MORIZO Challenge Cup 4戦目は丹後半島
初夏の山岳路を駆け抜ける
5月10日〜12日にかけて、京都府京丹後市で開催される2024年シーズン全日本ラリー選手権第4戦「YUHO RALLY TANGO supported by Nissin Mfg」は、2週間おきに続いた3連戦締めくくりの一戦です。「MORIZO Challenge Cup(略称:MCC)」に参戦する選手の多くにとっては、前戦同様に初体験のラリーです。22年にJN-3クラスで優勝している山田啓介選手、全日本選手権と併催された23年の地区戦で優勝経験をもつ貝原聖也選手を筆頭に、今回も熱い戦いが繰り広げられるでしょう。
前戦の久万高原ラリーで2位に入った最上佳樹選手は、このラリー丹後をひとつの目標として、ここまで経験を積んできたとのこと。「『丹後を目指して経験を積もう』とチームからも言われていて、久万高原でもクルマを壊さず戻ってくることがひとつの目標でした。丹後でちゃんと走ったうえで、できているところや課題を見つけられたらと思っています」と展望を語っています。最上選手は2000年2月20日生まれ。大学の自動車部でモータースポーツを始め、学生時代はジムカーナとダートトライアルの両方で活躍。昨年は全日本ジムカーナ選手権に出場し、今年はMCCと並行してJAF中部ジムカーナ選手権にも参戦し、チャンピオンを目指し奮闘しています。チームが行ったオーディションでその速さを見込まれ、これまで未経験だったラリーに挑戦しています。FIAアジア・パシフィックラリー選手権の2018年チャンピオン、全日本ダートトライアル選手権で通算7回のチャンピオンに輝いている炭山裕矢監督のもと、さらなる飛躍を遂げる様子にご注目ください。
スペシャルステージ(SS・タイムアタック区間であり、タイムが計測されるコース)は比較的スムーズな路面を持つものの、ひとつのSSの中に高速セクションやテクニカルセクションが混在することもあり、セットアップの方向性をどのように見定めるかもポイントとなりそうです。丹後半島を南北に貫く丹後縦貫林道が舞台に、どのような戦いが繰り広げられるのでしょうか。初夏へと移り変わる山間部のワインディングロードで、シーズン折り返しの一戦が始まります。
※2024年5月2日時点の情報です。変更の場合があります。
ADVICS with K-one Racing Team
貝原 聖也選手
丹後半島でのラリーは、地区戦で併催された時に2回ほど走った経験があります。路面は比較的綺麗だと思いますが、グリップがとても高いというわけではなく、すぐにタイヤが鳴くようなイメージがありますね。アイテナリーを見る限り、過去走ったことがあるSSだということは分かっています。過去のペースノートも持っていますが、毎年変わる部分があるのでしっかりと作り直します。特に、GRヤリスの加速力をうまく活かせるようなペースノートを作ることをテーマに、レッキを頑張りたいと思ってます。次こそ一番を獲りたいと思っていますので、応援よろしくお願いします。
Ahead Japan Racing Team
稲葉 摩人選手
前戦の久万高原で得たフィーリングをもとに色々と検討して、チームとコミュニケーションをとりながら頑張りたいなと思います。監督の新井大輝選手からも、ペースノートの“コーション”の入れ方などアドバイスを受けています。自分がノートを聞いたタイミングと、行動に移すタイミングにギャップがあるので、そこのタイミングのギャップを埋められるように書く場所を工夫してみるとか、もっと聞き取りやすいような単語の配置にしてみたらいいんじゃないかとアドバイスをいただきました。
CUSCO Racing
星 涼樹選手
まだ丹後の情報は特に集めていませんが、ペースノートを聞いて、落とし込む力というのはシミュレーターでも補えるのかなと思っているので、丹後に向けてはそこを重点的に取り組んでいこうかなと思っています。やっと久万高原ラリーでちょっと安定して走れたかなっていうくらいなので、次回は何も壊さずにある程度のペースを保って走れればと思っています。
FIT-EASY Racing
山田 啓介選手
丹後はこれまで4回ほど参戦しています。シーズンも半ばになりますし、ここでリタイアしてしまうと意味がないので、ラリー丹後では自分のペースを守りつつも、しっかり完走して、ポイントを積み重ねたいと思います。自分としてはかなり好きな路面、コースなので今から走るのを楽しみにしています。ここまでの3戦で、いいところ悪いところが見えてきたので、ラリー丹後に向けては、今までのデータをしっかり分析して、より速く走れるようにセットアップを変えて挑みたいと思います。
FIT-EASY Racing
最上 佳樹選手
ラリーの走り方はまだまだ奥が深いなと、前戦の久万高原ではより感じました。丹後は久万高原のようなサバイバルと違って、多分皆さんがちゃんとタイムを残してくるなかでの勝負だと思うんで、そこでどのくらい通用するかですね。最後まで走り切って、結果が着いてくればいいなと思っています。監督の炭山裕矢さんがダートトライアルからラリーに移られた時も、初めてラリーをやるっていう状態だったようで、『気持ちは良く分かるし、無理に結果とかタイムを追うのではなく、次が続くから』とアドバイスいただけて、ちゃんと完走して、これから成長していきたいなと思います。
MATEX-AQTEC RALLY TEAM
中溝 悠太選手
久万高原ラリーではペースノートの精度や高速コーナーが課題として見えたので、丹後ではそういう部分を改善していきたいなと思っています。同じチームの柳澤宏至選手や、嶋村徳之選手はかなり経験がある方なので、色々質問してアドバイスをもらったりしています。具体的には、ブレーキングで突っ込むよりは、立ち上がりで早くアクセルを開けた方がリスクを下げられる、といった走らせ方などです。無駄にリスクを負わず、ラリーをしっかり走り切ってかつ速さを出すためにはそういう点が大事なんだなと感じました。丹後では完走はもちろん、SSベストタイムを目指したいと思います。
TK motorsport
KANTA選手
久万高原ではアクシデントにより、クルマを壊してしまったのが一番ショックでした。チームの皆さんにも申し訳なく思っています。久万高原ラリーの前にはチーム監督の勝田貴元さんから、結果よりも内容を重視してほしいと言われていたので、今後に向けてしっかり修行して、成長を見せられるように、内容のレベルを上げられたらいいなと思っています。
TOYOTA GAZOO RacingーWRJ
大竹 直生選手
ラリー丹後は2021年に全日本選手権で出場したことがありますが、残念ながらSS1でリタイアしてしまいました。SSでは高速セクションもあって、僕が好きな道だと思うので楽しみですね。僕は心配性なので(笑)、レッキしてからチームメイトの眞貝知志選手や奴田原文雄選手など道の走り方などについて色々な方に質問しています。出たことのないラリーなどではすごく助かっています。久万高原ラリーでは色々とクルマのセッティングを変更してフィーリングがすごく良かったので、次こそはいけるかなと思っています。