ROAD TO DAKAR 2020
ダカールラリー2020: 新たな冒険
2020年で42回目を迎えるダカールラリーは、サウジアラビアでの7500km以上に及ぶコースを、新たな舞台として選びました。
ドライバーとナビゲーターは、未体験の砂漠や地形、中東のエキゾチックな景色の中で約2週間にわたる戦いに臨むこととなります。そして、トヨタも再びこの戦いに挑みます。
アラビアン・アドベンチャー
30年間に及ぶアフリカ、続く10年間の南米での開催を経て、ダカールラリーは初めて中東のサウジアラビアへと舞台を移します。
新たなロードブックルールにより、競技者はスタートの数分前までコースを知らされずにスタートを切ることとなりますが、それは未知のコースでのナビゲーションという、全く新しいチャレンジに挑むということでもあり、このラリーを走り抜くためには、これまで以上にナビゲーターの重要度が高くなります。
約2週間、7500kmにも及ぶ走行距離のうち、約5000kmがタイムを競うSS(スペシャルステージ)区間となります。
サウジアラビアのコースは、これまでのような標高の高いルートこそないものの、岩場や突然現れる穴、終わりのない砂丘、そして”フェシフェシ”と呼ばれる細かいパウダー状の砂が堆積した路面など、さまざまな状況に直面することとなります。
また、競技期間中、北半球は冬ということもあり、南半球で行われてきた昨年のような40度にも至る猛暑ではなく、最高でも30度程度の気温で戦われることになります。
1月5日(日)、競技者は西部の都市ジェッダ(イスラム教の聖地であるメッカとメディナへの玄関口)をスタート。ネオムへと海岸沿いを北上した後、東南方面へと進路を変え、サウジアラビアの首都リヤドを経て、「Empty Quarter(何もない場所)」と呼ばれているルブアルハリ砂漠へと向かいます。その後リヤドへ戻り、1月17日(金)にリヤド近郊のアルキディアでゴールを迎えます。
アロンソを加えて新たな挑戦へ
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、トヨタのワークスチームとして4台のハイラックスで参戦します。
ディフェンディングチャンピオンであるナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組が300号車、ジニエル・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ組が304号車、ベルンハルト・テン・ブリンク/トム・コルソール組が307号車、そして初出場となるフェルナンド・アロンソ/マルク・コマ組は310号車をドライブします。
F1とWECの世界チャンピオンであり、ル・マン24時間レースでも2度の勝利を挙げてきたアロンソは、新たなモータースポーツカテゴリーへの挑戦に向けて、2019年3月から過密なスケジュールをこなしてきました。
まず、2019ダカールラリーを制したトヨタ・ハイラックスで2日間のテスト走行を行ったアロンソは、砂漠での走行スキルを高めるために、8月に南アフリカの砂漠、9月初頭にポーランドでの2日間のテストに臨むなど、過酷な走行トレーニングをこなし、砂漠や硬軟入り交じった土の路面など、様々なコースを経験しました。その後の、南アフリカのクロスカントリーシリーズ戦である「リヒテンバーグ400」に参加し、ラリーレイドでの貴重な実践経験を積みました。
チーム代表のグリン・ホールは、アロンソとコマのこのようなトレーニングへの決意を「本当に印象的だった」と語っています。
そして、アロンソを含むTGRの4台は、2019年10月初頭に行われたラリー・モロッコに出場し、ド・ヴィリエール/ハロ組が勝利を飾りました。
「ここモロッコで再び勝てて本当に嬉しいです」と勝利の喜びを語ったド・ヴィリエールは、彼と新たにコンビを組むこととなったナビゲーターのハロについても「ハイラックスで最高の働きをしてくれました」と賞賛しました。
アロンソとコマも見事な走りを見せ、総合26位でフィニッシュを果たしました。
アロンソのトレーニングはこれだけに留まらず、10月のスペイン・タラゴナでの走行テストの1週間後にはサウジアラビアへと向かい、ダカールラリーへ向けた最終実戦テストとなるアル・ウラ・ネオム・クロスカントリーラリーに出場しました。
5日間、765kmにわたって争われるこのスプリントラリーは、路面状況がダカールラリーと非常に似ており、2か月後に控えるダカールラリー本番に向けての貴重な一戦となりました。
アロンソとコマのコンビは3位という素晴らしい成績でフィニッシュし、表彰台獲得を果たしました。
2020年の初頭、サウジアラビアで行われるダカールラリーは、手に汗握るエキサイティングな2週間となるのは間違いありません。経験豊富で才能溢れるTGRチームの活躍に期待が高まります。