NASCARはケンタッキーで3カテゴリー全てがナイトレースとして開催。カップ・シリーズではカイル・ブッシュがチェッカーまでサイド・バイ・サイドでのバトルを繰り広げましたが僅差の2位。エリック・ジョーンズが3位フィニッシュとなりました。エクスフィニティ・シリーズではクリストファー・ベルが2位。トラック・シリーズでは18歳のタイラー・アンクラムが初勝利を飾りました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第19戦 Quaker State 400
最終周の兄弟決戦。
僅差でカイル・ブッシュが2位
終盤3ワイドのバトルを繰り広げ、2位、3位でフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#18)とエリック・ジョーンズ(#20)
7月13日(土)、米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第19戦「Quaker State 400」が開催されました。
ここケンタッキーでのカップ戦は2011年から行われており、過去8戦中トヨタは5勝。うちカイル・ブッシュが2勝、そしてここ2年はマーティン・トゥルーエクス・Jr.が連勝しています。
13日(土)午後7時51分、1.5マイルオーバルを80周、80周、107周の3ステージ合計267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。トヨタ勢では、10番手スタートのカイル・ブッシュと18番手スタートのデニー・ハムリンが徐々にポジションを上げていき、ステージ1を3位、4位で終えました。マーティン・トゥルーエクス・Jr.も8位でポイント獲得。
ステージ2はピット戦略の違いで10位前後まで順位を落としての再スタートとなったカイル・ブッシュが目覚ましい追い上げで104周目に首位に浮上。後続との差を5秒以上に広げました。
イエローコーション(何らかの障害による全車スロー走行指示)が出ないまま、ステージ後半のピット作業を全車が終えた時点でカイル・ブッシュは首位に再浮上。ステージ2はカイル・ブッシュがトップ、エリック・ジョーンズが2位となりました。ハムリンは中盤のピット時にピット作業のペナルティを受け、周回遅れとなってしまいましたが、ステージ2終了時のイエローコーションで"ラッキー・ドッグ"(イエローコーション発生時に周回遅れ最上位車両が1周取り戻せる救済措置)を獲得。首位と同一周回に復帰しました。
ステージ3もピット戦略の違いで5位で再スタートを切ったカイル・ブッシュがポジションを上げていきました。ステージ中盤以降はまたイエローコーションが出ないまま推移し、各車給油のためにピットイン。ここでトップ10圏内につけていたトゥルーエクス・Jr.がスピード違反のペナルティを受けることとなり、ケンタッキー3連勝の夢はここで潰えることとなってしまいました。
カイル・ブッシュは周回遅れをかわすのに苦しみ、2位で終盤戦へ。首位との差はやや広げられてしまいましたが、残り6周というところでスピン車両によりイエローコーションが発動。レースは延長され、最後の2周"オーバータイム"で決されることとなりました。
カイル・ブッシュが2位、エリック・ジョーンズが3位で再スタートが切られると、カイル・ブッシュの実兄であるカート・ブッシュ(シボレー)と、カイル・ブッシュ、エリック・ジョーンズの3ワイドバトルに。ここから抜け出したブッシュ兄弟がサイド・バイ・サイドのままファイナルラップに入り、2台は接触寸前のバトルを繰り広げ並んだままチェッカー。カイル・ブッシュは僅か0.076秒差で2位フィニッシュとなりました。
エリック・ジョーンズが3位、周回遅れから追い上げたハムリンが5位に入り、トヨタ勢は3台がトップ5フィニッシュを果たしました。
次戦第20戦は7月21日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われます。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「スリリングな結末で楽しかったです。残念ながら勝利には結びつきませんでしたが、素晴らしいレースを戦えました。これまでも数多くのライバルと素晴らしいバトルを経験してきましたが、兄とのこのようなバトルは恐らく初めてでしょう。悔いはありません」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 1 | カート・ブッシュ | シボレー | 269 |
2 | 10 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 269 |
3 | 21 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 269 |
5 | 18 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 269 |
16 | 23 | 95 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 269 |
19 | 8 | 19 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ カムリ | 268 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 746 |
2 | カイル・ブッシュ | トヨタ | 735 |
3 | ケヴィン・ハーヴィック | フォード | 645 |
5 | デニー・ハムリン | トヨタ | 627 |
