今月のマンスリーレポートは、LEXUS RC F GT3が伝統の耐久戦でダブル優勝を達成した米国WTSCシリーズと、国内SUPER GT、そして新たにLEXUS RC F GT3がシリーズ参戦を開始したGTワールドチャレンジ・アジアシリーズの模様をお伝えします。

WeatherTech SportsCar Championship第5戦 ワトキンズ・グレン
Sahlen’s Six Hours of The Glen
6月22日(木)から25日(日)にかけて、米国ニューヨーク州ワトキンズ・グレンのワトキンズ・グレン・インターナショナルで2023年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第5戦が6時間耐久レースとして行われました。
今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
GTDプロクラスの14号車はレギュラードライバーのジャック・ホークスワースとベン・バーニコート、GTDクラスの12号車はレギュラードライバーのフランキー・モンテカルボとアーロン・テリッツに、パーカー・トンプソンを加えた3人体制で6時間レースに挑みました。
予選では14号車がクラス3番手、12号車がクラス2番手と2台共に好位置につけました。
25日(日)に行われた決勝レースでは、3番手スタートのホークスワースが駆る14号車は、序盤から好走を見せて21周目に首位へ浮上。その後も首位争いを繰り広げました。バーニコートも首位で後続との差を広げ、最後にホークスワースへとドライバーチェンジを行いましたが、ピットアウト時にピットロードでの速度違反を取られ、ドライブスルーペナルティ。これで2位へと後退した14号車でしたが、ホークスワースは諦めず追走を続け、終盤に逆転。トップでチェッカーを受け、今季2勝目を挙げました。
12号車も2番手スタートから上位争いを繰り広げ、レース後半は独走状態でトップチェッカー。12号車にとっては今季初の勝利を飾りました。
LEXUS RC F GT3が同シリーズに参戦を始めて以来、両クラス同時優勝は初めて。この勝利で、14号車は開幕からの連続表彰台記録を5とし、首位につけるランキング争いでも、2位との差をさらに広げることとなりました。
リザルト
クラス | 順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GTDプロ | 1位 | 3番手 | 14 | ジャック・ホークスワース ベン・バーニコート | バッサー・サリバン | 183 | |
GTD | 1位 | 2番手 | 12 | フランキー・モンテカルボ アーロン・テリッツ パーカー・トンプソン | バッサー・サリバン | 183 |


AUTOBACS SUPER GTシリーズ第3戦 鈴鹿
SUZUKA GT 450km RACE
SUPER GT第3戦「SUZUKA GT 450km RACE」が6月3日(土)、4日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
今季の同シリーズでは、GT300クラスに2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
走行前日までは台風の影響で大荒れの天候だったものの、3日(土)には天候は回復。交通機関の混乱もありましたが、多くのモータースポーツファンの皆様がサーキットを訪れました。
3日(土)風がかなり強いものの強い日差しに照らされ、気温は25度、路面温度は40度まで上昇。直前に行われたサポートレースの遅延の影響を受け、予定より20分遅れの午後3時25分よりノックアウト方式の予選が行われました。
Q1は2クラスに分けて実施され、それぞれ上位8台がQ2へ進出します。A組に出走した新田守男のK-tunes RC F GT3 96号車は11番手で惜しくもQ1敗退。B組ではイゴール・オオムラ・フラガのANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車がトップタイムをマークし、Q2へ進出を決めると、Q2では古谷悠河がアタックし、15番手グリッドから決勝レースに臨むこととなりました。
4日(日)は薄曇り。気温28度、路面温度46度というコンディションの中、午後1時半より450km(77周)の決勝レースがスタートしました。今大会も450kmということで2回の給油が義務づけられているため、GT300クラスでは1周目を終えたところでピットインする作戦に出るチームがいるなど、様々な戦略で順位が入れ替わる展開となりました。
15番手スタートの50号車はフラガがスタートを担当し、2スティントを担当。2度目のピットで古谷に交代し、後半戦での追い上げを狙いましたが、54周目にシケイン付近で多重クラッシュが発生。レースは赤旗で短縮終了となってしまいました。これにより、50号車は17位でレースを終えることとなりました。
96号車は早めのピット作戦で、終盤には12位まで順位を上げ、アクシデント発生と同時に最後の給油へ向かいましたがすぐにレースは赤旗中断に。赤旗でのレース終了周回時では12位でしたが、ピットレーンに入る前にセーフティカー宣言が出ていたという裁定がなされ、レース結果に100秒加算で22位という結果に終わりました。
リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
17位 | 15番手 | 50 | イゴール・オオムラ・フラガ 古谷 悠河/小山 美姫 | ANEST IWATA Racing RC F GT3 | 54 | 1:14.910 |
22位 | 21番手 | 96 | 新田 守男 高木 真一 | K-tunes RC F GT3 | 54 | 2:39.726 |


Fanatec GT World Challenge Asia Powered by AWSシリーズ第2戦 富士
Fanatec GT World Challenge Asia Powered by AWS第2戦が6月15日(木)から18日(日)にかけて、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
今季の同シリーズはタイ、マレーシア、日本の3カ国を巡る全6大会で行われますが、そのうち4大会が日本でのレースとなり、この4大会でのジャパンカップも設けられました。第1大会はタイで行われ、この第2大会がジャパンカップの初戦となります。
GT3車両などが多数参戦することで活況を呈している同シリーズ、今大会にはシリーズ過去最多となる40台ものエントリーがあり、また、GT3クラスでは世界のどのシリーズよりも多い12ものマニュファクチャラーが参戦する注目の大会となりました。
そんな注目の大会に、LEXUS RC F GT3が参戦。K-tunes Racingから末長一範/新田守男のコンビが出場しました。
今大会より同シリーズへのシリーズ参戦を開始する96号車は、使い慣れないタイヤでのセットアップを習熟しながらの戦いとなりました。
17日(土)に行われた予選はレース1が33番手、レース2が25番手につけました。
予選の後に行われたレース1は、33番手スタートから順位を上げ25位でフィニッシュ。セッティングのデータも収集でき、翌日のレース2に期待がかかりました。
18日(日)に行われたレース2では、序盤に操作系の不具合が出たためにピットインし、修復作業を余儀なくされ大きくポジションダウン。修復後はレースに復帰しましたが、28位でレースを終えました。
レース1リザルト(GT3クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
25位 | 33番手 | 96 | 末長一範/新田守男 | K-tunes Racing | 32 | 1 Lap |
レース2リザルト(GT3クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
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28位 | 25番手 | 96 | 末長一範/新田守男 | K-tunes Racing | 22 | 5 Laps |


次号のマンスリーレポートは8月1日頃の発行を予定しています。