• モタスポコラム その84-タイトルに王手!二人の速さを繋ぎ36号車優勝! 〜SUPER GT第8戦モビリティリゾートもてぎ〜

タイトルに王手!二人の速さを繋ぎ36号車優勝! 〜SUPER GT第8戦モビリティリゾートもてぎ〜

モタスポコラム その84 2024.11.15

こんな展開はあるのでしょうか?ご自身たちも上出来だったようですが、それを見せられた私たち。参りましたね。もう完璧すぎて困りました(褒め言葉)。36号車のみなさま、おめでとうございます!

シーズンをかけた天王山!見事勝利し、大量リードで最終戦を迎えることとなりました。それでは、現場の様子を振り返ります。

○搬入日

モビリティリゾートもてぎの関係者用のシャトルバスで、オーバルコースからパドックへ向かいましたが、搬入日から稼働していて、重たいリュックを背負う私には、白馬の王子様。いや、運転手さんは女性でしたけど本当に助かりました。Moto GPに伺った際にも確かお世話になった気がします。土日も遅い時間まで動いてくれて、クルマの近くでおろしてくれてと、なんと楽なのでしょう。ありがとうございました。コラムの冒頭に持ってくるほど、感謝ですほんと。

前回の覇者、39号車の柏木エンジニアに少しだけですがお話を聞くことができました。男泣きを見てしまったので、とても気になっていました。ほっとしたとのことで、やはり結果を出してなんぼだからトラックエンジニアとしてはそうなりますよね。ところが、F4の走行が始まってしまったので、ここで中断とさせていただきました。時間を見つけてと思ったのですが、どのチームもこのいつもと違うスケジュールに合わせて動いていたので、もう少し聞きたかったけど仕方ない。また今度にします。

脇阪監督は、3連勝を狙っていると。あのオートポリスでの勝利がラッキーではなく、我々の速さならできるのではないかと話してくれました。一勝は、チームを引き上げる力を伴うと信じておりまするので、この勢いは継続したいところ。だからこそ、次も勝って速さを証明できればと思っていたのかもね。優勝で気分が良いのなんて2、3日だけだよとも。仕事だから続きますしね。またお話聞かせてくださいね。

パドックへ向かうと、絶賛トランポ祭り。チームは働き方改革なのか、木曜日にサーキット近辺に移動する前入りが増えて来ました。木曜日のうちにサーキットに寄って設営をできる範囲で行なっているんです。よって金曜日はバタバタしない設営日となりました。マシンを下ろすのは金曜日から。今回は、サポートレースのFIA F4も決勝が3レースもあり(悪天候の影響です)、異例のレースウィークなので、金曜日にF4の予選が入りました。その予選の前にピット作業の練習をしているのを見ているとだいたい前倒ししているチームが多く、動きを掴むまで慌てました。練習を早めに切り上げるチームが多かったですね。

37号車しょーいちろうメカ到着。重たそうなツールケースは、大切な工具が入っています。自分で揃えた大切な工具類は、お値段もなかなか。みんな自前の工具でお仕事してるんです。道具って大事ですね。カメラとかレンズとかのこだわりと同じなんだろうなあ。

午後になると37号車ジュリアーノ・アレジ選手のお父様のジャン・アレジさんが一緒にいらしてましたね。気さくに挨拶をしてくださいます。

この日は阪口晴南選手のパーマが、現地入りする前にSNSに投稿されていたことで話題に。F1ドライバーのランド・ノリス選手になりたかったというヘアスタイル、似合っているんだけどご本人は気にしていました。もっと強めでも良いかもです。男性のパーマ、トレンドなんですね。関係者もめちゃ増えていますが、春に一足早く“パーマをあてた”ライターのパーマ先輩がちょうどいてパチリ。ポーズとってくれたので掲載OKですよね?パイセン曰くお手入れが楽だとのことです。シーズン中取材で多忙ですもんね。おしゃれだしなかなか良い。わたしもかけたい、あ、あてたい。

セルモのピットには、これまたヘアスタイルネタですがカツラがあって、みんなでかぶって遊んでいました。そのカツラは、金ちゃんマネから某男性スタッフへのプレゼントとのこと。ふさふさな感じだったので記念にかぶってみました(笑)。ふさふさというところで、察してください…愛ですマネージャーからのね。面倒見が良い。

前戦の勝利で、脇阪寿一監督との4年の約束を果たしてヘアカットしてきたTCD北林さんは、ロン毛をばっさり。尖った感じがなくなってフツーの人になりました。ちょっと寂しいな、物足りないけど。引き続きお仕事がんばです。

