2020年プレスリリース
TOYOTA GAZOO Racing ダカールラリー2020レポート No.3
フェルナンド・アロンソがステージ8を2位でフィニッシュ
総合では2位のナッサー・アル-アティヤが首位との差を詰める
約2週間にわたって戦われているダカールラリー2020も後半戦に入りました。TOYOTA GAZOO Racingから参戦しているトヨタ・ハイラックスは、最上位のナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組トヨタ・ハイラックス300号車が約7分差で激しい首位争いを繰り広げています。注目のフェルナンド・アロンソ/マルク・コマ組310号車はステージ8でチーム最上位となる2位フィニッシュを果たし、日々その速さに磨きをかけています。
ラリーはステージ6を終えた後、サウジアラビアの首都リヤドで唯一の休息日を迎えました。ドライバー、ナビゲーターはここで充分な休息を取るとともに英気を養い、車両はメカニックの入念なメンテナンスにより完全に整備されました。TOYOTA GAZOO Racingのトヨタ・ハイラックスは、より高速なステージが予想される後半戦へ向けて、空力セッティングの調整なども行いました。
【ステージ6】
1月10日(金) 前半戦最終ステージとなるステージ6は、ハイールからサウジアラビアの首都であるリヤドへ、477kmのスペシャルステージを含む、総走行距離は830kmというロングステージ。TOYOTA GAZOO Racingの 最上位につけるアル-アティヤ/ボーメル組300号車は、中盤タイヤのパンクに見舞われ1分30秒のタイムロスを喫するも、首位と3分22秒差、トヨタ勢最上位の3位でステージフィニッシュ。
これに続いたのはアロンソ/コマ組の310号車で、首位と7分56秒差のステージ6位、4輪駆動車では2番手の速さを見せました。ベルンハルト・テン・ブリンク/トム・コルソール組 307号車はステージ7位、ジニエル・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ組 304号車が8位に入り、TOYOTA GAZOO Racingのトヨタ・ハイラックスは4台全車がこの日トップ10以内で完走し、前半戦最後となるステージを終えました。
【ステージ7】
休息日を終えた1月12日(日)は、リヤドからワディ・アル・ダワシールへ向かう、総距離741km、スペシャルステージ546kmで競われました。首位を追うアル-アティヤ/ボーメル組300号車はこの日、2分12秒差の2位でステージを終えましたが、高速なステージで二輪駆動のライバルに差を広げられ、その差は10分となりました。
ド・ヴィリエール/ハロ組304号車は、ステージ5で痛めたド・ヴィリエールの首に再び負担のかかるロングステージにもかかわらず、二人はプッシュを続け、 競合のバギー車両に比べ、最高車速では不利があったが、ステージ10位でフィニッシュ。総合でも6位へとひとつポジションを上げました。テン・ブリンク/コルソール組307号車は、休息日に行った空力の調整が効を奏し、300号車と46秒差の4位でステージフィニッシュし、総合順位は7位へアップ。アロンソ/コマ組310号車は再び素晴らしい走りを見せ、途中タイヤ損傷によるホイール交換で1分半のタイムロスを強いられるも この長いステージを6位でフィニッシュ。総合では14位となりました。
この日は、2輪の2013年FIMクロスカントリー世界チャンピオンであるポルトガル人ライダー、パウロ・ゴンサルベスがクラッシュによって亡くなるという、悲しいアクシデントが発生しました。TOYOTA GAZOO Racingは、ダカールラリーの一員としてゴンサルベスの死を悼み、彼の家族、友人やチームメイトに心から哀悼の意を表します。
【ステージ8】
1月13日(月)のステージ8は、ワディ・アル・ダワシールを起点とした今大会2度目のループステージで、スペシャルステージ477kmを含む総距離716kmの山岳ステージを含むコース。6番手という理想的な順位でスタートを切ったアロンソ/コマ組310号車は、TOYOTA GAZOO Racingチーム内での最速タイムを叩き出し、首位と4分4秒差の今大会最上位となる2位フィニッシュを果たしました。
