2018年プレスリリース

モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ2018年 第31戦タラデガ
デニー・ハムリンが4位、エリック・ジョーンズ8位

2018.10.16(火)- 21:45配信

 "プレーオフ"5戦目はシリーズ最長のタラデガで開催。トヨタ勢はライバルの速さに苦しむもデニー・ハムリンが4位、エリック・ジョーンズが8位フィニッシュ。トラック・シリーズではスポット参戦のベテラン、デイビッド・ギリランドが3位。ブレット・モフィットとノア・グラッグソンは上位フィニッシュならなかったものの、共に"プレーオフ"第2ラウンドへの進出を決めました。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第31戦 1000Bulbs.com 500

開催日:10月14日

デニー・ハムリンが4位、エリック・ジョーンズ8位

トヨタ勢が苦戦したタラデガで、4位/8位でともにトップ10フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#11)とエリック・ジョーンズ(#20)
トヨタ勢が苦戦したタラデガで、4位/8位でともにトップ10フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#11)とエリック・ジョーンズ(#20)

 10月14日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第31戦「1000Bulbs.com 500」が開催されました。
 シーズン終盤の10戦で上位ドライバーによりタイトルを争う"プレーオフ"は5戦目。第2ラウンドの2戦目を迎えました。トヨタ勢ではカイル・ブッシュとマーティン・トゥルーエクス・Jr.の2名が"プレーオフ"ドライバーとしてタイトルを争っています。
 今大会の舞台となるタラデガは、カップ・シリーズが行われるオーバルでは最長となる1周2.66マイル(約4.3km)のスーパースピードウェイ。最高出力を抑えるため"リストリクタープレート"と呼ばれる吸気量を制限するパーツが取り付けられますが、それでも最高速度はゆうに300km/hを越えます。このため、この"プレートレース"では、空気抵抗を低減するために複数台がピッタリと連なって走行する"ドラフティング"というテクニックが用いられます。
 超高速の接近戦が繰り広げられるため、アクシデントが発生すると、多くの車両が巻き込まれる多重クラッシュ"ビッグ・ワン"となりやすく、その際の車両ダメージも大きなものになりがちです。
 短期間でのサバイバル戦となる"プレーオフ"のドライバーは特に、この"ビッグ・ワン"に巻き込まれることなく着実にポイントを獲得することが、レギュラーシーズン以上に求められます。

 14日(日)午後1時12分、2.66マイルスーパースピードウェイを55周、55周、78周の3ステージ合計188周(500.08マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。予選でトヨタ勢最上位の9番手からスタートしたカイル・ブッシュが一時は5位までポジションを上げたものの、その後ハンドリングに苦しみ後退。
 トゥルーエクス・Jr.はレース序盤から車両の不調に見舞われ、上位争いに加わることなく、"ビッグ・ワン"に巻き込まれないよう慎重な走りを強いられました。
 今季スーパースピードウェイでは特に速さを見せているフォード勢が序盤から上位を席巻。トヨタ勢では孤軍奮闘となったハムリンがこれについていき、ステージ1はハムリンが8位、カイル・ブッシュ16位、トゥルーエクス・Jr.は24位。
 ステージ2もハムリンが上位グループについていく一方、カイル・ブッシュはエリック・ジョーンズ、ダニエル・スアレツらと隊列を組み、一旦は首位に立つも後退。ステージ2はハムリンが5位、カイル・ブッシュは7位で何とかポイント獲得。トゥルーエクス・Jr.はコーションのたびに修復を試み25位。
 ステージ3前のコーションでは、カイル・ブッシュはハンドリング不調を改善すべく長いピット作業。エリック・ジョーンズはピットロードスピード違反のペナルティでともに後方からの再スタートとなりました。
 137周目に再スタートが切られたステージ3は最低1回の給油が必要となりますが、理想的なタイミングよりもやや早い136周目にクラッシュ車両によりイエローコーション。全車ピットで給油も、そのまま最後まで走り切るには燃料セーブが必要な状況でしたが、再スタートから19周後、ピット作業時に外れたタイヤがコース上に転げ出たことでイエローコーション。
 これでやや楽になった上位勢、ハムリン、エリック・ジョーンズ、スアレツらはコース上のポジションを重視しピットインせず。カイル・ブッシュやトゥルーエクス・Jr.はピットイン。
 残り24周で再スタートが切られましたが、残り3周というところで複数台が絡むクラッシュによりイエローコーション。レースは延長され最後の2周で決される"オーバータイム"に。
 予定よりも4周長い192周目に残り2周での再スタートが切られましたが、ファイナルラップ、中団グループではスピンによるクラッシュ、そして首位争いの車両も数台がチェッカーを目前にして燃料切れに見舞われるという大波乱のフィニッシュ。トヨタ勢ではハムリンが4位、エリック・ジョーンズが8位フィニッシュ。ハムリンは前戦に続く2戦連続でのトップ5フィニッシュとなりました。
 トゥルーエクス・Jr.は23位。カイル・ブッシュは26位でチェッカー。カイル・ブッシュはレギュラーシーズンでのチャンピオンボーナスポイントなどにより、"プレーオフ"脱落ラインから46ポイントのランキング4位と、次戦カンザスで決定される次ラウンドへの進出トップ8入りはほぼ安全圏と言える状況ですが、前戦ドーバーで15位、今大会23位と今ラウンドに入って不調なトゥルーエクス・Jr.は、脱落ラインから18ポイントのランキング8位。昨年のシリーズチャンピオンであり、今季"ビッグ3"のひとりとしてシーズン前半を席巻したトゥルーエクス・Jr.が第3ラウンドへ進出出来るか、注目の一戦となります。

