• モタスポコラム その83-脇阪寿一監督体制下で初勝利!悪天候も味方につけ、関口、中山、今季初優勝!〜SUPER GT第7戦オートポリス〜

脇阪寿一監督体制下で初勝利!悪天候も味方につけ、関口、中山、今季初優勝!〜SUPER GT第7戦オートポリス〜

モタスポコラム その83 2024.11.01

おまたせしました!一勝を挙げましたよ!待ちに待った勝利ですね。ほんと良かったです。こうして、優勝をするとチームのみんなのつながりも強固になってますます高みを目指しますしチーム力も安定していきますよね。ようやく優勝に辿り着いた感あり。もちろんこれで終わりではないので、さあランキングトップまではどれくらいある?と、元気がなくなっていたのですがすっかり元気やる気満々です。そして、ここに来てまだあと2戦もあるので、36号車は安定して強いですが、どうなるかわかりませんと言いたくなるくらい熱くなって来ました。

TGR勢は、今季ここまで6戦中4勝を挙げています。驚きしかないのですが、トップと2ポイント差に3台がいて拮抗していますね。最後まで大接戦で行くことになるでしょう。では、振り返ります。

○搬入日

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    (ごぼう天そば 天ぷらなのにあっさりなのでカロリーゼロ…多分)

木曜日に少し撮影をしようと午後、熊本入りをしていたのですが、雨ザーザーでホテルに直行。残念しかなかったので、お昼ご飯をこの土地のチェーン店の食堂でいただき、年に2度のローカル初め。お惣菜、食品のコンビニ?と食堂を併設した24時間営業のお店で、帰りの遅い業界関係者がお世話になるところです。そして美味しい。今回もありがとうございました。大きなちくわ1本にポテトサラダを筒の中に入れて、天ぷらにするちくわサラダを関係者に教えてもらって数年経過。今年初めて食べました。それと九州と言えば、鳥天。搬入日のお昼は、カロリー増しにしました。

その搬入日の金曜日ですが、ミルクロードで久しぶりに立ち寄る展望台は、こんな感じ。絶望的に曇っていたのに、数キロ先のオートポリスの正門は、ザ・快晴。カルデラの風光明媚な景色はお預けだったのが残念ですが、これはこれで良し。

標高が高い訳ではないですが、山の天気はわからないものですね。たった10分前とは思えない同じ日?な写真です。翌日、雨の予報が出ていてその前触れか非常に暑かったです。これも残念。過去には雪が舞ったりで非常に寒いというのが、10月開催のオートポリスあるある。それも懐かしい話です。

こんな青空の中、搬入。

パドックにある「うかれ亭」に焼きそばを買いに行ったら、TGR―DCの片岡龍也校長先生がいました。こんなに山盛りのからあげと言ったら、育成ドライバーたち若いのでこんなのすぐなくなりますとのこと。自身もGTドライバーでありながら、併催のFIA F4で若手をしっかり指導します。

私は彼が育成ドライバー(TDP初年度)だった頃も知っていますが、器用ですしリーダーシップを取れるタイプだから教える立場は適任だと思っています。TGRの国内の育成は、彼が頑張っていますのでよろしく。海外は、中嶋一貴TGR―E副会長という棲み分け。ようやく海外と国内がTGRで繋がったという感がありますね。今後のTGRドライバー育成が楽しみです。ご期待ください。

前戦で大クラッシュしたGT300 52号車。ぎりぎりまでクルマを作り直して来ましたよ。よく見るとピカピカなんですよ。

38号車は、レーシングスーツを着用でドライバー交代の練習。本気モード。実際こうしていつもやっているチームは、ニスモ陣営の2台だけですが、実践練習は良いですね、もちろんファクトリーでやっているチームもあるので、撮影できるかできないかだけを考えると、こちらはうれしいです。

一斉に何かが始まると、動画も撮りたいし写真もコラム用に撮りたいしで何かを取り逃がすパターン。笹原右京選手が、コースウォークから帰還。このあと、ドライバーブリーフィングです。オートポリスで配布するステッカーを見せてくれています。毎戦、オリジナルステッカーをスポンサーさんが制作しているようです。コレクターにならないとですね、右京ファン。

ずっと19号車のピット作業の練習の様子の動画を撮り逃していましたが、今回は撮れて自己満足でした。と思ったら、また39号車を撮り逃した…号泣。

それぞれタイムテーブルに従って準備をしていきますが、ゆるりとした時間なので、少し自分も話をしたりができる時間帯ですね。

夕方になったら雲が出てきてがっかり。なぜかと言うと、セーフティーカーとFROの慣熟走行が行われるのですが、この写真のセーフティーカーの方向、「西」に紫金山・アトラス彗星が見られるはずだったからです。肉眼で楽勝に見えると言われたので、サーキットで見られることを楽しみにしていました。きっとそんな高くない場所に見えると思っていたのですが、残念。次は8万年後ということで、記録として残しておきますね、見えてないけど(笑)。おとなしく退散。この日は何を食べたかなあ?あれ?

