6月10日(土)記念すべき100周年大会となったFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間の決勝レースがスタート。1周目からアクシデントが頻発、コースの一部が豪雨に見舞われるなど、序盤から荒れた展開となる中、レースの4分の1となる6時間を経過した時点でTOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010 HYBRIDは、昨年のウィナーであるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の8号車が着実な走行を続け6位。小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの7号車は、チームメイトから数秒差の7位で追い、6連覇へ向けた戦いを続けています。

レースは現地時間10日(土)午後4時、30万人の大観衆が見守る前でスタートが切られました。TGRの2台のGR010 HYBRIDは、8号車のブエミが3番手、7号車のコンウェイが5番手グリッドからスタートを切りました。コースの中盤あたりが雨に見舞われていたこともあり、ソフトタイヤを装着したブエミは1周目に前を行く2台のフェラーリをパス。コンウェイも3位へとポジションを上げた直後、他車のアクシデントによりセーフティカーが導入されました。
スタートから40分が経過したところで、コンウェイがプッシュを開始。フェラーリ50号車をかわして2位へと浮上。ブエミの8号車との僅差の1-2体制となりました。ソフトタイヤの摩耗により、コンウェイは後続からの追撃を受けることとなりましたが、懸命な走りを続け、1時間を経過したところで4位でピットイン、タイヤを交換。ブエミも翌周ピットへ向かいトップのままコースへと復帰しました。
ハイパーカーによるエキサイティングなバトルは、序盤から各チームの異なる給油やタイヤ交換のピット戦略の違いにより、トップ10台ほどが時にはテール・トゥ・ノーズで争いながらも、その度に順位を入れ替える展開となりました。
ほぼ3時間が経過したところで強い雨が降り始め、各所でアクシデントが発生し、再びセーフティカーが導入されました。2台のGR010 HYBRIDは、ピットへ向かいウェットタイヤへと交換すると共に7号車はロペス、8号車はハートレーへとドライバーを交代。およそ90分と長い時間にわたったセーフティカー走行中、乾いてきた路面に合わせ、2台共にドライバーはそのままタイヤをスリックへと交換しました。
しかし、セーフティカー中だったこともあり、2台のGR010 HYBRIDはピット出口での待機を余儀なくされ、大きくタイムをロス。トップ10グループの最後尾近くまで順位を落とすこととなってしまいました。
そこからは異なるピットタイミングでのバトルが再開。各所で起こったアクシデントによるスローゾーンやイエローフラッグも順位に影響する中、ハートレーの8号車はトップ6へ復帰。ロペスの7号車も僅差の7位で続き、走行を続けています。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
序盤はミュルサンヌストレートの路面の一部が濡れていたので、異なるタイヤ戦略でレースをスタートし、我々7号車は安全をみたタイヤを選択しました。スタート直後はそれが上手くいき、1周目に数台をパスすることができましたが、周回を重ねていくごとに状況は厳しくなっていきました。スリップストリームの使い合いになり、差をつけられない状況では順位を保つのが難しく、ベストを尽くしましたが、幾つか順位を落としてしまいました。私のスティントの最後では、スリックタイヤで走るのが困難なほど非常に強い雨になったため、ウェットタイヤに交換せざるを得ませんでした。まずはトラブルなく戦えているので、良いスタートが切れたと思います。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
序盤からこんなにアクシデントの多いル・マンは初めてです。最初の1時間でレースが決まるわけではないですし、トラブル無くコース上に留まることを最優先しました。ミスすることなく、クリーンな走りを保つことが何より重要でした。GR010 HYBRIDの感触はとてもいいですし、ライバルと比べても我々のペースは良かったと思います。とは言え、コクピットの中からだけではまだ全てはわかりません。集中力を保ち、クリーンなレースを続けていく必要があると思います。
WEC第4戦ル・マン24時間 6時間経過時順位
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | 周回 | トップとの差 |
1 | 51 | アレッサンドロ・ピエール・グイディ ジェームス・カラド アントニオ・ジョビナッツ | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 75 | |
2 | 75 | フェリペ・ナッセ マシュー・ジャミネ ニック・タンディ | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 75 | 6.321 |
3 | 50 | アントニオ・フオコ ミゲル・モリーナ ニクラス・ニールセン | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 75 | 9.721 |
4 | 94 | ロイック・デュバル グスタボ・メネゼス ニコ・ミュラー | プジョー・トタルエナジーズ/ プジョー 9X8 | 75 | 20.301 |
5 | 2 | アール・バンバー アレックス・リン リチャード・ウェストブルック | キャデラック・レーシング/ キャデラック V-Series.R | 75 | 52.632 |
6 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 75 | 1:23.532 |
7 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ホセ・マリア・ロペス | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 75 | 1:25.352 |

