この週末はカップ・シリーズは行われず、エクスフィニティ・シリーズとトラック・シリーズのみが、それぞれ別のロードコースで開催されました。ロードアメリカでのエクスフィニティ・シリーズではクリストファー・ベルが"トヨタ スープラ"で自身初のロードコース戦勝利を上げ、今季シリーズ単独最多の6勝目。カナダで行われたトラック・シリーズでは地元出身でスポット参戦したアレックス・タグリアーニの2位を先頭に、4台の"トヨタ タンドラ"がトップ10フィニッシュを果たしました。
NASCAR XFINITY SERIES
第23戦 CTECH Manufacturing 180
クリストファー・ベルが
"トヨタ スープラ"でロードコース初勝利
自身初のロードコース戦勝利を上げたクリストファー・ベル(#20)
8月24日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第23戦「CTECH Manufacturing 180」が米国北部ウィスコンシン州エルクハートレイクのロードコース、ロードアメリカで開催されました。
ロードアメリカはスポーツカーレースなどで長い歴史を持つ伝統のコース。NASCARではエクスフィニティ・シリーズのみが10年前から行われています。
24日(土)午後2時24分、1周4.048マイルのロードコースを10周、10周、25周の3ステージ合計45周(182.16マイル:約300km)して競われる決勝レースがスタートしました。
今大会には、シリーズレギュラードライバーのクリストファー・ベルとブランドン・ジョーンズに加え、カップ・シリーズのレギュラードライバーで、前週ブリストルでの首位快走も記憶に新しいマット・ディベネデットがスポット参戦として"トヨタ スープラ"をドライブ。ディベネデットが最前列2番手からスタートを切りました。
予選前の2度の練習走行ではどちらもトップタイムと好調だったベルは12番手グリッドからすぐにトップ10圏内へ浮上。
一方、ブランドン・ジョーンズは練習走行でクラッシュを喫し、バックアップカーに乗り換えたため後方グリッドからのスタートを強いられましたが、序盤からポジションを上げ、23位まで浮上した6周目にコースオフを喫し、タイヤバリアにヒットするもコースへ戻り、ピットで修復してレースに復帰しました。
ステージ1は無給油で走り切れる周回数のため、多くの車両はステージ1終了後、ステージ2スタート前のイエローコーション(全車スロー走行指示)時にピットインしますが、ディベネデットとベルはステージ1でのフィニッシュ順位よりもステージ2でのスタート順位を重視してピットタイミングをずらし、ステージ1終盤7周目にピットイン。ステージ1終了後にライバル勢がピットインしたため、ここでピットインしなかったディベネデットが2位、ベルが3位、ブランドン・ジョーンズが6位でステージ2の再スタートを切りました。
ディベネデットはすぐに首位に立ち、ベルもこれに続き"トヨタ スープラ"が1-2体制に。ステージ2も前ステージと同様の作戦をとり、ステージ3はディベネデットとベルが最前列に並んで再スタートとなりました。
ディベネデットはステージ3でも首位を快走し、一時2位のベルに1秒もの差をつけていましたが、31周目、予定されていたタイミングでのピットへ向かった直後に、ブランドン・ジョーンズがタイヤバーストに見舞われイエローコーションが発生。不運なタイミングでのコーション発生で、ディベネデットは8位へ後退。このコーションでピットインしたベルが首位に立ちました。
残り11周での再スタートが切られると、ベルはライバルとの抜きつ抜かれつの首位争いを展開。ディベネデットもポジションを上げていきましたが、5位まで浮上したところでコースオフ。9位へと後退。
レースは40周目にイエローコーションが出され、残り2周での決戦となりました。ベルはトップからの再スタートを決めると、そのまま逃げ切ってシリーズ最多となる今季6勝目。今季ここまでのロードコース戦2戦両方で2位に終わっていたベル自身にとって、NASCARで初のロードコース戦勝利を飾りました。また、NASCARのロードアメリカ戦でのトヨタ初勝利、そして今季より参戦を開始した"トヨタ スープラ"に初のロードコース戦勝利をもたらしました。
ディベネデットは8位での再スタートから猛烈な追い上げを見せましたが、ファイナルラップにコースオフを喫し、レースを終えました。
次戦第24戦は8月31日(土)、米国南東部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイで行われます。
ドライバー クリストファー・ベル:
