モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ 2017年 第31戦 タラデガ
大荒れの超高速オーバル戦でトヨタ勢苦戦。
デニー・ハムリンが6位
2017.10.17(火)- 18:10配信
超高速接近戦が繰り広げられるタラデガでの一戦。"ビッグ・ワン"と呼ばれる多重クラッシュが頻発し、最後は14台しか残らないサバイバル戦で、デニー・ハムリンがトヨタ勢最上位の6位でフィニッシュ。トラック・シリーズではパーカー・クリガーマンが5年ぶりの勝利を挙げ、"トヨタ タンドラ"はトップ4を独占した。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第31戦 Alabama 500
大荒れの超高速オーバル戦でトヨタ勢苦戦。
デニー・ハムリンが6位
トヨタ勢最上位の6位でフィニッシュしたデニー・ハムリン(#11)
10月15日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第31戦「Alabama 500」が開催された。
シーズン終盤の10戦で上位ドライバーがタイトルを争う"プレーオフ"は前半戦を終える5戦目を迎えた。序盤の3戦で16名から12名へと絞られたが、トヨタ勢のマーティン・トゥルーエクス・Jr.、カイル・ブッシュ、デニー・ハムリン、マット・ケンゼスの4名はまだこの12名の中に残っている。
前戦シャーロットでは第2ラウンド初戦をトゥルーエクス・Jr.が制し、第3ラウンド進出を決めた。今大会はNASCAR最長オーバルで、超高速接近戦故の多重クラッシュが特徴なタラデガ。運やギャンブル性も持つこのコースでは、多重クラッシュに巻き込まれず、少しでも上位でフィニッシュすることが必要となる。
トヨタは過去タラデガで3勝しか上げておらず、近年では2014年にハムリンが勝って以来未勝利。タラデガでの勝利と、更なるトヨタドライバーの"プレーオフ"次ラウンド進出を目指し超高速オーバルに臨んだ。
15日(日)午後1時16分、2.66マイルオーバルを55周、55周、78周の3ステージ合計188周(500.08マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。トヨタ勢はルーキー、ダニエル・スアレツの14番手を先頭に中団からのスタートとなり、タラデガならではの、長い隊列で周回を重ねていった。
26周目にこの日最初の多重クラッシュが発生。カイル・ブッシュとエリック・ジョーンズが巻き込まれた。カイル・ブッシュはレースを続行したが、エリック・ジョーンズの車両はダメージが大きく、無念の戦線離脱。
ステージ1は終盤のコーションから残り2周でのバトルとなったが、トヨタ勢はトップ10入りはならず。
ステージ1の終盤にコーションが発生したこともあり、ステージ2前には様々なピット戦略で順位が入れ替わり、ピットに向かわずコース上に残ったケンゼスらが上位へ浮上。再スタートでケンゼス、まもなくハムリンがこれに代わって首位に立った。
ハムリンは79周目にホイールの緩みに見舞われ緊急ピットインを強いられるも、その直後にイエローコーションとなり、大きく順位を落とすことなく、ステージ2は9位。カイル・ブッシュが10位となった。
ステージ3は、140周目過ぎからグリーンフラッグ下でのピット作業となり、その後はトヨタ勢による上位争いが展開。レースが残り20周を切った171周目、スアレツが首位に立った直後に16台が巻き込まれる"ビッグ・ワン"が発生。カイル・ブッシュ、トゥルーエクス・Jr.、ケンゼスらが巻き込まれ、カイル・ブッシュとトゥルーエクス・Jr.はここでレースを終えることとなってしまった。
レースは赤旗が出され、12分半程の中断の後に再開。しかし、再スタートから僅か2周で再び"ビッグ・ワン"。そこからの再スタート後も3周で"ビッグ・ワン"と、大荒れの終盤となってしまった。
レースは最後の3周で再スタートが切られることとなったが、この時点でコース上に残っているのは僅か14台。このサバイバル戦を生き残ったハムリンがトヨタ勢の最上位6位でフィニッシュ。終盤のクラッシュに巻き込まれるも何とか最後まで走り切ったケンゼスは14位でチェッカーを受けた。
この結果、"プレーオフ"ランキングでは、首位のトゥルーエクス・Jr.と5位ハムリンは変わらなかったものの、カイル・ブッシュとケンゼスはそれぞれ9位、10位と次ラウンド進出圏内であるトップ8から脱落。しかし、8位のドライバーとはカイル・ブッシュが7ポイント、ケンゼスが8ポイント差。7位から10位ケンゼスまでは10点の中に4人が入る接戦となっており、次戦は"プレーオフ"次ラウンドへの生き残りを賭けて更なる激戦が予想される。
