カップ・シリーズのプレーオフ第2ラウンド初戦は"モンスター・マイル"ドーバー。"プレーオフ"を戦うカイル・ブッシュとマーティン・トゥルーエクス・Jr.はペナルティやアクシデントでポジションを落とし8位、15位。デニー・ハムリンが2位、エリック・ジョーンズが4位でフィニッシュしました。エクスフィニティ・シリーズではクリストファー・ベルが今季6勝目。同シリーズでのルーキーイヤー勝利記録を塗り替えました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第30戦 Gander Outdoors 400
デニー・ハムリンが2位、
エリック・ジョーンズが4位フィニッシュ
2位、4位でフィニッシュしたデニー・ハムリン(#11)とエリック・ジョーンズ(#20)
10月7日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第30戦「Gander Outdoors 400」が開催されました。
シーズン終盤、選抜された上位ドライバーによってタイトルを争う"プレーオフ"は16名から12名へと絞られ、第2ラウンドに突入しました。トヨタ勢ではデニー・ハムリンとエリック・ジョーンズが第1ラウンドで敗退となりましたが、カイル・ブッシュとマーティン・トゥルーエクス・Jr.が1位、3位という好位置で第2ラウンドに進出しました。
"プレーオフ"第2ラウンド初戦の舞台は"モンスター・マイル"の愛称を持つ難コース、ドーバーはコンクリート舗装の1マイルオーバル。年2戦行われる同コース、去年の秋大会はカイル・ブッシュ、一昨年はトゥルーエクス・Jr.が勝利を挙げています。
5日(金)に予定されていた予選は雨のためにキャンセルとなり、スターティンググリッドはオーナーポイントによって決定。カイル・ブッシュがポールポジション、トゥルーエクス・Jr.が3番手と好位置からスタートを切ることとなりました。
7日(日)午後2時19分、1マイルオーバルを120周、120周、160周の3ステージ合計400周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのカイル・ブッシュは首位を守りましたが、トゥルーエクス・Jr.は8位へとポジションを落としてしまいました。
燃料はフルに入れた状態で約80周ほど走れる計算となりますが、やや早めの71周目、カイル・ブッシュがタイヤのトラブルでグリーンフラッグ下でピットイン。しかし、その後もイエローコーションは出ず、上位勢も次々にピットインしたことで、カイル・ブッシュはステージ1を3位でフィニッシュ。トゥルーエクス・Jr.は10位で、共にこの"プレーオフ"短期決戦で重要なポイント獲得を果たしました。
ステージ2では、カイル・ブッシュの車両に異常が発生。ドライバーが車内から車両姿勢を調整する機構が機能しなくなり、刻々と変化していくコンディションの中で、カイル・ブッシュはポジションダウン。ステージ2は追い上げを見せたトゥルーエクス・Jr.が3位、カイル・ブッシュは7位となりました。
ステージ2の後、ステージ3再スタートまでのコーション中、全車ピットへと向かいましたが、カイル・ブッシュはここで不調の修理にかかりました。ドアのないNASCAR車両では、ドライバーは窓から出入りしますが、車内の機構を調整するため、ピットでメカニックが窓から車両に飛びこみ修理。大きくタイムロスしましたが、ステージ1,ステージ2共にイエローコーションが出ない展開だったため、この時点で首位と同一周回の車両はわずか13台。カイル・ブッシュはこの首位と同一周回の最後尾、13位で再スタートを切ることとなりました。
ステージ3を3位で再スタートしたトゥルーエクス・Jr.はグリップ不足に悩みポジションダウン。
ステージ3も前半はイエローコーションが出ず、ピットインし給油すれば最後まで走り切れる残り80周あたりで各車グリーンフラッグ下のピットイン。ここで、追い上げていたカイル・ブッシュは痛恨のピットロードスピード違反。周回遅れとなってしまいました。
レースの4分の3以上をイエローコーションが出ないまま推移した今大会でしたが、339周目、コース上の異物によりイエローコーション。上位勢がピットインする中、コース上に残ったカイル・ブッシュは首位と同一周回に復帰しました。しかし、今度はトゥルーエクス・Jr.がスピード違反ペナルティ。
着実な走りで後半ポジションを上げてきたハムリンが6位、エリック・ジョーンズが8位、カイル・ブッシュとトゥルーエクス・Jr.は15位、16位で残り52周での再スタートを切ると、トゥルーエクス・Jr.が猛烈な追い上げを見せ、残り10周の時点でトップ10圏内へと浮上しました。
レースは残り8周というところでクラッシュ車両によりイエローコーション。カイル・ブッシュらはピットへ向かいましたが、トゥルーエクス・Jr.はコース上に残る判断をし、3位で再スタート。しかし、この再スタート直後に多重クラッシュが発生。トゥルーエクス・Jr.も巻き込まれてしまいました。
レースはコース清掃のために5分ほどの赤旗中断。再開後、レースは延長され、最後の2周"オーバータイム"で決されることに。多重クラッシュをかわしたハムリンとエリック・ジョーンズが2位、4位でフィニッシュ。カイル・ブッシュも8位へと最後にポジションを上げてチェッカーを受けました。トゥルーエクス・Jr.は15位に終わりました。
今大会の結果、カイル・ブッシュはランキング首位の座は譲ることとなりましたが、まだランキング2位、トゥルーエクス・Jr.も3位に留まり、4人が脱落する第2ラウンドの残り2戦に臨みます。
次戦第31戦は10月14日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイで行われます。
ドライバー デニー・ハムリン:
「チームを誇りに思います。スタートも良かったですし正しい方向でレースを戦えました。少しずつポジションを上げていくことが出来ました。今日の我々の働きに値する結果だと思います。本当に嬉しいですし、この結果を次のレースに繋いでいきたいです」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | 9 | チェイス・エリオット | シボレー | 404 |
2 | 15 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 404 |
3 | 6 | 22 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 404 |
4 | 16 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 404 |
8 | 1 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 404 |
10 | 19 | 19 | ダニエル・スアレツ | トヨタ カムリ | 404 |
15 | 3 | 78 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 404 |
31 | 37 | 96 | ジェフリー・アーンハート | トヨタ カムリ | 394 |
32 | 35 | 23 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 392 |
39 | 38 | 66 | ティミー・ヒル | トヨタ カムリ | 35 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | ケヴィン・ハーヴィック | フォード | 3101 |
2 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 3096 |
3 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 3069 |
15 | デニー・ハムリン | トヨタ | 2094 |
16 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 2079 |
18 | ダニエル・スアレツ | トヨタ | 593 |
41 | ブレイク・ジョーンズ | トヨタ | 21 |
48 | アーロン・デイ | トヨタ | 1 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | フォード | 1084 |
2 | トヨタ | 1075 |
3 | シボレー | 990 |
NASCAR XFINITY SERIES
第29戦 Bar Harbor 200
クリストファー・ベルがシリーズ記録更新の
ルーキーシーズン6勝目!
