2023年シーズンのWEC最終戦をTGRの1-2フィニッシュで終え、マニュファクチャラーズとドライバーズのダブルタイトルを獲得したその熱もまだ冷めやらぬ、一夜明けたバーレーンで、チームはGR010 HYBRID 7号車での5時間にわたるテストに参加しました。

　新進気鋭のアメリカンドライバー、ジョシュ・ピアソン（17歳）は、WEC LMP2クラスでユナイテッド・オートスポーツ23号車の一員として目覚ましい活躍を見せ、シーズン5位の成績を残しました。その活躍ぶりが評価され、WEC選抜でハイパーカーをドライブするチャンスを得ました。

　ピアソンに加え、2人の耐久シリーズチャンピオンがGR010 HYBRIDをドライブすることとなりました。イギリス人ドライバー、ベン・バーニコート（26歳）とジャック・ホークスワース（32歳）は、2023年シーズンIMSA WeatherTech SportsCar ChampionshipのGTDプロクラスでバッサー・サリバンのLEXUS RC F GT3を駆り、シリーズチャンピオンを獲得しました。

　彼ら3人のルーキーは今回のテストに先立ち、先月ドイツ・ケルンにあるTGRヨーロッパのファクトリーでドライビングシミュレーターセッションをこなし、準備を整えてきました。彼らはセッション開始早々、それぞれ1周ずつのインストールラップ（慣らし走行）で、初めて実車のGR010 HYBRIDを味わうことになりました。

　3人は午前中の2時間のセッションで、それぞれ約20分間ずつ、10周を走行。その後、昼食と技術的な講習のためのインターバルを挟み、午後は3時間にわたるテストセッションをこなし、3人はさらに周回を重ねました。ピアソンは10周スティントを2回、バーニコートとホークスワースは10周スティントを1回走破しました。

　このルーキーテストをもって、2023年シーズンWECの公式なサーキットでの走行は終了。翌年に向け、東富士とドイツ・ケルンのテクニカル・センターでは、さらに参戦台数が増える予定のハイパーカークラスにおいて、世界チャンピオン防衛へ向けた準備を進めます。

ジョシュ・ピアソン：

　GR010 HYBRIDは本当に運転が楽しい車で、素晴らしいです。ハイブリッドシステムを搭載したクルマでレースを戦ったことはないので、これが私にとって初めての経験でしたが、楽しむことができました。最も印象的だったのはブレーキングと加速です。加えてダウンフォースも私がドライブしてきたLMP2カーよりもはるかに大きいです。私にとって、このテストは限界までプッシュすることではなく、ハイパーカーチームとの働き方を学ぶためでした。私はレースキャリアをスタートしたばかりなので、世界チャンピオンを勝ち取ったハイパーカーチームのオペレーションを学び、彼らがどのようなプログラムで動いているのかを感じ取ることができた貴重な機会となりました。全く別のレベルでした。チームの誰もが本当に親切で、一緒に仕事ができて良かったです。

ベン・バーニコート：

　今朝起きたとき、TOYOTA GAZOO Racingがマニュファクチャラーとドライバーの世界チャンピオンを勝ち取ったクルマをドライブできるということに、本当に興奮しました。まるでクリスマスを待ちわびる子供のようになっていました。このレベルのチームで、このレベルの車に乗れる機会はそう多くはありません。最初に感銘を受けたのは、ハイブリッドシステムによるブレーキングの素晴らしさでした。GR010 HYBRIDは驚くべき勢いで速度を落とし、そこからステアリングを真っ直ぐに保ってアクセルを踏み込むと、信じられない加速が待っていました。すぐにそのスピードは自分のものにできたように感じましたが、それはここに来る前に行った事前のシミュレーター走行のおかげでしょう。シミュレーターは本当に正確で、実走に近いものでした。

ジャック・ホークスワース：

　初めてのバーレーンで、初めてハイパーカーをドライブできるというのは、シーズンの締め括りとしてこの上ない体験でした。本当に興奮しましたし、IMSAでのLEXUS RC F GT3とは全く別物でした。GR010 HYBRIDはGTカーのスタイルでありながら、私の知っているレベルよりもはるかにパワーがあります。たくさんのツールと、また、ステアリングなどでも調整できる部分が多いので、多くのことを学びました。世界トップレベルのチームの仕事ぶりや、それがどう組織化されて働いているのかを目の当たりにし、本当に驚かされました。世界チャンピオンを獲得したチームでの、ハイパーカーのテストに初めて参加できたのは、とても良い体験になりました。