TOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムELMS第4戦 スパ・フランコルシャン
宮田莉朋、表彰台を争うも5位フィニッシュ

2024.08.26(月)- 17:00配信

 8月23日(金)から25日(日)にかけてベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われた2024年ELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)第4戦スパ・フランコルシャン4時間レースに、TGR WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋が出場。大荒れとなった前半戦のあとにステアリングを握り、3位まで順位を上げましたが、最後はチームメイトがタイヤで苦しみ5位フィニッシュとなりました。

宮田莉朋、表彰台を争うも5位フィニッシュ

 昨年国内のスーパーフォーミュラとSUPER GTでダブルチャンピオンを獲得した宮田莉朋が、今年はTOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムのドライバーとして世界に舞台を移し、FIA-F2選手権とELMSのLMP2クラスに参戦しています。
 ELMSは名前の通りヨーロッパを舞台とする、全6戦のシリーズで、成績上位チームにはル・マン24時間レースへの出場権が与えられ、LMP2、LMP2プロ/アマ、LMP3、LMGT3の4クラスの混走でレースが行われます。宮田はこの中で最速のLMP2クラスに、スイスのチームであるクール・レーシングから、ロレンツォ・フルクサ、マルテ・ヤコブセンと共に37号車で参戦。開幕戦のバルセロナでは、デビュー戦ながら見事初優勝を勝ち取りました。第2戦ル・カステレでは好走を見せるもトラブルでリタイア。第3戦はFIA-F2と同一週末の開催により欠場したため、宮田にとっては6月のル・マン24時間以来2か月ぶりの耐久レースとなります。
 今大会の舞台となるスパ・フランコルシャンは言わずと知れた伝統のコースですが、宮田は1か月前にFIA-F2でレースを戦い入賞を果たしており、活躍に期待がかかりました。

予選

 24日(土)LMP2クラスの予選は、他のカテゴリーのあと、午後3時15分より15分間で行われました。クール・レーシングの37号車は、宮田が開幕戦以来となる今季2度目の予選アタックを担当することとなりました。
 セッションが開始されると共に一斉に全車コースイン。気温28度、路面温度43度のコンディションながら各車入念にタイヤのウォームアップを行い、3周目あたりからアタックに入り始める中、セッションが折り返しを過ぎた残り6分ほどのところで、1台がコースオフを喫してグラベルにストップ。セッションは赤旗中断となりました。
 この時点で宮田はまだアタックに入っておらず、最後尾14番手。赤旗が出され止まってしまった車両を排除する作業が進む中、宮田の37号車と同チームから参戦している47号車もコースオフを喫してグラベルにストップ。最初の車両の排除と、47号車がピットへ戻るまで10分強の中断となった後、残り5分40秒でセッションが再開されました。
 宮田は再開後最初のアタックで2分04秒684を刻み、その時点での7番手に順位を上げると、翌周には2分02秒064という好タイムをマークし、2列目4番手の好グリッドを獲得しました。

宮田莉朋:

 僕が開幕戦バルセロナ以来の予選を担当することになりました。あの時は5番手で、その後も僕らのチームは第2戦、第3戦とどちらもチームメイトのマルテ選手が担当して5番手がベストのリザルトだったので、今回ひとつではありますが、4番手ということで今季ベストのリザルトを残せました。ドライビング的にはベストは尽くしたのですが、まとめきれずもう少しこうしたかったなという部分はあります。赤旗も出て、難しいセッションではあったので、4番手というのはまずまずかなと思いますし、2列目からなので、明日は良いところからスタートできるんじゃないかなと思います。チームも明るい雰囲気なので少しほっとしています。明日の決勝に向けてどうすべきか、チームとミーティングを重ねてしっかり臨みたいと思います。

