8月23日(金)から25日(日)にかけてベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われた2024年ELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)第4戦スパ・フランコルシャン4時間レースに、TGR WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋が出場。大荒れとなった前半戦のあとにステアリングを握り、3位まで順位を上げましたが、最後はチームメイトがタイヤで苦しみ5位フィニッシュとなりました。

昨年国内のスーパーフォーミュラとSUPER GTでダブルチャンピオンを獲得した宮田莉朋が、今年はTOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムのドライバーとして世界に舞台を移し、FIA-F2選手権とELMSのLMP2クラスに参戦しています。
ELMSは名前の通りヨーロッパを舞台とする、全6戦のシリーズで、成績上位チームにはル・マン24時間レースへの出場権が与えられ、LMP2、LMP2プロ/アマ、LMP3、LMGT3の4クラスの混走でレースが行われます。宮田はこの中で最速のLMP2クラスに、スイスのチームであるクール・レーシングから、ロレンツォ・フルクサ、マルテ・ヤコブセンと共に37号車で参戦。開幕戦のバルセロナでは、デビュー戦ながら見事初優勝を勝ち取りました。第2戦ル・カステレでは好走を見せるもトラブルでリタイア。第3戦はFIA-F2と同一週末の開催により欠場したため、宮田にとっては6月のル・マン24時間以来2か月ぶりの耐久レースとなります。
今大会の舞台となるスパ・フランコルシャンは言わずと知れた伝統のコースですが、宮田は1か月前にFIA-F2でレースを戦い入賞を果たしており、活躍に期待がかかりました。
予選
24日(土)LMP2クラスの予選は、他のカテゴリーのあと、午後3時15分より15分間で行われました。クール・レーシングの37号車は、宮田が開幕戦以来となる今季2度目の予選アタックを担当することとなりました。
セッションが開始されると共に一斉に全車コースイン。気温28度、路面温度43度のコンディションながら各車入念にタイヤのウォームアップを行い、3周目あたりからアタックに入り始める中、セッションが折り返しを過ぎた残り6分ほどのところで、1台がコースオフを喫してグラベルにストップ。セッションは赤旗中断となりました。
この時点で宮田はまだアタックに入っておらず、最後尾14番手。赤旗が出され止まってしまった車両を排除する作業が進む中、宮田の37号車と同チームから参戦している47号車もコースオフを喫してグラベルにストップ。最初の車両の排除と、47号車がピットへ戻るまで10分強の中断となった後、残り5分40秒でセッションが再開されました。
宮田は再開後最初のアタックで2分04秒684を刻み、その時点での7番手に順位を上げると、翌周には2分02秒064という好タイムをマークし、2列目4番手の好グリッドを獲得しました。
宮田莉朋:
僕が開幕戦バルセロナ以来の予選を担当することになりました。あの時は5番手で、その後も僕らのチームは第2戦、第3戦とどちらもチームメイトのマルテ選手が担当して5番手がベストのリザルトだったので、今回ひとつではありますが、4番手ということで今季ベストのリザルトを残せました。ドライビング的にはベストは尽くしたのですが、まとめきれずもう少しこうしたかったなという部分はあります。赤旗も出て、難しいセッションではあったので、4番手というのはまずまずかなと思いますし、2列目からなので、明日は良いところからスタートできるんじゃないかなと思います。チームも明るい雰囲気なので少しほっとしています。明日の決勝に向けてどうすべきか、チームとミーティングを重ねてしっかり臨みたいと思います。
【決勝】
25日(日)はやや空には雲があるものの、その間から強い日差しが照らす中、午前11時半より4時間で争われる決勝レースのスタートが切られました。
37号車はフルクサがスタートを担当。このフルクサが担当した前半の2時間は、接触による多重クラッシュが頻発。合計4回に渡るセーフティカーが導入される荒れた展開となりました。
4番手グリッドスタートのフルクサはすぐに3位へとポジションを上げ、着実に走行。スタート後1時間半ほど経過したところで出された3度目のセーフティカーからの再スタートで、またも2台が接触しコースオフ。セーフティカーが出される前に37号車はピットへ向かい、宮田へとドライバー交代を行いました。
その直後に4度目のセーフティカー導入。この時点で、前にはピットタイミングが異なる他クラスの車両がおり、37号車は総合7位につけていましたが、再スタートが切られると、宮田はこれらの他クラス車両をかわし、総合4位へと浮上しました。
さらに前の車両との差を詰めていった宮田は、45周目に1台かわして3位へポジションアップ。61周を走り切ってチームメイトのヤコブセンへと交代しました。
ヤコブセンは3位でレースを続行し、表彰台獲得へ期待がかかりましたが、レース終盤、左前タイヤの異常摩耗に苦しめられペースダウン。5位でチェッカーを受けました。