36号車、37号車、Honda 100号車、日産3号車が戦う前は僅差で並んでいたので、様子を拝見。いつも通りのスタッフたちは、いつも通りの準備をして、練習をしてこの日を終えました。拝見と言ってもスパイではありません。なぜなら、車を見てもわからないので(笑)。

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    (ピット作業の練習 17時過ぎのサーキットも陽が落ちるのが早くなり暗いです)

この日の帰り、コンビニに並んでいたら突然前の方が振り向かれて話しかけられました。親子でこのSUPER GTにオフィシャルとして参加する方でした。宮城ナンバーのクルマが数台あって不思議だったのですがSUGOのオフィシャルさんがお手伝いで来られていたそうです。逆に先般行われたSUGOラウンドは、お手伝いにもてぎオフィシャルさんが行かれたとのこと。なかなか人手も足りないこともありますが、勉強にもなるとのことでした。みなさん本業を持たれていて、その合間にオフィシャルをやられている方ばかり。そういえば九州で、東京からお手伝いに来られた方に熊本で声をかけられたこともありました。何かとてもほんわかした時間でした。

○予選日

朝から土砂降り。なかなかの雨の強さです。走行前に緊急脱出訓練を見学していたら、昨日コンビニでお目にかかったオフィシャルさんから、昨日はどうも!と。多分会えないだろうと思っていたので、驚きでした。朝イチで遭遇です。

走行開始。サインボードを出す担当のメカさん大変。さすがにびしょ濡れですが、仕方ない…。

チャンピオン争いも天王山。雨とはいえ、万全に対処しないといけません。しかし、雨で頑張ってしまうと、菅生大会のようにクラッシュがあちこちで発生します。練習走行の結果が予選結果となることはないと、今回は事前にチームにアナウンスされていました。これも菅生ラウンド、オートポリス、今回と残念ながら大雨に祟られていることと、きっとタイムスケジュールの兼ね合いもあるのかなと思いましたが、まずは安全第一です。ちゃんとした理由はわかりません。ほんと地球温暖化なのかなんなのか、天候に影響は出ていますね、ってかSUPER GTに(号泣)。

朝の走行は、全部のピットに行くのですが前半19号車のピットで見ていました。赤旗が何度も入るたびに、坂東正敬監督からおやつをいただきながら…。なんて、この先のこと、来季のことなどを話しながら時がすぎていきました。この時期だと、来季のシートのことに注目かもしれませんが、私はあまりそこに興味がない。情報が噂話として入ってくることもありますが、いずれちゃんとした結果を知ることとなるので、先周りして野次馬になることはないですね。今季はそれを耳にするほど自分に余裕がないというのが正直なところですかね。マサ監督が一緒に戦いたい体制というかお考えがちょっとわかったかな。おやつもありがとうございました。

新方式となった予選のレギュレーションがようやく今回実施されるラウンド。ヨコハマタイヤを履く19号車には救済措置がありますね。タイヤを2セット多く使えるのですが、それはタイヤ開発の為。予選に活かせるといいなと思っていましたが、チームは、雨のコンディションで苦労していましたね。ちょっと悲しかったなあ。

36号車吉川マネ、ネタをくれました。「窓」にチーフメカサミが小細工をしたというネタです。ドライだとわからなくて、ウェットだと「36」というのが見えるというのです。綺麗に映っていたというのですが、私には見えず。窓には、うっすら数字は見えるんだけど、わからずに終わりました。ウェットだと見えるそうです。予選ではすっかり見逃しましたが。

同じチーム同士でポイント差「1」。もてぎは大事な戦いとなります。

ピットウォーク時には、雨が弱まってくれて助かりましたが、オンタイムで進んで行きます。

いざ公式予選。

GT300クラスは、31号車!フレッシュなコンビが一番時計!お兄ちゃんと弟ですかね。小高一斗選手と中村仁選手。中村選手は、今季4輪本格デビューのルーキー。スーパーフォーミュラ・ライツにもFIA F4からステップアップしました。二人とも若手ですが、18歳から見た25歳の一斗は、大人でしょう。記者会見がすこし愉快でお兄さんな一斗と、先輩に気遣いを見せる仁くんの様子がね、おもしろかったです。TGR―DCもどんどん若手が増え、今後が楽しみになって来ましたね。ポールポジションおめでとうございます。

サクセスウェイト、ハンデの一番大きな36号車が3番手と好発進すぎる好発進!これには、驚きました。坪井翔選手がトラフィックにハマり、山下健太選手が間合いを取ってアタック。合算で3位という結果に。このアタックでケンタは自分の自信になったと話してくれました。いつも坪井くんはスゴイと褒めるのですが、自分もそうなんですよね。何に乗っても速いケンタ。海外から戻って国内に専念しているので、乗るクルマも限られていますが、トップドライバーであることを忘れずにね!

