2020年のモータースポーツシーズンは、世界的な新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響により、大型イベントが自粛、延期を余儀なくされ、開催延期が続いてきましたが、夏を迎え、各地でイベントが再開され始めました。2020年シーズン最初のLEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポートは、再開された米国WeatherTech SportsCar Championshipシリーズと欧州GT World Challenge Europe、そして国内SUPER GT(GT300クラス)の模様をお送りします。
WeatherTech SportsCar Championship第1戦デイトナ24時間
Rolex 24 at Daytona
1月22日(水)から26日(日)にかけて、米国南東部フロリダ州デイトナビーチに位置するデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで、2020年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの開幕戦となるデイトナ24時間レースが開催されました。同大会はデイトナのオーバルコースと、そのインフィールドにあるロードコースを組み合わせた特設コースで行われます。
同シリーズには、GT3車両により戦われるGTDクラスがあり、LEXUS RC F GT3は2017年より参戦しています。今季は同シリーズ2年目となるエイム・バッサー・サリバンから2台のLEXUS RC F GT3が参戦します。
24時間レースということもあり、2台のLEXUS RC F GT3はそれぞれ4人ずつのドライバー体制。12号車はタウンゼン・ベル、フランキー・モンテカルヴォのレギュラー2名に、通常14号車をドライブするアーロン・テリッツと、シェーン・ヴァン・ギスバーゲンの4名。14号車はレギュラーのジャック・ホークスワースに、若手のパーカー・チェイス、マイケル・デ・ケサダが加わり、そして4人目には昨年"トヨタ カムリ"で自身2度目のNASCARチャンピオンを獲得したカイル・ブッシュがWTSCシリーズ初挑戦するということで注目を集めました。
昨年の同大会では2位表彰台を獲得しているLEXUS RC F GT3。予選では12号車が7番手タイムをマーク。14号車は練習走行でトラブルに見舞われて予選に出走できず、後方からのスタートとなりました。
決勝レースでは、最後列からのスタートとなった14号車が、じりじりと順位を上げていき、15時間経過時にはトップ6まで浮上しましたが、ブレーキ交換時のトラブルで大きくタイムロス。9位でチェッカーを受けました。
7番手スタートの12号車は前半上位争いを繰り広げ、一時は2位を走行する速さを見せていましたが、15時間を過ぎたあたりで発生したコース上でのアクシデントによりガレージでの修復を余儀なくされ、12位でレースを終えました。
リザルト(GTDクラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
9位 | 17番手 | 14 | ジャック・ホークスワース パーカー・チェイス マイケル・デ・ケサダ カイル・ブッシュ | エイム・バッサー・サリバン | 757 | 8 Laps |
12位 | 7番手 | 12 | タウンゼン・ベル フランキー・モンテカルヴォ アーロン・テリッツ シェーン・ヴァン・ギスバーゲン | エイム・バッサー・サリバン | 728 | 37 Laps |
WeatherTech SportsCar Championship第2戦デイトナ
IMSA WeatherTech 240 at Daytona
7月3日(金)、4日(土)の両日、米国南東部フロリダ州デイトナビーチに位置するデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで、2020年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第2戦が2時間40分レースとして行われました。
1月の開幕戦デイトナ24時間から約半年。長い延期を余儀なくされたWTSCシリーズもスケジュールを大きく変更して、7月からまずは無観客でのシリーズ開催となりました。第2戦の舞台は開幕戦が行われたデイトナですが、暑さや湿度が大きく異なり、また、チームスタッフの人数も制限されるなど、通常のレースとは異なる戦いとなりました。
今大会にはエイム・バッサー・サリバンからLEXUS RC F GT3がGTDクラスに2台出走。決勝を前に行われた予選では、ジャック・ホークスワース/アーロン・テリッツ組の14号車が最前列2番手、タウンゼン・ベル/フランキー・モンテカルヴォ組12号車が4番手と2台揃って好位置でのスターティンググリッドを確保しました。
予選後、コース周辺は猛烈な雷雨に見舞われ、決勝の開始時間は順延。夕刻が迫る中、雨が止み、やや路面には濡れたところが残る状況で、決勝レースのスタートが切られました。
ポールポジションの車両がペナルティを受け降格したため、トップでスタートを切った14号車は好調にそのポジションをキープ。チームメイトの12号車も2位につけ、LEXUS RC F GT3が1-2体制で上位争いを繰り広げました。
中盤、ドライバー交代によるピットで一旦順位を落とすものの、全車がピット作業を終えると再び14号車が首位、12号車が2位へと復帰。14号車は全87周中81周で首位を走行する圧倒的な速さでレースを支配し、今季初となるGTDクラス勝利をLEXUS RC F GT3にもたらしました。
また、12号車も2位のポジションを譲らずにチェッカー。LEXUS RC F GT3にとっては同シリーズ参戦以来初となる、1-2フィニッシュを果たしました。
リザルト(GTDクラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 2番手 | 14 | ジャック・ホークスワース アーロン・テリッツ | エイム・バッサー・サリバン | 87 | |
2位 | 4番手 | 12 | タウンゼン・ベル フランキー・モンテカルヴォ | エイム・バッサー・サリバン | 86 | 1 Lap |
WeatherTech SportsCar Championship第3戦セブリング
Cadillac Grand Prix of Sebring
