• モタスポコラム その87-東京オートサロン2025!

東京オートサロン2025!

モタスポコラム その87 2025.01.24

新年明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします!と、元気にご挨拶できること、うれしく思います。

さて、東京オートサロン、早速行って参りました!こちらは、日本最大のカスタムカーのイベントですので、アフターパーツのマーケットが中心となりますが、その中からTOYOTA GAZOO Racingの活動に関するものを少しですがピックアップして行きたいと思います。

○TOYOTA GAZOO Racingプレスカンファレンス

モータースポーツを起点としたクルマづくりをやって来たTOYOTA GAZOO Racing 。ずっと追いかけて来ましたが、今年はニュルブルクリンク24時間レースへの参戦が復活しますね。翌日にその具体的な内容に関する発表がトークショーで行われていましたが、まずはその報告を兼ねた新年一発目のプレスカンファレンスからスタートしました。

イベント全体を見渡しても、毎年一発目のプレカンはここからスタートなのですが、TOYOTA GAZOO Racingの父、モリゾウさんが不在ということで、集まった方々が不在であることを残念に思う気持ちが伝わって来ました。なんかこう締まらないんです(笑)。不在であることで、運営さんもいろいろ大変だったとは思います。それだけこのモータースポーツ活動を築き上げ揺るぎなきものにしたということを改めて感じました。この10数年を振り返ってみてもどのメーカーよりも長けたモータースポーツ活動に力を入れて来たことは、その存在ゆえであり誇るべきことと感じますよね。

ワークス活動のトップカテゴリーとはまた別に、このニュルブルクリンクへの挑戦などのクルマづくりの活動もその棲み分けしっかりとした行い、どの立ち位置も明白で継続して来ていることがTGRの活動の特徴と思います。内容がよくわかるのが今回も含めトークショーやブースのコンテンツです。TGR公式サイト内に東京オートサロン特設サイトがありますので、詳細は省きますがまずはそちらをご参照くださいませ。

さて、当日のことですが、プレスカンファンレンスの為、急ぎ脚で北ホールに向かっていたところ、F2で頑張っている宮田莉朋選手に会うことができました。久しぶり!プレカンがもう始まる!という時でTGRブースは人でいっぱい。テレビカメラの台の後ろしか空いておらず。どうにもステージが見えない位置にしか立てずにいたので、始まってから半ば諦め、ちょこっとトークとなりました。プレカンは、YouTubeでしっかり拝見しました!

ご本人にも言いましたが、宮田莉朋選手が良いタイミングで海外へ行ったと思うのは私だけでしょうか。みなさんそう思いますよね。彼はずっとF1に乗りたいと言っていました。TGRの活動の中にはもう「F1」の文字はなかったけれど、レーシングドライバーになりたいと思った時に、プロを目指すなら誰もが「F1」と頂点を目指すのは当然だと思うので、それを口にするのは悪いことではなく。その道が無い中でもみんなが心に秘めていたのではないでしょうか。その夢に向かっての一歩として、この時はF1の文字はないままでしたが、昨年F2に参戦する機会を得ました。苦戦したシーズンではありましたが、頑張っていましたよね。かなり慌ただしい時間を過ごしたようですが、ドライバーにとって忙しいのは良いこと、ステアリングを握る時間が多いのはとても良い。チャンスがあれば乗れるものは乗っておきたいですしね。

そして、2025シーズンは名門チームARTに移籍します。今季F2に参戦するドライバーも結構変わるようなんです。となると、昨年の経験はさらに活かせますね。初めてのサーキットから経験あるサーキット、経験値を活して良い結果がついてくる!となるよう期待します。何もかも上手くいくとは思っていないけど、ポジティブな要素がいっぱいですからね。

何より、上を目指すなら「このカテゴリー(F2)」で走っていないとダメという莉朋。この言葉は説得力がありました。結果もそうですが世界のみなさんに認知されることも大事ですよね。そして、世界のドライバー莉朋は、この東京オートサロンも欧州と日本を行ったり来たりの中で来たとのこと。すぐ帰って行きましたけどね。世界の往来も若いうちなら平気でしょう。莉朋の活躍をどこか見たいですね。

今はイギリス在住とのことで、奥様も元気そうだし近況を聞けて良かったです。次、いつ会えるのかわからないけど、ずっと応援しているから。あれは、そのまま残しておくよ(莉朋との謎の約束)!