次戦第32戦は10月22日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「チームは本当にこの週末良くやってくれた。今日は起きた3度のビッグワンは、全て私の前方で発生したのだが、何とかかわせた。全て上手くしのげたのは奇跡だった。全体的に見れば良い一日だったが、もう少し上位フィニッシュが欲しかった。最後はかなり台数が少なくなる中、ノーダメージで走り切れたという意味で、勝てるチャンスはあったし、最後の1周での逆転を狙ったが、残念ながら上手く行かなかった」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 2 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 188 |
2 | 27 | 31 | ライアン・ニューマン | シボレー | 188 |
3 | 10 | 6 | トレヴァー・バイン | フォード | 188 |
6 | 15 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 188 |
9 | 39 | 83 | グレイ・ゴールディング | トヨタ カムリ | 188 |
14 | 19 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 187 |
15 | 14 | 19 | ダニエル・スアレツ | トヨタ カムリ | 184 |
23 | 21 | 78 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 171 |
27 | 16 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 171 |
32 | 37 | 23 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ カムリ | 164 |
33 | 40 | 55 | D.J.ケンニントン | トヨタ カムリ | 164 |
36 | 23 | 77 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 26 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 3120 |
2 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 3101 |
3 | カイル・ラーソン | シボレー | 3096 |
5 | デニー・ハムリン | トヨタ | 3088 |
9 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 3067 |
10 | マット・ケンゼス | トヨタ | 3066 |
19 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 749 |
20 | ダニエル・スアレツ | トヨタ | 708 |
34 | コリー・ラジョイ | トヨタ | 202 |
39 | マイケル・ウォルトリップ | トヨタ | 29 |
43 | D.J.ケンニントン | トヨタ | 6 |
45 | アーロン・デイ | トヨタ | 5 |
46 | ステファン・リート | トヨタ | 5 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 1097 |
2 | シボレー | 1090 |
3 | フォード | 1081 |
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第19戦 Fred's 250
"トヨタ タンドラ"トップ4独占
トヨタ勢は3人揃って"プレーオフ"次ラウンド進出
5年ぶりの勝利を挙げたパーカー・クリガーマン
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第19戦「Fred's 250」が10月14日(土)にタラデガ・スーパースピードウェイで開催された。
トヨタにとって、カップ・シリーズでは過去3勝と苦戦しているタラデガだが、トラック・シリーズでは開催開始の2006年以来11回の開催中8勝と得意としているコースである。
トラック・シリーズの"プレーオフ"は終盤7戦で、当初の上位8人に与えられたチャンピオン獲得権に対し、2戦毎に下位2名が権利を失なっていく。トヨタ勢はクリストファー・ベル、マット・クラフトン、ベン・ローズの3名が当初の8名に入っており、今大会終了時点で絞られる上位6名に残るべく臨んだ。
14日(土)午後12時17分、2.66マイルオーバルを20周、20周、54周の3ステージ合計94周(250.04マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。
このレースを前に、来季はエクスフィニティ・シリーズにフル参戦することが発表されたクリストファー・ベルが今季4度目のポールポジションからスタートを切ったが、その後、ライバルの先行を許して序盤戦が展開。
