シリーズ最長オーバルのタラデガで、トヨタ勢は苦戦しフル参戦2年目のダニエル・スアレツが最上位の10位。カイル・ブッシュが13位、デニー・ハムリンが14位に終わりました。エクスフィニティ・シリーズではブランドン・ジョーンズが2位、ノア・グラッグソンが4位と若手ドライバーが健闘を見せました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第10戦 GEICO 500
ダニエル・スアレツが10位フィニッシュ
13位、14位でフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#18)とデニー・ハムリン(#11)
4月29日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第10戦「GEICO 500」が開催されました。
NASCARカップ・シリーズが行われるオーバルで最長の1周2.66マイル(約4.3km)のタラデガでは、リストリクター・プレートと呼ばれる吸気量を制限するパーツを取り付けることが義務づけられており、最高出力が制限されます。それでも300km/h以上で競い合うレースカーは、空気抵抗とも戦わねばならず、数台が縦に連なる「ドラフティング」というテクニックを駆使して超高速下での接近戦を繰り広げます。
そのため、もしクラッシュが発生すれば多数の車両が巻き込まれる"ビッグ・ワン"となることが多く、着実にドラフティングパートナーと協力しながら最後まで上位に生き残ることが大切なレースです。
今季のカップ・シリーズでは、カイル・ブッシュがここ3戦で3連勝を挙げており、33歳の誕生日を3日後に控えたカイル・ブッシュの4連勝なるかに注目が集まりました。
29日(日)午後1時26分、2.66マイルスーパースピードウェイを55周、55周、78周の3ステージ合計188周(500.8マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。トヨタ勢ではマーティン・トゥルーエクス・Jr.が3番手、4年前にここタラデガで勝利を挙げているデニー・ハムリンが4番手で2列目に並び、その後ろ6番手からエリック・ジョーンズが続いてスタートを切りました。
ステージ1はイエローコーションが出ないまま推移し、グリーンフラッグ下でのピットストップを経て、トゥルーエクス・Jr.が3位、19番手スタートからポジションを上げたカイル・ブッシュが4位、ハムリンが6位。
ステージ2は、72周目に3ワイドバトルの中でエリック・ジョーンズが他車と接触しスピン、この日最初の"ビッグ・ワン"が発生。この多重クラッシュにトゥルーエクス・Jr.も巻き込まれました。エリック・ジョーンズは車両のダメージが大きくここでリタイア。トゥルーエクス・Jr.は懸命の修復作業でレースに復帰しましたが、2周遅れとなってしまいました。
再スタート後、ドラフティングでの激しいポジション争いの中で、ハムリンが残り15周というところで首位に浮上。8周にわたってレースをリードしましたが、ステージ2終盤、アウト側のライバル勢車列に先行を許し、ステージ2はカイル・ブッシュが10位、ハムリンは12位となりました。
ステージ3のスタート前に各車ピットへ向かいましたが、ここでカイル・ブッシュが痛恨のピットロードスピード違反、30位へ大きく後退することとなってしまいましたが、再スタート後は着実にポジションを取り戻し、上位争いへ復帰しました。
128周目にコース上の異物によりイエローコーションが出されると、タイヤ2本交換作戦を採ったハムリンとダニエル・スアレツが上位へ。再スタート後、ハムリンはこの日2度目となる首位に浮上しました。
しかし、残り周回が45周を切ったあたりで上位勢がグリーンフラッグ下でのピットへ向かうと、ハムリンとスアレツがスピード違反ペナルティ。ハムリンは、ペナルティ消化のためのドライブスルー時にもスピード違反を取られ、2度目はストップ&ゴーペナルティに。これにより、周回遅れとなってしまいました。
唯一上位グループに残ったカイル・ブッシュが孤軍奮闘を強いられる後半戦となりましたが、残り20周を切ったところで、14台が巻き込まれるこの日2度目の"ビッグ・ワン"が発生。一時は4位を走行していたカイル・ブッシュもこれに巻き込まれてしまいました。
カイル・ブッシュはピットでの懸命な作業で修復し、首位と同一周回でコースに復帰。ハムリンもこのコーションで"ラッキー・ドッグ(コーション発生時に周回遅れ最上位が首位と同一周回に復帰できる救済措置)"を獲得し、カイル・ブッシュ、スアレツと共に最後の逆転を目指しました。
残り17周、カイル・ブッシュが13位、スアレツが16位、ハムリンが19位で再スタート。トヨタ勢は懸命な追い上げを見せましたが、スアレツが10位、カイル・ブッシュが13位、ハムリンが14位でチェッカー。練習走行でのクラッシュによりバックアップカーに乗り換えたため、後方スタートを強いられた、シリーズフル参戦2年目のスアレツが今季3度目のトップ10フィニッシュを果たしました。
カイル・ブッシュは13位で、4連勝は叶いませんでしたが、ドライバーズランキング首位の座は守りました。
次戦第11戦は5月6日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われます。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「一度多重クラッシュに巻き込まれてしまえば、そこでレースは終わりです。しかし我々はそれまで順調にレースを戦っていました。レースを通してハンドリングは好調で、ピットでの調整のたびに更に良くなっていきました。しかし、スーパースピードウェイで上位を争うにはスピードが足りませんでした」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | 22 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 188 |
2 | 2 | 41 | カート・ブッシュ | フォード | 188 |
3 | 5 | 9 | チェイス・エリオット | シボレー | 188 |
10 | 14 | 19 | ダニエル・スアレツ | トヨタ カムリ | 188 |
13 | 19 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 188 |
14 | 4 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 188 |
20 | 31 | 96 | D.J.ケンニントン | トヨタ カムリ | 188 |
24 | 37 | 23 | グレイ・ゴールディング | トヨタ カムリ | 187 |
26 | 3 | 78 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 184 |
