FIA-F2の第6戦がスペインのバルセロナ・カタルニア・サーキットで行われ、TGR WECチャレンジプログラムから同シリーズに今季よりフル参戦している宮田莉朋が、予選で6番手を獲得。スプリントレースで7位入賞を果たしました。

6月21日(金)から23日(日)にかけて、スペインのバルセロナ・カタルニア・サーキットで2024年FIA-F2第6戦が開催されました。FIA-F2には今季TOYOTA GAZOO Racing(TGR) WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋がロディン・モータースポーツからフル出場しています。
宮田は開幕戦サヒール(バーレーン)のフィーチャーレースで9位に入り、デビュー戦で入賞、ポイントを獲得。第3戦アルバートパーク(オーストラリア)でもスプリントレース、フィーチャーレース共に5位フィニッシュとポイント獲得を果たしました。しかし、約2か月のインターバルの後に舞台が欧州へと移ってからは、ほとんどのコースが初経験の宮田に対し、ライバル勢は走行経験の豊富なコースということもあり、第4戦イモラ、第5戦モナコと連続で入賞を逃し苦しい戦いが続いています。
前大会モナコから約1か月のインターバルを経ての開催となる、今大会の舞台は、宮田が今季ELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)開幕戦で優勝を飾り、FIA-F2でもシーズン前テストで走っているバルセロナ。F1スペインGPのサポートレースとしても注目度の高い今大会、走行経験のあるコースでの宮田の走りに期待がかかりました。
予選
21日(金)午前中の練習走行を経て、好天の下で午後3時55分から30分間の予選が行われました。開始6分半ほどでクラッシュ車両により赤旗が出されセッションが中断。7分ほどの中断の後に再開されると、各車一回アタックした後、タイヤを交換し、残り9分を切ったところで全車最後のアタックへ向かいました。
宮田は一時タイムシートの2番手につけますが、その後他車がタイムを上げたことで、最終的にはポールと0.222秒差の6番手に。セクター1は全体ベストを記録する速さを見せて予選を終えました。この結果、上位10台がリバースグリッドとなるスプリントレースでは、2列目4番手からスタートを切ることとなりました。
【スプリントレース】
22日(土)午後2時15分より、タイヤ交換義務無しの26周で争われるスプリントレースが行われました。
このレースは予選の上位10台がリバースグリッド(逆順)となるため、予選6番手の宮田は2列目4番手グリッドからのスタート。宮田はスタートダッシュを見事に決めると上手く前車のラインをかわして一気に2位へと浮上しました。
宮田は3周目にこのレースでのファステストラップを記録。後方では3位争いが激しさを増す中で、宮田は首位を追いましたが、1秒少しの差での追走が続くこととなりました。
その後、順位は変わらないまま周回が重ねられていく中で、宮田はタイヤを最後までマネージメントするためにぎりぎりのラインで攻め続けました。しかし、宮田には複数回のトラックリミット違反という裁定が下され、合計10秒のペナルティがレース後の結果に加えられることとなってしまいました。
宮田は26周ポジションを守り抜き、2位でチェッカーを受けましたが、ペナルティによるタイム加算を科され、さらに他の多くのドライバーもペナルティを受けたことで、最終的なレース結果は7位に。それでもスプリントレースの入賞圏内であるトップ8フィニッシュを果たし、今季4度目のポイント獲得。3周目に記録したタイムが最後まで破られずにファステストタイムとなったことで合計3点を獲得しました。
宮田莉朋:
4番手からのスタートで、1コーナーで2位まで上がることができ、順調に見えたと思うのですが、トラックリミットのペナルティを受けてしまって、結果7位で終えました。ペナルティは残念な部分ではありますが、これも学びだと自分は感じていますし、ファステストはしっかり取れたので、チームの素晴らしい仕事と、皆さんの応援が力になったと思っています。明日フィーチャーレースは6番手からスタートなので、いいレースが出来るようにチームと共に一生懸命頑張っていきたいと思います。
【フィーチャーレース】
23日(日)のフィーチャーレースはタイヤ交換義務有りの37周で争われました。午前11時35分、直前に軽い雨が見られたものの天候は回復し、路面はドライ。全日までよりはやや涼しいコンディションでスタートが切られました。
宮田は3列目6番手グリッド。5番手グリッドの車両がピットスタートとなったことで、実質5番手からのスタートとなりましたが、スタートダッシュでやや出遅れ、後続に飲み込まれそうになるもなんとか7位でレースを開始しました。
1周目から、後続集団で多重クラッシュが発生しセーフティカーが導入。3周目にレースが再開されると、ソフトタイヤの宮田はペースが上がらず、周りのハードタイヤ勢に攻められる状況に。
9周目、早めのタイミングで宮田はピットへ向かい、タイヤ交換を行いましたが、ここでタイムを失い、スタート時下位にいた車両の後塵を拝することとなってしまいました。
コースは中盤、2度にわたるVSC(バーチャル・セーフティカー)が入るなどの荒れた展開となる中、宮田はライバル勢と順位を入れ替えながらのバトルを展開。36周目には前を行く車両を1台かわすも、13位でチェッカーを受けました。
宮田莉朋:
フィーチャーレースはポイント圏外で終わることとなり、残念な結果になってしまいました。応援して頂いた皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。スプリントレースではクルマも良い方向で終えられたのですが、フィーチャーレースではその調子の良さがなくなり、苦しいレースになってしまいました。この原因はしっかりチーム、エンジニアとミーティングをして、来週末に向けて準備していきたいと思います。来週末のレッドブル・リンクは再び初めてのコースになるので、バルセロナとはまた違った状況からのスタートですが、諦めずにこれからも一生懸命頑張っていきます。今週末も応援、ありがとうございました。
