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スーパー耐久最多勝男!木下隆之のクルマまるわかり

最大パワー差400馬力、速度差100km/hが

ひとつのリングに放り込まれる。

個性様々、異種格闘技戦の主役達を紹介しよう。

ST-Xクラス 注目のバトル

2大勢力に割って入れるか

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スーパー耐久において最速クラスとなるのがST-Xだ。メーカーが威信をかけて開発した国際格式GT3車両がベースになっているだけに、抜群の安定感と速さを誇る。そのスピード感と地を揺るがすようなサウンド、そしてそれらがもたらす迫力が最大の魅力だ。レースの主導権を握っているのは、スーパーGT300でも速い日産GT-R“NISSAN GT-R NISMO GT3”とメルセデスSLS AMG GT3”Mercedes-Benz SLS AMG GT3”のガチバトル。そこに”BMW Z4 GT3”が割って入る。フェラーリ488 GT3”Ferrari 488 GT3”といった7000万円超のスーパーカーの参戦も話題だ。

ST-Xクラス動画

スーパー耐久最多勝男、木下隆之注目のST-Xクラス車をご紹介!

NISSAN GT-R NISMO GT3「加速感を味わってみたい。」

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3.8リッターツインターボは強烈なトルクを炸裂させる。コーナー出口からのダッシュ力は桁外れだ。2015年仕様になったことで、ダウンフォースも強く、中高速コーナーでの安定感も増した。現在のところランキングトップを驀進していることからも想像できるように、チャンピオン最有力候補である。

Mercedes-Benz SLS AMG GT3「電子制御はどんなフィーリングなのか・・?」

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世界のGTシリーズでの活躍が物語るように、圧倒的なパフォーマンスを誇る。6.2リッターの大排気量ユニットはパワフルかつドライバビリティに優れている。電子制御の完成度でも一日の長がある。GT-Rに真っ向勝負できるマシンはこれ。重量級ボディなのに意外に軽快なフットワークを披露する。

Ferrari 488 GT3「カッコイイんだもの。」

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フェラーリ最新の488GT3は、走る姿を拝むだけで価値がある。そのスタイルが流麗であるだけでなく、空力パーツなどの物々しいしつらえは迫力満点だからだ。3.9リッターツインターボの咆哮も刺激的である。その低重心フォルムから想像できるように、コーナリングが得意だ。

ST-1クラス 注目のバトル

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排気量3500cc以上のマシンと、STOが認めた車両が参戦可能だ。いわゆるカップカーと呼ばれる量産レース仕様が集結するのがこのクラス。ST-Xがプロフェッショナル級のGT3マシンで戦われているのとは対象的に、ST-1のマシンはビギナーにも扱いやすく開発されているのが特徴だ。ポルシェカップカー“Porsche 911 GT3 Cup”や“BMW Z4 Mクーペ”などがその対象だ。参加台数が少ないのが寂しいところだが、時にはST-Xを脅かすこともある。

ST-1クラス動画

スーパー耐久最多勝男、木下隆之注目のST-1クラス車をご紹介!

Porsche 911 GT3 Cup「淡々とラップを刻めば総合でも勝機がある。」

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世界各地で選手権が繰り広げられているポルシェ911GT3カップの車両ゆえに、速さと安定感は抜群である。3.8リッターユニットは460馬力以上を発揮。ナローボディであることも手伝って最高速はST-Xマシンに迫る。ST-1はプラチナドライバー制度の対象外だ。一線級のドライバーを揃えることも可能なのだ。ドライバー次第では総合優勝に絡む存在だ。

ST-2クラス 注目のバトル

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2001cc〜3500ccまでの4WDマシンに規制される。一大勢力なのがランサー・エボリューション”MITSUBISHI LANCER EVOLUTION”。そこにインプレッサWRX STi”SUBARU WRX STI”が孤軍奮闘、割って入る構図。真っ向勝負である。この二台が圧倒的なパフォーマンスを誇ることから、ライバルが育たないのが嬉しい誤算だ。つまり、往年のWRC代理戦争がサーキットで繰り広げられるのだ。2リッターエンジンながらターボパワーが炸裂する。駆動方式は4WD。雨中の仙台でランサーが総合優勝したこともあるように、豪雨になれば4WDが炸裂。縦横無尽にサーキットを駆け回る。

ST-2クラス動画

スーパー耐久最多勝男、木下隆之注目のST-2クラス車をご紹介!

MITSUBISHI LANCER EVOLUTION「特徴的なコーナリングフィールが魅力だ。」

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熟成度の高いエボ9と最新のエボ10が混走する。エボ9は軽量ボディを武器に一発の瞬発力に優れる。エボ10はボディが肥大化したため、その重さをどう払拭するかがカギ。だがボディ剛性は高く、走りの完成度は高い。共に、電子制御システムの塊なのも特徴だ。前後左右の駆動トルク配分は神の領域にある。

SUBARU WRX STI「タフなクルマ作りのカラクリは?」

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多勢のランエボに負けず孤軍奮闘暴れ回るのがインプレッサWRX STI。パワーでもアドバンテージがあり、マシンの耐久性も秀逸だ。連続チャンピオンに輝いているのがその証拠だろう。予選の速さと、決勝の安定度で今年も連覇を狙う。

ST-3クラス 注目のバトル

レクサス

トヨタ

日産

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ST-2と排気量規定は同じながら、ST-3は二輪駆動に限定される。ゆえにバリバリのスポーツカーからセダンまで、バラエティ豊かなマシン構成が特徴だ。プレミアムの雄、レクサスからはRC350”LEXUS RC350”とIS350”LEXUS IS350”が参戦。ピュアスポーツのフェアレディZ”NISSAN Fairlady Z”が迎え撃つ。異色なのは、トヨタ・マークX”TOYOTA G’s MARK X”が参戦していることだ。マシンのキャラが異なるから、おのずと得手不得手も異なる。サーキットによって勢力図が変化するのはそれが所以だ。優勝マシンを予想するのは難しい。だがそれゆえに、緻密な戦略を分析するのが楽しい。

ST-3クラス動画

スーパー耐久最多勝男、木下隆之注目のST-3クラス車をご紹介!

