FIA-F4の第6大会(第11戦、第12戦)がオートポリスで行われ、TGR-DC RS支援ドライバーの小林利徠斗(TGR-DC RS トムススピリット F4)が第11戦でポール・トゥ・ウィン。第12戦では中村仁(TGR-DC RS トムススピリット F4)がポール・トゥ・ウィンを飾りました。小林は第12戦で3位に入り、ランキング首位に復帰。中村も首位と12ポイント差の3位へと浮上し、最終大会でチャンピオンを争うこととなります。

10月14日(土)、15日(日)の両日、大分県のオートポリスでFIA-F4選手権の2023年第6大会(第11戦、第12戦)が行われました。
このシリーズには、今季TGR-DC RS(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール)のスカラシップドライバーとして、シリーズ2年目を迎える18歳の小林と17歳の中村、そして昨年までカートで戦い、今季よりフォーミュラにステップアップした16歳の佐野雄城(TGR-DC RSフィールドF4)、シリーズ2年目の奥本隼士(TGR-DC RSフィールドF4)の4名がフルシーズン参戦しています。
全7大会、14レースで競われている今季のFIA-F4も残すところ2大会4レースとなりました。前半戦で3勝を挙げてランキング首位だった小林は、後半戦に入って第4大会鈴鹿、第5大会SUGOで苦戦を喫し、ランキングは3位へと後退。前半1勝を挙げランキング4位で続く中村と共に、終盤戦での逆転を目指し、九州ラウンドに臨みました。
予選
14日(土)は明け方の雨で、ウェット宣言が出される状況の中、朝8時15分から予選は2グループに分けて実施されました。
A組予選開始時には雨は止んでいるものの、路面はまだ濡れているところが残っている状態。それでもほとんどの車両がスリックタイヤでコースインしていきました。
このセッションでは佐野と奥本がアタック。慎重に路面状況を見ながらの走行で3周目に入ろうかというところでコース上にストップした車両があり赤旗中断。残り15分で再開されるも、さらに赤旗が出されるという難しいセッションとなりました。残り6分でセッションが再開されると、コンディションが良くなってきたこともあり、各車一気にタイムアップ。
佐野と奥本はこの終盤のアタックでトップ争いを繰り広げ、第11戦のグリッドを決めるベストタイムでは佐野が2番手、奥本が3番手。第12戦のグリッドを決めるセカンドベストタイムでは奥本がトップ、佐野が2番手となりました。
B組はA組の赤旗中断の影響もあり、予定より5分遅れの8時50分より開始。このB組には小林、中村を含むランキング上位4台が含まれており、路面コンディションが良くなったこともあり、序盤からA組のタイムを上回るペースでタイムアタックが繰り広げられました。
小林は3周目に1分53秒台に入れてトップに立つと、さらにタイムを更新していきました。中村も2番手のタイムで続きましたが、5周目のアタックに入っているときに、ランキング首位の三井優介(HFDP RACING TEAM)がコースアウトを喫し赤旗中断。
残り11分でセッションが再開されましたが、残り2分ほどで再び赤旗が出され、セッションは終了。小林、中村共にベストタイムの更新はならなかったものの、それでも中村はセカンドベストタイムで小林を上回るタイムをマークしました。
この結果、ベストタイムが良かったB組の車両が奇数列、A組の車両が偶数列グリッドに。第11戦は小林が今季第2戦以来3回目となるポールポジション。中村が3番手、奥本は4番手、佐野が6番手。第12戦は中村が今季初のポールポジション、奥本が自身最上位となる最前列2番手、小林が3番手、佐野が4番手となり、第12戦は2列目グリッドまでをTGR-DC RS支援ドライバーが占めることとなりました。
第11戦決勝
予選の後、空には雲が残るものの路面は完全にドライコンディションとなり、午後1時55分より第11戦の決勝レースが13周で行われました。
上位勢はポールポジションの小林を先頭に順当なスタートを切りましたが、2番手スタートの卜部和久(BJ Racing F110)が1コーナーでアウトにはらんでダートにはみ出し、3番手グリッドの中村が2位へ、4番手の奥本が3位、6番手の佐野が5位へとひとつずつ順位を上げました。
2周目にコース上に停まった車両が出たことによりセーフティカーが導入され、6周目にレースは再開。この再スタート直後の1コーナーで、3位の奥本は三井にかわされ4位へと後退。5位の佐野は後続に並びかけられるもサイド・バイ・サイドのバトルの末に5位をキープしました。
その後は小林が首位を守る後方で、中村は三井からの猛追を受けたもののしのぎ切り、小林がトップ、中村が2位でチェッカー。小林は第6戦富士以来となる今季4勝目を挙げ、ランキングは首位の三井と12ポイント差の2位へと浮上しました。
中村も2位で今季6度目となる表彰台を獲得。奥本が4位、佐野が5位でTGR-DC RS支援ドライバーは4人全員がトップ5フィニッシュを果たしました。
第12戦決勝
15日(日)午前8時半、晴天でドライコンディションの中、第12戦の決勝レースが13周で行われました。
このレースでは、中村がポールポジション、奥本が2番手、小林が3番手、佐野が4番手と、TGR-DC RS支援ドライバーがトップ4グリッドを占めてのスタートとなりました。
スタートでは3番手の小林が出遅れ、佐野が3位へ、小林は5位へと後退。しかし小林は第2ヘアピンで1台抜いて4位へ浮上し、再びTGR勢がトップ4となりました。
首位を行く中村のペースが良い一方で、2位の奥本がじりじりと離され、その後方に佐野、小林らが僅差で連なりながら周回が重ねられていく展開となりました。小林は再三にわたって前の佐野を攻めますが、抜くまでには到らず。
8周目にスピンした車両がグラベルに停まったためセーフティカーが導入。
10周目を終えたところでセーフティカーが退去し、残り3周で再スタートが切られましたが、ストレートで2位を争う加速競争となった2位の奥本と3位の佐野が接触。奥本はスピンしながらイン側のコンクリートウォールに激しくクラッシュし、レースは赤旗中断となりました。全車はそのままピットへと戻り、レースは再開されることなく終了。
9周目終了時点の順位が決勝結果となり、中村が今季2勝目を挙げることとなりました。激しいクラッシュに見舞われた奥本は幸いにも大きな怪我はなく、2位という結果に。佐野は危険ドライブ行為として40秒加算のペナルティが科され40位。これにより繰り上がって小林が3位となりました。
今大会の結果、小林がランキング首位に浮上。しかし、2位の三井との差はわずか2ポイント。そして今大会で好結果を残した中村も首位から12ポイント差のランキング3位へ浮上し、ランキング上位4名がチャンピオン獲得の可能性を残して最終ラウンドのもてぎに臨むこととなりました。