 次戦第32戦は10月21日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで行われます。

ドライバー デニー・ハムリン:

「今日は我々の"トヨタ カムリ"よりもフォード勢が僅かに速さで上回っていました。そのため、何とか彼らの隊列の後に食らいついて行きました。正しいタイミングで、正しい列を選択し続けました。トップ5フィニッシュ出来たのは素晴らしいです。今日獲得し得る最良の結果だと思います」

リザルト

決勝結果

順位予選No.ドライバー名車種周回
1410アリック・アルミローラフォード193
2214クリント・ボウヤーフォード193
31217リッキー・ステンハンス・Jr.フォード193
41011デニー・ハムリントヨタ カムリ193
81520エリック・ジョーンズトヨタ カムリ193
161319ダニエル・スアレツトヨタ カムリ193
231178マーティン・トゥルーエクス・Jr.トヨタ カムリ193
26918カイル・ブッシュトヨタ カムリ193
373596ジェフリー・アーンハートトヨタ カムリ185

プレーオフ順位(上位9台)

順位ドライバー名メーカーポイント今ラウンド勝利数脱落ラインとの差
1アリック・アルミローラフォード30871
2チェイス・エリオットシボレー30661
3ケヴィン・ハーヴィックフォード3128+63
4カイル・ブッシュトヨタ3111+46
5ジョーイ・ロガーノフォード3104+39
6カート・ブッシュフォード3095+30
7クリント・ボウヤーフォード3086+21
8マーティン・トゥルーエクス・Jr.トヨタ3083+18
9ブラッド・ケゼロウスキーフォード3065

ドライバーズポイント

順位ドライバー名メーカーポイント
1ケヴィン・ハーヴィックフォード3128
2カイル・ブッシュトヨタ3111
3ジョーイ・ロガーノフォード3104
7マーティン・トゥルーエクス・Jr.トヨタ3083
13デニー・ハムリントヨタ2136
16エリック・ジョーンズトヨタ2108
20ダニエル・スアレツトヨタ614
41ブレイク・ジョーンズトヨタ21
48アーロン・デイトヨタ1

マニュファクチャラーズポイント

順位メーカーポイント
1フォード1124
2トヨタ1108
3シボレー1021

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第19戦 Fr8Auctions 250

開催日:10月13日

終盤"ビッグ・ワン"連発。デイビッド・ギリランドが3位
N.グラッグソンとB.モフィットがプレーオフ次ラウンドへ

息子のトッド・ギリランド(#4)とのドラフティング走行で首位を争うデイビッド・ギリランド(#51)
息子のトッド・ギリランド(#4)とのドラフティング走行で首位を争うデイビッド・ギリランド(#51)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第19戦「Fr8Auctions 250」が10月13日(土)にタラデガ・スーパースピードウェイで開催されました。
 トラック・シリーズではシーズン終盤の7戦で"プレーオフ"によるタイトル争いが行われています。約1か月ぶりの開催となった今大会は第1ラウンドの3戦目。今大会の結果で、当初の8名から下位2名が脱落し、次ラウンドでの新たな戦いに挑むこととなります。
 トヨタ勢ではブレット・モフィットとノア・グラッグソンの2名が"プレーオフ"へ進出。ランキング2位、3位で次ラウンド進出を目指し今大会に臨みました。
 今大会は18歳のトッド・ギリランドと共に、カップ・シリーズで長く活躍してきた実父のデイビッド・ギリランドがスポット参戦。ここ2戦は自らのチームからのエントリーだったデイビッド・ギリランドですが、今大会は息子と同じカイル・ブッシュ・モータースポーツから、同じスポンサーカラーをまとった車両で出場。同シリーズは18歳未満は1周1.25マイル以上のレースには出場出来ないため、5月に18歳になったばかりのトッド・ギリランドにとっては、初のスーパースピードウェイでのレースとなります。

