。次は九州開催なのであるかどうかは、開催が近づいたらSNSなどでチェックしてください。
SUPER GT GT300クラスで戦う吉本大樹選手。可夢偉くんと同じく大阪出身ですが、鈴鹿ですといつも応援に来ているんですよね。ぜひ一緒に喜びたいですね。早よ~って感じで今季も優勝をこの目で見たいですね。
チャンピオン不在ですが、チャンピオンチーム。こちらは例のお湯を入れたペットボトルで手を温めるところからスタート。笹原選手は何か(笑)で、足先を温めています。こういうのを見ると、我々のロードカーについているシートヒーターやエアコンが心底ありがたいのがわかりますね。
寒い朝でしたが、予選で全く元気のなかったこちらの2台。んー、決勝朝のフリー走行ではトップタイムと追い上げに期待したのですが、11位という結果で決勝を終えました。焦ってもいけないのですが、チームメイトの笹原右京選手も下位に沈んでほぼビリ。この流れ、なかなか断ち切れませんね。
次戦のレースが5月ですので、2ヶ月のインターバルでどうにか復活してほしいですね。チーム力はあるので期待をこめます。お馬さんがほしいというのは、切実な願いでしょうね…。
エンジニアリングもまた強化し挑んだ開幕戦でしたが、思いのほか沈んでしまいました。決勝は、13位フィニッシュでした。チームオーナーのモリゾウさんもいらしてました。関谷くんが教えてくださるのですが、いつもお父さん来るよ~ってね。サーキットに来てくださるのはありがたいことです。ちょうどヤマハの2輪のチームを大嶋くんに説明してもらいながらご覧になっていました。こういうシーンを見ると、2輪にも乗って登場しちゃう?なんて思ってしまいますね。
F2チャンピオンのテオ・プルシエール選手と国本雄資選手は、コースオフしてクルマを修復、2周目でリタイアとお二人共に残念な開幕となりました。
上記に阪口晴南選手がポールポジションの会見で、突然話し出したことを書きましたが、星野一樹監督が、決勝日の朝「ねーさん、あれみたよ。凹んでる場合じゃないなって思った…」と話してくれました。今回はかなり走り出しから厳しい結果でしたが諦めたらいけないという事を改めて思い起こすきっかけとなった晴南くんの言葉。新しく生まれ変わったチームインパル、期待してますからね!焦らず頑張って!
今回もテレビカメラがたくさん来ておりました!いやそうではなく本当に完走しましたね。ラップタイムは、蒼々たるメンバーと変わらない場面も。
隣のピットにたまたま居たのですが、チェッカーをうけてからエンジニアやお父さんに駆け寄る姿も初々しかったです。どこで何がどうなるのか、わからなくなって来ましたよ。これまで走っているドライバーも負けてはいられませんね。こうしてシリーズがちゃんとコース上で盛り上がること、これが一番です!
18歳の女の子から、国内トップフォーミュラのドライバーとして歩み出した彼女に期待ですね。ほんと期待を良い意味裏切りました。完走おめでとうございます!
〇地上波見ましょう!
「Monday Motor SPORT」フジテレビ系「FNN Live News α」内で放送
毎週月曜23時40分~3月から始まりました。国内モータースポーツを伝えてくれる番組の登場です!地上波、大事ですね。うれしいです。見逃しても公式YouTubeで配信されていますので、ご覧ください。地上波で誰かの目に止まることが大事。あたしファンの獲得に期待です!
最後に、ライバル陣営となりますがHonda山本尚貴選手が3位表彰台を獲得しました。昨年9月にSUPER GTで大きなクラッシュを喫し、その後手術などを経ての復帰戦でした。見事な走りに涙が出ました。一時は、今季のシートはないのではないかと思うことも正直ありました。本当に良かったですよね。まだリハビリを続けているようですが、勇気をもらった表彰台、そして涙でした。
バタバタの3月。すでにしんどいですが、引き続きすぐSUPER GTのテストが岡山国際サーキット、富士スピードウェイと2つの公式テストが控えています。そのあとは、フォーミュラEが都内で開催され、F1日本グランプリ!春の初開催を迎え本格的なシーズンの幕開けですね。まだ三寒四温の真っただ中。できれば寒いのだけ勘弁ですよ。では、また!
大谷幸子の近況
だいぶ混乱して来ました。書きものをしていても、途中でカテゴリーが変わっていたり大変。落ち着け自分…。カメラも再び楽しくなり、来月もう1台増やして…いやそもそも持っていたけど手離したことに後悔。もう1台お手軽なものが欲しくなりまして、また購入しようかなと。今のカメラが自分には立派すぎて置き忘れたりしたらと思うとね。ちょっと例年と違い、4月のスケジュールがのんびりなので(多分…)カメラ持って出かけたいと考えています。リフレッシュしないとダメな性格。どこに行くか決めてないけどね。近場かもしれない。ほら、ホテルに泊まるの怖がりでいちいち一大事だから(笑)。そんな楽しい春を思い浮かべて仕事頑張ります!またね!