WEC 2023年 シーズン第4戦 ル・マン24時間 6時間経過TOYOTA GAZOO Racing、
豪雨や頻発するアクシデントの中、着実に上位で争い夜間走行へ

2023.06.11(日)- 07:10配信

 6月10日(土)記念すべき100周年大会となったFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間の決勝レースがスタート。1周目からアクシデントが頻発、コースの一部が豪雨に見舞われるなど、序盤から荒れた展開となる中、レースの4分の1となる6時間を経過した時点でTOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010 HYBRIDは、昨年のウィナーであるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の8号車が着実な走行を続け6位。小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの7号車は、チームメイトから数秒差の7位で追い、6連覇へ向けた戦いを続けています。

G豪雨や頻発するアクシデントの中、着実に上位で争い夜間走行へ

 レースは現地時間10日(土)午後4時、30万人の大観衆が見守る前でスタートが切られました。TGRの2台のGR010 HYBRIDは、8号車のブエミが3番手、7号車のコンウェイが5番手グリッドからスタートを切りました。コースの中盤あたりが雨に見舞われていたこともあり、ソフトタイヤを装着したブエミは1周目に前を行く2台のフェラーリをパス。コンウェイも3位へとポジションを上げた直後、他車のアクシデントによりセーフティカーが導入されました。

 スタートから40分が経過したところで、コンウェイがプッシュを開始。フェラーリ50号車をかわして2位へと浮上。ブエミの8号車との僅差の1-2体制となりました。ソフトタイヤの摩耗により、コンウェイは後続からの追撃を受けることとなりましたが、懸命な走りを続け、1時間を経過したところで4位でピットイン、タイヤを交換。ブエミも翌周ピットへ向かいトップのままコースへと復帰しました。

 ハイパーカーによるエキサイティングなバトルは、序盤から各チームの異なる給油やタイヤ交換のピット戦略の違いにより、トップ10台ほどが時にはテール・トゥ・ノーズで争いながらも、その度に順位を入れ替える展開となりました。

 ほぼ3時間が経過したところで強い雨が降り始め、各所でアクシデントが発生し、再びセーフティカーが導入されました。2台のGR010 HYBRIDは、ピットへ向かいウェットタイヤへと交換すると共に7号車はロペス、8号車はハートレーへとドライバーを交代。およそ90分と長い時間にわたったセーフティカー走行中、乾いてきた路面に合わせ、2台共にドライバーはそのままタイヤをスリックへと交換しました。

 しかし、セーフティカー中だったこともあり、2台のGR010 HYBRIDはピット出口での待機を余儀なくされ、大きくタイムをロス。トップ10グループの最後尾近くまで順位を落とすこととなってしまいました。

 そこからは異なるピットタイミングでのバトルが再開。各所で起こったアクシデントによるスローゾーンやイエローフラッグも順位に影響する中、ハートレーの8号車はトップ6へ復帰。ロペスの7号車も僅差の7位で続き、走行を続けています。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

 序盤はミュルサンヌストレートの路面の一部が濡れていたので、異なるタイヤ戦略でレースをスタートし、我々7号車は安全をみたタイヤを選択しました。スタート直後はそれが上手くいき、1周目に数台をパスすることができましたが、周回を重ねていくごとに状況は厳しくなっていきました。スリップストリームの使い合いになり、差をつけられない状況では順位を保つのが難しく、ベストを尽くしましたが、幾つか順位を落としてしまいました。私のスティントの最後では、スリックタイヤで走るのが困難なほど非常に強い雨になったため、ウェットタイヤに交換せざるを得ませんでした。まずはトラブルなく戦えているので、良いスタートが切れたと思います。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

 序盤からこんなにアクシデントの多いル・マンは初めてです。最初の1時間でレースが決まるわけではないですし、トラブル無くコース上に留まることを最優先しました。ミスすることなく、クリーンな走りを保つことが何より重要でした。GR010 HYBRIDの感触はとてもいいですし、ライバルと比べても我々のペースは良かったと思います。とは言え、コクピットの中からだけではまだ全てはわかりません。集中力を保ち、クリーンなレースを続けていく必要があると思います。

WEC第4戦ル・マン24時間 6時間経過時順位

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 トップとの差
151アレッサンドロ・ピエール・グイディ
ジェームス・カラド
アントニオ・ジョビナッツ
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
75
275フェリペ・ナッセ
マシュー・ジャミネ
ニック・タンディ
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963
756.321
350アントニオ・フオコ
ミゲル・モリーナ
ニクラス・ニールセン
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
759.721
494ロイック・デュバル
グスタボ・メネゼス
ニコ・ミュラー
プジョー・トタルエナジーズ/
プジョー 9X8
7520.301
52アール・バンバー
アレックス・リン
リチャード・ウェストブルック
キャデラック・レーシング/
キャデラック V-Series.R
7552.632
68セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
751:23.532
77マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
751:25.352
7番手を走行するGR010 HYBRID 7号車