モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ 2018年 第14戦 ポコノ
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季2勝目!
トヨタはポコノの両レースを制す
2018.06.05(火)- 14:40配信
「トリッキー・トライアングル」ポコノでのNASCARカップ・シリーズは、マーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季2勝目。カイル・ブッシュが3位となりました。エクスフィニティ・シリーズではカイル・ブッシュがレースを支配し今季初勝利。シリーズ通算92勝目を挙げました。トヨタは金曜日に行われた下位カテゴリー戦(ARCAシリーズ)でも勝利を挙げ、この週末のポコノで全レース制覇を果たしました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第14戦 Pocono 400
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季2勝目!
今季2勝目を挙げたマーティン・トゥルーエクス・Jr.
6月3日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第14戦「Pocono 400」が開催されました。
1周が2.5マイル(約4km)と長く、それぞれ曲率が異なる3つのコーナーを3本のストレートで結んだような、他にはないレイアウトを持つポコノは「トリッキー・トライアングル」の愛称で呼ばれています。カップ・シリーズは年2戦行われるポコノでトヨタは過去5勝。うちデニー・ハムリンが2勝、昨年の夏大会ではカイル・ブッシュが勝利を挙げています。
3日(日)午後2時15分、2.5マイルトライオーバルを50周、50周、60周の3ステージ合計160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。5番手スタートのカイル・ブッシュが序盤からハイペースで順位を上げ、5周目には2位へ浮上しました。
ポコノは2.5マイルと長く、1周50秒近くかかるため、グリーンフラッグ下でピットを行っても周回遅れになりにくく、様々なピット作戦が採られます。早い車両はステージを走りきれるだけの残り周回となった16周目あたりからグリーンフラッグ下でピットを開始。イエローコーションは出ないまま推移し、最後の車両は残り15周あたりでピットインを終えました。
全車がピットを終えた時点で、マーティン・トゥルーエクス・Jr.が2位、カイル・ブッシュはハンドリングに苦しみながらも3位、ハムリンが6位を走行。トゥルーエクス・Jr.はじりじりと首位との差を詰めていき、残り5周で逆転すると、ステージ1を制覇。今季3度目のステージウィンを果たしました。カイル・ブッシュが3位、ハムリンが5位に入りました。
ステージ1を制したトゥルーエクス・Jr.でしたが、ステージ2開始前のコーション時、ピット作業でミスがあり大きくタイムロス。14位へと後退してしまいました。カイル・ブッシュは4位での再スタートから、僅か5周で2位へ。
ステージ2もステージ1同様、イエローコーションが出ないまま中盤にグリーンフラッグピットで各車給油とタイヤ交換を行いました。カイル・ブッシュはステージ終盤2位へと復帰し、首位を追いましたが届かず2位でステージ2を終えました。トゥルーエクス・Jr.も追い上げ4位。
ステージ3の前半は、カイル・ブッシュが2位で首位との差をじりじりと詰めていく中、123周目にこの日初めてスピン車両によるイエローコーションが発生。ここでピットインすれば最後まで走り切れる残り周回ということもあり、一斉に各車ピットへ向かいました。
125周目に再スタートが切られると、ピット作業で首位に立ったカイル・ブッシュがその座をキープ。しかし、138周目にコース上の異物により再度イエローコーションが出されると、各チーム戦略が分かれました。
首位にいたカイル・ブッシュはピットへ。しかし、これを追っていた、2位のトゥルーエクス・Jr.を含む数台はピットへ入らない判断でコース上に残りました。また、カイル・ブッシュらが4本タイヤを交換したのに対し、数台が2本タイヤ交換作戦を採ったため、残り17周での再スタートは、トゥルーエクス・Jr.が首位、カイル・ブッシュは8位、ハムリンが9位。
ステージ2ではトップ10圏外に落ちながらも、その後トップ5まで順位を戻していたハムリンでしたが、この再スタート直後にコーナー中のサイド・バイ・サイドバトルでバランスを崩し接触。スピンを喫した車両はイン側の壁にクラッシュし、ハムリンはここでレースを終えることとなってしまいました。
残り10周で再スタートが切られると、今度は13位を走行していたエリック・ジョーンズがスピン。残り7周での再スタートに。トゥルーエクス・Jr.が首位をキープ。カイル・ブッシュは4位から、前を行くライバル勢よりもやや新しいタイヤの優位性を活かしての逆転を目指しました。