と思っていたら書いている最中、発表が飛び込んで来ました!そういうことだったのね!このコラム公開前の1月15日、16日のスペインのヘレスで行われるテストで、Haas F1チームからのテストドライブが発表になっていました!たくさん拍手を送ります。旧車とのことですが、初ドライブ楽しみですね。ずっとF1に乗りたいと言い続けて来た自分のこと、声をあげ続けて良かったとあの日も言っていたんですよ。もちろんこのテストドライブの件は知りませんでしたけどね。とにかく、夢に少しでも近づいていること。すぐにとは行かなくてもワクワクしかないですね。

そして、同じくF1で話題のこの人。アルピーヌF1チームのテスト&リザーブドライバーとなることが、東京オートサロン前にアナウンスされていた平川亮選手。これも驚きましたけど、4月のF1日本グランプリのフリープラクティス1の走行も決定していると、2つの大きな発表がありました。このビッグニュースに驚いたお正月。そんな平川亮選手からTGRブースの「世界で戦うドライバートークショー」でタイムリーにその近況報告がありました、こちらもぜひアーカイブをご覧いただきたいです。

平川亮選手が淡々と、いや少し声高にも聞こえたかな?昨年に引き続きF1チームのテスト&リザーブドライバーに就任したと報告するシーンがご覧になれます。彼らしく表情は変えずにかな。とても良かったですよね。ご自身の口から聞けたことが、この東京オートサロンの収穫のひとつでした。会場にいらしたみなさんもきっと同じ想いだったのではないでしょうか。チャンスがあれば、帯同して乗りたい!という本音も聞けました。そんなチャンスも訪れること、もちろん私たちも祈っています。何事もタイミング。「タイミング」とは、いつやって来るかわからないしね。

トークショーがたくさんあってどれも深いお話なのですが、このトヨタ自動車のモータースポーツ活動に関わり始めて私は25年間となりますが、いろんな活動が過去を振り返ってもちゃんと活動が点と線で繋がっていること。これがうれしかったです。そしてどんどん盛り上がって欲しいですね。

海外での話の中で、海外に出始めた頃の小林可夢偉選手の坊主頭も思い出しましたし、まだ首の細かった中嶋一貴さんや妹の真子さんが傘をさしてお兄ちゃんのグリッドを見守っていた平川亮選手の10代の頃など。妹の真子ちゃんが傘を差していたことは黒歴史ですと以前お話をした時に笑っておりましたけどね。それと、若いがゆえにトップカテゴリーに上がる前の修行みたいにフォーミュラにたくさん乗っていた宮田莉朋選手。もう30歳になってしまう(まだですが)と心配しておりましたが、それだけ若いドライバーが活躍するF1の世界は、彼も若いとは思っておりましたが、少し焦りにも似たものがあるのかもしれないと感じました。いろんな過去が蘇って来て、頭の中でリールを作っていました(笑)。

その彼らは、海外に出て国民性の違う異国の方々と仕事をし、日本人として戦っていること。また、そのメンタリティーに関してのことなどを、このトークショーで話題にしていました。日本を出ることで既にアウェイですので、頑張ることにも「覚悟」が必要となります。それはドライバーだけではないですね。先日、TGRのWECチームで頑張るこのコラムでも書いたことのある木村祥吾メカにドイツで会って来ました。他民族のチームで頑張ることは当然厳しさもありますが、日本も含め海外のファクトリーでも培って来た経験が大きく役に立っているそうです。採用されてからは、そもそも彼の持っているキャラクターも大きいとは思っていましたが、そんな生半可な話でもなく本当に頑張っているんだなとあらためて思いました。苦労しての「今」があると。この時にやっぱり「覚悟」だなと思ったので、このトークショーもそんな思いで聞きました。

私の実兄も海外に畑違いの仕事ではありますが居たことがありまして、行った当初の苦労なども戻って来てからよく聞いておりました。そのことを思い起こしましたね。私も覚悟があればね。夢、憧れはあったにせよ一番大事な「覚悟」がなかったからなあ、って聞いてないね(笑)。