ステージ1の終盤に多重クラッシュが発生し、ベン・ローズ、ライアン・トゥルーエクスが巻き込まれてしまった。ライアン・トゥルーエクスはここで無念の戦線離脱。
ステージ2はアクシデント無く推移し、マイアット・スナイダーが3位、マット・クラフトンが5位、コディ・コーリンが8位、ローズが9位、グラント・エンフィンジャーが10位。ベルはステージ終盤に、ステージ3へ向けてピットインする作戦を採った。
ステージ3は序盤から"ビッグ・ワン"が連発。54周目のクラッシュではクラフトン、70周目の多重クラッシュではローズと、"プレーオフ"を争っている2台が巻き込まれた。クラフトンはレースを続行したが、ローズはリタイア。
レースが残り5周というところでスピン車両によりコーションが出され、残り2周での"オーバータイム"に。ベルとパーカー・クリガーマンが最前列に並んで再スタート。2台による激しい首位争いとなったが、ファイナルラップに5台が絡む多重クラッシュが発生し、順位はその時点で凍結。クリガーマンが2012年のタラデガ戦以来来5年ぶりとなる、自身キャリア2勝目を飾った。
ベルが2位、3位にスナイダー、4位にエンフィンジャーと続き、"トヨタ タンドラ"はトップ4を独占。"プレーオフ"争いでは、第1戦、第2戦で勝利を挙げ進出を決めていたベルとローズに続き、クラフトンも着実に重ねたポイントで次ラウンド進出決定。トヨタ勢は3人全員が6人で争われる第2ラウンドへ進むこととなった。
次戦第20戦は10月28日(土)に米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイで開催される。
ドライバー パーカー・クリガーマン:
「信じられない。クルーチーフとチーム全員のおかげで勝ち取った、最高の勝利だ。クレイジーなレースで、特に最後の10周は激しかった。最後に隊列から離れてアウトに出る作戦を採ったが、それが功を奏した。終盤のピット戦略が上手く行ったというのもあるが、我々の車両は最速だった。しかし、序盤組んでいた(ライアン)トゥルーエクスがいなくなってから、空気抵抗を低減するために連なって走行するドラフティングパートナーを探すのに苦労した。終盤パートナーを見つけてからは最後まで良いレースが出来た一方、まだ勝ったという実感が湧いて来ない」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 14 | 75 | パーカー・クリガーマン | トヨタ タンドラ | 95 |
2 | 1 | 4 | クリストファー・ベル | トヨタ タンドラ | 95 |
3 | 9 | 51 | マイアット・スナイダー | トヨタ タンドラ | 95 |
4 | 13 | 98 | グラント・エンフィンジャー | トヨタ タンドラ | 95 |
9 | 11 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 95 |
14 | 8 | 18 | ノア・グラッグソン | トヨタ タンドラ | 95 |
18 | 20 | 45 | オースティン・セルフ | トヨタ タンドラ | 94 |
23 | 10 | 27 | ベン・ローズ | トヨタ タンドラ | 70 |
25 | 18 | 13 | コディ・コーリン | トヨタ タンドラ | 70 |
26 | 17 | 47 | クリス・フォンテイン | トヨタ タンドラ | 70 |
28 | 7 | 16 | ライアン・トゥルーエクス | トヨタ タンドラ | 19 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | クリストファー・ベル | トヨタ | 3047 |
2 | ジョニー・ソーター | シボレー | 3027 |
3 | マット・クラフトン | トヨタ | 3014 |
5 | ベン・ローズ | トヨタ | 3013 |
9 | ライアン・トゥルーエクス | トヨタ | 639 |
10 | グラント・エンフィンジャー | トヨタ | 611 |
11 | ノア・グラッグソン | トヨタ | 571 |
13 | コディ・コーリン | トヨタ | 416 |
22 | パーカー・クリガーマン | トヨタ | 184 |
25 | マイアット・スナイダー | トヨタ | 164 |
29 | ブレット・モフィット | トヨタ | 126 |
30 | ハリソン・バートン | トヨタ | 123 |
32 | トッド・ギリランド | トヨタ | 106 |
34 | ジェシー・リトル | トヨタ | 91 |
43 | ジャスティン・フォンテイン | トヨタ | 42 |
64 | リコ・アブリュー | トヨタ | 14 |
67 | クリス・フォンテイン | トヨタ | 11 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 713 |
2 | シボレー | 671 |
3 | フォード | 602 |