世界最速のeTGRドライバーが決定!2021チャンピオンは山中智瑛(日本)

― 2021年「e-Motorsports」を締めくくる
グローバルなオンラインレース「TGR GT Cup」決勝で決定 ―

2021.12.10(金曜日)- 13:30配信

12月3日(金)、PlayStation®4*1(以下、PS4®)用ソフトウェア『グランツーリスモSPORT』*2によるワンメイクシリーズ「TGR GT Cup」決勝が行われ、世界各地の代表24名がオンラインサーキットに集結。山中智瑛選手(日本)が優勝し、2021年世界最速のeTGRドライバーに輝きました。

「TGR GT Cup」ファイナルレースシーン
「TGR GT Cup」ファイナルレースシーン

新型コロナウイルス感染拡大が収束には至らぬ中、東京オリンピック開催を前にオリンピックバーチャルシリーズとしても開催され、グローバルに注目されたe-Motorsports。3年目を迎えた今年はGRモデルのラインナップがそろったこともあり、予選ラウンド毎に使用する車種を変えるというe-Motorsportsならではの形式で、「TGR GT Cup」という新しいシリーズとして開催されました。「TGR GT Cup」のオンライン予選の総参加者数は昨年の約2.7万人から約6.6万人へと、大幅に増加。また、アジアや中東などの地域からの熱い要望で新設された地域選抜枠では、地域ごとの決勝大会「リージョンファイナル」を勝ち抜いた代表が「TGR GT Cup」決勝大会に進出し、大会のグローバル化の一翼を担いました。

12月3日(金)に開催された、「TGR GT Cup」決勝大会は、「FIA グランツーリスモチャンピオンシップ・ワールドファイナル」の一環として開催され、世界14か国を結んだ、グローバルなオンラインレースとなりました。ロンドン・東京のスタジオをハブに世界中の選手をつなぎ、選手たちの卓越したドライビングスキルによって展開された、まるで筋書きのないドラマのようなレースは観る人を熱くしました。ル・マン24時間レースの開催サーキット、「サルト・サーキット」にて16台で行われた、決勝レースでは、「FIA グランツーリスモチャンピオンシップ」の創設期からチームTOYOTAのメンバーとして世界チャンピオン獲得経験もある山中智瑛選手(日本)が初優勝し、「2021年世界最速のeTGRドライバー」の称号を手にしました。2位は昨年優勝した宮園拓真選手(日本)、3位には新鋭の小林利徠斗選手(日本)が入賞しました。
翌4日(土)に行われたFIA GT チャンピオンシップでは世界最強メーカーを決定するマニュファクチャラーシリーズではコケ・ロペス選手(スペイン)、山中智瑛選手(日本)、イゴール・フラガ選手(ブラジル)がチームTOYOTAとして参戦し、3レースとも優勝、完全優勝を果たしました。