○予選日

朝焼けのコンビニには、関係者がいっぱい。焼けていますが、雨が降っているんです、しかも強め。不思議な天候からの予選日スタート。

正門は、こんな。視界不良です。霧がとても濃い。この辺りは、霧というより毎回書きますが雲の中。ここに来るまで、ぼちぼち混んだ道を進みサーキット到着です。

日産24号車での緊急脱出訓練を見つつ、ピット周り。

風が強い!そして、ピットの中まで霞んでるオーポリあるある。

先頭の36のピットまで来たら、ピザがデリバリーされていました。はい、ブレーキパッドですね。20年前からのネタです(笑)。

ドライバーが車に乗り込むとき、レーシングシューズの裏が濡れているのを拭き取るマットを簡易作成。これも昔からトムスのメカたちがやっているドライバーへの心遣いですね。メカも毎回靴の裏を拭いてあげなくてもOK。ちなみに彼はスーパーフォーミュラ36のチーフメカ。37のチーフメカもおりますが、SUPER GTも今季はサポートしていて、レベル高いと思います。ただ大変だ、レースが続くから。

Honda勢タイトル争い筆頭の100号車。

こちらは、日産勢タイトル争い筆頭、3号車です。サクセスウェイトが最大で課される中、結局タイトル争いをする強いチームが決勝でも上位争いをしていますね。一番軽いクルマにチャンスがあるとだいたい予想して来るのですが、いつもサクセスウェイト半減となるオートポリスでは毎回タイトル争いするクルマが強いですね。

FIA F4の予選がキャンセルとなる不穏なスタート。嗚呼…残念。この霧だとドクターヘリが飛べないので仕方ないです。

激感ピットは、先頭のトムスのピットの真横。クルマが出ていくところがみられる好立地。これはお得です。だからなんとしても走って欲しかったのですが、結局、午前のセッションはキャンセルとなりました。

サーキットサファリは、GTのマシンが走れない状況でも行われていましたね。コースをバスで走れるのは貴重ですからね。オートポリスは高低差があるのが特徴。いつか機会があったら、サファリバスに乗って欲しいですね。コースが良くわかります。写真見ただけでも頭に入りますよ。今年もお仕事の関係で乗せていただきましたが、昨年ご一緒したお客様と今年も一緒になり、お話をさせていただきました。その方は四国からお見えでした。フェリーで海を渡り自家用車で九州入り。オートポリスだと、ついどちらからいらしたのか、どうやって来られたのかと聞いてしまいます。でもそれぞれSUPER GTを楽しみに遥々やって来たというのがわかるので、とてもうれしくなるんですよ。そして、バスに乗る前には、イベント広場入り口にいつものお馬さんをぼーっと眺めました。一瞬、私は今、どこにいるんだっけと毎回なるのが良いところ。ほんといいですねココ。

ピットウォークは通常通り。これは良かった。このあとの流れを考えると、ピットウォークまでなかったら、ほんと何もない予選日となってしまうから。

こちらは、モノコックからドライバーの緊急脱出訓練を実演するオフィシャルさんとドクターさんたち。ピットウォークでやっていましたね。朝はマシンを使って実践練習をしていますけど。今回からこのモノコックがイベント広場に展示されているんです。ぜひご覧ください。

そして、このあと素材がない。予選も翌日に順延されました。雨が強かったので当然予選がキャンセルになるだろうと思っていましたが、キャンセルになった途端に雨が止むという。これはレースウィークあるある。翌日の朝8時に公式予選が設けられましたので、業界みんなさっさと帰りました。午後6時に夕飯を食べに行くという、これまでに絶対にないパターン。さすがにろくに仕事をしてないと楽なことが良いとは思えません、日曜日が多忙になるので。今回撮れ高ナシですし、レース終わると帰りの飛行機の時間があるからみんなさっさと帰ってしまうし。そもそも悩ましいのですが、公式練習も予選もお見せできないという異例な事態でした。SUPER GTの悪天候は3戦連続ですね(涙)。第5戦は、12月に延期ですし天を仰ぎたくなりますね…。

