2021 Rd.1FUJI

スーパーフォーミュラ 2021年 第1戦(開幕戦)富士

    4位フィニッシュを果たした平川 亮(carenex TEAM IMPUL #20)

    予選/決勝

    平川亮が4位フィニッシュ
    今季からフル参戦の宮田莉朋と阪口晴南が7位、9位入賞

     スーパーフォーミュラの開幕戦が富士スピードウェイで行われ、平川 亮(carenex TEAM IMPUL)がトヨタ/TRDエンジン搭載車最上位となる4位でフィニッシュ。今季からフル参戦となった宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)と阪口 晴南(P.MU/CERUMO・INGING)がそれぞれ7位、9位でポイント獲得を果たしました。

     4月3日(土)と4日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権の第1戦が行われました。
     昨年は新型コロナウイルスの影響により大幅に開幕が遅れた同シリーズでしたが、今季は例年通り4月からシーズンが開幕。感染対策に十分な配慮をした上で、有観客で開幕戦が開催されました。
     今季の同シリーズには、6チーム11台がトヨタ/TRD 01Fエンジンを搭載してエントリー。このうち4チームは昨年同様のドライバーラインナップとなりますが、Kuo VANTELIN TEAM TOM'Sの37号車は、昨年スーパーフォーミュラ・ライツで初年度チャンピオンとなった宮田がステップアップ。加えて、P.MU/CERUMO・INGINGの39号車も阪口が新たに加わります。
     今季のスーパーフォーミュラは、昨年とは異なり、土曜日に予選、日曜日に決勝を行うフォーマットに戻される他、オーバーテイクシステムを使える時間が1レースあたり100秒から200秒に増やされ、更なる激しいバトルが期待されます。
     また、ポイントシステムについても昨年から採用された、予選トップ3へのポイント付与及び決勝は10位までポイント獲得というシステムを踏襲。今季も全7戦中5戦の有効ポイント制で争われます。
     今大会、シリーズにエントリーしている小林可夢偉(KCMG)は海外戦後の自己隔離期間、そしてサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)は入国が叶わなかったため欠場となり、それぞれ小高一斗と中山雄一が代役として出場しました。

    予選

     3日(土)、好天の下で午後2時40分よりノックアウト方式の予選が行われました。Q1は2グループに分けての実施。それぞれ9台ずつ出走し、上位7台がQ2へと進出します。
     気温20度、路面温度27度のコンディションで開始されたQ1のA組は、10分間のセッションの残り7分を切って全車コースイン。3周ほどのウォームアップで充分にタイヤを暖めた後、チェッカー目前でアタックを開始。午前中のフリー走行や直前の公式テストでも好調だった宮田と平川が、トップとコンマ1秒以内という僅差のタイムで3,4番手タイムをマーク。これに阪口も続き5番手。スポット参戦で初めてスーパーフォーミュラの予選を戦う小高は最後の最後に7番手に飛びこみ、Q2進出を決めました。一方で山下 健太(KONDO RACING)はタイムが伸びず、9番手でQ1敗退となりました。
     B組も終盤目まぐるしく順位が入れ替わる展開となりましたが、中嶋 一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)が3番手の好タイムをマーク。最後までコースインを遅らせてアタックした国本 雄資(KCMG)が5番手。関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL)が6番手、坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)が7番手でQ2進出。スポット参戦の中山と大嶋 和也(NTT Communications ROOKIE)は8番手、9番手でノックアウトとなりました。
     Q2は7分間。阪口が1分21秒台に入れる好走を見せると、平川がこれを上回るタイムで3番手。宮田も1分21秒台で5番手に入り、この3台がQ3へ進出。
     中嶋は終盤8番手に入り、Q3進出を決めたかと思われましたが、そのアタックラップで走路外走行違反を取られベストタイムが抹消。関口が9番手、坪井10番手、国本12番手、中嶋13番手、小高14番手でQ3進出を逃しました。
     Q3では、トヨタ勢はQ2のタイムを僅かに更新したものの、ライバルが大きくタイムを伸ばし、阪口が5番手、宮田が6番手、平川が7番手グリッドから決勝レースをスタートすることとなりました。

    予選で5番手グリッドを獲得した阪口 晴南(P.MU/CERUMO・INGING 39号車)
    予選で5番手グリッドを獲得した阪口 晴南(P.MU/CERUMO・INGING 39号車)

    予選Q1セッションに向かう宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S 37号車)
    予選Q1セッションに向かう宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S 37号車)