トゥルーエクス・Jr.は再スタートを決めると、カイル・ブッシュを含む後続が順位争いを繰り広げる間に差を広げて独走状態に。そのまま2.5秒差をつけて逃げ切りトップチェッカー。前々戦カンザス、前戦シャーロットと2戦連続で2位フィニッシュに終わったトゥルーエクス・Jr.が、第5戦フォンタナ以来となる今季2勝目を飾りました。
カイル・ブッシュは3位に入り、ドライバーズランキング首位の座は堅守。トヨタはこの勝利により、マニュファクチャラーズランキングでも首位に返り咲きました。また、トヨタはこの週末、前日のエクスフィニティ戦でカイル・ブッシュが勝利、そして金曜日に同じポコノで行われていた下位カテゴリーのARCAシリーズでもトップ3独占で勝利を飾っており、週末のポコノの3レース全てを制することとなりました。
次戦第15戦は6月10日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われます。
ドライバー マーティン・トゥルーエクス・Jr.:
「勝つのはいつも嬉しいです。しかし、何と言っても最高のライバル達を打ち破っての勝利は格別です。2人のライバル(カイル・ブッシュとケヴィン・ハーヴィック:フォード)は今日本当に速かったです。我々は同等の速さだったでしょう。最後は誰が前にいるかが勝負を決めたと思います。コーション時、4号車(ハーヴィック)と私はコース上に残る判断をしました。練習走行の時から、ある程度摩耗の進んだタイヤでも我々は速いということは感じていました。クルーチーフが素晴らしい判断をしてくれました。後はクリーンなエアの中、ロケットのように首位を突き進むだけでした」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 78 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 160 |
2 | 13 | 42 | カイル・ラーソン | シボレー | 160 |
3 | 5 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 160 |
24 | 18 | 19 | ダニエル・スアレツ | トヨタ カムリ | 160 |
29 | 25 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 159 |
33 | 36 | 23 | グレイ・ゴールディング | トヨタ カムリ | 157 |
35 | 10 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 146 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 624 |
2 | ケヴィン・ハーヴィック | フォード | 537 |
3 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 534 |
4 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 487 |
8 | デニー・ハムリン | トヨタ | 437 |
14 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 322 |
19 | ダニエル・スアレツ | トヨタ | 258 |
32 | グレイ・ゴールディング | トヨタ | 94 |
35 | D.J.ケンニントン | トヨタ | 55 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 507 |
2 | フォード | 505 |
3 | シボレー | 451 |
NASCAR XFINITY SERIES
第12戦 Pocono Green 250
カイル・ブッシュがポコノでのシリーズ初勝利
今季シリーズ参戦4戦目で初勝利を挙げたカイル・ブッシュ
6月2日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第12戦「Pocono Green 250」がポコノ・レースウェイで開催されました。
ポコノでのエクスフィニティ・シリーズ戦は2015年まで行われておらず、今大会が3度目の開催。トヨタはまだ同シリーズにおけるポコノ戦では未勝利であり、今季4度目のシリーズスポット参戦となるカイル・ブッシュらが、初勝利を目指してレースに挑みました。
2日(土)午後1時20分、2.5マイルトライオーバルを25周、25周、50周の3ステージ合計100周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。4番手からスタートを切ったカイル・ブッシュがすぐに首位に立つと、シリーズレギュラーのクリストファー・ベルとブランドン・ジョーンズも5,6番手グリッドからカイル・ブッシュに続く形に浮上。序盤は"トヨタ カムリ"の1-2-3体制に。