今、まさに世界に飛び出し大舞台で頑張っているTGRドライバーたち。以前(F1をやっていた時期)のように育成ドライバーへのサポートの活動が大いに活発になって来ましたね。そう言えば全日本F3選手権(現、スーパーフォーミュラ・ライツ)で活躍したら、欧州のF3に修行に出られる流れが過去にあったんです。そこには、国内の活動は少しだけで、欧州のF3に参戦していた小林可夢偉選手、平手晃平選手もおりました。そしてその2人に加え、国内ルートでガンバって欧州に行った中嶋一貴さんが加わり三羽烏として欧州のレースに参戦していました。そのあと、大嶋和也選手も行きましたね。三羽烏の前の「育成初代」に戻すと、平中克幸選手が欧州に行き、育成初代同期の片岡龍也選手が涙を飲んで国内でのステップアップとなりました。懐かしいな。リアルに覚えております。ディープに自分が関わっていたこともあるので。

いつしかその流れもF1を撤退したことで、モータースポーツの草の根活動の方に注力することになり…。その後、モータースポーツ活動にハイブリッド車が登場したことで活動の内容も変化していき、一旦国内のモータースポーツ活動に注力していたものの、再び世界の活動がワークス活動となりました。

メーカーのWEC復帰があり、その後WRC復帰。平川亮選手や山下健太選手の欧州のレースにチャレンジがあったり、WRCチャレンジプログラムがスタートしたり、そしてコロナ禍と。ざっくり流れの振り返りですけどね。育成活動がまた本格化し潮目が変わり、一気に加速したというのが一昨年からの流れのように感じます。これ全て眺めてきたんだなと思うと感慨深く。幕張メッセ北ホールで走馬灯のように…とは大げさですがひとりしみじみしておりました。

またまた戻しますが、このトークショーでWRCチャレンジプログラム2期生:小暮ひかる選手、山本 雄紀選手もステージに登壇したのですが、山本選手の発言も良かったですね。日本人で良かったと思ったところの質問があったのですが、日本人だからこそ海外で活かせるスキルを引き出しましたね。チームとのコミュニケーションを取る場合、スタッフとの駆け引きの中で、彼の発した言葉「謙虚さ」「礼儀正しさ」が役立つと。なるほどと思いました。日本人が持ち合わせている素敵な国民性が、海外でも一歩進んだ人間関係を築けるようで、言われて確かにと思いましたが、自分はその経験がないので、重みのある言葉でした。

さて、世界の次はこちらの活動!もちろん!国内で頑張る人たちも応援しておりますよ!

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    (笹原右京選手にも会えました。たくさん話せなくてごめんなさい)
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    (大湯都史樹選手にも会えました。この時は無限ファンを公言 ありですね)

TGRブースの次は、こちら。向かった先は19号車の坂東正敬監督のところ。メインスポンサーさんが毎年ブースを出展するので、そちらに行きました。TGRの国内カテゴリーで出展しているところは少なく。チーム自体が出展しているところは、アフターパーツも手掛けているトムスとサードのみ。トムスはTGRブースの前でしたが、タイミング悪く舘会長のチラ見で終わりました。サードも近藤代表も来客中だったので遠慮させていただきました。

マサ監督も大忙しでしたが、少し時間を作ってくれました。今年は海外戦セパンラウンドが復活することで、ここにかけていましたね。海外レースが得意なヨコハマタイヤ。私もここに期待したいんです。元気のない19号車は、こちらまで元気がなくなりますのでね。マサ監督からひとこといただきました。

「久々にマレーシアラウンドが復活します。ヨコハマタイヤはマレーシアのコンドーレシング、タイのブリーラムは我々バンドーと得意なサーキットでもあります。全車がテストをできない中で、事前に我々はテストが出来るので、1月のマレーシアでのテストは非常に大事です。ですので、今季の19号車はまずは一勝をしたいと。今年のレギュレーションは、まだわかりませんが、我々の得意な一発の速さを活かせるレースもありそうです。 昨年は、決勝重視のタイヤ開発をしていましたが、昨年は全く戦えなかったので、今年は2022年2023年で培った良い所をぜひ2025年で活かしたいですね。われわれは強いチームではないので一勝する事が大事です、そしてできればシーズン終盤にタイトル争いができればと思っています!」

とのことです。ダメな時も良いときも、SNSで報告してくれたりすること、とてもできないです。特にダメだった時の自分の想いを監督として吐露したりするところ、読んでいても辛くなります。しかし、ヨコハマタイヤと共に歩み続けること、一緒に泣き笑いと見ていて、タイヤメーカーもチームにとても寄り添っているので、勝たせてあげたいと思うんですよね。メーカー内に1台は、日産陣営の24号車も含め不利であるのは事実。でも、今季はきっとチャンスを掴むと信じております。このコンビで一勝欲しいですね!

