5月30日(木)、2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・ポルトガルのシェイクダウンが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(ヤリスWRC 5号車)が2番手タイムを、オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)が4番手タイムを、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が7番手タイムを記録。明日から始まるデイ1の森林ステージに向けて、クルマの最終確認および調整作業を行ないました。

- 5号車(クリス・ミーク、セブ・マーシャル)
欧州での今シーズン初グラベル(未舗装路)イベントとなるラリー・ポルトガルは、ポルトの東側で朝8時からシェイクダウンが行われました。シェイクダウンは、一般的なグラベルロードに続き、舗装路も混ざるミックスサーフェスのサーキットを走行する全長4.6kmのコース。ラリー本番のステージとは路面が異なる部分もありましたが、それでもチームと選手はドライコンディションの道で、クルマの最終調整を進めました。
ラリーは今晩、サービスパークが置かれるマトジニョスから南に約130km離れた、古都コインブラでセレモニアルスタートが行なわれます。そして、明日31日(金)の朝9時48分に、最初のSS1がスタートします。
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- <<トミ・マキネン(チーム代表)>>
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ドライバー達はシェイクダウンでクルマに満足し、良いタイムも出ました。特に、序盤の走行では我々のドライバーが上位を占めるなど、ポジティブな内容でした。ラリーのタイムにはまったく加算されないものですが、それでも良いスタートになったことは間違いありません。ラリーの前にポルトガルで非常に有効なテストを行ない、ドライバー達はクルマのセットアップに自信を持っているはずです。明日は彼らにとって未知なるステージであり、路面は滑りやすいルーズグラベルに覆われているため、出走順が大きく影響します。しかし、いかなるコンデイションでも彼らが速さを示してくれることを期待しています。
- <<オィット・タナック (ヤリスWRC 8号車)>>
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無事にシェイクダウンを走り終えました。クルマのフィーリングは良く、すべてが正常に機能していることを確認しました。ラリー・ポルトガルの雰囲気は素晴らしくステージも良いので、いつも楽しめます。シェイクダウンの時点で、既に多くの情熱的なラリーファンがステージに集まっていました。明日デイ1のステージは誰も走ったことがなく、我々にとっても困難なチャレンジになるでしょう。路面の下の部分は非常に硬く、出走順の違いにより路面のグリップ力が大きく変わるので、土曜日のデイ2で良い出走順を確保し、優勝争いに加わるためにも、まず金曜日にしっかりプッシュしなくてはなりません。
- <<ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)>>
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シェイクダウンでの最初の2回の走りはとても良く、クルマはラリー前のテスト時と同じくらい満足いく仕上がりでした。そこで、3回目と4回目の走行ではちょっとしたセッティングの変更を試したのですが、狙っていたような効果は得られず、タイムもやや遅くなってしまいました。ただし、それによってラリー本番ではどうするべきかが明確になったので、運転に集中することができます。このラリーのステージを私はとても気に入っているので、スタートがとても楽しみです。
- <<クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)>>
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今朝のシェイクダウンは上手く行きました。ラリー本番のステージとはあまり共通点がないコースでしたが、それでもクルマのフィーリングは良く、リズムも良かったので、この流れをラリー本番でも保ちたいと思います。今週は気温がかなり高くなりそうですし、長く、そして過酷なラリーになるでしょう。明日の金曜日の朝に関しては、ダストが大きな問題になる可能性があり、土曜日のロングステージではタイヤの摩耗に注意しなくてはなりません。とはいえ、私はこれまでこのラリーを常に楽しんできたので、今回も良いフィーリングで走れることを期待しています。
- <<ラリー・ポルトガル シェイクダウンの結果>>
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1 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 3m02.1s
2 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +0.1s
3 テーム・スニネン/マルコ・サルミネン (フォード フィエスタ WRC) +0.4s
4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +0.6
5 セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +0.6s
6 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +0.9s
7 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +1.1s
8 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +1.3s
9 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +1.7s
10 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタWRC) +1.7s
- <<明日のステージ情報>>
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競技初日となる5月31日(金)のデイ1は、サービスパークが置かれるマトジニョスの南側にあるアルガニルの周辺で、3本の森林ステージを各2回走行します。アルガニル周辺のステージは2001年大会以来となり、ほとんどの選手にとって初めて走るステージです。1日の最後には、ロウサダのラリークロスサーキットで全長3.36kmのスーパーSSが行なわれます。日中のフルサービスは設定されず、タイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換作業のみで1日を走り切ることになります。7本のSSの合計距離は94.50km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は533.90kmとなります。
- <<注目のステージ>>
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SS1/4 ロウザン 全長12.35km
- <<ミーカ・アンティラ(ヤリスWRC 10号車 コ・ドライバー)>>
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このラリー最初のSSは山脈を越える、非常に道幅が狭く、ヘアピンコーナーが続くテクニカルなステージです。その大部分が木々に囲まれており、現時点でドライコンディションなので、もし風があまり吹かない場合は空気中にダストが停滞し、視界が十分に得られない状態で走らなければなりません。