WEC2024年シーズン第3戦 スパ6時間 予選・ハイパーポールTOYOTA GAZOO Racing、
僅差の予選でGR010 HYBRID 8号車がハイパーポール進出も7番手 7号車は15番手から決勝での追い上げを目指す

2024.05.11(土)- 2:35配信

 5月10日(金)、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで、FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースの予選とハイパーポールが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRIDは8号車がハイパーポールへ進出し7番手、7号車は15番手グリッドから明日の決勝に臨むこととなりました。

僅差の予選でGR010 HYBRID 8号車がハイパーポール進出も7番手 7号車は15番手から決勝での追い上げを目指す

 セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は予選で2番手タイムをマークし、ハイパーポールへの進出を果たしたものの、ハイパーポールセッションでは7番手となりました。また、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車は15番手となりました。

 ハイパーカーのライバル達の強力なパフォーマンスの前に苦戦を強いられた予選結果となり、TGRの2台のGR010 HYBRIDは、トップ6圏外から決勝をスタートすることになりますが、ハートレーが予選で、タイヤ摩耗が著しいスパに最も適合したミディアムタイヤで好パフォーマンスを見せたことは明るい材料であり、明日のレースで上位争いに挑みます。

 ここスパで7連勝中のTGRは、3週間前の前戦イモラでも、的確なレース戦略とミスの無いドライビング、迅速なピット作業によってパフォーマンス不足を補い、今季初優勝を飾っており、今大会もその再現が期待されます。

 暖かな気候の下、ドライコンディションで午後3時50分より開始された予選は、TGRの2台にとって明暗の分かれるセッションとなりました。8号車のハートレーは最初のアタックラップで2分2秒586という好タイムをマークし、その時点でのタイムシートのトップに立ちました。セッション終盤、ライバルにかわされたものの、僅差となった予選を2番手で終え、ハイパーポールセッション進出を決めると共に、決勝での自信も深めることとなりました。一方7号車の小林は、最後までクリーンラップを得ることができず、諦めずにアタックを続けましたが、タイヤグリップのピークを過ぎてしまい、タイム更新はならず。15番手でハイパーポール進出を逃しました。

 予選上位10台によって争われたハイパーポールでは、規定により全車がソフトタイヤを装着してのアタックとなり、ハートレーは最初のアタックラップでベストタイムをマーク。その時点では暫定2番手でしたが、セッション後半はライバル勢がタイムを上げてきたことで順位を落とし、最終的に8号車は7番手グリッドとなりました。

 オーバーテイクが比較的しやすいスパですが、タイヤの摩耗対策が大きな課題です。TGRは、11日(土)午後1時(日本時間午後8時)にスタートが切られる決勝レースで追い上げ、世界選手権ポイントを獲得するためにもドライバー、エンジニア、そしてメカニックと、チーム一丸となって全19台のハイパーカーによるバトルへ挑みます。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)

 予選でのクルマの感触があまり良くなく、苦戦しました。何が原因だったのか、解決策を見出しているところです。残念ながら15番手と後方からのスタートとなりますが、6時間の長いレースですし、ここスパはイモラよりもずっとオーバーテイクがしやすいサーキットなので、明日の決勝では挽回できることを願っています。タイヤの摩耗は激しいですが、我々はこのコースでの経験が豊富ですし、それらを活かして上位争いを目指します。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)

 7番手グリッドという結果は望んでいたものではありませんでしたが、チームを誇りに思います。予選でのミディアムタイヤ装着時は、本当に素晴らしいクルマでした。素晴らしいラップを刻むことができ、セッション2番手という結果には満足しています。ハイパーポールでは全車がソフトタイヤを装着することになりましたが、ずっとソフトタイヤは使っていなかったので、満足いくクルマにはなりませんでした。何台かが予選に匹敵するタイムをマークしていたのには驚きましたが、私にはできませんでした。クリーンなラップも取れませんでしたが、最終的にはできることは全てやりました。ミディアムタイヤ装着時の感触は満足いくものですし、決勝での戦いには自信があります。

WEC第3戦スパ6時間 公式練習第3回目結果

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
16ケビン・エストレ
アンドレ・ロッテラー
ローレンス・バンスール
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963
222:04.125
251アレッサンドロ・ピエール・グイディ
ジェームス・カラド
アントニオ・ジョビナッツィ
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
252:04.340
393ミケル・イェンセン
ニコ・ミュラー
プジョー・トタルエナジーズ/
プジョー 9X8
232:04.357
450アントニオ・フオコ
ミゲル・モリーナ
ニクラス・ニールセン
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
232:04.374
515ドリス・ファントール
ラファエル・マルチェッロ
マルコ・ウィットマン
BMW M TEAM WRT/
BMW M Hybrid V8
222:04.465
67マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ニック・デ・フリース
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
252:04.473
78セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
252:04.511

WEC第3戦スパ6時間 公式予選結果

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 ベストタイム
150アントニオ・フオコ
ミゲル・モリーナ
ニクラス・ニールセン
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
2:02.462
28セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
2:02.586
35マット・キャンベル
ミカエル・クリステンセン
フレデリック・マコヴィッキィ
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963
2:02.675
483ロバート・クビサ
ロバート・シュワルツマン
イーフェイ・イエ
AFコルセ/
フェラーリ 499P
2:02.876
535ポール=ルー・シャタン
ジュール・グーノン
シャルル・ミレッシ
アルピーヌ・エンデュランス・チーム/
アルピーヌA424
2:02.898
157マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ニック・デ・フリース
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
2:03.738

WEC第3戦スパ6時間 ハイパーポール結果

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 ベストタイム
150アントニオ・フオコ
ミゲル・モリーナ
ニクラス・ニールセン
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
2:02.600
25マット・キャンベル
ミカエル・クリステンセン
フレデリック・マコヴィッキィ
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963
2:03.107
32アール・バンバー
アレックス・リン
キャデラック・レーシング/
キャデラック V-Series.R
2:03.115
499ニール・ジャニ
ジュリアン・アンドラウアー
プロトン・コンペティション/
ポルシェ 963
2:03.314
512ウィル・スティーブンス
カラム・アイロット
ハーツ・チームJOTA/
ポルシェ 963
2:03.384
78セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
2:03.572
GR010 HYBRID
GR010 HYBRID 8号車 7号車