ドライバーのお二人とも会えました。ブース内のトークショーで、やはり監督の言葉と同様の発言をしておりました。仲良しコンビの笑顔が昨年は少なかったので、今季は期待します。2人はウマが合うのでしょう。良い兄弟コンビですね。晴南くんの先輩雄資へのリスペクトをとても感じます。その2人をマサ監督も大事にしていますね。結果がついてくること、今季は大いに期待していますからね。

せなマネも頑張って!

ここで、今季の体制についておさらいをしておきましょう。

○TGR体制発表!
国内のモータースポーツ活動の体制は、年末に発表になりました。
私がこのコラムで担当するSUPER GTとスーパーフォーミュラについて触れますね。

①SUPER GT
体制が変わるのは、1台。39号車ですね。中山雄一選手が離脱で、サッシャ・フェネストラズ選手がTGR陣営に返り咲き。GT500クラスの変化はここだけで変わらないラインナップで戦います。中山選手の活動は追って発表になるようですね。また昨年GT300クラスにスポット参戦した小山美姫選手が、GT300クラスフル参戦!こちらも応援しなくちゃ。

②スーパーフォーミュラ
エンジンは株式会社トヨタ・ガズーレーシング・ディベロップメント(TGR-D)より、直列4気筒2リッター直噴ガソリンターボエンジン (TRD 01F)を7チーム13台に供給。そうなんです、1チーム2台、TGRのファミリーが増えます!

「KDDI TGMGP TGR-DC」のチームが新たなチャンレンジを挑みます。ドライバー、エンジニア、メカニックの人材育成を目的とした新規チームで、現時点で、小高一斗選手がフル参戦、平良響選手と野中誠太選手が所属。お二人はシェアして臨むのかもしれません。詳細はまた今度。来月の公式テストが今から楽しみです。

そして、SUPER GTに続きTGR陣営へサッシャ・フェネストラズ選手が返り咲き。トムスに加入し37号車をドライブします。世界の大舞台から戻ってきたので、こちらも期待しかないです。

その他、F1のウィリアムズ育成ドライバーだったザック・オサリバン選手がコンド―レーシングへ新加入。なかなかの大物ルーキーが来日。彼がF2で勝ったドライバーさんたちは、F1ステップアップしてしまいました。そんな才能あるドライバーさんですので、お楽しみに。

もう1人大物さんいらっしゃい。チームインパルに、オリバー・ラスムッセン選手が加入。WECでジェンソン・バトン選手とハイパーカーに乗っていたドライバーさんですね。そして、赤寅を開発ドライバーとして我々に貢献してくれていた高星明誠選手が、とうとうレギュラードライバーとして参戦。星野一義総監督は、チャンスがあれば何でもクルマに乗った方が速いドライバーになると常々おっしゃっているので、SUPER GTだとライバルになってしまいますが、彼のスキルに磨きがかかりそうです。チームインパルを盛り上げて欲しいので楽しみにしています!

○終わりに
体調が良くなく土曜日で帰還しました。また、ドライバーさんたちにはあまりお目にかかれませんでしたが、来月スーパーフォーミュラの公式テストがあります。そこが今季初のサーキットとなります。引き続き取材頑張りますので、今年もよろしくお願いします!

大谷幸子の近況

インフルエンザを避けるように暮らしております。この冬を早く乗り切りたいですね。そして、今年のスケジュールを見ると、スーパーフォーミュラが2レースもある大会もあり、SUPER GTと2週連続がまあまああってバタバタしそうです。心配しかないけど、考えてもしょうがない!お伝えできることが何より生き甲斐ですので、とにかく頑張るのみ! では、またね!

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