11月3日(金)、バーレーン・インターナショナル・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)今季最終戦となるバーレーン8時間の予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010 HYBRIDが予選1,2番手を獲得。決勝は最前列に並んでスタートすることとなりました。

ブレンドン・ハートレーがアタックを担当したGR010 HYBRID 8号車が、1分46秒564という圧倒的なタイムでポールポジションを獲得。小林可夢偉の7号車はチームメイトから0.489秒遅れの2番手で続き、チームに予選1-2をもたらしました。
ハートレーとセバスチャン・ブエミ、平川亮の3名がドライブする8号車にとって、今季2度目となるポールポジション。現在ランキングリーダーの8号車はこのポールポジション獲得ポイントにより、ランキング2位の7号車に対するポイント差を16へと広げました。これにより、8号車は明日の決勝で、3位以上、表彰台フィニッシュを飾れば2年連続のドライバーズチャンピオンを自力で決定できることとなります。
TGRは既にマニュファクチャラーズチャンピオンを決めており、チームにとって今季5度目のポールポジション、及び3度目の予選最前列独占から、バーレーンでの通算7勝目という好結果でシーズンを締めくくることを目指します。
前日2日(木)は、雨と強風に見舞われるなど荒れた天候でしたが、この日は暖かく乾燥したコンディションで、日没後の現地時間午後5時5分よりハイパーカークラスの予選が開始されました。2台のGR010 HYBRIDはミディアムコンパウンドのタイヤを選択し、セッション開始後3分ほどピットで待機してからアタックに向かいました。昨年のバーレーンでのポールシッターである8号車のハートレーが先にコースインし、それを追う形で、ここバーレーンでのハイパーカーコースレコードを持つ7号車の小林もコースへ向かいました。
2周にわたりタイヤを暖めた後にアタックに入ったハートレーは、一気にタイムシートのトップへと浮上。小林も2番手に付けました。2台はさらにタイムアップを狙い、翌周のセクター1ではタイムを更新する速さを見せましたが、タイヤに厳しいバーレーンではそれ以上のタイムアップは果たせず、15分間にわたる予選セッションの数分を残して2台共にピットへと戻りました。
ハードコンパウンドを選択した、他の10台に及ぶハイパーカーのライバルは、この2台のGR010 HYBRIDのタイムを上回ることはなく、ハートレーがトップ、小林が2番手のまま予選セッションが終了。これにより、GR010 HYBRIDは2台が最前列グリッドに並んで4日(土)の決勝レースをスタートすることになりました。8時間の長丁場で争われる決勝レースは現地時間午後2時(日本時間午後8時)にスタートが切られます。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
ブレンドン、素晴らしいアタックでのポールポジション獲得おめでとう。正直なところ、私のアタックは完璧ではなく、私自身の練習走行時のタイムには届きませんでした。自分のタイムにちょっと驚いていますし、何が起きたかよくわかりません。しかし、2番手には付けられましたし、本当に重要な明日の決勝レースは8時間の長丁場です。タイトル争いという面では、我々7号車がすべきことは何も変わりません。勝つしかありませんし、いつもと同じように臨むだけです。明日は長いレースで、タイヤの摩耗も激しいので、何が起こるかわかりません。ベストを尽くします。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
ポールポジションを取ろうと決めていたので、達成できて嬉しいです。GR010 HYBRIDは最高でした。チームが素晴らしい仕事をしてくれて、全てのセッティングが決まりました。ここバーレーンでの予選は、1周のみで決めなくてはならない本当に難しいコースなので、全てが上手くかみ合う必要があります。自分の感触では、完璧なアタックではなかったですが、とてもクリーンなラップでした。ポールポジション獲得はチャンピオン争いにおいても重要なので、チームは予選に重きを置き、ミディアムタイヤを選択しました。この1点を獲得したことで、7号車が優勝しても我々は3位に入ればタイトルが獲得できることになったので、非常に重要なポイント獲得になりました。しかし、我々にとってのレースへ臨む姿勢はいつもと変わらず、優勝を目指すのみです。今年はレーススタート直後のアクシデントが多いので、ポールポジションからスタートできるのは良いことです。
WEC第7戦バーレーン8時間 公式練習第3回目結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | 周回 | ベストタイム |
1 | 2 | アール・バンバー アレックス・リン リチャード・ウェストブルック | キャデラック・レーシング/ キャデラック V-Series.R | 29 | 1:49.512 |
2 | 50 | アントニオ・フオコ ミゲル・モリーナ ニクラス・ニールセン | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 27 | 1:50.010 |
3 | 99 | ニール・ジャニ ジャンマリア・ブルーニ ハリー・ティンクネル | プロトン・コンペティション/ ポルシェ 963 | 30 | 1:50.256 |
4 | 51 | アレッサンドロ・ピエール・グイディ ジェームス・カラド アントニオ・ジョビナッツィ | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 30 | 1:50.451 |
5 | 94 | ロイック・デュバル グスタボ・メネゼス ニコ・ミュラー | プジョー・トタルエナジーズ/ プジョー 9X8 | 29 | 1:50.526 |
8 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 31 | 1:51.770 |
9 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ホセ・マリア・ロペス | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 30 | 1:52.258 |
WEC第7戦バーレーン8時間 公式予選結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | ベストタイム |
1 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:46.564 |
2 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ホセ・マリア・ロペス | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:47.053 |
3 | 2 | アール・バンバー アレックス・リン リチャード・ウェストブルック | キャデラック・レーシング/ キャデラック V-Series.R | 1:47.265 |
4 | 6 | ケビン・エストレ アンドレ・ロッテラー ローレンス・バンスール | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 1:47.712 |
5 | 50 | アントニオ・フオコ ミゲル・モリーナ ニクラス・ニールセン | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 1:47.739 |

