厳しい状況に直面しながらも、チームとドライバーはインテルラゴス・サーキットでGR010 HYBRIDの最大限のポテンシャルを引き出すために全力で取り組みました。8号車を駆るブレンドン・ハートレーと平川亮は10番手グリッド、7号車の小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースは18番手から決勝をスタートします。

　公式練習走行3回目から始まったこの日、その1時間のセッションでチームとドライバーは予選を想定したセットアップをテストし、その後は決勝に向けた準備とタイヤの分析へと切り替えました。平川が記録した8号車のタイムはこのセッションでのトップタイムとなりましたが、その後の予選セッションに対する期待にはつながりませんでした。

　昨年のインテルラゴスのポールシッターである小林が7号車、そして、自身3度目の予選アタッカーを担当することとなった平川が8号車を駆り、雲り空の下で12分間の予選に挑みました。

　1周4.309kmのインテルラゴスは、WECカレンダー中で最も短いサーキットであり、ドライバーとレースエンジニアにとっては、コース上の車両の混雑を避けてクリーンなアタックラップを見つけるのが難しくなります。7号車の小林は、1分以上ピットで待機した後にコースへ向かいましたが、ラップタイムは18番手に留まりました。

　一方、8号車の平川はこのセッションで好走を見せ、10番手タイムで上位グリッドを決めるハイパーポールへの進出を果たしました。10分間のハイパーポールでは、終盤に記録したタイムで一時は9番手に浮上したものの、チェッカーラップでかわされ、最終的に10番手グリッドとなりました。

　予選はTGRにとって悔しい結果となりましたが、チームは戦略やドライビング、迅速なピットを駆使して順位を上げ、今季前半の戦いで何度も上位フィニッシュを飾った経験を活かし、決勝に挑みます。6時間で争われる決勝は、13日（日）午前11時半（日本時間午後11時半）にスタートが切られます。

小林可夢偉（チーム代表 兼 7号車 ドライバー）

　昨年の結果が良かったため、大きな期待を持ってこのブラジルにきましたが、これまでのところ思うようにはいっていません。決勝では何かポジティブなものを得たいと考えています。8号車が10番手、我々7号車が18番手というのは、我々が望んでいた結果ではありませんが、これが現実です。決勝ではポジションを上げ、2台ともにポイントを獲得できればと思っています。

平川亮（8号車 ドライバー）

　ここブラジルでの我々のパフォーマンスやライバルの速さを考えると、ハイパーポールへの進出は我々にとって最大限の結果だったと思います。厳しいレースウィークで、決勝もチャレンジングなものになるでしょうが、10番手スタートは悪くありません。決勝では追い上げて、今季初の表彰台を目指して頑張ります。