ステージ1はイエローコーションが出ず、25周は無給油で走りきれる距離なため、カイル・ブッシュは一度も首位の座を譲ることなくステージウィン。ベルが2位、ブランドン・ジョーンズが5位となりました。
しかし、ステージ2再スタート前のコーション時、カイル・ブッシュとベルは2台揃ってピットロードスピード違反を取られ、大きくポジションダウン。20位以下からの追い上げを強いられることとなりましたが、再スタートが切られるとみるみるうちにポジションを上げ、トップ10圏内へ浮上。
ステージ2終盤、ステージ3の再スタート時ポジションを考え、ベルとブランドン・ジョーンズはグリーンフラッグ下でピットへ。ステージ2はカイル・ブッシュが6位。ブランドン・ジョーンズとベルは25位、26位でステージを終えることとなりましたが、その後、上位勢がステージ間のコーションでピットインする中、コース上に残り、ステージ3は2位、3位で再スタート。すぐにブランドン・ジョーンズが首位に立ちました。
再スタート後僅か3周でクラッシュ車両によりイエローコーションが出されると、ブランドン・ジョーンズとカイル・ブッシュはコース上に残りましたが、ベルはピットへ。ベルはそのまま最後まで走り切る作戦と思われましたが、再スタート直後に中団グループで発生した多重クラッシュに巻き込まれ、ここでレースを終えることとなってしまいました。
この再スタートで好ダッシュを決めて首位に立っていたカイル・ブッシュは、残り35周での再スタート後独走。ブランドン・ジョーンズは終盤燃料が厳しくなり、ペースを落として最後まで走り切ろうとしましたが、残り2周で痛恨の燃料切れ。
カイル・ブッシュはレースの後半戦を支配し、2位に3秒近い大差でトップチェッカー。今季初勝利を挙げると共に、ポコノでのエクスフィニティ・シリーズ戦でトヨタに初勝利をもたらしました。また、カイル・ブッシュはこの勝利で、自身の持つシリーズ通算勝利記録を92へと伸ばすこととなりました。
次戦第13戦は6月9日(土)、ミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われます。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「最高です。ずっと狙っていた勝利です。以前(一昨年)ここで戦ったときは、降雨のためにレースが短縮されて終わってしまいました。あの時も我々は好調だったのですが、4位に終わりました。今日の我々の"トヨタ カムリ"も同様に絶好調でした。本当に嬉しいです。これで、私のシリーズ最多勝記録を伸ばすと共に、現在エクスフィニティ・シリーズが行われている全てのコースでの勝利を飾ることが出来ました」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 100 |
2 | 10 | 23 | チェイス・エリオット | シボレー | 100 |
3 | 11 | 21 | ダニエル・ヘムリック | シボレー | 100 |
24 | 6 | 19 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 99 |
29 | 39 | 45 | ジョシュ・ビリッキ | トヨタ カムリ | 96 |
30 | 35 | 40 | チャド・フィンチャム | トヨタ カムリ | 96 |
32 | 38 | 55 | ブランドン・ハイタワー | トヨタ カムリ | 95 |
36 | 5 | 20 | クリストファー・ベル | トヨタ カムリ | 61 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | エリオット・サドラー | シボレー | 474 |
2 | コール・カスター | フォード | 412 |
3 | ダニエル・ヘムリック | シボレー | 411 |
5 | クリストファー・ベル | トヨタ | 395 |
7 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ | 362 |
22 | ライアン・プリース | トヨタ | 126 |
33 | ジョシュ・ビリッキ | トヨタ | 78 |
34 | ステファン・リート | トヨタ | 61 |
37 | チャド・フィンチャム | トヨタ | 45 |
39 | カイル・ベンジャミン | トヨタ | 34 |
42 | シーザー・バカレラ | トヨタ | 24 |
46 | ブランドン・ハイタワー | トヨタ | 15 |
48 | ライアン・エリス | トヨタ | 7 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | シボレー | 429 |
2 | フォード | 417 |
3 | トヨタ | 412 |
4 | ダッジ | 31 |