WEC 2021年シーズン 第1戦(開幕戦)スパ・フランコルシャン6時間 公式練習TOYOTA GAZOO Racing
ハイパーカー GR010 HYBRID最初の公式練習セッション終了

2021.04.30(金)- 04:30配信

 TOYOTA GAZOO RacingはFIA世界耐久選手権(WEC)タイトル防衛を目指し、この週末ベルギーで行われる開幕戦スパ・フランコルシャン6時間レースに臨みます。4月29日(木)、初日の公式練習が行われ、多くのチームによる総合優勝争いが予想されるWEC2021年シーズンのスタートが切られました。

WEC 2021年 開幕戦 スパ・フランコルシャン6時間レース 公式練習に臨むGR010 HYBRIDの2台

 TOYOTA GAZOO Racingが今季に向けて開発した4輪駆動のル・マンハイパーカー GR010 HYBRIDは、今週月曜、火曜に行われたプロローグ・テストに続き、2021年最初のWEC公式走行セッションである公式練習1回目に参加。2台のGR010 HYBRIDは5月1日(土)に行われる決勝レースへ向けての車両最適化及び空力とメカニカル面でのセットアップ評価を行いました。公式練習1回目の結果は、上位11台のラップタイムが1秒以内と、非常に接近した内容になりました。

 昨シーズンの世界チャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名が駆るGR010 HYBRID 7号車は2分4秒574の7番手でこの日のセッションを終え、ル・マンウィナーであるセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーの8号車は2分4秒947で10番手となりました。

 今週前半に行われたプロローグ・テストで見せた、LMP2クラス車両の速さはこの日も続き、新たなレギュレーションにより昨年までのLMP1クラス車両よりもパフォーマンスを抑えた新型ハイパーカーを上回るタイムをマーク。LMP2クラス車両が総合優勝争いに加わる可能性を示しました。この日の最速タイムはLMP2クラスのユナイテッド・オートスポーツ 22号車の2分4秒083でした。

 29日(木)の初日は、1回の公式練習セッションのみが行われましたが、空には雲が重く立ちこめ、セッション開始時の気温は摂氏6度と、今週月曜日と火曜日に行われたプロローグ・テストよりも低いコンディションでした。GR010 HYBRIDはこのプロローグ・テストで、2台の合計290周を走破し、テストプログラムを完了しています。

 プロローグ・テストのあと、エンジニアはドライバーと共にデータを分析し、1周7.004kmの伝統あるスパ・フランコルシャン・サーキットでのセットアップ改良を目標に懸命な作業を続けてきました。この日はセッション終盤に5分間の赤旗中断があったものの、2台のGR010 HYBRIDは順調に周回をこなし、合計67周、469kmを走破。エンジニアに有用なデータをもたらしました。

 チームは明日30日(金)も2度の公式練習セッションをこなし、夕方に行われる予選に挑みます。現時点で上位勢のタイム差はほとんどないため、僅差でのポールポジション争いが予想されます。

小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)

 今日はあまり多く走れなかったので、自分たちの立ち位置を明確に把握するのは難しいですが、プロローグ・テストでも同じような状況だったので驚くことではないです。我々7号車はプロローグ・テストでもあまり走れなかったということもあり、もっとロングランして、GR010 HYBRIDを把握していくことが必要だと思っています。これまでのところ、7号車にとっては理想的なレースウィークにはなっていませんが、明日も改善のために全力を尽くします。

マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)

 今日はコースに戻れて嬉しいです。あまり周回を稼げたわけではなかったですが、感触は良かったです。何度かのロングランを試しましたが、順調でしたし、今日のようなより寒いコンディションでも車両バランスはさらにいい感触でした。まだやるべきことはありますし、明日の予選までに何ができるか楽しみです。ここスパではLMP2カーが強いですが、スパでのレースウィーク、これから何が起こるかまだ分かりません。

ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)

 プロローグであまり走れなかった分、今日は走行距離を伸ばせたのは良かったです。ラップタイムはシミュレーションでの予測通りとなりました。ここスパはタイヤ、車両どちらにとっても特殊なサーキットなので、車両の把握を深めるため、まだセットアップやタイヤについて学んでいる途中ですが、着実に進歩を遂げています。明日も順調にセッションをこなすことが最優先です。

中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)

 今日はまずまずな一日でした。LMP2カーとの比較では僅かに遅れを取っていますが、プロローグ・テストの時よりも感触はいいですし、このような挑戦も悪くありません。幾つかの解決策を見つけましたし、感覚的にはむしろポジティブです。ニュータイヤで何周かしたのも役立ち、バランスも良くなりました。GR010 HYBRIDの感触は改善されていて、扱いやすくなっていますが、まだやるべきことは残っています。

セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)

 公式シーズンの開幕を迎え、多くの周回を重ねることができてうれしいです。再びWECの舞台でドライブできて幸せですし、ラップタイムこそ期待通りではなかったとしても、セットアップは順調に進んでいると感じています。今日はずっとドライで走れたのも良かったです。ドライ路面であるだけでも嬉しいですが、これが週末まで続いてくれることを祈っています。良いデータも得られたので、明日へ向けて改良を進めます。

ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)

 予定通りに走ることができ、とても順調なセッションでした。幾つかセットアップの変更を試しましたが、今日は曇り空で、コースコンディションがプロローグ・テストの時とは異なりましたし、今後もどうなるか分かりません。プロローグ・テストのあと、異なるセットアップを試していますが、それらが車両バランスにどう影響するかを分析する必要があります。これら作業の全てが、GR010 HYBRIDに慣れ、決勝レースへ向けて改善していくために必要なプロセスです。

WEC 第1戦スパ6時間 公式練習第1回目結果(総合順位)

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
1 22 フィリップ・ハンソン
ファビオ・シェーラー
フィリペ・アルバカーキ
ユナイテッド・オートスポーツ/
Oreca 07-Gibson
27 2:04.083
2 36 アンドレ・ネグラオ
ニコラス・ラピエール
マシュー・バキシビエール
アルピーヌ・エルフ・マトムート/
アルピーヌ A480-Gibson
33 2:04.335
3 70 エステバン・ガルシア
ロイック・デュバル
ノルマン・ナト
リアルチーム・レーシング/
Oreca 07-Gibson
8 2:04.471
4 28 ショーン・ゲラエル
ストフェル・バンドーン
トム・ブロンクヴィスト
イオタ/
Oreca 07-Gibson
30 2:04.475
5 21 ヘンリク・ヘドマン
ファン・モントーヤ
ベン・ハンリー
ドラゴンスピード USA/
Oreca 07-Gibson
33 2:04.482
6 29 フリッツ・ヴァン・イアード
ギド・ヴァン・デル・ガルデ
ヨブ・ファン・ウィタート
レーシング・チーム・
ネーデルランド/
Oreca 07-Gibson
34 2:04.491
7 7 マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
32 2:04.574
10 8 セバスチャン・ブエミ
中嶋一貴
ブレンドン・ハートレー
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
35 2:04.947
WEC 2021年 開幕戦 スパ・フランコルシャン6時間レース 公式練習に臨むGR010 HYBRID 7号車