この日は、前日のレース中に亡くなった2輪部門ライダー、ゴンサルベスへ追悼の意を表するため、オートバイとクワッド(4輪ATV)の走行がキャンセルされました。通常最初にスタートを切るこれらのカテゴリーがキャンセルされたことで、4輪部門でスタート順の早い車両は、2輪部門などが先に残していくコース上のタイヤ跡がないため、ナビゲーションで苦戦。アル-アティヤ/ボーメル組300号車はこの日11位フィニッシュとなりましたが、それでも総合では首位との差を6分40秒まで詰めることに成功しました。ド・ヴィリエール/ハロ組304号車はこの日4位の好走。総合6位の座を守るとともに、総合5位との差はわずか10分と、残るラリーでの逆転を目指します。
テン・ブリンク/コルソール組307号車は岩に接触、タイヤのパンクに加え、シャシーの一部にもダメージを負うこととなりました。このアクシデントによる衝撃は、エンジン潤滑系部品の一部にも及びましたが、クルーはタイヤ交換のみでのラリー続行を決断。首位から10分19秒差の7位でこのステージをフィニッシュしました。ダメージを負った307号車でしたが、大きなトラブルには至らず、ビバークに戻った後、メカニックによる修復が施されました。
ダカールラリー2020 ステージ5終了時点の総合結果:
総合順位 | ドライバー/コ・ドライバー(車両/チーム) | 首位との差 |
---|---|---|
2位 |
#300 ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル (トヨタ・ハイラックス TOYOTA GAZOO Racing) |
6分40秒差 |
6位 |
#304 ジニエル・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ (トヨタ・ハイラックス TOYOTA GAZOO Racing) |
53分12秒差 |
8位 |
#307 ベルンハルト・テン・ブリンク/トム・コルソール (トヨタ・ハイラックス TOYOTA GAZOO Racing) |
1時間7分差 |
13位 |
#310 フェルナンド・アロンソ/マルク・コマ (トヨタ・ハイラックス TOYOTA GAZOO Racing) |
3時間10分51秒差 |
チーム代表 グリン・ホール:
素晴らしい一日でした。フェルナンドとマルクは惜しくもステージ勝利は逃しましたが、それでも最高の走りで彼らのラリースピリットを見せてくれました。これこそが我々が望んでいたものです。ナッサーはスタートポジションに恵まれませんでしたが、首位の車両がスタックしたことでその差を7分以下にまで詰めることができました。
ナッサー・アル-アティヤ(300号車):
今日は、我々にとってそれほど悪い一日ではありませんでした。とても柔らかい砂丘が含まれる、非常に難易度高いコースで、我々は最善を尽くしましたが、終盤150kmはコースを切り拓いていかなくてはなりませんでした。全くタイヤ跡のない中での走行となり、タイムを失うことは分かっていましたが、上手く走行したと思いますし、明日は良い順位からスタートを切ることができます。まだステージは4つ残っていますので、明日のステージでも全力でアタックしていきます。
ジニエル・ド・ヴィリエール(304号車):
ステージ序盤はフロントブレーキに若干のトラブルを抱えていましたが、後に解消されました。それ以外は順調なステージでした。我々は、ナビゲーションの難しいコースで、車両スタックを避け、クリーンに走り続けることを強いられました。とはいえ全体的には悪いステージではありませんでした。
ベルンハルト・テン・ブリンク(307号車):
とてもエキサイティングな一日でした。我々は4番手というとても良いポジションでスタートし、前には3台分のタイヤ跡しかない状況でしたが、全力でプッシュを続け、最初のチェックポイントまでは最速でした。その後も残り200kmあたりで砂丘の中の岩に接触するまでは順調でした。このアクシデントにより大きなダメージを負い、コックピット内にはオイルの臭いも進入してきましたが、我々はプッシュを続けました。
フェルナンド・アロンソ(310号車):
信じられないほど、いいステージでした。砂丘や様々な形の路面が多かったロングステージで首位を争えたのは最高です。僅か数ヶ月前に初めてラリーカーに乗った私が、こうして今トップドライバーと戦えるのは、信じられないことです。夢に見たダカールでの戦いは、日々上達しており、ここ数ステージは着実に順位を上げています。トップ7,トップ5,そして今日はトップ2でフィニッシュできました。トヨタ・ハイラックス、チーム、そしてマルクに本当に感謝しています。今は本当に好調なので、最後までこの勢いを維持して戦っていきます。