38は、4番手。これもなかなか良い位置。2列目ですよ。無事に予選が済んで良かった…。そんな一日でした。もう雨、勘弁。

○決勝日

見事に晴れ渡りました。ここでみなさまにお知らせです!晴れ渡ってカメラでせっせと撮影を始めました。が、しかし、翌週のスーパーフォーミュラまで時間がなくバタバタ仕事をしていたら、HDDにいつもならすぐコピーするのですが、やらずに鈴鹿に向かってしまい、鈴鹿で中身を確認してコピーしてあると思い込み、すべて削除しました…。何枚かBluetoothでスマホに送ってないかなと思ったのですが、まったくそんな時間がなかったようで一枚も残っておりません、悪しからず。

久しぶりにやらかしてしまいました。ショックですが、どうにもならないことには、凹まない自分がおります。オートポリスでは、カメラの故障が怖くてスマホで撮り続けたので、スマホ写真で続けます(涙)。

おはよ。朝早くからありがとうございます。19号車せなマネのファミリーです。いつもサーキットにお越しです、ありがとうございます。

グランドスタンドの方にも行きましたよ。とても賑わっていましたが、あっちに行ってしまうとパドック側でのあれこれが撮れません。わたしは最後のピット作業の練習がみたいのですが、できませんでした。

サードのピットに行ったら、すごいゲストさんがおりました。パリ五輪フェンシング金メダリスト加納虹輝選手と元オールブラックス(ニュージーランド代表)ブロディ・レタリック選手 (現コベルコ神戸スティーラーズ所属)がおりました。加納選手は、福住仁嶺選手にそっくりですね。事前にチームから来場の告知が出ておりましたが、感動。金メダルと銀メダルをご持参で、初めて見ました。さすがに遠目で。そして、わたしラグビー好きなんです。最近は、見に行っておりませんが太古の昔の若い頃、高校ラグビーも6大学ラグビーも出身校を応援に行きました。神宮懐かしいです。社会人ラグビーも地元に強いチームがありまして、テレビで応援していましたね。

オールブラックスは、試合前に「ハカ」で士気を高めるあのシーンを一度は見てみたいと思っておりましたが、まさかのレタリック選手が目の前に。しばらく悩んで、みんなが写真を撮っていたので、友だちに促され結局どさくさ紛れに一緒にお写真を撮らせていただきました。憧れすぎて、撮った写真の顔が変顔すぎてもう…。大切にしまっておきます。本来ならこのようなコラムに掲載するんでしょうけど一般人なのでわたくし。そう言えばWEC富士で、ハリウッド俳優のパトリック・デンプシーが来られた時も、周りは気づかなかったのですが、私は大好きで目の前にいるのに気づき、表彰式の際にセルフィーで写真をお願いしたら、あの映画みたいに優しく手を添えてくれて舞い上がり、画角に収まらない写真が撮れていて号泣した経験あり。スマホとかめちゃくちゃ撮り慣れているはずなのに、肝心な時にやらかすみたいです。それを思い出しました。

いざ決勝!

何かこう、2024年物価高もマックスとうとうお米も高騰。茂木町からの副賞なのですが、これはうれしいに違いないと思ってパチリ。記録として残しておきます。

見事な天気!もう1日早く頑張ってくれていたらね。

37号車は、グリッドでバタバタしていましたね。なんかあったんだなと思いましたが、こんな時は何も聞きません。時間が限られていますからね。結局、レース中にトラブルで3台のGRスープラがリタイアとなりました。残念。いつも思うのですが、何かアップデートしたタイミングで不具合があると、同じ車両に同様なトラブルが出ることもあって。当たり前のことなんだけど、こうなんていうか、マシンが精密機器というよりもクルマという、そんな印象をアナログな私は持ってしまいます。ハイレベルなお仕事をし高性能なクルマを製作している。寸分違わぬ成果が出るんだなと。今更ですけどね。

しかし、どのクルマもリタイアは残念なことなのですが、この37号車はタイトル争いを1ポイント差でしていたので、ダメージは大きいかなと。レース中のミスではなかったのですが痛い結果となりました。このクルマがランキング上位に来るのは久しぶりだったので、とても残念でしたね。

