FIA-F4 2021年 第1大会(第1,2戦)富士TGR-DC RS支援ドライバーの野中誠太が第2戦で初優勝
第2戦ではTGR-DC RS支援ドライバーが表彰台独占

2021.05.04(火)- 23:00配信

 FIA-F4選手権の第1大会(第1、2戦)が富士スピードウェイで行われ、トヨタのスカラシップを受けてのシリーズ参戦3年目となる野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)が第1戦で3位表彰台を獲得すると、第2戦では念願の初優勝を飾りました。第2戦では2位に荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)、3位に清水英志郎(TGR-DC RSフィールドF4)が続き、TGR-DC RS支援ドライバーが表彰台を独占しました。

第2戦ではTGR-DC RS支援ドライバーが表彰台を独占した

 5月3日(月)、4日(火)の両日、静岡県の富士スピードウェイでFIA-F4選手権の2021年開幕戦となる第1大会(第1戦、第2戦)が行われました。
 ジュニアカート等からステップアップする、本格的な4輪フォーミュラカーレースの入門カテゴリーとして、国際自動車連盟(FIA)によって制定された国際規格に則り、2015年より日本でFIA-F4選手権(F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP)として行われている同シリーズも今年で7年目を迎えました。
 同シリーズでは過去に坪井翔(2015年チャンピオン)、宮田莉朋(2016、17年チャンピオン)をはじめとする多くの若手ドライバーが経験を積み、上位カテゴリーで活躍しています。昨年はTGR-DC RS支援ドライバーの平良響が12戦中10勝という圧倒的な速さでチャンピオンを獲得。平良は今季よりスーパーフォーミュラ・ライツへとステップアップを果たしています。
 昨年は大幅に開幕が遅れましたが、今季はゴールデンウィークのこの時期に開幕。夏の第3,第4大会は1大会3レース、他の4大会は1大会2レースでの、全6大会14戦で戦われます。

 今季の同シリーズには、TGR-DC RS(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール)のスカラシップドライバーとして、昨年に引き続いての野中、奥住、清水の3名に、新たに荒川を加えた4名が参戦。野中はシリーズ3年目、奥住、清水、荒川の3名はシリーズ2年目となります。

 3日(火)、天候に恵まれ、穏やかな気候の下、午前8時20分から30分間の予選が行われました。このセッションのベストタイムで第1戦、セカンドベストタイムで第2戦のグリッドが決定されます。
 周回を重ねるごとにじりじりと各車のタイムは上がっていく中、荒川が11周目に1分45秒407でトップタイムをマーク。野中が13周目にトップ荒川と0.1秒以内の1分45秒502をマークしますが、非常に僅差の争いで4番手。清水は7番手、奥住が8番手となりました。
 セカンドベストタイムでは、野中が2番手につけ最前列グリッドを確保。荒川が4番手、清水6番手、奥住8番手と偶数列に並ぶ形となりました。

 予選の後、午後1時20分より第1戦の決勝レース(14周)が行われました。予選ではトップタイムをマークした荒川でしたが、セッション中7度にわたるトラックリミット違反があったとして、7グリッド降格のペナルティ。野中が3番手、清水6番手、奥住7番手、荒川8番手からのスタートとなりました。
 スタートでは上位勢は大きな波乱無く順位をキープし、野中は前を1秒以内の差で追い続けましたが届かず、ポジションキープの3位で表彰台を獲得。清水が6周目にひとつ順位を上げ5位。スタートでひとつポジションを落とした荒川が2周目、7周目、11周目と前車をパスしていき、6位。荒川にはかわされるもその後ライバルを1台パスした奥住が7位フィニッシュとなりました。

 4日(火)午前8時15分と朝は早いものの、穏やかで温かに感じるコンディションの中、第2戦の決勝レース(14周)が行われました。
 最前列2番手スタートの野中は好ダッシュを決め、ポールの車両と並んでTGRコーナー(1コーナー)へ進入。アウト側のポール車両は、後続から追突されコースアウト。野中が首位に立ちました。この後方の混乱を上手く抜け出した荒川が3位、清水が4位、奥住が5位とポジションアップ。2周目のTGRコーナーでは荒川が前の車両をパスし2位へと浮上しました。
 3周目のTGRコーナー進入では、4位の清水がブレーキング勝負を仕掛け、ライバルがロックさせて接触しながらスピン。清水、奥住は3,4位へとポジションを上げ、TGR-DC RSドライバーが序盤からトップ4を占める展開となりました。
 中盤戦では、後方から追い上げてきた車両と、清水、奥住との三つ巴の表彰台を賭けた3位争いが繰り広げられ、7周目には奥住が3位へと浮上。その後も3位争いは続きました。
 首位を行く野中に、2位の荒川も徐々に差を詰めていき、最後はすぐ後にまで迫りましたが、逆転には至らず、野中がシリーズ参戦3年目にして念願の初優勝を飾りました。荒川が2位。3位争いは、ファイナルラップのTGRコーナー進入で奥住が痛恨のオーバーラン。これをかわした清水が3位に入り、フォーミュラレースで初の表彰台を獲得しました。奥住は5位でフィニッシュしました。

念願の初優勝を飾った野中誠太
荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)
清水英志郎(TGR-DC RSフィールドF4)