TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム勝田貴元、タフなサルディニアのグラベルステージを走破し総合6位を獲得

2022.06.06(月)- 17:00配信

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元が、6月2日(木)から5日(日)にかけて、イタリアのサルディニア島北部で開催された、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦「ラリー・イタリア サルディニア」に、コ・ドライバーのアーロン・ジョンストンと共に出場。ハイブリッドラリーカー、GR YARIS Rally1で臨んだ今期2度目のグラベル(未舗装路)ラリーで、滑りやすい路面に苦戦しながらも総合6位でフィニッシュしました。

勝田・ジョンストン組
勝田・ジョンストン組

前戦ラリー・ポルトガルは、今シーズンから導入された、ハイブリッドシステムを搭載する「Rally1」にとって初のグラベル(未舗装路)ラリーでしたが、勝田は表彰台争いに加わり総合4位でフィニッシュしました。それから2週間後、今回もグラベルラリーとなる第5戦ラリー・イタリア サルディニアが、地中海に浮かぶサルディニア島の北部で開幕。気温が35度前後に達する日もあるなど非常に暑く、路面もかなり荒れており、選手にとっても、クルマにとっても厳しい条件のラリーとなりました。

ドライバー選手権3位につける勝田は、一日を通してグラベルステージを走行する金曜日のデイ2を、出走順3番手で走行。ドライコンディションのグラベルラリーでは、路面は多くのルーズグラベル(滑りやすいグラベル)に覆われており、出走順が早いドライバーはそれを掃き飛ばしながら走行することになるため、かなり不利な走行条件となります。そのため、3番手スタートの勝田はなかなか自信を持って走ることができませんでしたが、それでも大きなミスをすることなく総合7位で金曜日を終えました。

土曜日のデイ3は、午前中の時点で自信を持って走れるようになり、勝田は着実にペースを上げていきました。しかし、午後最初のステージでクルマのフロントセクションに強い衝撃を受け、ラジエターを破損。土曜日は日中のミッドデイサービスが設定されていなかったため、勝田とジョンストンは自力で応急処置を施した上で競技を続けました。路面からさらに大きな衝撃を受けると走り続けられなくなる危険性もあったため、勝田はペースを落とし注意深く走行。その結果かなりタイムを失いましたが、無事に土曜日のステージを走破。総合5位につけていた選手が土曜日最後のステージでリタイアとなったことで、勝田は総合6位に順位を上げました。

ラリー最終日のデイ4は、ボーナスポイント獲得可能な最終の「パワーステージ」に照準を合わせて走行。パワーステージでは5番手タイムを記録し、ボーナスの1ポイントを追加で獲得して総合6位で完走。これで開幕戦から5戦連続でのポイント獲得となり、所属チームであるTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationにもマニュファクチャラーズポイントをもたらしました。

勝田貴元:多くのチャレンジがあり、とてもタフな週末だったので、完走することができて嬉しいです。このラリーは毎回大変ですが、特に今年は気温が高く、ステージのコンディションも荒れていたので、なおさらでした。簡単にダメージを負ってしまうような、非常に難しいセクションもいくつかありましたが、それでも少しずつペースを上げていくことができました。土曜日の午前中のステージが終わるころには、そこそこのペースで走れるようになり、自信を持てるようになりましたが、午後のステージではラジエターのダメージにかなり注意して走らなくてはなりませんでした。移動区間の道端でアーロンがとても上手く修理をしてくれたお陰で、何とか乗り切ることができました。完走して走行距離を伸ばし、いい感触を得ることができたので、次戦のケニアがとても楽しみです。

ユホ・ハンニネン(インストラクター):今週末も、貴元はとても良い仕事をしました。金曜日の滑りやすいコンディションのステージを早い出走順で走るというのは、彼にとってまた新たなるシチュエーションでした。すぐに自信を掴むことはできませんでしたが、クルマのセットアップをいくつか変更したことで、自信を取り戻すことができました。今回得た知識により、次のケニアに向けてより良い準備ができるはずです。また、クルマと完全に一体化していない状況で、あまりハードに攻め過ぎなかったことも、私は良かったと思います。完走しパワーステージでポイントを獲得したことで、大変だった週末をいい形で締めくくることができました。

ラリー・イタリア サルディニアの結果

  1. 1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1)

    3h10m59.1s

  2. 2 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード Puma Rally1)

    +1m03.2s

  3. 3 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1)

    +1m33.0s

  4. 4 ピエール=ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (フォードPuma Rally1)

    +2m09.4s

  5. 5 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1)

    +3m02.8s

  6. 6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1)

    +4m02.6s

次回のイベント情報

勝田の次戦は、6月23日から26日にかけて、アフリカのケニアで開催される第6戦「サファリ・ラリー・ケニア」です。昨年、この伝統のラリーは2002年大会以来19年ぶりにWRCとして開催され、初出場だった勝田は最終日まで世界王者のセバスチャン・オジエと優勝争いを展開。惜しくも優勝は逃しましたが、それでも総合2位を獲得し初めて表彰台に立ちました。サファリのステージはグラベルで、高速な区間と石や岩が多くある荒れた区間の両方があり、昨年は突然の強い降雨でぬかるみ非常に滑りやすい路面のステージもありました。