TGR GT Cupレース展開:
決勝大会は準決勝と決勝の2回戦で行われました。準決勝のコースは、F1オーストリアGPの開催地であるレッドブルリンク。激しい雨の中、ドライバーたちは細心の注意を払ってGR Yarisをドライビングしました。準決勝A組12名、準決勝B組12名からそれぞれ上位8名の計16名が、ル・マン24時間レースで有名なサルト・サーキットで行われる決勝レースに進みました。A組トップはヴァレリオ・ガロ選手(イタリア)、B組トップは小林利徠斗選手(日本)となりました。
そして迎えた決勝レース、準決勝レースの順位により決定されたポールポジションには日本の小林利徠斗選手、フロントローの2番手にはイタリアのヴァレリオ・ガロ選手。2列目の3番手、4番手はスペインのホセ・セラーノ選手、ブラジルのルーカス・ボネリ選手。そして日本の宮園拓真選手と山中智瑛選手が5番手と6番手から追い上げる形になりました。最後の戦いはサルト・サーキットを6周回るスプリントレース形式。使用された車はこの秋に発売されたばかりの新型GR86。レース中には、燃料補給とタイヤ交換は任意ながら、1回のピットストップが義務付けられていました。
スタート直後の1周目から、16台のGR86はル・マンの名物でもある、2つのシケインを挟んだ6キロの直線ユノディエールを一列に連なりながら走り、お互いのスリップストリームを利用することで時速240kmに達した状態から、ミュルサンヌコーナーでのオーバーテイク合戦を行いました。1周目の終わりには、10位のコケ・ロペス選手がピットに入り、早くも1ピットストップの条件を満たします。2周目の終わりには、トップ8が後続車から5秒のリードを稼ぎます。このラップの終わりには先頭の4台、小林、ガロ、セラーノとボネリを除くほぼすべての車がピットインします。3周目も小林選手とガロ選手の熾烈なトップ争いが続き、その周の終わりに小林選手はピットイン、ガロ選手とセラーノ選手はそのまま周回を続けます。
一方でピットストップ義務をこなした段階で6位につけていた宮園選手は先頭グループとのギャップを徐々につめはじめます。4周目の頭では4位のボネリ選手から11.5秒離れていましたが、上位4名がピットインしたことで順位が大きく変わってきます。小林選手は宮園選手と山中選手の後方6位でコースに戻れたものの、ボネリ選手は残念ながらピットイン中に順位を落とし9位でコースに復帰します。あと残り2周の段階で、ガロ選手とセラーノ選手は日本勢3名から11秒のリードを維持していましたが、ピットストップを行ったことで6位と7位となり、日本勢に先行を許してしまいます。そして日本勢がトップ争いを繰り広げる中で突入したファイナルラップで、2位の山中選手がミュルサンヌストレートでついに宮園選手を攻略。しかし、負けじと宮園選手が挽回し、宮園ー山中の順位のまま、サーキットの後半区間に入っていきました。そしてゴールまで残り3.8kmの インディアナポリスコーナーにすべてを賭けていた山中選手が一閃、宮園選手をオーバーテイクすることに成功。2台は僅差で連なって走行し、そのままチェッカーを受けました。連覇をかけた宮園選手でしたが、山中選手に0.4秒差で先行され、勝利を逃しました。また3位には新鋭の小林利徠斗選手が入り、日本勢が2021年の「TGR GT Cup」の1-2-3フィニッシュを飾りました。

2021年、e-Motorsportsは「オリンピックバーチャルシリーズ」として開催されるなど、新しいスポーツのカテゴリーとしてより多くの人に認知された年となりました。オリンピックにも出場したアスリートが参加した「トヨタアスリートカップ」や大学自動車部を対象にした「GT Young challenge」などの大会も開催されました。
2022年もTGRは「FIA GTチャンピオンシップ」のオフィシャルパートナーを継続するとともに、世界中のe-Motorsportsプレイヤーに楽しんでいただける「TGR GT Cup」を開催予定です。詳細は3月下旬頃に発表いたします。来年も多くの方々に、また新たに参戦していただき、共に盛り上げていけることを期待しています。
なお、7月8日(木)にグランツーリスモSPORTに収録された新型GR 86は、ゲーム内で11月末時点で55万台がダウンロード購入されています。

*1 「PlayStation」、「プレイステーション」および「PS4」は株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標です。

*2 発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント。PlayStation®4*1用ソフトウェア『グランツーリスモSPORT』*2上におけるGRスープラ‘19購入台数は約143万台、GR Supra‘20約115万台、GR Yaris約88万台、2021年11月27日(土)時点。© 2019 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc. "Gran Turismo" logos are registered trademarks or trademarks of Sony Interactive Entertainment Inc.