LEXUS IS350「プレミアムセダンの活躍を期待したい。」

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スクエアなセダンボディからの想像を超える走りを披露している。一発の瞬発力よりも、安定してゴールまで走り切る安定感が武器だ。クーペスタイルのスポーツカー勢を抜き去るのは快感に違いない。逆の立場からみれば、このクルマの後塵を浴びるのは屈辱的だろう。

NISSAN Fairlady Z「プレイングオーナー長島氏の采配は!?」

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伝統的なスポーツカーはST-3でも猛威を振るう。絶対的な加速力は中級だが、優れた前後重量配分がもたらすコーナリング性能はライバルを圧倒している。最高速度の劣勢を、コーナーで巻き返す構図だ。やはりフェアレディZがいなければサーキットも味気ない。

ST-4クラス 注目のバトル

一大勢力

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1501cc〜2000ccまでが参戦可能だ。それゆえ車種は豊富で、現在は8種類のマシンが先陣を競う。一大勢力はトヨタ86”TOYOTA 86/SUBARU BRZ”とホンダS2000”Honda S2000”。熟成極まったS2000に対して、開発が進みつつある新参86/BRZが食って掛かるという絵図だ。それぞれ走りに特徴があることから、サーキットごとに展開が異なる。予測不能なレース結果が興奮を誘う。国内外のトップドライバーが集結するのもこのクラスの特徴。日頃500馬力オーバーを軽々と扱う彼らにとっては、2リッターの非力なマシンは朝飯前、コントロールに余裕がある分、熾烈なバトルにすべての神経を注ぐ。超接近戦バトルは要注目だ。

ST-4クラス動画

スーパー耐久最多勝男、木下隆之注目のST-4クラス車をご紹介!

TOYOTA 86/SUBARU BRZ「話題沸騰のコーナリング最速マシン」

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200馬力のエンジンこそ非力だが、それを覆すコーナリング性能が武器だ。ストレートで引き離すライバルをコーナーで追いつめる。そこに勝機がある。ファイナルギア比や特認パーツも徐々に充実しつつあり、今季開幕から3連勝するなど、日々戦闘力を高めつつある。トップドライバー達が駆る86バトルだけでも必見の価値がある。

Honda S2000「直線番長、富士スピードウェイは大好物」

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もともと250馬力を炸裂させるホンダユニットは、最高速度で圧倒する。2シーターゆえにパフォーマンスでは他を圧倒している。だが、性能調整のために最低重量でハンディをつけられていることもあり、コーナリングが劣勢でかつ、燃費も不利。だがそれを強烈なパワーを炸裂させ、力づくで捩じ伏せるスタイルである。参戦の歴史も長く、信頼性も抜群だ。今年の富士から、ブレーキの大径化も許された。安定度が高い。

Honda INTEGRA TYPE-R「打倒FRに燃える。」

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エンジンはハイパワーであり、ボディは超軽量だ。直線の速さはピカイチ。唯一の弱点はFFであること。タイヤコンディションがいい予選やスタート直後は圧倒的な速さでレースをリードするものの、次第にラップタイムが低下するのが難点だ。レース中のタイヤ交換も必須。後半のタレとピットロスをいかに速さで補うかがポイント。FR勢に一泡吹かせることができるか!?

ST-5クラス 注目のバトル

厳しい規則の中での戦法はチームの力の見せ所!

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ST-5だけは独自の規則で戦われる。マシンは排気量1500cc以下であり、2009年以降の車両に限定される。燃料タンクは45リッターまで、一度の給油は20リッターまで。しかも携行缶での給油が義務づけられている。つまり、比較的安価なマシンで出費を抑えて耐久レースが楽しめるようにと企画されたクラスなのだ。もっともレースである以上レベルは決して低くはなく、厳しい規則の中でいかに戦うかはチーム戦略が見物だ。

ST-5クラス動画

スーパー耐久最多勝男、木下隆之注目のST-5クラス車をご紹介!

Honda FIT「コンパクトFFの理想型」

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DOHCで直噴化されたエンジンはパワーで優る。レースの主導権はフィットにある。ただし、性能調整を受け最低重量が60kgプラスされたのが頭が痛い。FFゆえにタイヤの負担も大きい。特異な規則だから燃費もレース結果に影響する。入門用などと侮るなかれ。高度なドライビング技術と戦略性が求められるのだ。

MAZDA ROADSTER「ST-5でFRは魅力だ。」

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ST-5唯一のFRスポーツだ。新型が1.5リッターになったことからST-5への登場が許された。開発途上なので将来性に期待なのだが、デビュー2戦目で優勝したことでも分かる通り一大勢力にのし上がる可能性大だ。フィットキラーの呼び声高い。武器はもちろんFRならではのコーナリング性能だ。タイヤの消耗も少ない。チャンピオンを虎視眈々と狙う。

MAZDA DEMIO Diesel Turbo「ディーゼルパワー炸裂」

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唯一ディーゼルエンジンを積むのが特徴だ。ゆえに燃費が圧倒的に優れている。ライバルが給油でタイムロスをしている隙に、無給油作戦で逆転という作戦も考えられる。低回転のトルク特性も秀でており、ドライバビリティも秀逸だ。タイヤへの攻撃性が唯一の不安材料だが、フィットを脅かす存在である。

スーパー耐久最多勝男!
木下隆之のスーパー耐久まるわかり

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