圧勝の36号車でした。今季2度目の優勝です。チェッカー直前のピットでみんなバナナを持っていたので、集合写真などタイトルを取らない限り写真を撮らないチームなので、ちゃちゃっと集めて撮っちゃいました(笑)。バナナはスポンサーさんの携帯電話なのかな。よくわかりませんが。

2回開催されるホーム富士スピードウェイでは勝てていないけれど、アウェイのもてぎは結構得意なGRスープラ。もてぎが同じく大得意なランボルギーニ・ウラカンGT3も今季見事3度目の優勝となりました。こちらもスゴいね。

38号車が2位と今季3回の表彰台を獲得です!復活セルモ!石浦宏明選手と話しましたが、エンジニアなど新体制がとても機能しているとのこと。相棒もそうですがチームのムードを変えた岡島エンジニアの加入などが大きいと。ここ時間切れで大湯都史樹選手と話せていないのですが、もちろん大湯くんの加入も大きいですね。ポイント差は22と少し離れましたが、タイトルの可能性はあります。現在ランキング3位です。最終戦の戦いを楽しみにしていますね。

100号車が18ポイント差でランキング2位、37号車は、23ポイント差で4位です。日産勢は、残念ながら3号車が24ポイント差と実質タイトル争いから脱落。上位陣もだいぶ離されてしまいましたけどね。36は今年も強そうと思われておりましたが、ドライバーは変われど、トップを維持ですね。スゴいしか言葉がなく(語彙…)。

終わってから晴れていたので、コースウォークに出てみました。これも今さらなネタですが、もてぎの縁石は「青」です。覚えておいてね。

そして、人が集まっていてなんだろうと見渡したら…。気づいたんです、みなさんトランポドライバーだということに。バスが来てトランポのヘッドの置き場まで行くところでした。なるほど、まとめて連れて行ってあげるんですね。乗ったら?と言われましたが、また今度(笑)。だって私ヘッドに乗れそうにないんだもん。少しでも高いところが苦手なんですよ。乗ったら見晴らしが良さそうですけどね。お仕事の邪魔をしたら悪いし。いつか乗せてください、みんなでお尻を押してくださいね。

歩いていたら、向こうから小走りに走り寄る方がいました。おねえさんですよね?と。「おねえさん」は何年やっていても良いんですかね?申し訳ないですが、一応「はい」と答えます、ちょっと恥ずかしいですけどね。

サードのファンのOさん。実はある会社に内定が決まっている方でした。もしかすると、レースで一緒に戦ってくれるかもしれません。とのことで、パチリ。これからクルマ関係でお仕事をされるとのことでした。ご両親と一緒にサーキットに来られたそうですよ。忘れないようにスマホにメモをしておきました(笑)。若者に将来を託す気持ちでたくさん話しました。コースウォーク終了とともにバイバイ。若い頃に戻りた…くはないか。それなりに楽しかったからね、この自分の人生。これから彼が描く未来は、全く私の知らない世界が展開されるんだろうなと思うと不思議な気持ちになりますね。自分の息子だって、知らない時代をこれから生きていくけど、なんか他人様の背景が大きく見えるんですよね。身内を狭い世界に括りつけすぎちゃっていますね、これダメね。楽しい時間をありがとうございました。頑張ってくださいね!

レースの話が少なめの今回ですが、最終戦をターゲットに。いや走り回っていて終わるかもしれないけど。

大谷幸子の近況

レースが2週続くだけでスタックしています。どんどんPhoto Dump ですが、とうとう間違えて写真全部デリートして復元ならず。このもてぎの後のスーパーフォーミュラ最終戦の写真は、ちゃんとHDDにコピーしました。が、もうラリージャパンのお手伝いで移動です。豊田市に10日間ほど滞在します。昨年同様、この時期はバタバタ。

そう言えば、BBQでもしようと小さなテラスを猫の額の庭にちょうど一年前に作ったのですが、今年も猛暑で屋外とか無理で未使用。秋になったらスケジュールが過密で無理、そして悪天候…。いつになったら、のんびりBBQができるのか。もう寒くなって来たし、来週は12月の寒さとか。一年の過ごし方が難しいですね。かっこいいBBQではなく七輪で秋刀魚を焼きたかったんですけどね。何もできていない、来月シーズンが終わったら、夏やすみを取る予定。はい、夏休み。1月は冬休み。寝不足続きですがそれまで頑張ろうと思います。ではまた!

(写真 トヨタ自動車 大谷幸子、テキスト 大谷幸子)

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