今季6勝目を上げ、シリーズでのルーキー勝利記録を更新したクリストファー・ベル
10月6日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第29戦「Bar Harbor 200」がドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催されました。
同シリーズの"プレーオフ"は今大会が3戦目。当初選抜された12名から、今大会を終えた時点での下位4名が脱落し、8名が次戦からの第2ラウンドに進みます。トヨタ勢ではクリストファー・ベルとブランドン・ジョーンズが"プレーオフ"に進出。ベルは"プレーオフ"初戦で勝利を挙げ、次ラウンド進出を確定しています。
6日(土)午後3時17分、1マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。最前列2番手スタートのベルがすぐに首位を奪うと独走。出場車のほぼ半数を周回遅れにする速さを見せてステージ1を制覇。ブランドン・ジョーンズが4位、ライアン・プリースが10位となりました。
ステージ2は、スタート前のピットで3位へと後退したベルが、ハンドリングの不調を訴えながらの走行となりましたが、2位でフィニッシュ。プリースが8位、ブランドン・ジョーンズは15位。
ステージ3のスタート前、ベルはややピット作業でタイムをロスし8位スタートとなりましたが、調整で速さを取り戻し、目覚ましい勢いでポジションアップ。132周目に首位を奪還。
162周目、クラッシュ車両によりこの日初めてのアクシデントによるイエローコーションが出され、全車一斉にピットへ。ここで、"プレーオフ"次ラウンド進出には勝利が欲しいブランドン・ジョーンズが2本タイヤ交換のギャンブルに出て首位へと浮上しました。
4本交換したベルはブランドン・ジョーンズに続く2位での再スタートを切ることとなりましたが、すぐにかわして首位に。179周目にも多重クラッシュが発生しましたが、ベルは首位の座を譲ることなくトップチェッカー。今季6勝目を挙げました。
昨年トラック・シリーズのタイトルを獲得し、今季よりエクスフィニティ・シリーズにフル参戦しているベルが6勝目を挙げたことで、これまでカイル・ブッシュ(2004年)やカール・エドワーズ(2005年)が持っていた同シリーズにおけるルーキーイヤーの勝利記録の5勝を更新し、新たな記録を打ち立てることとなりました。
プリースが4位、ブランドン・ジョーンズは6位でフィニッシュしましたが、惜しくも"プレーオフ"第2ラウンド進出はなりませんでした。
次戦第30戦は10月20日(土)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで行われます。
ドライバー クリストファー・ベル:
「今年は私にとって最高のシーズンになりました。クルーチーフをはじめメカニックをふくむチーム全員が、最高の仕事で私に素晴らしく速い"トヨタ カムリ"を毎週用意してくれています。彼らに支えられての今の結果であり、このチームの一員として戦えることを本当に感謝しています」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 20 | クリストファー・ベル | トヨタ カムリ | 200 |
2 | 7 | 00 | コール・カスター | フォード | 200 |
3 | 3 | 7 | ジャスティン・アルゲイヤー | シボレー | 200 |
4 | 11 | 18 | ライアン・プリース | トヨタ カムリ | 200 |
6 | 5 | 19 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 200 |
29 | 35 | 55 | ベイリー・カリー | トヨタ カムリ | 187 |
31 | 38 | 45 | ジョシュ・ビリッキ | トヨタ カムリ | 159 |
34 | 26 | 40 | チャド・フィンチャム | トヨタ カムリ | 62 |
36 | 37 | 13 | カール・ロング | トヨタ カムリ | 59 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | クリストファー・ベル | トヨタ | 3044 |
2 | ジャスティン・アルゲイヤー | シボレー | 3039 |
3 | ダニエル・ヘムリック | シボレー | 3013 |
10 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ | 2088 |
22 | ライアン・プリース | トヨタ | 364 |
33 | ジョシュ・ビリッキ | トヨタ | 182 |
37 | カイル・ベンジャミン | トヨタ | 102 |
54 | ジェームズ・デイヴィソン | トヨタ | 29 |
72 | ピーター・シェパード三世 | トヨタ | 6 |
79 | ジェームズ・フレンチ | トヨタ | 1 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | シボレー | 1064 |
2 | フォード | 1000 |
3 | トヨタ | 987 |
4 | ダッジ | 75 |