【決勝】

 25日(日)はやや空には雲があるものの、その間から強い日差しが照らす中、午前11時半より4時間で争われる決勝レースのスタートが切られました。
 37号車はフルクサがスタートを担当。このフルクサが担当した前半の2時間は、接触による多重クラッシュが頻発。合計4回に渡るセーフティカーが導入される荒れた展開となりました。
 4番手グリッドスタートのフルクサはすぐに3位へとポジションを上げ、着実に走行。スタート後1時間半ほど経過したところで出された3度目のセーフティカーからの再スタートで、またも2台が接触しコースオフ。セーフティカーが出される前に37号車はピットへ向かい、宮田へとドライバー交代を行いました。
 その直後に4度目のセーフティカー導入。この時点で、前にはピットタイミングが異なる他クラスの車両がおり、37号車は総合7位につけていましたが、再スタートが切られると、宮田はこれらの他クラス車両をかわし、総合4位へと浮上しました。
 さらに前の車両との差を詰めていった宮田は、45周目に1台かわして3位へポジションアップ。61周を走り切ってチームメイトのヤコブセンへと交代しました。
 ヤコブセンは3位でレースを続行し、表彰台獲得へ期待がかかりましたが、レース終盤、左前タイヤの異常摩耗に苦しめられペースダウン。5位でチェッカーを受けました。

宮田莉朋:

 結果は5位ということで、トラブルもあり上手くいきませんでした。残念な結果ですが、次のレースに向けて気持ちを切り替えていきたいと思います。応援ありがとうございました。

ELMS 第4戦 スパ・フランコルシャン4時間レース 宮田莉朋 個人成績(LMP2クラス)

予選) 2分02秒064(LMP2クラス4番手)
決勝) Fastest Time 2:02:261(LMP2/LMP2プロアマクラス決勝出走66人中15位)
走行周回数27周(全95周中)

ELMS第4戦 決勝結果(総合)

順位No.チームドライバー名車両周回タイム/差予選
114AO by TFJonny EDGAR
Louis DELÉTRAZ
Robert KUBICA
Oreca 07 - Gibson954:01'28.7291
243Inter Europol CompetitionSebastian ALVAREZ
Vladislav LOMKO
Tom DILLMANN
Oreca 07 - Gibson951.1003
328IDEC SportMarcos SIEBERT
Reshad DE GERUS
Job VAN UITERT
Oreca 07 - Gibson9532.43610
434Inter Europol CompetitionOliver GRAY
Clément NOVALAK
Luca GHIOTTO
Oreca 07 - Gibson9533.7319
537COOL RacingLorenzo FLUXA
Malthe JAKOBSEN
Ritomo MIYATA
Oreca 07 - Gibson9545.6584
665Panis RacingManuel MALDONADO
Charles MILESI
Arthur LECLERC
Oreca 07 - Gibson9547.2732
79Iron Lynx - ProtonJonas RIED
Maceo CAPIETTO
Matteo CAIROLI
Oreca 07 - Gibson9557.0228
883AF CorseFrançois PERRODO
Matthieu VAXIVIERE
Alessio ROVERA
Oreca 07 - Gibson951'01.30316
977Proton CompetitionGiorgio RODA
René BINDER
Bent VISCAAL
Oreca 07 - Gibson951'18.60814
1010Vector SportRyan CULLEN
Stéphane RICHELMI
Felipe DRUGOVICH
Oreca 07 - Gibson951'25.5287

ELMS第4戦終了時ランキング

順位No.チームドライバーポイント
114Jonny EDGAR
Louis DELÉTRAZ
Robert KUBICA
AO by TF65
243Sebastian ALVAREZ
Vladislav LOMKO
Tom DILLMANN
Inter Europol Competition63
328Job VAN UITERT
Reshad DE GERUS
IDEC Sport50
465Manuel MALDONADO
Charles MILESI
Arthur LECLERC
Panis Racing48
537Lorenzo FLUXA
Malthe JAKOBSEN
COOL Racing35
637Ritomo MIYATACOOL Racing35
725Alexander LYNN
Matthias KAISER
Olli CALDWELL
Algarve Pro Racing28
822Benjamin HANLEY
Filip UGRAN
Marino SATO
United Autosports28
928Marcos SIEBERTIDEC Sport25
1028Paul LAFARGUEIDEC Sport25
宮田莉朋
宮田莉朋