 13日(土)午後12時19分、2.66マイルスーパースピードウェイを20周、20周、54周の3ステージ合計94周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。デイビッド・ギリランドが開幕戦デイトナ以来今季2度目となるポールポジションからスタートを切り、ステージ1の大半で上位を走行。ステージ1は、終盤の激しい順位争いの中でポジションを上げたグラッグソンが5位、トッド・ギリランドが6位、デイビッド・ギリランドは7位。モフィットはドラフティングパートナーに恵まれず、12位となりました。
 ステージ2の前のコーションでは、トッド・ギリランドとグラッグソンが好ピットで上位に浮上したのに対し、デイビッド・ギリランドはピット作業ペナルティで1周遅れに。再スタート後、トッド・ギリランドは上位走行を続け、ステージ2制覇。グラッグソンは途中で隊列から外れて大きくポジションダウン。追い上げましたが12位。モフィットはトップ10圏内走行中に他車と接触し車両にダメージ。修復のためのピットインを強いられ、周回遅れとなってしまいました。
 ステージ3前のコーションでデイビッド・ギリランドが、そして再スタートしてまもなく発生したイエローコーションでモフィットがそれぞれ"ラッキー・ドッグ(コーション発生時周回遅れの最上位が1周取り戻せる救済措置)"を獲得し首位と同一周回に復帰。
 59周目には10台以上が巻き込まれる多重クラッシュ"ビッグ・ワン"が発生。赤旗中断に。グラッグソンは軽いダメージを負いましたが、ピットで修復。間一髪でこの混乱を避けたギリランド親子は揃って上位から再スタートを切ることとなり、一時は2台が"ドラフティング"で連なって首位を走行しました。
 しかし、激しい首位争いの中で、トッド・ギリランドが他車と接触し、スピンしながら激しくイン側の壁にクラッシュ。ドライバーは無事でしたが、ここでレースを終えることとなってしまいました。
 この混乱を上手く抜けたグラッグソンは、3位に浮上。残り6周での再スタートが切られると、チームメイトのデイビッド・ギリランドの後押しを受けて残り4周で首位に浮上しました。
 ファイナルラップ、3列の隊列でのバトルとなり、一番外側を走っていたグラッグソンは、中央列が勢いを増して追い上げてくるのを抑えようと、中央へライン変更を行いましたが、そこで中央先頭の車両と接触し、スピンしクラッシュ。ファイナルラップに入っていたため、レースはそのままイエローコーションでチェッカーとなりました。
 大混乱の幕切れとなった今大会、トヨタ勢最上位となる3位でフィニッシュしたのはベテランのデイビッド・ギリランド。"プレーオフ"ドライバーのグラッグソンとモフィットはそれぞれ13位、17位に終わりましたが、次ラウンド進出を決定。6人が3000ポイントへリセット(+プレーオフポイント)し、最終戦でタイトルを争う4人に残るべく、続く3戦が戦われます。

 次戦第20戦は10月27日(土)に米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイで開催されます。

ドライバー デイビッド・ギリランド:

「我々の"トヨタ タンドラ"は素晴らしく速かったです。息子と共にレースが出来てとても楽しかったですし、彼がクラッシュするまでは夢のような瞬間でした。ここはタラデガなので、あのようなことは当然起こり得ます。でも本当に素晴らしい週末でした。ポールポジションから、好位置でフィニッシュ出来ました。トヨタ、TRD-USA、カイル・ブッシュ・モータースポーツの全員に感謝します」

ドライバー ノア・グラッグソン:

「大変なフィニッシュでしたが、ドライバーズシートからは面白い景色だったので、ファンの皆様も楽しんでくれていれば嬉しいです。いつもであれば残念な結果ですが、とても楽しいレースでした」

リザルト

決勝結果

順位予選No.ドライバー名車種周回
1325ティモシー・ピーターズシボレー94
22813マイアット・スナイダーフォード94
3151デイビッド・ギリランドトヨタ タンドラ94
131318ノア・グラッグソントヨタ タンドラ93
15157コービン・フォリスタートヨタ タンドラ93
17816ブレット・モフィットトヨタ タンドラ92
182530スコット・レガセイ・Jr.トヨタ タンドラ92
2064トッド・ギリランドトヨタ タンドラ82
291254ボー・リマスタストヨタ タンドラ58

ドライバーズポイント

順位ドライバー名メーカーポイント
1ジョニー・ソーターシボレー3042
2ブレット・モフィットトヨタ3027
3ノア・グラッグソントヨタ3025
10トッド・ギリランドトヨタ478
22コービン・フォリスタートヨタ188
24ボー・リマスタストヨタ163
26デイビッド・ギリランドトヨタ145
27スペンサー・デイヴィストヨタ141
28ハリソン・バートントヨタ137
33クリス・イグルストントヨタ100
36ライリー・ハーブストトヨタ59
37クリスチャン・イクストヨタ53
39ローガン・シーヴェイトヨタ46
45クリス・ウィンダムトヨタ36
49ゼイン・スミストヨタ32
51タイラー・ディッペルトヨタ30
53オースティン・テリオートヨタ29

マニュファクチャラーズポイント

順位メーカーポイント
1シボレー702
2トヨタ673
3フォード639