TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、7月13日(日)に決勝が行われる2025年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦サンパウロ6時間に向かいます。チームにとって好成績を収めることが多いこの地で、シーズン後半戦の巻き返しを目指します。

インテルラゴス・サーキットは、TGRのWEC参戦史において重要な節目となった舞台です。2012年に現行WECで参戦を開始し、ここで初優勝を飾りました。その2年後には、初のWECマニュファクチャラーズチャンピオンを決めたのもインテルラゴスでした。昨年もこのサンパウロ大会でポール・トゥ・ウィンの圧倒的なパフォーマンスを披露し、タイトル獲得への大きな一歩となりました。
先月のル・マン24時間では、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースがドライブするGR010 HYBRID 7号車が5位に終わり、チームにとって、表彰台への復帰が最優先の目標です。ル・マンでは1998年のトヨタGT-Oneとして知られるTS020をモチーフにした特別カラーリングを施していた7号車でしたが、今大会から再びマットブラックの通常カラーリングに戻ります。
セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、先月のル・マン24時間で一時首位を走る好走を見せましたが、最終的には15位に終わりました。ブエミはル・マンの出場で、自身の持つWEC史上最多出場記録を90に更新しましたが、今大会は同じ週末に行われるフォーミュラEに出場するため欠場となり、8号車はハートレーと平川の2人で挑みます。
これまでに4回WEC戦が行われたこのインテルラゴスで、TGRは2度のポールポジションと2度の優勝、3度の表彰台フィニッシュを果たしています。8つのマニュファクチャラーから18台が出場する激しい競争が繰り広げられているハイパーカークラスで、チームはこのブラジルラウンドでの上位復帰を目指します。
反時計回りで1周4.309kmのインテルラゴス・サーキットは、サンパウロ出身で、ル・マンやF1で活躍した伝説的なブラジル人ドライバーにちなみ、公式名称が「アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ」と命名されています。このサーキットはブラジルのモータースポーツの聖地であり、2012年以来4回のWEC戦が行われてきました。
コース上での走行は、7月11日(金)に始まり、2回の90分間の練習走行が行われます。翌日の12日(土)には、午前中に1時間の最終練習走行が行われ、その後にスターティンググリッドを決定するための予選とハイパーポールが午後3時25分(日本時間では13日(日)午前3時25分)から実施されます。そして、6時間の決勝レースは13日(日)午前11時半(日本時間では午後11時半)にスタートが切られます。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
チーム全員が再びレース現場に戻れることを楽しみにしています。特にブラジルは最高です。ブラジルトヨタからのサポートは素晴らしく、サーキットの雰囲気も本当に特別です。ル・マンでは望んでいた結果を得ることができず、事実上、今年のチャンピオン獲得はほぼ不可能になってしまいました。しかし、我々は最後まで諦めることなく、すべてのレースで勝利を目指して戦い続けます。ライバルは今シーズンここまで強力なパフォーマンスを見せているため、挑戦が待ち受けていることは分かっていますが、我々も全員一丸となって懸命に取り組んでいます。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
ル・マンの後すぐにレースに戻れるのは嬉しいことです。とはいえ、休息と再調整の時間も確保できたので、再び戦う準備は整っています。またブラジルでレースができるのを楽しみにしています。ブラジルは真のモータースポーツの国であり、ファンの皆さんも本当に素晴らしいです。サーキットも長い歴史を持ち、特別な場所なので、訪れるたびに楽しむことができます。これまでブラジルでは好成績を残してきましたし、再び表彰台に上れるよう頑張ります。
ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):
昨年インテルラゴスで初めてレースを戦いましたが、最高の経験でした。ブラジルのファンの皆さんからの温かい応援がある一方で、サーキットはグリップが非常に低く、適切なセットアップを導き出すのが難しいという挑戦が待ち受けています。また、1周が短いため、コース上のトラフィックもひどく、それをかいくぐりながら走る、かなり慌ただしいレースになると思います。エキサイティングなレースになるでしょうし、楽しみにしています。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
昨年、インテルラゴスで2台とも力強いレースを戦えたことは、今週末に向けて自信を与えてくれます。インテルラゴスは我々のシーズンのハイライトのひとつであり、ブラジルトヨタの関係者やサーキットを訪れたファンの皆さんからの多大なサポートを受けられるだけでなく、その雰囲気も本当に特別です。ル・マンを終え、我々全員が力強いリザルトで後半戦のスタートを切ることを望んでいます。8号車は今回セブを欠くことになり残念ですが、亮と二人で6時間を戦うことには問題はありません。
平川亮(8号車 ドライバー):
昨年ブラジルでの初レースは本当に楽しむことができました。8号車にとって、昨年レースはシーズン初勝利であり、タイトル争いにおいても重要な結果でした。今年もその再現を目指し、チーム一丸となって表彰台に返り咲くべく、全力を尽くしています。今回8号車がブレンドンと私の二人で戦うことになりますが、いつもより多く走れるのは嬉しいことです。でも、セブが欠場するのは残念です。我々のチームスピリットは本当に強力で、ル・マン後の雪辱に燃えています。


2024年シーズン第5戦サンパウロ6時間より