「正直に言って驚いています。予選でミスしてしまいましたが、決勝レースを走り出したらとても好調でした。我々の"トヨタ スープラ"は本当に速かったです。今年はロードコース戦において素晴らしいシーズンとなりました。このチームの一員であることを本当に誇りに思います。ロードコース戦での初勝利は格別です」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | 20 | クリストファー・ベル | トヨタ スープラ | 45 |
2 | 3 | 22 | オースティン・シンドリック | フォード | 45 |
3 | 6 | 2 | タイラー・レディック | シボレー | 45 |
16 | 20 | 19 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ スープラ | 45 |
19 | 31 | 35 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ カムリ | 45 |
21 | 22 | 78 | ライアン・エリス | トヨタ スープラ | 45 |
25 | 23 | 66 | トミー・ジョー・マーティンズ | トヨタ スープラ | 45 |
27 | 2 | 18 | マット・ディベネデット | トヨタ スープラ | 44 |
30 | 38 | 61 | ディック・カース | トヨタ カムリ | 43 |
35 | 35 | 13 | チャド・フィンチャム | トヨタ カムリ | 15 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | タイラー・レディック | シボレー | 1009 |
2 | クリストファー・ベル | トヨタ | 964 |
3 | コール・カスター | フォード | 874 |
11 | ブランドン・ジョーンズ | トヨタ | 633 |
25 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ | 213 |
26 | ティミー・ヒル | トヨタ | 194 |
27 | ジェフリー・アーンハート | トヨタ | 187 |
28 | チャド・フィンチャム | トヨタ | 178 |
29 | トミー・ジョー・マーティンズ | トヨタ | 157 |
30 | シェイン・リー | トヨタ | 133 |
44 | ステファン・パーソンズ | トヨタ | 41 |
47 | スコット・ヘッカート | トヨタ | 34 |
49 | ジャック・ホークスワース | トヨタ | 32 |
52 | ライアン・エリス | トヨタ | 30 |
55 | ジョン・ジャクソン | トヨタ | 27 |
57 | スタン・マリス | トヨタ | 26 |
68 | コリン・ギャレッット | トヨタ | 11 |
72 | ディック・カース | トヨタ | 7 |
75 | カール・ロング | トヨタ | 1 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 825 |
2 | シボレー | 823 |
3 | フォード | 816 |
NASCAR GANDER OUTDOORS TRUCK SERIES
第18戦 Chevrolet Silverado 250
ロードコースで4台の"トヨタ タンドラ"が
トップ10フィニッシュ
2位フィニッシュを果たしたアレックス・タグリアーニ(#51)
NASCARガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズ第18戦「Chevrolet Silverado 250」が8月25日(日)にカナダ・オンタリオ州ボウマンヴィルのカナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パークで開催されました。
このカナダ戦は、トラック・シリーズでは唯一のロードコース戦であり、現在のNASCARでは唯一の米国外での開催となります。
25日(日)午後2時48分、1周2.459マイルのロードコースを20周、20周、24周の3ステージ合計64周(157.376マイル:約250km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
トヨタ勢最上位の最前列2番手からスタートを切った19歳のトッド・ギリランドが首位を争いましたが、スピンを喫しタイヤバリアにヒット。フェンダーにダメージを負って修復のためのピットインを強いられました。
トラック・シリーズでは早くも始まっている"プレーオフ(最後の7戦、選抜上位ドライバーで競われるシリーズチャンピオン決定戦)"を戦っているオースティン・ヒルとタイラー・アンクラムは6番手、8番手スタートからトップ10圏内をキープ。ステージ1は3位、4位でポイント獲得を果たしました。