39 | 6 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 71 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 447 |
2 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 417 |
3 | ケヴィン・ハーヴィック | フォード | 366 |
7 | デニー・ハムリン | トヨタ | 314 |
9 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 303 |
13 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 234 |
21 | ダニエル・スアレツ | トヨタ | 188 |
33 | グレイ・ゴールディング | トヨタ | 69 |
34 | D.J.ケンニントン | トヨタ | 55 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | フォード | 359 |
2 | トヨタ | 359 |
3 | シボレー | 331 |
NASCAR XFINITY SERIES
第9戦 Sparks Energy 300
ブランドン・ジョーンズが2位フィニッシュ
19歳ノア・グラッグソンも4位で続き2戦連続トップ4
2位、4位フィニッシュを果たしたブランドン・ジョーンズ(#19)とノア・グラッグソン(#18)
4月28日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第9戦「Sparks Energy 300」がタラデガ・スーパースピードウェイで開催されました。
28日(土)午後2時27分に2.66マイルスーパースピードウェイを25周、25周、63周の3ステージ合計113周(300.58マイル:約480km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
前戦今季初勝利を飾った23歳のクリストファー・ベルが13番手、21歳のブランドン・ジョーンズが15番手、前戦シリーズデビュー戦ながら2位に入った19歳のノア・グラッグソンが20番手とトヨタ勢は若手を主体とした体制で、中盤グリッドからレースをスタート。
ベルとブランドン・ジョーンズは上位争いを繰り広げましたが、ベルはステージ1終了直前にタイヤのパンクに見舞われ後退。ステージ1はベルが4位となりました。
ステージ2の再スタート直後に7台が絡む"ビッグ・ワン"が発生しましたが、トヨタ勢は間一髪でこれをかわし、長いコーションラップからの再スタート後、上位浮上を狙いましたがトップ10入りはならず。
12位でステージ2を終えたベルは、ステージ3スタート前、全車がピットへ向かう中、タイヤ交換をせず給油のみという作戦を採り、トップに浮上。その後も追い上げてきたブランドン・ジョーンズと共に上位グループでの周回を続けました。
レースは残り8周でタイヤパンク車両によりイエローコーション。周回数は延長され、最後の2周"オーバータイム"で決されることとなりました。
燃料切れで脱落する車両が出る中、トヨタの若手勢はドラフティングで最後までトップ争いを展開。惜しくも勝利には届かなかったものの、ブランドン・ジョーンズが自身シリーズキャリア最高位となる2位でフィニッシュ。ブランドン・ジョーンズは今季5度目のトップ10フィニッシュとなりました。
ノア・グラッグソンが4位。前戦リッチモンドでエクスフィニティ・シリーズにデビューし、いきなり2位フィニッシュを果たしたルーキーは、2戦連続でのトップ5フィニッシュを果たしました。
ベルは最後にドラフティングの隊列から外れてポジションを落とし、12位に終わりました。
次戦第10戦は5月5日(土)、ドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われます。
ドライバー ブランドン・ジョーンズ:
「ここ数週の戦いぶりで、自分自身も、チームも自信を持って臨み、良いレースを戦うことが出来ました。最後の数周は多くの車両が燃料切れに見舞われるなど、大変な状況でした。全体的に見れば2位というのは信じられないような好結果ですが、あと1台パスして、ヴィクトリーレーンに上がりたかったです」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 23 | スペンサー・ギャラハー | シボレー | 115 |
2 | 15 | 19 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 115 |
3 | 6 | 7 | ジャスティン・アルゲイヤー | シボレー | 115 |
4 | 20 | 18 | ノア・グラッグソン | トヨタ カムリ | 115 |
12 | 13 | 20 | クリストファー・ベル | トヨタ カムリ | 115 |
18 | 28 | 8 | トミー・ジョー・マーティンズ | トヨタ カムリ | 115 |
19 | 29 | 78 | B.J.マクレオド | トヨタ カムリ | 115 |
27 | 38 | 66 | ティミー・ヒル | トヨタ カムリ | 114 |
28 | 32 | 45 | ジョシュ・ビリッキ | トヨタ カムリ | 114 |
29 | 39 | 55 | ジェニファー・ジョー・コブ | トヨタ カムリ | 114 |
39 | 36 | 40 | チャド・フィンチャム | トヨタ カムリ | 32 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | エリオット・サドラー | シボレー | 356 |
2 | タイラー・レディック | シボレー | 316 |
3 | ジャスティン・アルゲイヤー | シボレー | 309 |
4 | クリストファー・ベル | トヨタ | 307 |
8 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ | 269 |
22 | ライアン・プリース | トヨタ | 126 |
34 | ステファン・リート | トヨタ | 57 |
35 | ジョシュ・ビリッキ | トヨタ | 50 |
36 | カイル・ベンジャミン | トヨタ | 34 |
39 | チャド・フィンチャム | トヨタ | 26 |
40 | シーザー・バカレラ | トヨタ | 24 |
45 | ライアン・エリス | トヨタ | 7 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | シボレー | 326 |
2 | フォード | 316 |
3 | トヨタ | 310 |
4 | ダッジ | 22 |