ダカールラリー2021は、前半戦の6日間を終え、ハイルでの休息日を迎えます。TOYOTA GAZOO Racingから出場しているハイラックスは、ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組がステージ2から4までの3連続ステージウィンという快走を見せ総合2位。ジニエル・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ組は序盤苦戦しタイムを失ったものの、ステージ5を制し総合9位。シャミア・ヴァリアワ/デニス・マーフィ組が総合32位で前半戦を終えることとなりました。ルーキーながらステージ4まで総合4位と好走を見せていたヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組はステージ5で転倒を喫し、リタイアしています。
7日目となる1月9日(土)は伝統的にとられる休息日。ドライバーにとってはつかの間の休息ですが、チームは車両を完全に整備し、後半戦へ向けての準備を進める大事な一日となります。休息日明けのステージ7とステージ8は、テクニカルクルーのサポートなしで、ドライバー自らが車両の整備をしなくてはならないラリー最大の山場「マラソンステージ」が待ち受けます。
【ステージ4】
1月6日(水)のステージ4は、ワディ・アル・ダワシールから首都リヤドへ、競技区間は337km、リエゾン(移動区間)を加えると総距離は813kmと今大会最長のステージ。前日のステージ3を1-2フィニッシュで終えたアル-アティヤ/ボーメル組と、ラテガン/カミングス組が1番手、2番手でスタートしました。
アル-アティヤ/ボーメル組は未知のコースを切り拓く役割となりながらも、2位に11秒差のトップフィニッシュを果たし、ステージ2から3連続でのステージウィン。総合2位は変わらないものの、首位との差を僅かに縮めました。
ラテガン/カミングス組も首位と僅か1分30秒差の3位でフィニッシュし、今年デビューのルーキーとしては大健闘の総合4位へと浮上しました。
ド・ヴィリエール/ハロ組は、ド・ヴィリエールが首の痛みを訴え、荒れたセクションではペースダウンを強いられました。また、ステージ終盤にはコースミスもあり、15位でフィニッシュ。ヴァリアワ/マーフィ組は後方スタートのため、他の遅い車両の巻き上げる埃に苦しみながらもこの日は着実な走行で走り抜き、総合43位へとひとつ順位を上げました。
【ステージ5】
1月7日(木)のステージ5は、リヤドからアル・カイシュマへ向かう競技区間456kmと長い難関ステージ。この日も先頭スタートとなったアル-アティヤ/ボーメル組は、総合首位を争うステファン・ペテランセルとバトルを繰り広げながら4位でフィニッシュ。 この日はド・ヴィリエール/ハロ組が好走を見せ、今大会初となるステージウィン。総合でも22位から12位へと大きく順位を上げました。
ヴァリアワ/マーフィ組は2度のパンクと、エンジンパワー低下に見舞われながらも28位でフィニッシュし、総合38位へ。
一方、前日まで総合4位とダカール初年度ながら好走を見せていたラテガン/カミングス組は、スタートして19km地点で走行ラインを外し転倒。両クルーは車両から自力で脱出したものの、ラテガンが肩を負傷したためリヤドの病院へと搬送され、無念のリタイアとなりました。
【ステージ6】
1月8日(金)ステージ6はアル・カイシュマからハイルの市街へと戻る、競技区間347km。前日のロングステージで多くの競技者が苦戦し、ビバーク到着が遅れたこともあり、この日の競技区間は予定よりも短縮されて行われました。
アル-アティヤ/ボーメル組はこのステージ6を3位でフィニッシュし、総合2位の座は変わらないものの、首位との差を僅かに詰めることに成功しました。
ド・ヴィリエール/ハロ組はステージ5の勝利により、この日は先頭スタート。2度のタイヤパンクと、再発した首の痛みで22分のタイムロスを喫したものの、8位でステージを終え、総合でもトップ10に返り咲きました。これで、TGRのハイラックスは、2台がトップ10圏内で前半戦を終えることとなりました。
ヴァリアワ/マーフィ組は後方スタートながら16位でフィニッシュ。総合でも32位へと順位を上げました。
ダカールラリー2021 ステージ6終了時点の総合結果:
総合順位 | ドライバー/コ・ドライバー(車両/チーム) | 首位との差 |
---|---|---|
2位 |
#301 ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル (TOYOTA GAZOO Racing) |
5分53秒 |
9位 |
#304 ジニエル・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ (TOYOTA GAZOO Racing) |
2時間12分12秒 |
32位 |
#330 シャミア・ヴァリアワ/デニス・マーフィ (TOYOTA GAZOO Racing) |
6時間28分33秒 |
リタイア |
#332 ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス (TOYOTA GAZOO Racing) |
ステージ6終了時のコメント:
チーム代表 グリン・ホール:
今日はチームにとってとても良い一日でした。ナッサーは首位との差を少し縮めることができましたが、ゴール直前にパンクに見舞われ、ステージ前半に稼いだマージンを失ってしまいました。ジニエルも2度のパンクに見舞われましたが、彼にとっての最大の問題は首の痛みが続いていたことでした。シャミアは1度のパンクにもかかわらず良い走りを見せてくれました。シャミアは休息日開けに待ち受けるマラソンステージを良い位置からスタートするために、15位以内に入るのが目標でしたが、今日は16位でフィニッシュ、その結果に満足しています。TGRのハイラックス3台全車がメカニカルトラブルなど無く走りきってくれたのは嬉しいです。明日は休息日なので、車両をしっかり修理し、後半戦に向け万全な準備を進めていきます。
ナッサー・アル-アティヤ(No.301):
ステージ6も難しいステージでした。とはいえ前半戦を総合2位で終えられたことには満足しています。今日は2度のパンクに見舞われ、ペースを保つのは簡単ではありませんでしたが、来週の後半戦へ向けて戦略を練り、ダカール勝利へ向け全力で戦い続けます。
ジニエル・ド・ヴィリエール(No.304):
今日は尖った砂丘越えの多いステージでした。ドライブするには素晴らしいステージだったのですが、首の痛みが続いていて、ペースを維持するのが困難でした。今日は先頭スタートでしたが、2度のパンクに見舞われ、3台に抜かれてしまいました。しかしステージ中盤からは他の車両と隊列を組んで走りきることができました。前半戦を終え、もう少し上位に付けていたかったですが、ラリー序盤で多くのタイムを失ってしまいました。それは仕方が無いことですし、後半戦もプッシュを続けます。ダカールでは様々なことが起こりますが、まだラリーは終わっていません。
シャミア・ヴァリアワ(No.330):
我々は55番手からこのステージをスタートし、16位でフィニッシュできました。とても良い一日でした。今日は荒れた路面でしたが高速で走ることができ、我々のスタイルに合っていました。砂丘では何台かの車両についていきましたが、その後パンクを喫してしまいました。とはいえタイヤ交換後は彼らを砂丘で追い抜くこともできました。全体的に良い一日でした。
TOYOTA GAZOO Racingのダカールラリー2021活動は、パートナー企業の皆さまによって支えられています。