今大会、ロードコーススペシャリストとしてチャンプカーなどで活躍してきたカナダ出身のベテラン、アレックス・タグリアーニが初めて"トヨタ タンドラ"をドライブ。4番手スタートから上位を争い、ステージ1は終盤にピットインしてタイミングをずらすと、ステージ2も上位争いを繰り広げました。
ステージ2はオースティン・ヒルが2位、アンクラムが3位で着実にポイントゲット。タグリアーニは8位、シリーズレギュラードライバーのハリソン・バートンが10位となりました。
ステージ3ではタグリアーニが2位で首位を追う一方、4位のハリソン・バートンの後方に多くの車両が連なる展開に。ハリソン・バートンは懸命に後続を押さえていましたが、残り2周というところでエンジントラブルに見舞われ無念のリタイア。
タグリアーニは最後まで首位を追いましたが届かず2位でチェッカー。オースティン・ヒルが6位、アンクラムも自身初のロードコース戦で9位、地元カナダ出身のラファエル・レサールが10位に入り、"トヨタ タンドラ"はシリーズ唯一のロードコース戦で4台がトップ10フィニッシュを果たしました。
次戦第19戦は9月13日(金)に米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで開催されます。
ドライバー アレックス・タグリアーニ:
「KBM(カイル・ブッシュ・モータースポーツ)の"トヨタ タンドラ"は最高でした。この機会を与えてくれたすべての人、特にカイル(ブッシュ:チームオーナー)に感謝します。高速コーナーでフロントのグリップが足りず、速度を落とさざるを得なかったのですが、このチームで戦うことができて本当に喜んでいますし、51号車のチームにとっても多くのポイントが獲得出来、良いレースだったと思います」
リザルト
決勝結果
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 24 | ブレット・モフィット | シボレー | 64 |
2 | 4 | 51 | アレックス・タグリアーニ | トヨタ タンドラ | 64 |
3 | 5 | 99 | ベン・ローズ | フォード | 64 |
5 | 6 | 16 | オースティン・ヒル | トヨタ タンドラ | 64 |
9 | 8 | 17 | タイラー・アンクラム | トヨタ タンドラ | 64 |
10 | 9 | 54 | ラファエル・レサール | トヨタ タンドラ | 64 |
18 | 2 | 4 | トッド・ギリランド | トヨタ タンドラ | 64 |
21 | 7 | 18 | ハリソン・バートン | トヨタ タンドラ | 62 |
26 | 25 | 8 | ジョシュ・リアム | トヨタ タンドラ | 50 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | ブレット・モフィット | シボレー | 2135 |
2 | ロス・チャステイン | シボレー | 2113 |
3 | スチュワート・フリーゼン | シボレー | 2091 |
5 | オースティン・ヒル | トヨタ | 2089 |
8 | タイラー・アンクラム | トヨタ | 2073 |
10 | ハリソン・バートン | トヨタ | 566 |
12 | トッド・ギリランド | トヨタ | 542 |
18 | ブレナン・プール | トヨタ | 248 |
20 | ナタリー・デッカー | トヨタ | 201 |
22 | アンソニー・アルフレッド | トヨタ | 172 |
23 | クリスチャン・イクス | トヨタ | 157 |
26 | ラファエル・レサール | トヨタ | 135 |
28 | チャンドラー・スミス | トヨタ | 120 |
35 | コービン・フォリスター | トヨタ | 83 |
41 | デイビッド・ギリランド | トヨタ | 56 |
45 | デレック・クラウス | トヨタ | 48 |
47 | グレッグ・ビッフル | トヨタ | 45 |
51 | アレックス・タグリアーニ | トヨタ | 38 |
55 | ライアン・リード | トヨタ | 31 |
57 | カイル・ストリックラー | トヨタ | 27 |
65 | ライリー・ハーブスト | トヨタ | 22 |
68 | ティム・ワード | トヨタ | 21 |
78 | クリス・フォンテイン | トヨタ | 10 |
マニュファクチャラーズポイント
順位 | メーカー | ポイント |
---|---|---|
1 | トヨタ | 670 |
2 | シボレー | 661 |
3 | フォード | 599 |