6 | マーティン・トゥルーエクス・Jr. | トヨタ | 618 |
16 | エリック・ジョーンズ | トヨタ | 473 |
25 | マット・ディベネデット | トヨタ | 297 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 692 |
2 | フォード | 673 |
3 | シボレー | 650 |
NASCAR XFINITY SERIES
第17戦 Alsco 300
クリストファー・ベルが2位フィニッシュ
2位フィニッシュを果たしたクリストファー・ベル(#20)とレースをリードするもトラブルで30位に終わったブランドン・ジョーンズ(#19)
7月12日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第17戦「Alsco 300」がケンタッキー・スピードウェイで開催されました。
12日(金)午後7時40分、1.5マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
最前列2番手グリッドのクリストファー・ベルがスタートで首位に立つと、1度もその座を譲らずステージ1を制覇。ブランドン・ジョーンズが5位、ライリー・ハーブストが9位となりました。
ステージ2はピット戦略の違いでベルは8位で再スタート。ブランドン・ジョーンズが好スタートで首位に立ちました。ベルはその後追い上げ、67周目に首位を奪還。ステージ2もベルが制し、今季のシリーズで最初にステージ勝利数10勝目を挙げました。ブランドン・ジョーンズが2位、ライリー・ハーブストは連続の9位でポイントを獲得しました。
ステージ3もブランドン・ジョーンズが好スタートで首位に立ちましたが、106周目、突然のトラブルに見舞われストップ。首位を走行しながら惜しくもレースを終えることとなってしまいました。
その後は昨年の覇者であるベルがケンタッキー2連勝を目指し首位を追いましたが及ばず、2位でフィニッシュ。今季10度目のトップ5フィニッシュを果たしました。
次戦第18戦は7月20日(土)、ニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われます。
ドライバー クリストファー・ベル:
「我々の"トヨタ スープラ"は本当に好調でしたが僅かに速さが足りなかったようです。まだ幾つかやるべきことがあります。それを解決して次こそは"トヨタ スープラ"と共にヴィクトリーレーンに上りたいと思います」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 00 | コール・カスター | フォード | 200 |
2 | 2 | 20 | クリストファー・ベル | トヨタ スープラ | 200 |
3 | 8 | 2 | タイラー・レディック | シボレー | 200 |
11 | 7 | 18 | ライリー・ハーブスト | トヨタ スープラ | 199 |
16 | 28 | 28 | シェイン・リー | トヨタ スープラ | 198 |
22 | 27 | 35 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ カムリ | 195 |
28 | 29 | 42 | チャド・フィンチャム | トヨタ スープラ | 154 |
30 | 6 | 19 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ スープラ | 106 |
31 | 38 | 13 | ジョン・ジャクソン | トヨタ カムリ | 82 |
37 | 20 | 66 | ティミー・ヒル | トヨタ スープラ | 18 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | タイラー・レディック | シボレー | 764 |
2 | クリストファー・ベル | トヨタ | 697 |
3 | コール・カスター | フォード | 689 |
12 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ | 460 |
24 | ジェフリー・アーンハート | トヨタ | 187 |
26 | チャド・フィンチャム | トヨタ | 157 |
27 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ | 150 |
28 | ティミー・ヒル | トヨタ | 149 |
30 | トミー・ジョー・マーティンズ | トヨタ | 98 |
35 | シェイン・リー | トヨタ | 75 |
43 | ジョン・ジャクソン | トヨタ | 27 |
44 | マックス・タルマン | トヨタ | 26 |
47 | ステファン・パーソンズ | トヨタ | 25 |
51 | コディ・ウェア | トヨタ | 16 |
53 | ライアン・エリス | トヨタ | 14 |
56 | スタン・マリス | トヨタ | 12 |
57 | コリン・ギャレッット | トヨタ | 11 |
60 | D.J.ケンニントン | トヨタ | 4 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | シボレー | 613 |
2 | トヨタ | 610 |
3 | フォード | 591 |
NASCAR GANDER OUTDOORS TRUCK SERIES
第13戦 Buckle Up In Your Truck 225
18歳タイラー・アンクラムが初勝利!
