全日本ラリー選手権第1戦 新城ラリー2022 Supported by AICELLO2年目を迎えたGR YARIS GR4 Rally
勝田範彦/木村裕介組が3位表彰台を獲得

2022.03.21(月曜日)- 17:00配信

3月19日(土)〜20日(日)にかけて、愛知県・新城市を拠点に2022年シーズン全日本ラリー選手権(JRC)第1戦「新城ラリー2022 Supported by AICELLO」が開催され、TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)の勝田範彦/木村裕介組が3位を獲得しました。眞貝知志/安藤裕一組は、リタイアに終わっています。

苔が生えた滑りやすい路面を走る勝田範彦/木村裕介組のGR YARIS GR4 Rally
苔が生えた滑りやすい路面を走る勝田範彦/木村裕介組のGR YARIS GR4 Rally

モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的に、2015年から全日本ラリー選手権に参戦するTGR。GRヤリスをベースとする「GR YARIS GR4 Rally」を2021年から投入し、最上位カテゴリーであるJN1クラスに挑戦しています。

8年目のシーズンを前に、チームは勝田選手用として、新たにGR YARIS GR4 Rallyを製作。これまでの課題を克服すべく、様々な改良を施しました。同様に、昨シーズンの車両をキャリーオーバーする眞貝選手のGR YARIS GR4 Rallyもオーバーホールを実施し、改良点を盛り込みました。

例年、様々なイベントで賑わう新城ラリーは、昨年に続いて今年も無観客で行われました。ウェットコンディションから天候が回復し、路面状況が大きく変化したラリー初日、勝田選手はSS2で2番手タイムを刻むなど安定したペースで走行し、クラス3番手に。SS1でパンクを喫した眞貝選手は、クラス7番手からのポジションアップを狙います。晴天に恵まれた最終日、勝田選手は1本目のSS4でトップのシュコダR5に対し1秒差にせまる2番手タイムをたたき出し、2位にポジションアップ。そのままSS5、SS6も2位を維持しフィニッシュしましたが、残念ながらSS4のキャンセルにより3位となりました。一方、眞貝選手はSS5でコースアウトを喫し、ラリー続行を断念しました。なお、TGRは今大会から「エントラントサポートテント」をサービスに設置。エンジニアが常駐し、トヨタ車エントラントの困りごとやトラブルに対応するなど、ユーザーサポートの拡充を図りました。

■豊岡悟志(チーム監督)
昨年まで6年間がんばってくれた宮本チーフから丸田チーフへとバトンタッチしチーム体制が大きく変わりました。そんな中、チーム発足以来9台目のラリー車を製作し投入できた事は一つの成果と言えます。今シーズンも新しいメンバーでドライバーの要望に応えられるクルマづくりを通じ、人もクルマも成長できるよう愚直に取り組んでいきます。また、ラリー全体を盛り上げるために、どんな貢献ができるか考えてきましたが“エントラントサポートテント”を立ち上げました。今回、満足に応えきれなかった点もあるかと思いますが、ユーザーの方々とのコミュニケーション向上に引き続き努めていきたいと思います。

■勝田範彦(ドライバー)
1日目はとても難しい路面で、車両に関しても多くの課題を見つけることができました。2日目の路面は完全に乾いており、自信を持って走ることができたと思います。コ・ドライバーの木村選手も、とても良い仕事をしてくれました。なかなかヘイキ(コバライネン)選手の背中は見えませんでしたが、今回負けてしまったことで、また新たな反省点や課題が見つかります。ドライビングも含めて収穫の多いラリーになりました。チャンピオンを獲得したことは忘れて、あらためてイチから努力を続けていきます。

■眞貝知志(ドライバー)
クルマの感触は非常に良く、きっちりと走り切れたステージでは去年と比べても上位陣との差を縮めることができた一方で、まだまだ私自身がクルマの変更点をうまく活かしきれない部分もあり、試行錯誤する中で犯してはいけないミスをしてしまいました。次のステップに向けた積極的なトライの結果とも言えますが、昨シーズンから細かい改善を続け、Fun to Driveなクルマを準備してくれたチームには申し訳なく思います。次戦のツール・ド・九州はGR YARIS GR4 Rallyのスピードが活きるラリーだと思うので、今回の結果を引きずらず、良いイメージを持って挑みたいと思います。

■丸田智(チーフメカニック)
今年からチーフとして、2台のメンテナンスを指揮します。開幕戦までスケジュールが厳しいなか、メンバーがしっかりと車両を準備してくれたことで、不安なくラリーに臨むことができました。チームリーダーとしての経験や知識が不足していると感じる部分もありますが、私自身の成長が、チームの強さにもつながるはずと考えています。メンバーに助けてもらいながら、頼れるリーダーとなれるよう、成長していきたいですね。今回はトヨタC+pod(シーポッド)を給電車として使いました。こうしたカーボンニュートラルへの貢献など、ラリーの現場でも様々な活動に取り組んでいきたいと考えています。

■坂本祐樹(GR車両開発部)
今シーズンから、全日本ラリーの現場に来るエンジニアの取りまとめを行っています。選手の声を吸い上げてエンジニアに展開し、今後のクルマづくりにつなげる仕事です。開幕戦は勝田選手が新車となり、眞貝選手の車両も完全にリフレッシュして臨みましたが、R5車両は非常に速く、今後に向けて大きな課題を突きつけられたと感じています。次戦の唐津は路面状況が異なるので車両セットアップも大きく変わります。エンジニア一同、必死で改善のアイデアを考え、選手に気持ちよく走ってもらえるよう頑張りたいと思います。

GR Yaris GR4 Rallyのメカニックには今年も他部署からの応援メンバーが加わる
GR Yaris GR4 Rallyのメカニックには
今年も他部署からの応援メンバーが加わる
ユーザーサポートの一環として今大会からエントラントサポートテントを導入
ユーザーサポートの一環として
今大会からエントラントサポートテントを導入

新城ラリー JN1クラス最終結果

  1. 1 ヘイキ・コバライネン/北川 紗衣(シュコダ・ファビアR5)

    42:22.8

  2. 2 福永 修/齊田 美早子(シュコダ・ファビアR5)

    +52.1

  3. 3 勝田 範彦/木村 裕介(GR YARIS GR4 Rally)

    +54.7

  4. 4 新井 敏弘/田中 直哉(スバルWRX STI)

    +1:40.5

  5. 5 三枝 聖弥/石田 裕一(スバルWRX STI)

    +3:36.8

  6. 6 小泉 敏志/清水 昭一(トヨタGRヤリス)

    +4:16.1

  7. 7 奴田原 文雄/東 駿吾(トヨタGRヤリス)

    +5:01.7

  8. 8 HYOMA/萠抜 浩史(トヨタGRヤリス)

    +7:26.1

  9. 9 伊藤 俊哉/立久井 大輝(トヨタGRヤリス)

    +10:50.8

  10. R 眞貝 知志/安藤 裕一(GR YARIS GR4 Rally)

  11. 参戦12台、完走9台

TOYOTA GAZOO Racingは、「もっといいクルマづくり」のために「人を鍛え、クルマを鍛える」活動の一環としてGR YARIS GR4 Rallyで全日本ラリー選手権に参戦し、将来の車両開発に活かします。