山中智瑛選手(日本)コメント:
今年はTGR GT Cupに名称が変わり、新しい選手権の初代チャンピオンになることができ、大変嬉しく思っています! GR Supra GT Cup時代から参戦していますが、過去2年間思うような結果が残せず悔しい思いをしてきました。グランドファイナルのレースを振り返ってみると、ピットインのタイミングがキーポイントになりました。ピットアウト後、前を走る宮園選手のスリップストリームをうまく使いタイヤを温存できたこと、そして宮園選手の驚異的なペースに引っ張られたおかげで、ファイナルラップで2位に浮上することができました。仕掛け所が難しいサルト・サーキットでしたが、セーブしてきたタイヤを上手く活用ができ、インディアナポリスコーナーでアウトからのオーバーテイクに成功し、そのままトップでチェッカーを受けることができました。最後まで勝つことを諦めず、ファイナルラップへの組み立てをしっかりとできたことが勝利に繋がりました。優勝した瞬間は正直ホッとしました。嬉しい気持ちはもちろんあったのですが、まだ世界と戦って優勝できる実力を持っていたことを結果で証明できたことが何よりの理由です。この優勝の喜びを忘れることなく、これからもこの世界で戦い続けていきます。そしてマニュファクチャラーシリーズにおいても2度目のワールドチャンピオンを獲得できたことは非常に嬉しく、素晴らしいチームメイト、そして素晴らしいマシンのおかげで最高の結果を得ることができました。チャンピオンを奪還することを誓い、今までで最もプレッシャーのかかる大会となりましたが、3人で100%以上の準備ができた結果が実を結びました。2021年も難しい情勢の中、応援してくださる皆さん、そして大会を主催してくださる関係者の皆さまのおかけで、毎年挑戦ができることは本当に嬉しく、e-Motorsportsが更に盛り上がるように1人の選手としてこれからも活躍できるように精進していきます。今年1年間、ありがとうございました。

TGR GT Cup決勝結果:

Rank Starting Grid Grand Final Time
1 R.Kobayashi T. Yamanaka(日本) 29:44.474
2 V.Gallo T. Miyazono(日本) 29:44.836
3 J. Serrano R.Kobayashi(日本) 29:44.919
4 L. Bonelli C. López(スペイン) 29:45.645
5 T. Miyazono V. Gallo(イタリア) 29:46.477
6 T. Yamanaka L. Bonelli(ブラジル) 29:46.736
7 T.Labouteley T.Labouteley(フランス) 29:47.159
8 C. López G. Mangano(イタリア) 29:54.623
9 B.Chou J. Serrano(スペイン) 29:55.098
10 I.Fraga I.Fraga(ブラジル) 29:59.073
11 A.Lee C.Salazar(ポルトガル) 29:59.106
12 G. Mangano T.Sasaki(日本) 29:59.330
13 C.Salazar B.Chou(台湾) 30:00.602
14 T.Sasaki A.Lee(オーストラリア) 30:02.204
15 K.Pounder K.Pounder(USA) 30:05.459
16 N.Sirigaya N.Sirigaya(タイ) 30:11.226

TGR GT CUP 決勝大会 概要:

日程 12月3日(金)23:00~
開催場所 グランツーリスモLIVEにてプレミア公開
https://www.gran-turismo.com/world/gtsport/worldtour2020/world_finals/
開催概要 FIAグランツーリスモ選手権で規定された5つのリージョンからRd.1~Rd.7のオンラインレースで上位4回のポイント上位者からトップドライバー21名、TGR枠3名を加え24名で実施
出場者内訳 地域 出場者
欧州・中東・アフリカ(9名) Valerio Gallo(イタリア)、Jose Serrano(スペイン)、Coque López(スペイン)、Baptiste Beauvois(フランス)、Giorgio Mangano(イタリア)、Thomas Labouteley(フランス)、Miroslaw Kravchenko(ドイツ)、Carlos Salazar(ポルトガル)、Quincy Vilasco(イギリス)
北米(3名) Kevan Pounder(米国)、Daniel Solis(米国)、Dean Heldt(米国)
中南米(3名) Lucas Bonelli(ブラジル)、Angel Inostroza(チリ)、Igor Fraga(ブラジル)
アジア(4名) 宮園 拓真(日本)、山中 智瑛(日本)、小林 利徠斗(日本)、佐々木 拓眞(日本)
オセアニア(2名) Andrew Lee(オーストラリア)、Paul Kandanoleon(オーストラリア)
TGR枠(3名) Sami-Joe Abi Nakhle(レバノン)、Nathayos Sirigaya(タイ)、Ben Chou(台湾)
24名