2000年代生まれとしてNASCARトップ3カテゴリーで初の勝者となったタイラー・アンクラム(#17)
NASCARガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズ第13戦「Buckle Up In Your Truck 225」が7月11日(木)にケンタッキー・スピードウェイで開催されました。
11日(木)午後7時41分、1.5マイルオーバルを35周、35周、80周の3ステージ合計150周(225マイル:約360km)して競われる決勝レースがスタート。3ワイドでの激しいバトルが繰り広げられました。
トヨタ勢では、19歳のトッド・ギリランド、18歳のハリソン・バートンとタイラー・アンクラムの、2000年代生まれ3人が上位を争い、ステージ1はトッド・ギリランドが3位、アンクラムが4位、ハリソン・バートンが6位、スポット参戦のブランドン・ジョーンズが8位となりました。
ステージ1はイエローコーションが出ませんでしたが、ステージ2は序盤からアクシデントが多発。65周目の再スタート直後には、首位を走行していたブランドン・ジョーンズが他車と接触し多重クラッシュが発生。ブランドン・ジョーンズはここでレースを終えることとなりました。
このクラッシュによるイエローコーションでステージ2は終了。アンクラムが4位、ハリソン・バートンは中盤のクラッシュに巻き込まれて軽いダメージを負い13位へ後退。トッド・ギリランドもエンジン不調のため大きくポジションを落としてしまいました。
ステージ3はイエローコーションが出ない展開となり、ステージ前にピットインせずトップで再スタートしたアンクラムが前半首位をキープ。中盤の給油ピットで順位が入れ替わり、全車がピットを終えた時点でアンクラムは2位につけました。
首位の車両は給油時間を削ってポジションを上げたため、燃料が厳しくペースダウン。2位のアンクラムが徐々に差を詰めて行くと、残り2周で首位の車両が燃料切れに見舞われました。これで首位に立ったアンクラムは後続に7秒以上もの大差をつけてトップチェッカー。2001年生まれの18歳、シリーズ参戦12戦目のアンクラムが初勝利を挙げました。NASCARのトップ3カテゴリーで、2000年以降生まれのウィナーは初。
接触から追い上げたハリソン・バートンが3位、ディラン・ラプトンが5位に入り、"トヨタ タンドラ"は3台がトップ5フィニッシュを果たしました。
次戦第14戦は7月27日(土)に米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで開催されます。
ドライバー タイラー・アンクラム:
「最後の3周は息を止めていたと思います。正直、本当に息をするのを忘れていたくらいです。何と言って良いか分かりません。夢が叶いました。チームのクルーに本当に感謝します」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | 17 | タイラー・アンクラム | トヨタ タンドラ | 150 |
2 | 32 | 52 | スチュワート・フリーゼン | シボレー | 150 |
3 | 6 | 18 | ハリソン・バートン | トヨタ タンドラ | 150 |
5 | 20 | 15 | ディラン・ラプトン | トヨタ タンドラ | 150 |
8 | 21 | 11 | スペンサー・デイヴィス | トヨタ タンドラ | 149 |
15 | 10 | 30 | ブレナン・プール | トヨタ タンドラ | 147 |
16 | 24 | 68 | クレイ・グリーンフィールド | トヨタ タンドラ | 147 |
17 | 3 | 4 | トッド・ギリランド | トヨタ タンドラ | 145 |
23 | 27 | 51 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ タンドラ | 64 |
27 | 17 | 54 | ナタリー・デッカー | トヨタ タンドラ | 53 |
31 | 22 | 16 | オースティン・ヒル | トヨタ タンドラ | 28 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | グラント・エンフィンジャー | フォード | 542 |
2 | スチュワート・フリーゼン | シボレー | 508 |
3 | ブレット・モフィット | シボレー | 501 |
5 | ハリソン・バートン | トヨタ | 448 |
7 | オースティン・ヒル | トヨタ | 412 |
8 | トッド・ギリランド | トヨタ | 392 |
12 | タイラー・アンクラム | トヨタ | 258 |
13 | ブレナン・プール | トヨタ | 230 |
19 | ナタリー・デッカー | トヨタ | 158 |
20 | アンソニー・アルフレッド | トヨタ | 155 |
30 | コービン・フォリスター | トヨタ | 83 |
31 | ラファエル・レサール | トヨタ | 80 |
32 | チャンドラー・スミス | トヨタ | 71 |
33 | ディラン・ラプトン | トヨタ | 69 |
35 | クリスチャン・イクス | トヨタ | 59 |
36 | デイビッド・ギリランド | トヨタ | 56 |
42 | デレック・クラウス | トヨタ | 48 |
46 | グレッグ・ビッフル | トヨタ | 45 |
48 | ライアン・リード | トヨタ | 31 |
51 | ライリー・ハーブスト | トヨタ | 22 |
61 | クリス・フォンテイン | トヨタ | 10 |
63 | ベイリー・カリー | トヨタ | 8 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 492 |
2 | シボレー | 466 |
3 | フォード | 438 |