○決勝日

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    (夜が明けて来ました)

ミルクロードから分岐して菊池方面へ左折し、また右折してと書いてもわからないと思いますが、道そのものはシンプルで迷子になりにくいサーキットまでの道のり。サーキットが近づくにつれ渋滞が始まりました。まだ午前6時前でしたね。午前5時に出発し、近所の食堂で朝食を調達した時、お店の中はレース関係だらけでした。まあ、これもレースウィークあるある。レジ待ちトラフィックが起こります。サーキットに近いお店ほど混み合います。これもまた仲間意識が芽生える出来事ですけどね。

午前6時サーキット着を目指して出発したのですが、手前の坂あたりからゲートに到着するまで30分くらいロスしたような。一般のお客様のゲートオープンと同じ時間くらいだったのかな。サーキットによってゲートの開く時間も違いますのでね。混雑はしましたが、一般のお客様のクルマを見るとうれしくなるものです。しかも悪天候だと言うのにね。年に一度の九州開催、地理的に近いところは岡山の開幕戦?なかなか機会がないので、観に来ていただきたいですからね。

ピットに向かったら、みんなもうレースモード。そうですよね…。チームは走行2時間前にだいたい出勤してくるので、準備万端。チームさん曰く昨日からいつでも走れる状態とのことです。

計時予選となってしまったため、アタックドライバーの申告もなく予選が開始されます。でもだいたいアタックするドライバーは、どのチームも決まっていて、あとは乾いて来た路面にウェットタイヤなのかドライタイヤなのか、どれが一番マッチするのかを早く見つけたチームの勝ちということかな。なかなか難しいです、この雨が上がるタイミングというのは。予選開始直前まで霧だったのですが、少しその霧も上がってきたので、中止?というムードから、あれ?やるの?で一気にバタバタの本気モードでしたね。

30分の予選は普段と違って長い時間のアタック。このチームに張り付きました39にね。バタバタのピット。雨ですからね。でも冷静に考えてみたら焦らなくて良いです。ポールのチームは、決勝タイヤの皮剥きはしたと思いますが、とにかく1セットのタイヤを温め続けたとか。あ!って思いましたね。だからタイムを出してからもずっとベストラップでモニターの文字は赤色。ほかほかに温まった状態だった訳ですよね。なるほどと思いました。イレギュラーな予選は、とても頭を使いますね。路面状況もムズイ。14号車が、予選3番手となり今季初優勝の期待がかかりました。

ピットウォークも決勝日もフツーにあって安堵。「お父さん、写真とっとっと?」九州弁が心地よか。よかばい?とにかくいい感じ。お手伝いしたくなってしまう(笑)。日曜日はお客様がたくさんいらっしゃるので、余計に早くレースを見せたいと思いました(私がレースをする訳ではないけどね)。

青空も見えて来てなんとタイミングが良いと思ったら、結局降り出したんだけどね。気まぐれお天気に翻弄されるオートポリスです。雨はほんと勘弁。

この混み具合はありがたいお話。ピットウォークが終わったかと思うともうウォームアップ走行にスタート進行とお弁当を食べる時間もありません。食べたけど。取材の時間がないです、悲しいかな…。

華やかなグリッドは、寒かったけど雨にならずに済みました。

ブルゾンとか持っていかなかったので、凍える日曜日。ほんと寒かったなあ。グリッドまでの待機時間とグリッドに実際に立たれてからトータルで1時間以上あると思うのですが、レースアンバサダーさんたちも寒かったはず。グリッドボードを持つ方もブルゾン着ても大丈夫だと思うのですが、プロ根性ですね。そんなところも垣間見られますね。ほんとお疲れ様です。風邪ひかないでね!

レースは3時間で、あっという間に始まりどんどん時間が過ぎていきます。結果、4回もセーフティーカーの入る荒れた展開となりました。そんな中、セーフティーカーも味方につけた39号車が今季初優勝となりました。おめでとうございます!