宮田莉朋:
結果は5位ということで、トラブルもあり上手くいきませんでした。残念な結果ですが、次のレースに向けて気持ちを切り替えていきたいと思います。応援ありがとうございました。
ELMS 第4戦 スパ・フランコルシャン4時間レース 宮田莉朋 個人成績(LMP2クラス)
予選) 2分02秒064(LMP2クラス4番手)
決勝) Fastest Time 2:02:261(LMP2/LMP2プロアマクラス決勝出走66人中15位)
走行周回数27周(全95周中)
ELMS第4戦 決勝結果(総合)
順位 | No. | チーム | ドライバー名 | 車両 | 周回 | タイム/差 | 予選 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 14 | AO by TF | Jonny EDGAR Louis DELÉTRAZ Robert KUBICA | Oreca 07 - Gibson | 95 | 4:01'28.729 | 1 |
2 | 43 | Inter Europol Competition | Sebastian ALVAREZ Vladislav LOMKO Tom DILLMANN | Oreca 07 - Gibson | 95 | 1.100 | 3 |
3 | 28 | IDEC Sport | Marcos SIEBERT Reshad DE GERUS Job VAN UITERT | Oreca 07 - Gibson | 95 | 32.436 | 10 |
4 | 34 | Inter Europol Competition | Oliver GRAY Clément NOVALAK Luca GHIOTTO | Oreca 07 - Gibson | 95 | 33.731 | 9 |
5 | 37 | COOL Racing | Lorenzo FLUXA Malthe JAKOBSEN Ritomo MIYATA | Oreca 07 - Gibson | 95 | 45.658 | 4 |
6 | 65 | Panis Racing | Manuel MALDONADO Charles MILESI Arthur LECLERC | Oreca 07 - Gibson | 95 | 47.273 | 2 |
7 | 9 | Iron Lynx - Proton | Jonas RIED Maceo CAPIETTO Matteo CAIROLI | Oreca 07 - Gibson | 95 | 57.022 | 8 |
8 | 83 | AF Corse | François PERRODO Matthieu VAXIVIERE Alessio ROVERA | Oreca 07 - Gibson | 95 | 1'01.303 | 16 |
9 | 77 | Proton Competition | Giorgio RODA René BINDER Bent VISCAAL | Oreca 07 - Gibson | 95 | 1'18.608 | 14 |
10 | 10 | Vector Sport | Ryan CULLEN Stéphane RICHELMI Felipe DRUGOVICH | Oreca 07 - Gibson | 95 | 1'25.528 | 7 |
ELMS第4戦終了時ランキング
順位 | No. | チーム | ドライバー | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 14 | Jonny EDGAR Louis DELÉTRAZ Robert KUBICA | AO by TF | 65 |
2 | 43 | Sebastian ALVAREZ Vladislav LOMKO Tom DILLMANN | Inter Europol Competition | 63 |
3 | 28 | Job VAN UITERT Reshad DE GERUS | IDEC Sport | 50 |
4 | 65 | Manuel MALDONADO Charles MILESI Arthur LECLERC | Panis Racing | 48 |
5 | 37 | Lorenzo FLUXA Malthe JAKOBSEN | COOL Racing | 35 |
6 | 37 | Ritomo MIYATA | COOL Racing | 35 |
7 | 25 | Alexander LYNN Matthias KAISER Olli CALDWELL | Algarve Pro Racing | 28 |
8 | 22 | Benjamin HANLEY Filip UGRAN Marino SATO | United Autosports | 28 |
9 | 28 | Marcos SIEBERT | IDEC Sport | 25 |
10 | 28 | Paul LAFARGUE | IDEC Sport | 25 |

