11月3日(日)、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、バーレーン・インターナショナル・サーキットでの恒例のルーキーテストに参加。劇的な幕切れでタイトルを獲得した2024年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)のシーズンを締めくくりました。
バーレーン8時間レースでの勝利と、マニュファクチャラーズチャンピオン獲得を祝ったわずか数時間後、チームはシーズン最後の公式セッションとなる、恒例のルーキーテストに参加しました。
「若手有望ドライバーに機会を与える」というチームの取り組みの一環として、2人の若手ドライバーがGR010 HYBRIDをテストドライブしました。一人は20歳のフランス人ドライバー、エステバン・マッソン。マッソンは今シーズン、WECのLMGT3カテゴリーにAKKODIS ASPチームのLexus RC F GT3 87号車で参戦し、印象的な走りを見せました。
さらに、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)に参戦している21歳のレシャド・デ・ジェラスが、WECから公式に指名されたルーキードライバーとして、世界チャンピオンを獲得したハイパーカーをテストする機会を得ました。ジェラスとマッソンはGR010 HYBRID 7号車をドライブし、マイク・コンウェイがこの2人の若手ドライバーを指導するためにテストセッションに参加しました。
マッソンとジェラスは、事前にドイツ・ケルンにあるTGRチームの本拠地でシミュレーターセッションを行い、準備を整えると共に快適にテストをこなすため、特注のドライバーシートも製作しました。2人は午前中の2時間のセッションでGR010 HYBRIDを初めて実際にドライブし、マッソンは17周、ジェラスが21周を走破しました。
お昼を挟んでの午後の3時間のセッション序盤、2人は新しいタイヤを装着しての走行を試しましたが、他の車両がコース上に止まったことによる10分間ほどの赤旗中断に遮られることとなりました。
この日の終わりまでに、マッソンは62周、ジェラスは31周を走破。共に初めてのハイブリッド・パワートレーンを搭載したハイパーカードライブながら、その才能とプロ意識、そして潜在能力を十分に示しました。
エステバン・マッソン:
初めての耐久レースを戦ってからわずか1年で、このような素晴らしい機会を得られたことに感謝しています。チャンピオンを獲得した偉大なクルマをドライブし、チャンピオンチームの一員としての活動を楽しめました。ハイパーカーはこれまで私がドライブしてきた、どのクルマとも全く違うので、できる限り多くを学ぼうと努力しました。パワーも、ダウンフォースも、ブレーキ性能も全てが優れており、あらゆる面で圧倒的なパフォーマンスを発揮しますが、なによりも運転中の操作の全てが別物でした。テストの間、マイクが隣にいてくれたのは本当に助かりました。彼のおかげでクルマに慣れ、より高いパフォーマンスを引き出させてくれました。
レシャド・デ・ジェラス:
このような経験ができて本当に嬉しいです。チームはとても親身になってサポートしてくれて、特にシミュレーターセッションとシート合わせのためにケルンのファクトリーに行ったことは本当に助かりました。こうした準備のおかげで、最初からかなり自信を持って自分の為すべきことに取り組めました。世界チャンピオンチームで、ハイパーカーの世界とその車両を知る事ができたのは素晴らしい経験でした。このクルマは、私がよく知るLMP2カーとは大きく違いますが、それは主にシステムが非常に複雑であることが理由です。ドライバーとしては常にエンジニアと緊密に連携して作業を行うのは、その全てがとても楽しい時間でした。バーレーンは初めて走ったサーキットで、もちろんクルマも初体験だったので、走っている間は常に新しい発見がありました。