WEC 2021年シーズン 第4戦ル・マン24時間 レース速報 No.1(6時間経過)TOYOTA GAZOO Racing
大波乱のスタートも、6時間経過時点でGR010 HYBRIDが1-2を走行

2021.08.22(日)- 07:30配信

 8月21日(土)、現地時間午後4時に、FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦、第89回ル・マン24時間レースの決勝がスタートしました。雨の中、ウェットコンディションでのスタートは、直後に2番手スタートのGR010 HYBRID 8号車が他車との接触を喫し一旦は最後尾まで後退する大波乱の幕開けとなりました。しかし、8号車は、すぐに追い上げ、6時間を経過した時点で、TOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)のGR010 HYBRIDは7号車が首位、8号車が1分27秒148遅れの2位で1-2体制を保ち走行、夜間セッションに入りました。

2021 ル・マン24時間レース スタートシーン

 現地時間午後4時のスタートは、1時間ほど前から降り出した強い雨により、ウェットコンディションの下、セーフティーに先導されたフォーメーションラップの状態でスタートが切られ、14分後、3周目から本格戦が開始されました。

 ポールポジションからスタートを切った7号車のコンウェイは首位を守りましたが、2番手のブエミが駆る8号車は、最初のシケイン進入で4番手スタートのグリッケンハウス708号車に追突されスピン。コース脇に止まった8号車は最後尾まで順位を落としてしまいました。

 しかし、そこからブエミの8号車は鬼神の追い上げを開始。10周目にはトップ10にまで順位を戻してピットインし、乾いてきた路面に合わせ、スリックタイヤへと交換。首位を行くコンウェイの7号車もスリックタイヤへと交換しました。

 レース開始から1時間を経過し、ほぼ全車が1回目のピットを終えた時点で、8号車は首位と約1分差の3位まで浮上。ファステストラップを更新しながらの力走を続けるブエミは、16周目に2位を走行するLMP2クラスのイオタ38号車をパスし、GR010 HYBRIDが1-2体制となりました。

 コンウェイの7号車は最初の90分間、盤石な首位走行を続けていましたが、序盤のクラッシュでコース上に撒かれた破片の影響か、2度に渡るタイヤパンクを喫し、予定よりも早いピットイン。

 これを追う8号車にも不運が襲います。ハートレーへと交代した3時間過ぎ、GT車両のアクシデントによりセーフティカーが導入されたことで首位の7号車との差が1分以上開き、その後、5時間を経過して夜を迎える頃、8号車は右リアのタイヤパンクに見舞われ予定よりも早いピットインを余儀なくされました。

 この間にも何度か軽い雨はありましたが、6時間を迎えようとするころ、雨が一時的に強まり、LMP2車両によるアクシデントが発生し、セーフティカーが導入されました。25分後にセーフティカーが退去しレースが再開されましたが、ここで8号車のハートレーはインターミディエイトタイヤに交換。続いて、ロペスへとドライバー交代した7号車もインターミディエイトタイヤに交換しました。

 その後、乾いた路面に合わせ、2台のGR010 HYBRIDはスリックタイヤへと交換。8号車は中嶋一貴へと交代し、本格的なナイトセッションへと突入しました。6時間を経過した時点でGR010 HYBRIDは7号車が首位、8号車が約1分遅れの2位、3位とは1周以上の差をつけています。  

マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)

 レーススタート前からの強い雨で、ひどいコンディションでのスタートとなりました。ウェットタイヤは正しい選択でした。その後、雨は止んで路面が乾いていき、ウェットタイヤのままで走り続けるのが難しくなりました。コースの場所によってグリップレベルが異なる状況で走るのはとても大変でした。その後、スリックタイヤに履き替えてからも小雨が降ってきたりと、決して楽なスティントではありませんでしたが、とにかくミス無く、クリーンに走ることを心掛けました。慎重を期し、縁石にも乗らないように走っていたのに、2回のパンクに見舞われたのは不思議ですが、運が悪かったのでしょう。

セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)

 波乱のスタートでした。最初のコーナーで後から追突されたのですが、あの状況では最後尾に落ちるしかなく、最悪のタイミングと場所でのアクシデントとなってしまいました。その後も接触など様々なドラマに見舞われながらも、なんとか追い上げてトップ争いに復帰することができました。ドライバー交代の後、8号車はセーフティカー導入などでタイムをロスしましたが、長いレースはまだ始まったばかりです。

WEC 第4戦 ル・マン24時間 6時間経過時順位(総合順位)

順位No.ドライバー名チーム/車種周回トップとの差
17マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
88
28セバスチャン・ブエミ
中嶋一貴
ブレンドン・ハートレー
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
881:27.148
336アンドレ・ネグラオ
ニコラス・ラピエール
マシュー・バキシビエール
アルピーヌ・エルフ・マトムート/
アルピーヌ A480-Gibson
871 Lap
4708ルイス・フェリペ・デラーニ
フランク・マイルー
オリビエ・プラ
グリッケンハウス・レーシング/
グリッケンハウス 007 LMH
862 Laps
541ロバート・クビサ
ルイ・デレトラズ
イーフェイ・イェ
Team WRT/
Aurus 01-Gibson
862 Laps