FIA-F2第6戦 予選結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム | ベストタイム |
---|---|---|---|---|
1 | 17 | Paul Aron | Hitech Pulse-Eight | 1:24.766 |
2 | 7 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 1:24.768 |
3 | 12 | Franco Colapinto | MP Motorsport | 1:24.772 |
4 | 10 | Gabriel Bortoleto | Invicta Racing | 1:24.821 |
5 | 4 | Andrea Kimi Antonelli | Prema Racing | 1:24.871 |
6 | 6 | Ritomo Miyata | Rodin Motorsport | 1:24.948 |
7 | 24 | Joshua Dürksen | PHM AIX Racing | 1:24.988 |
8 | 8 | Juan Manuel Correa | DAMS Lucas Oil | 1:25.012 |
9 | 1 | Victor Martins | ART Grand Prix | 1:25.171 |
10 | 9 | Kush Maini | Invicta Racing | 1:25.199 |
FIA-F2第6戦 スプリントレース結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Victor Martins | ART Grand Prix | 26 | 39:47.280 | 2 |
2 | 9 | Kush Maini | Invicta Racing | 26 | 4.411 | 1 |
3 | 17 | Paul Aron | Hitech Pulse-Eight | 26 | 8.625 | 9 |
4 | 7 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 26 | 9.096 | 8 |
5 | 10 | Gabriel Bortoleto | Invicta Racing | 26 | 10.742 | 6 |
6 | 20 | Isack Hadjar | Campos Racing | 26 | 11.612 | 10 |
7 | 6 | Ritomo Miyata | Rodin Motorsport | 26 | 12.641 | 4 |
8 | 8 | Juan Manuel Correa | DAMS Lucas Oil | 26 | 12.968 | 3 |
9 | 2 | Zak O'Sullivan | ART Grand Prix | 26 | 25.925 | 11 |
10 | 24 | Joshua Dürksen | PHM AIX Racing | 26 | 26.814 | 14 |
FIA-F2第6戦 フィーチャーレース結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 37 | 59:46.800 | 2 |
2 | 12 | Franco Colapinto | MP Motorsport | 37 | 1.4 | 3 |
3 | 8 | Juan Manuel Correa | DAMS Lucas Oil | 37 | 5.82 | 8 |
4 | 17 | Paul Aron | Hitech Pulse-Eight | 37 | 11.486 | 1 |
5 | 20 | Isack Hadjar | Campos Racing | 37 | 14.72 | 11 |
6 | 9 | Kush Maini | Invicta Racing | 37 | 19.333 | 10 |
7 | 10 | Gabriel Bortoleto | Invicta Racing | 37 | 20.4 | 4 |
8 | 5 | Zane Maloney | Rodin Motorsport | 37 | 22.692 | 17 |
9 | 16 | Amaury Cordeel | Hitech Pulse-Eight | 37 | 24.442 | 18 |
10 | 21 | Pepe Martí | Campos Racing | 37 | 24.919 | 14 |
13 | 6 | Ritomo Miyata | Rodin Motorsport | 37 | 35.955 | 6 |
FIA-F2第6戦終了時ランキング
順位 | No. | ドライバー名 | チーム | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 17 | Paul Aron | Hitech Pulse-Eight | 100 |
2 | 20 | Isack Hadjar | Campos Racing | 91 |
3 | 5 | Zane Maloney | Rodin Motorsport | 73 |
4 | 7 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 62 |
5 | 10 | Gabriel Bortoleto | Invicta Racing | 60 |
6 | 11 | Dennis Hauger | MP Motorsport | 56 |
7 | 12 | Franco Colapinto | MP Motorsport | 56 |
8 | 9 | Kush Maini | Invicta Racing | 50 |
9 | 4 | Andrea Kimi Antonelli | Prema Racing | 48 |
10 | 2 | Zak O'Sullivan | ART Grand Prix | 40 |
15 | 6 | Ritomo Miyata | Rodin Motorsport | 19 |