    決勝

     4日(日)は雨が予想されていましたが、決勝レースのスタートが切られる午後2時の時点では路面はドライ。全車スリックタイヤを装着し、気温17度、路面温度19度というコンディションで、午後2時10分に41周で争われる決勝レースのスタートが切られました。スタートでは、9番手グリッドの関口が一気に5位あたりまで浮上しましたが、他者との接触がありタイヤをパンク。これを避けようとした中嶋がコースアウトし、順位を落としてしまいました。
     これによる混乱で中団グループ以降の順位が入れ替わり、1周目を終えた時点で坪井が10番手グリッドから6位へとジャンプアップ。12番手スタートの国本が7位へ、平川が8位、トヨタ勢最上位の5番手グリッドからスタートした阪口は出遅れ9位へとポジションを落としてしまいました。
     翌周、5位の車両がピットインしたことで坪井以降はひとつずつポジションアップ。3周目のTGRコーナー(1コーナー)進入では平川がオーバーテイクシステムを使って国本をパスし、3台による5位争いを展開。平川は9周目に坪井もかわし、トヨタ勢の最上位に浮上しました。
     その後方では、スタートで順位を落とした宮田と阪口がテール・トゥ・ノーズの激しい8位争いを繰り広げました。
     重く立ちこめた雲から僅かに雨の兆候が見られる中で、義務づけられているタイヤ交換のためのピットタイミングに各チーム苦心。それでも折り返しを過ぎたあたりで多くの車両がピットへ向かい、スリックタイヤへと交換しました。
     終盤にはやや雨が降り始め、前半戦では平川に次ぐ位置で好走を見せていた坪井が37周目に痛恨のスピン。無念のリタイアとなりました。 上位勢では平川と中山がトヨタ勢最後までピットを遅らせ、残り3周となった38周目終了時点でピットイン。この時点で2位を走行していた平川は、2位でコースへ復帰しましたが、小雨が降り始めた中、冷えたタイヤでアウトラップのペースが上がらず、2台にかわされ、4位へと後退。最後まで粘り強く上位争いを繰り広げた平川でしたが、惜しくも表彰台には届かず、4位でチェッカーを受けました。
     結局最後まで本格的に路面を濡らすまでには至らず、全車スリックタイヤのまま走り切ったレースで宮田が7位、国本が8位、阪口が9位、大嶋が10位でポイント獲得。中嶋は1周目のスピンから追い上げ11位、山下も18番手スタートからの追い上げで12位フィニッシュを果たしました。スポット参戦の中山は14位。スーパーフォーミュラ初レースの小高は15位ながらトップと同一周回で最後までレースを走り切りました。

    決勝スタートシーン
    決勝スタートシーン

    4位フィニッシュを果たした平川 亮(carenex TEAM IMPUL 20号車)
    4位フィニッシュを果たした平川 亮(carenex TEAM IMPUL 20号車)

    7位でフィニッシュした宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S 37号車)
    7位でフィニッシュした宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S 37号車)

    12番手スタートからの追い上げで8位フィニッシュした国本 雄資(KCMG 18号車)
    12番手スタートからの追い上げで8位フィニッシュした国本 雄資(KCMG 18号車)

    スーパーフォーミュラ 2021年 第1戦(開幕戦)富士 決勝結果
    順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
    116野尻 智紀TEAM MUGEN4158'30.22211'21.173HONDA/M-TEC HR-417E
    264大湯 都史樹TCS NAKAJIMA RACING411.576 21'21.396HONDA/M-TEC HR-417E
    35福住 仁嶺DOCOMO TEAM DANDELION RACING413.737 41'21.604HONDA/M-TEC HR-417E
    420平川 亮carenex TEAM IMPUL4119.236 71'21.804TOYOTA/TRD 01F
    56笹原 右京DOCOMO TEAM DANDELION RACING4126.481 31'21.463HONDA/M-TEC HR-417E
    61山本 尚貴TCS NAKAJIMA RACING4129.890 161'23.144HONDA/M-TEC HR-417E
    737宮田 莉朋Kuo VANTELIN TEAM TOM'S4130.470 61'21.793TOYOTA/TRD 01F
    818国本 雄資KCMG4139.880 121'22.973TOYOTA/TRD 01F
    939阪口 晴南P.MU/CERUMO・INGING4143.771 51'21.714TOYOTA/TRD 01F
    1014大嶋 和也NTT Communications ROOKIE4147.159 171'23.360TOYOTA/TRD 01F
    1136中嶋 一貴Kuo VANTELIN TEAM TOM'S4152.607 131'27.230TOYOTA/TRD 01F
    123山下 健太KONDO RACING4153.967 181'23.189TOYOTA/TRD 01F
    1312タチアナ・カルデロンThreeBond DragoCORSE4155.223 111'22.584HONDA/M-TEC HR-417E
    144中山 雄一KONDO RACING4156.480 151'23.256TOYOTA/TRD 01F
    157小高 一斗KCMG4158.200 141'29.988TOYOTA/TRD 01F
    1615大津 弘樹Red Bull MUGEN Team Goh411'21.53081'21.869HONDA/M-TEC HR-417E
    1719関口 雄飛carenex TEAM IMPUL392Laps91'22.441TOYOTA/TRD 01F
    1838坪井 翔P.MU/CERUMO・INGING365Laps101'22.552TOYOTA/TRD 01F