7月16日(木)から18日(土)にかけて、米国南東部フロリダ州セブリングのセブリング・インターナショナル・レースウェイでWeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第3戦が2時間40分レースとして行われました。
予選では、タウンゼン・ベル/フランキー・モンテカルヴォ組12号車がポールポジション、ジャック・ホークスワース/アーロン・テリッツ組の14号車が2番手と前戦1-2フィニッシュを果たし好調なLEXUS RC F GT3が最前列グリッドを確保しました。
決勝レースでは、序盤12号車、14号車が1-2態勢で走行を続けましたが、イエローコーションなどで順位が入れ替わり、中盤以降は14号車がレースを支配。全75周中39周にわたって首位を走行した14号車が、前戦に続きトップでチェッカーを受け、2連勝を飾りました。12号車も5位でフィニッシュし、2戦連続でのトップ5フィニッシュとなりました。
リザルト(GTDクラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
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1位 | 2番手 | 14 | ジャック・ホークスワース アーロン・テリッツ | エイム・バッサー・サリバン | 75 | |
5位 | 1番手 | 12 | タウンゼン・ベル フランキー・モンテカルヴォ | エイム・バッサー・サリバン | 75 | 16.468 |
GT World Challenge Europe 第1戦イモラ
7月25日(土)と26日(日)の両日、イタリアのイモラ・サーキットで、GT World Challenge Europeの第1戦が行われました。同シリーズはGT3車両で競われ、昨年まではブランパンGTシリーズと呼ばれていましたが、今季より名称を変更。世界中の様々なメーカーのGT3車両がエントリーする同シリーズには、Tech 1 Racingより1台のLEXUS RC F GT3が参戦します。
3時間レースとして行われる今大会は、同シリーズの中でもエンデュランスカップの1戦となります。Tech 1 RacingのLEXUS RC F GT3 15号車は、ティモシー・ビュレ、トーマス・ノイバウアー、オーレリアン・パニスの3名がドライブし、シルバーカップクラスへのエントリー。
前日の練習走行から好タイムをマークしていた15号車は、25日(土)に行われた予選で、シルバーカップクラスのポールポジション(総合7番手)を獲得しました。
26日(日)に行われた決勝レースは、序盤にイエローコーションが多発する展開となる中、15号車は順調に上位争いを繰り広げましたが、ピットイン時の混乱と、その後のドライブスルーペナルティで4位へと後退。表彰台を目指し追い上げましたが、惜しくも届かず、4位フィニッシュとなりました。
リザルト(シルバーカップクラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
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4位 | 1番手 | 12 | ティモシー・ビュレ トーマス・ノイバウアー オーレリアン・パニス | Tech 1 Racing | 72 | 34.223 |
SUPER GTシリーズ第1戦 富士スピードウェイ
たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE
7月18日(土)、19日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで2019年SUPER GTシーズンの最終戦となる第8戦「たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE」が開催されました。
今季の同シリーズには、GT300クラスに4台のLEXUS RC F GT3がエントリー。ただし、arto RC F GT3 35号車はドライバー及びエンジニア等チーム関係者の入国が困難なことにより、欠場となりました。
今大会は新型コロナウィルス感染対策のため、無観客、そしてチームスタッフ等関係者も参加人数を絞り、感染防止対策を充分に実施した上で、予選、決勝を1日で行う変則スケジュールで行われました。
GT300クラスの予選は、2グループに分けてQ1を実施。それぞれ上位8台がQ2へ進出するシステムで実施されました。
昨日までの雨は止んだものの、コース上には若干濡れたところが残るコンディションで午前9時半から行われた予選、Q1グループAでは吉本大樹がドライブするSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車が8番手、グループBでは、K-tunes RC F GT3 96号車は阪口晴南のアタックで8番手に入り、それぞれQ2へ進出。今季よりSUPER GTへと参戦開始、チームスポンサーが今大会の冠スポンサーも務める たかのこの湯 RC F GT3 244号車は、久保凜太郎のアタック及ばずグループB 12番手でQ2進出はなりませんでした。
Q2では、新田守男の96号車は8番手、河野駿佑の60号車が14番手グリッドにつけ決勝レースに挑むこととなりました。
予選の後、天候は急速に回復し、決勝は完全なドライ、強い日差しで暑さを感じさせる中で午後3時にスタートが切られました。
スタート直後のアクシデントで1周目からセーフティカー導入、レース中盤にも再度セーフティカーが導入されるやや荒れた展開となる中、LEXUS RC F GT3勢は前日からめまぐるしく変わるコンディションで健闘を続け、96号車が惜しくもポイント一歩手前の11位フィニッシュ。60号車が13位。SUPER GTデビュー戦となった244号車はスタートよりも順位を上げて16位で見事完走を果たしました。
リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
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11位 | 8番手 | 96 | 新田 守男/阪口 晴南 | K-tunes RC F GT3 | 62 | 25.630 |
13位 | 14番手 | 60 | 吉本 大樹/河野 駿佑 | SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 | 61 | 1 Lap |
16位 | 23番手 | 244 | 久保 凜太郎/三宅 淳詞 | たかのこの湯 RC F GT3 | 61 | 1 Lap |
次号のマンスリーレポートは8月25日頃の発行を予定しています。