39号車は、開幕戦で2位表彰台に上がってからノーポイントが続いていました。開幕を見る限り、今年はイケるかなと思っていたのですが、その後苦戦でノーポイントでした。

第2戦富士スピードウェイの同じく3時間レースで、関口選手→中山選手→中山選手がぞれぞれのスティントを担当しました。関口選手が移籍してからは、彼が前半引っ張って、残りを中山選手という流れが多かったです。今年のその富士で、中山選手が2スティントと長く走ったこと、そのストラテジーにとても成長を感じたんです。偉そうに失礼します。もしかすると、それ以前にそんな戦略をすでに取っていたかもですけどね。富士が終わってから次のレースだったかな、聞いたんですよね、雄飛に。なんでそうなったのと。チームからコメントを取れていなかったので。

その時は、2スティント連続で走ることで、ピット作業のリスクが少しでも減ること、そしてピット作業もスムーズに行えると話してくれました。移籍した当初は、近藤チーム代表は以前コラムにも書きましたが、関口選手というチャンピオンを迎え、彼から学ぶとおっしゃっていました。戦略はみんなで決めたと思うのですが、一緒に成長して来たということなんだと勝手に思いました。ここまで長かったですが一つカタチになりましたね。雨降って地固まる。こうなると、チームはどんどんまとまっていくものです。レースに終わりはないから、ずっと続きますけどね。

脇阪寿一監督就任後、初の優勝。とっても喜んでいましたが、ドライバーたちを称えてくださいと一歩後ろから彼らを見守る姿もありました。うれしさを抑えきれずに、優勝記者会見も来られたので、せっかくだからと会見で優勝の感想を述べていました。

そうそう優勝直後の表彰式の前に、彼と共に戦い続けて来たTCDの北林さんがいらっしゃいました。車両開発など、脇阪監督は現役時代からTCDの中のモータースポーツ部門のTRDさんと共に戦って来たので、チームとのつながりもちろんですが、こうした影でレースを支えるみなさまとも強固なつながりがあります。そんな中、北林さんのロン毛が気になってはいたのですが、まさか寿一監督が優勝するまで切らないと約束したからロン毛だったとはつゆ知らず。めっちゃ驚きました。好みで伸ばしているのかと思っていた(失礼)。このコラムがアップされる時には、すでに第8戦の現場で私は取材をしておりますから、北林さんのその後を追いたいと思います。隠れてそうだなあ。切ったらフツーの人になるのを危惧していますけどね。そして、すでにTRDさんからタレコミがありまして、ベリーショートにするとかしないとかおっしゃっていたみたい。オートポリスでは、坊主!とおっしゃる動画を撮ったのですが、それじゃ罰ゲームですよね。どんな姿になっているか楽しみにしたいと思います。

あと、39号車の柏木エンジニアにお話を伺いたかったのですが、私がようやくパドックに行ったときはすでにトランポしか残っておらず。ろくな取材もできないまま帰還しました。男泣きはしっかり動画に収めたので、もてぎで少しお話が聞けたらいいなあと思っています。

○最後に

サーキットとGTAさんで遠くから来られた方にプレゼントを差し上げる企画をしていました。海外の方もおられたのがびっくりでしたね。こちらのカップルはなんと秋田から!しかも新婚旅行で来られたとのこと。最後の最後で癒されましたね。TGRファンのようですパスケースなどを拝見すると。観戦後、九州を周ってお帰りになるそうです。偶然居合わせた優勝ドライバーと監督。せっかくだから写真をお願いしたら、トロフィーまで持って来てくれて、かつ会見場に移動してくれて記念撮影をしてくださいました。脇阪監督、ドライバーたさんたちに感謝ですね。すっかり親気分でうれしくなりました。こちらのコラムに掲載の承諾もありがとうございました、末長くお幸せに!

すぐもう第8戦!ここが最後ではないのですよね、あと2戦もあります!そして、もてぎなのに、サクセスウェイトと燃料リストリクターが絞られるクルマもあります!異例の天王山!楽しみしかありません!オートポリスでGT500クラスはポイント差が縮まり、大接戦!全く読めません!もう後がありませんので、ぜひ現地でもテレビでもご覧くださいね。3戦連続で悪天候でしたが、今の時点で第8戦もてぎが号泣な天気予報。これが変わることを祈りながら、コラムをおしまいにします!またね!

大谷幸子の近況

一週だけ休んで次のSUPER GT第8戦もてぎ、その次、何をどうしたらEXILEのTAKAHIROさんが国家独唱になるんだろう?めちゃくちゃ楽しみなスーパーフォーミュラ最終戦の鈴鹿。濃い時間を連続で過ごして参りますよ!宿題もいっぱいだ。座りっぱなしで腰がヤバイ。わたしはその鈴鹿のあと、ラリージャパンで10日間の愛知県豊田市生活が待っております。自走の移動ばかりで昨年同様、疲れきってそうです。昨年よりも過密スケジュールで怖い。今からコラムを書いてしまおうかと思うくらいですよ(笑)。間に合いません。どうやって乗り切ろうと考え中。すでに白旗あげてます!!!

(写真 トヨタ自動車 大谷幸子、テキスト 大谷幸子)