FRECAは、世界の4輪モータースポーツを統括する世界自動車連盟（FIA）の公認を受け、イタリア、ベルギー、オランダ、ハンガリー、フランス、 オーストリア、スペイン、ドイツの計7カ国、10箇所のサーキットを使用して、10ラウンド計20レースを戦います。中村は今年1月から2月にかけて行われたフォーミュラ・リージョナル・ミドル・イースト・チャンピオンシップ（FRMEC）に引き続き、フランスを拠点とするR-ace GPから参戦。開幕前の4月には、バルセロナ（スペイン）、ミサノ（イタリア）、ポールリカール（フランス）の3つのサーキットでテストを行い、この開幕戦を迎えました。

　FRECAのスケジュールは、通常金曜日に50分間のテスト走行が2回、土曜日と日曜日それぞれに15分間の予選があり、決勝レースは土曜日にレース1、日曜日にレース2が行われ、各30分間+1周で争われます。

　5月2日（金）の午後10時35分から行われたテスト走行では、4月のテストから持ち越した中古タイヤでコースとクルマを確認した後、新品のタイヤに履きかえてパフォーマンスをチェック。午後3時30分からのテスト走行では、セッティングなどをさらに調整し、初日を10番手で終えました。

　5月3日（土）の予選は、金曜日の午後のテスト結果に基づいて、奇数順位が「グループA」、偶数順位が「グループB」に分けられ、テスト結果が10位だった中村はグループBでの走行が決定。午前8時30分からグループA、続いて午前8時50分からグループBによる予選が行われ、中村は1分28秒794のタイムをマークし、グループBの3番手となりました。

　なお、決勝レースのスターティンググリッドは、各グループの予選トップタイムを比較し、より速いドライバーがポールポジションとなり、その後の順位は各グループの予選結果で交互に振り分けられます。今回はグループBのドライバーのタイムがポールタイムとなったので、中村はレース1で5番グリッドを獲得しました。

　レース1は午後4時15分にスタート。中村は5番グリッドから抜群のスタートを決め、1コーナーまでに2台を抜き、2番手のクルマに続いて2コーナーのブレーキングに入りましたが、想定していた以上に車間が詰まってしまい、中村は前のクルマに追突しスピン、そのままリタイアとなりました。レース後の審議により、このアクシデントの責任が中村にあるとして、中村は日曜日のレース2のスターティンググリッドが4グリッド降格となるペナルティを受けることになりました。

　5月4日（日）、午前8時30分からの予選は、前日と走行順を入れ替え、中村のいるグループBが先に走行。中村は1分28秒848のタイムでグループBの4番手となりました。予選総合トップは、その後に走行したグループAのドライバーが獲得し、前日のペナルティによって中村のスタート位置は12番グリッドとなりました。

　午後5時40分から始まったレース2で12番グリッドからスタートした中村は、1周目にひとつポジションを上げて11番手に浮上。しかし4周目のターン14でブレーキをロックしたクルマに押し出され、一時14番手まで後退しました。その後、最終コーナーでのクラッシュにより、このレース1回目のセーフティーカーが導入されました。レースが再開した後の9周目、ターン4でアウトから前の1台を抜くと、その先のターン10で3台がからむアクシデントが発生、10番手までポジションを上げました。レースはこのアクシデントの処理や、さらにもう一度セーフティーカーが導入される荒れた展開となりましたが、中村は最後まで前を走るクルマと接近戦を繰り広げ、10位でチェッカーを受けました。これにより、ヨーロッパ選手権で初入賞し、貴重な1ポイントを獲得しました。

　FRECA第2戦は5月16日（金）から18日（日）にかけて、ベルギーのスパ・フランコルシャンで開催されます。

　「レース1はリタイアとなってしまい、レース2ではポイントは獲れたものの、自分が思っていたような結果にはなりませんでした。特に1レース目にクルマを壊してしまい、チームに迷惑をかけてしまったことを反省しています。クルマをきちんと直して、2日目の走行に送り出してくれたチームやメカニックのみんなには感謝しかないです。次のスパ・フランコルシャンは初めての走行になりますが、今回ペースは悪くはなかったですし、とても楽しみにしています。引き続き応援よろしくお願いいたします」