WRC 第7戦 ラリー・ポルトガル / 第8戦 ラリー・イタリア サルディニア プレビュー
戦いの舞台は南米からヨーロッパに移動
南欧グラベルラリー連戦にヤリスWRCで挑む
2019.5.24(金) - 18:00配信
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、5月30日(木)から6月2日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC) 第7戦ラリー・ポルトガルと、6月13日(木)から16日(日)にかけて開催される第8戦ラリー・イタリア サルディニアの南ヨーロッパ グラベルラリー2連戦に、オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)の、3台のヤリスWRCで参戦します。
- ヤリスWRC
2019年のWRCは、第5戦ラリー・アルゼンティーナ、第6戦ラリー・チリと、2戦連続で南米のグラベル(未舗装)ラリーが続きました。そして戦いの舞台は移り、ヨーロッパでの今シーズン最初のグラベルラリーとなるラリー・ポルトガルと、ラリー・イタリア サルディニアが、1週間のインターバルを置いて開催されます。
第7戦ラリー・ポルトガルは、昨年と変わらずポルトガル北部ポルトの近郊、マトジニョスのサービスパークを中心に行われます。テクニカルなセクションを含む中高速のステージが多く、道の表面は「ルーズグラベル」と呼ばれる、目の細かな砂利や砂に覆われています。そのため、出走順が早い選手は滑りやすいルーズグラベルが多い状態の路面を走らなければならず、タイヤのグリップが十分に得られません。また、土質が軟らかい路面も多いため、ステージを2回目に走行する際は下から硬い石が現れ、深い轍(わだち)も刻まれます。
ラリーはサービスパーク南側の古都コインブラでのセレモニアルスタートで木曜日に開幕。金曜日から競技が始まり、2001年の大会以来久々に、アルガニルの周辺でSSが行なわれます。3本のステージを日中のサービスを挟むことなく各2回走行し、1日の終わりにはロウサダのラリークロスサーキットでスーパーSSが行なわれます。土曜日は多くの選手にとって馴染みのあるエリアで、3本のステージを各2回走行。その中には、カブレイラ山脈の風光明媚なステージも含まれます。最終日の日曜日は5本のステージを走行。そのうちSS17/20ファフェは、大勢の観客が集まるビッグジャンプで有名な、ラリー・ポルトガルの名物ステージです。全20本のSSの合計距離は306.97km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1433.15kmとなります。
続く第8戦ラリー・イタリア サルディニアは、地中海に浮かぶイタリアのサルディニア島北部、アルゲーロにサービスパークが置かれます。ラリー全体の構成は昨年と非常に似ており、島北部のグラベルロードを走行します。全体的に道幅の狭い中高速ステージが中心で、路面の多くは目が細かい砂に覆われています。しかし、多くのクルマが走ると表面の砂が掃け、下から硬質な路面や石が現れます。また、同じステージを2回目に走行する際には、深い轍ができるステージもあります。道の両側には木々が迫り、大きな石や岩もあるため精度の高いドライビングが求められます。さらに、天候次第では気温がかなり上昇することも多く、クルマにとって非常に厳しいラリーだといえます。
ラリーは木曜日の晩、アルゲーロ近郊のモトクロスサーキットでスーパーSSが行われ、戦いの火蓋が切られます。金曜日はサービスパークの東北エリアで4本のステージを各2回走行。土曜日は東側で3本のステージを各2回走ります。そのうち、SS11/12モンテ・レルノは「ミッキージャンプ」というニックネームで呼ばれる大きなジャンプが有名な、人気ステージです。最終日となる日曜日は、アルゲーロの北側にある美しい海岸地帯で2本のステージを各2回走行。全19本のSSの合計距離は310.52km、リエゾンも含めた総走行距離は1383.64kmとなります。
1週間のインターバルを置いて開催されたラリー・アルゼンティーナとラリー・チリと同様、ラリー・ポルトガルとラリー・イタリア サルディニアも「リンクドラリー」と定義され、ワークスチームの選手は、ポルトガルの最終SSを走り終えたクルマでサルディニアを戦わなくてはなりません。シャシー、エンジン、トランスミッション(スペアも含む)は、ポルトガルで使ったものをサルディニアで再使用するため、2戦を考えたマネージメントが求められます。
過去の成績
年 | ラリー・ポルトガル | ラリー・イタリア サルディニア | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
オィット・タナック | ヤリ-マティ・ラトバラ | クリス・ミーク | オィット・タナック | ヤリ-マティ・ラトバラ | クリス・ミーク | |
2018 | DNF | 24 | DNF | 9 | 7 | - |
2017 | 4 | 9 | 18 | 1 | 2 | DNF |
2016 | DNF | 6 | 1 | 5 | 2 | - |
2015 | 5 | 1 | 4 | 14 | 6 | 24 |
2014 | DNF | 14 | DNF | 21 | 3 | 18 |
2013 | - | 3 | - | - | 3 | - |
2018年のラリー・ポルトガル / ラリー・イタリア サルディニア
2018年のラリー・ポルトガルで、タナックはSS2で石に当たって冷却系にダメージを受け、完走を逃しました。一方、ラトバラはSS3でサスペンションを破損。しかし、その後再出走して速さを示しました。また、エサペッカ・ラッピはパワーステージを制し、総合5位でフィニッシュしました。続くサルディニアでは、3人のドライバー全員がポディウム争いに加わり、ラッピが総合3位に。ラリー開始後すぐにトラブルに見舞われ再出走組に回ったラトバラとタナックは、それぞれ総合7位と総合9位で完走しました。
- 2018年ラリー・ポルトガルの様子
- 2018年ラリー・イタリア サルディニアの様子
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、"ALL FOR WIN"を合い言葉に2019年シーズンを戦い抜きます。トリプルタイトル獲得を目指し、チーム一丸となって大きな目標にチャレンジします。皆さま、今シーズンも応援を宜しくお願い致します。
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